Microsoft Viva Copilot Dashboardの「All」表示とは?Copilot Analytics変更点と確認手順

2026年6月12日に更新されたMicrosoft 365ロードマップID「559475」では、Microsoft VivaのCopilot AnalyticsにあるCopilot Dashboardが変更されました。結論からいうと、導入状況ページの既定表示がMicrosoft 365 Copilotのライセンス保有者だけでなく、ライセンスを持たずにCopilot Chatを利用しているユーザーも含めた統合ビューになります。

一般ユーザー側でアプリを更新する必要はありません。一方、管理者やCopilot導入担当者は、[All]が全従業員を意味するわけではないことや、従来の数値と単純比較できない可能性を確認しておく必要があります。(Microsoft)

目次

Microsoft VivaのCopilot Dashboardは何が変わるのか

今回の変更対象は、Viva InsightsのCopilot Dashboardにある「Adoption」、つまりCopilotの導入・利用状況を確認するページです。

項目変更前変更後
既定の分析対象Microsoft 365 Copilotライセンス保有者Microsoft 365 CopilotとCopilot Chat利用者の統合ビュー
ライセンスフィルター主にライセンス保有者を分析[All][M365 Copilot][Copilot Chat]を切り替え
把握できる範囲有償ライセンス導入後の利用状況有償ライセンス導入前を含む、組織全体のCopilot利用状況
主な用途ライセンス活用率の確認Copilot利用者全体の把握とライセンス展開対象の検討

ロードマップでは、次の3つの表示を切り替えられると説明されています。

  • [All]:Microsoft 365 CopilotとCopilot Chatをまとめた表示
  • [M365 Copilot(licensed)]:Microsoft 365 Copilotライセンス保有者
  • [Copilot Chat(unlicensed)]:Microsoft 365 Copilotライセンスを持たず、Copilot Chatを利用しているユーザー

これにより、「有償ライセンスを配布したユーザーのうち何人が使っているか」だけでなく、「ライセンス未付与の段階からCopilot Chatを使っている従業員がどの程度いるか」も確認しやすくなります。(Microsoft)

[All]は全従業員を意味しない

最も間違えやすいのが、[All]の解釈です。

[All]に表示されるのは、原則としてMicrosoft 365 CopilotまたはCopilot Chatの利用状況が分析対象になっているユーザーです。テナント内の全アカウントや、Copilotを一度も利用していない全従業員が無条件に表示されるという意味ではありません。

また、[Copilot Chat]の「unlicensed」は、Microsoft 365自体のライセンスを一切持っていないユーザーという意味ではありません。ここでは、主にMicrosoft 365 Copilotの追加ライセンスを持たず、無償範囲のCopilot Chatを利用している組織ユーザーを指します。

誰に影響する変更なのか

今回の変更は、Copilotを直接使う一般ユーザーよりも、利用状況を分析する担当者への影響が大きい機能です。

対象者主な影響
Microsoft 365管理者・AI管理者ダッシュボードへのアクセス設定、ライセンス数、データ反映状況の確認が必要
Copilot導入担当者有償版とCopilot Chatを分けて利用率を評価できる
経営層・部門責任者組織全体のCopilot利用状況を把握しやすくなる
データ分析・レポート担当者既存レポートの母集団やKPI定義を見直す必要がある
一般ユーザーCopilotの操作画面や利用方法に直接的な変更はない

特に、これまで「Copilot利用率」をMicrosoft 365 Copilotライセンス保有者だけで集計していた組織は注意が必要です。[All]の数値にはCopilot Chat利用者も含まれるため、過去のライセンス保有者限定データとそのまま比較すると、急に利用者が増えたように見える可能性があります。

提供時期・対象環境・ライセンス条件

ロードマップ上の提供情報は次のとおりです。

確認項目内容
ロードマップID559475
対象サービスMicrosoft Viva、Microsoft Copilot(Microsoft 365)
プラットフォームWeb
プレビュー2026年3月
一般提供2026年4月
ステータスLaunched
対象クラウドWorldwide Standard Multi-Tenant
最終更新2026年6月12日

すでに一般提供済みのステータスであるため、利用者がクライアントアプリを更新したり、管理者が移行期限までに作業したりする種類の変更ではありません。Webサービス側で反映されます。(Microsoft)

ダッシュボードを見る人にCopilotライセンスは必要か

Microsoft Copilot Dashboard自体は、法人向けまたは大企業向けのMicrosoft 365/Office 365サブスクリプションと、有効なExchange Onlineアカウントがあれば利用対象になります。ダッシュボードを見る人自身に、有償のViva InsightsライセンスやMicrosoft 365 Copilotライセンスが必須というわけではありません。(Microsoft Learn)

ただし、「ダッシュボードへのアクセス条件」と「利用できる分析機能の範囲」は別です。

現行のMicrosoft公式ドキュメントでは、[All]ライセンス種別ビューを含む全機能は、次のいずれかを満たすテナントで提供されると整理されています。

  • Microsoft 365 Copilotの割り当て済みライセンスが50以上
  • Viva Insightsの割り当て済みライセンスが50以上

Microsoft 365 Copilotライセンスが1~49のテナントでも、Microsoft 365 CopilotとCopilot Chatの導入状況は確認できますが、両方を統合する[All]ビューは機能可用性表上では対象外です。画面に[All]が表示されない場合は、まずテナントの割り当て済みライセンス数を確認してください。(Microsoft Learn)

管理者が確認する手順

Copilot Dashboardで[All]を確認する

  1. Viva InsightsのWebアプリを開きます。
  2. 左側メニューから[Copilot Dashboard]を選択します。
  3. [Adoption]ページを開きます。
  4. 画面左上の[License]フィルターを確認します。
  5. [All][Microsoft 365 Copilot][Copilot Chat]を切り替え、表示人数と利用率を比較します。

Copilot Chatの項目は、テナントでCopilot Chatのレポートが有効になっている場合に表示されます。[Copilot Chat]自体が見つからない場合は、Microsoft 365管理センターのCopilot Chat利用状況レポートでもデータが取得できているか確認すると、アクセス設定の問題とデータ収集の問題を切り分けやすくなります。(Microsoft Learn)

ダッシュボードにアクセスできない場合

AI管理者またはグローバル管理者は、Microsoft 365管理センターでアクセス対象を確認します。

  1. Microsoft 365管理センターの[設定]を開きます。
  2. [Microsoft Viva]から[Viva Insights]を選択します。
  3. [セットアップと管理]を開きます。
  4. Microsoft Copilot Dashboardのアクセス設定を選択します。
  5. 対象のユーザーまたはMicrosoft Entra IDグループを追加します。

ユーザーやグループを追加・削除した場合、変更の反映には最大24時間かかることがあります。また、Viva Insights Webアプリ全体が無効になっていると、Copilot Dashboardだけでなく、Copilot Analyticsレポートや高度な分析機能も利用できません。(Microsoft Learn)

数値がすぐに反映されない場合

新しくCopilotまたはViva Insightsライセンスを割り当てた後、データ処理が開始されてダッシュボードに表示されるまで、最大7日かかる場合があります。すでにダッシュボードが有効なテナントでも、新規ライセンスの割り当てが分析対象へ反映されるまで同程度の時間が必要です。(Microsoft Learn)

また、Copilot Dashboardは主に直近28日間を分析し、データに最大6日程度の遅延が生じることがあります。一方、Microsoft 365管理センターの利用状況レポートは7日、30日、90日、180日から期間を選択でき、通常は活動日の終了後72時間以内に反映されます。期間と更新タイミングが異なるため、両者の数値が完全に一致しない場合があります。(Microsoft Learn)

設定・更新・移行・料金・期限で確認すべきこと

項目管理者が確認する内容
設定Viva Insights WebアプリとCopilot Dashboardへのアクセスが有効か
更新Web側の変更なので、PCやMicrosoft 365アプリの手動更新は原則不要
移行データ移行や既存レポートの変換作業は不要
料金今回の機能に対する新しい個別料金は発表されていない
ライセンス閲覧者のライセンス条件と、[All]ビューの提供条件を分けて確認
期限管理者作業の締め切りは示されておらず、一般提供済み
データ新規ライセンスやアクセス変更が即時反映されない点に注意
対象環境ロードマップ上はWorldwide Standard Multi-TenantのWeb環境

料金面では、ダッシュボードを見るためだけに閲覧者全員へMicrosoft 365 Copilotライセンスを追加する必要はありません。ただし、[All]ビューなど利用できる機能はテナント全体のCopilotまたはViva Insightsライセンス数によって異なります。

Copilot導入効果を正しく判断するポイント

[All]と[M365 Copilot]を分けて評価する

Copilotの普及状況と、有償ライセンスの投資効果は別の指標です。

たとえば、[All]では利用者が多くても、[M365 Copilot]のアクティブ率が低ければ、有償ライセンスを配布したユーザーへの研修や活用支援が不足している可能性があります。反対に、[Copilot Chat]の利用者が多い部門は、Microsoft 365 Copilotライセンスの追加候補として検討できます。

実務では、次のように使い分けると判断しやすくなります。

  • [All]:組織全体でAI利用がどこまで浸透しているか
  • [M365 Copilot]:有償ライセンスが実際に活用されているか
  • [Copilot Chat]:潜在的なライセンス需要がどこにあるか

レポートにはフィルター条件を明記する

月次報告や経営会議資料にCopilot Dashboardの数値を掲載する場合は、少なくとも次の条件を併記してください。

  • ライセンスフィルター
  • 集計期間
  • 対象組織・部門
  • アクティブユーザーの定義
  • データ取得日

「Copilot利用者数」だけを記載すると、それがMicrosoft 365 Copilotライセンス保有者なのか、Copilot Chatを含む人数なのか判断できません。今回の変更後は、レポート名を「Copilot利用者数(All)」や「Microsoft 365 Copilotアクティブユーザー数」のように具体化すると、誤解を防げます。

まず実施すべきこと

管理者やCopilot導入担当者は、Viva InsightsのCopilot Dashboardを開き、[License]フィルターに[All]が表示されるか確認してください。表示されない場合は、アクセス権、Copilot Chatレポート、割り当て済みライセンス数、データ反映までの経過日数を順に確認します。

[All]が利用できる場合は、従来のMicrosoft 365 Copilotライセンス保有者限定の数値と混在させず、今後のレポートで使用する母集団とKPIを決め直すことが重要です。今回の変更は単なる画面追加ではなく、「有償ライセンスの利用率」と「組織全体のCopilot普及率」を分けて判断するための更新と捉えると、ライセンス配布や研修対象を決めやすくなります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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