Microsoft Learn の「InternetExplorerIntegrationLevel」は、Microsoft EdgeでIEモードを利用するための基礎となるブラウザーポリシーです。
結論から言うと、現行の公式ページには、新しい設定値の追加、料金改定、2026年6月15日を期限とする移行措置は掲載されていません。管理者が確認すべきポイントは、Windows端末で値をIEMode(1)にしているか、対象サイトをエンタープライズモードサイトリストで別途指定しているか、設定後にEdgeを再起動したかの3点です。(Microsoft Learn)
なお、2026年6月15日付の更新情報として参照している場合でも、当該Microsoft Learnページに表示されている最終更新日は2026年5月22日です。6月15日を機能提供日や移行期限と解釈しないよう注意してください。(Microsoft Learn)
Microsoft Learnで確認できるInternetExplorerIntegrationLevelの変更点
公式ページには旧版との差分や変更履歴が掲載されていません。そのため、更新日だけを根拠に「IEモードの動作が変更された」と判断するのは避け、次の現行仕様を確認するのが適切です。
| 確認項目 | 現行の公式仕様 | 実務上の判断 |
|---|---|---|
| ページの最終更新日 | 2026年5月22日 | 2026年6月15日は設定期限として扱わない |
| 設定値 | None(0)、IEMode(1)、NeedIE(2) | 通常のIEモード運用では1を使用 |
| 対応環境 | Windows版Microsoft Edge 77以降 | macOS、Android、iOSには適用できない |
| 配布方法 | 必須ポリシーとして設定可能 | 推奨ポリシーとしてユーザーに上書きさせる運用はできない |
| 設定反映 | 動的更新には非対応 | Microsoft Edgeの再起動が必要 |
| レジストリ | REG_DWORD | 値1がIEモード |
| 料金・期限 | 新しい記載なし | 料金改定や新たな移行期限は確認できない |
グループポリシーではMSEdge.admxの「Internet Explorer 統合を構成する」を使用します。レジストリの値名はInternetExplorerIntegrationLevelです。(Microsoft Learn)
InternetExplorerIntegrationLevelとは
InternetExplorerIntegrationLevelは、Microsoft EdgeでInternet Explorerとの統合をどのレベルで利用するかを決めるポリシーです。
ただし、このポリシーだけでは「どのWebサイトをIEモードで開くか」は決まりません。企業での典型的な構成は次の組み合わせです。
InternetExplorerIntegrationLevel(IEモードの有効化)
+エンタープライズモードサイトリスト(対象URLの指定)
つまり、InternetExplorerIntegrationLevelはIEモードを利用できる状態にする設定であり、対象サイトを選ぶ設定ではありません。Microsoftも、IEモードの構成手順として、IE統合の設定とサイトのリダイレクト設定を分けて案内しています。(Microsoft Learn)
設定値ごとの違い
| 値 | ポリシー名 | 動作 | 選択の目安 |
| -: | —— | —————————— | ——————- |
| 0 | None | IE統合を使用しない | IEモードを明示的に禁止する場合 |
| 1 | IEMode | Microsoft Edge内のIEモードで開く | 通常の企業運用で使用 |
| 2 | NeedIE | Internet Explorer 11を指定する旧来の設定 | 既存環境の確認対象。新規設定では避ける |
None(0)を設定すると、ユーザーがedge://flagsやコマンドラインからIEモードを構成することも防止できます。
NeedIE(2)はInternet Explorer 11を指定する値ですが、IE11デスクトップアプリのサポート終了後は、実質的にIEモードと同様に動作します。既存環境で値2が残っている場合は、設定意図を明確にするため、検証後にIEMode(1)へ統一すると管理しやすくなります。(Microsoft Learn)
誰に影響するのか
主な影響対象は、Windows端末と社内Webシステムを管理している組織です。
直接影響を受ける担当者
- Active Directoryのグループポリシーを管理する担当者
- Microsoft IntuneでEdgeポリシーを配布している担当者
- IE依存の業務システムを管理する担当者
- 社内ヘルプデスクや端末展開担当者
- ActiveXや旧ドキュメントモードを利用するWebシステムの開発担当者
一般ユーザーは自分でポリシーを変更する必要はありません。ただし、管理者が設定を変更した後は、開いているMicrosoft Edgeをすべて終了し、再起動する必要があります。
macOS、Android、iOSではInternetExplorerIntegrationLevelがサポートされていないため、これらの端末にポリシーを配布してもIEモードは利用できません。(Microsoft Learn)
グループポリシーで設定する手順
Active Directoryまたはローカルグループポリシーを使用する場合は、次の手順で設定します。
- 最新のMicrosoft Edgeポリシーテンプレートを用意する
- グループポリシーエディターを開く
- 「コンピューターの構成」または「ユーザーの構成」を開く
- 「管理用テンプレート」から「Microsoft Edge」を開く
- 「Internet Explorer 統合を構成する」を開く
- 「有効」を選択する
- オプションで「Internet Explorer モード」を選択する
- エンタープライズモードサイトリストを別途設定する
- 対象端末へポリシーを反映する
- Microsoft Edgeを再起動する
Active Directoryのポリシーをすぐに更新する場合は、対象端末のコマンドプロンプトまたはPowerShellで次を実行します。
gpupdate /force
その後、Microsoft Edgeで次のページを開きます。
edge://policy
InternetExplorerIntegrationLevelの値が1になり、エラーが表示されていないことを確認してください。Edgeを開いたままポリシーを変更した場合は、ブラウザーを閉じてから再度開く必要があります。(Microsoft Learn)
Intuneで設定する手順
Microsoft Intuneでは、Windows用の設定カタログからEdgeポリシーを配布できます。
- Intuneのデバイス構成画面を開く
- Windows 10以降を対象に設定カタログを作成する
- Microsoft Edgeの設定を追加する
- 「Internet Explorer 統合を構成する」を検索する
- ポリシーを有効にして「Internet Explorer モード」を選択する
- 最初は検証用の少人数グループへ割り当てる
- 端末同期後に
edge://policyで反映を確認する - 業務テスト完了後に対象グループを拡大する
管理画面の項目名や配置は更新される可能性があります。画面をたどって見つからない場合は、表示名ではなく「Internet Explorer 統合を構成する」またはInternetExplorerIntegrationLevelで検索すると見つけやすくなります。(Microsoft Learn)
レジストリで単体検証する方法
検証用PCで動作だけを確認する場合は、管理者権限のコマンドプロンプトから次のコマンドを実行できます。
reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge" /v InternetExplorerIntegrationLevel /t REG_DWORD /d 1 /f
設定値を確認するコマンドは次のとおりです。
reg query "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge" /v InternetExplorerIntegrationLevel
実行後はMicrosoft Edgeを再起動し、edge://policyでも確認してください。公式仕様では、値名はInternetExplorerIntegrationLevel、型はREG_DWORD、IEモードの値は1です。(Microsoft Learn)
本番端末を個別にレジストリ編集すると、設定の所在や変更履歴が分からなくなりやすいため、組織運用ではグループポリシーまたはIntuneによる一元管理が適しています。
また、値を0にすることと、ポリシーを未構成に戻すことは同じではありません。0はIE統合を明示的に禁止する設定です。切り戻し時は、無効化したいのか、管理対象から外したいのかを決めてから操作してください。
サイトリストも必ず確認する
InternetExplorerIntegrationLevelを1にしても、対象URLが指定されていなければ業務サイトは自動的にIEモードで開きません。
対象サイトは、エンタープライズモードサイトリストで管理します。ブラウザー内の管理ツールは次のURLから開けます。
edge://compat/SiteListManager
このツールでは、対象URLの追加、互換モードの指定、コメントの記録、XMLへのエクスポートができます。XMLを更新するときは、以前のファイルと区別できるようにバージョン番号も更新します。(Microsoft Learn)
端末が現在読み込んでいるサイトリストは、次のページで確認できます。
edge://compat/enterprise
IEモード全体の診断には、次のページを使用します。
edge://compat/iediagnostic
edge://compat/iediagnosticでは、レジストリ、IEモードの有効状態、コマンドライン、適用済みグループポリシーなどを確認できます。(Microsoft Learn)
サイトリスト更新がすぐ反映されない場合
Microsoft Edge 110以降では、更新間隔を別途構成していない場合、エンタープライズモードサイトリストの既定の更新間隔は7日間です。
そのため、XMLを差し替えただけでは、端末側の表示がすぐに変わらないことがあります。更新頻度を短くする場合は、InternetExplorerIntegrationSiteListRefreshIntervalを設定します。指定できる最小値は30分です。緊急性だけでなく、端末数や配信サーバーへの負荷も考慮して設定してください。(Microsoft Learn)
移行時に確認すべきポイント
IEモードの設定変更は、ポリシーが表示された時点で完了ではありません。実際の業務操作までテストする必要があります。
| 確認項目 | 判断基準 |
|---|---|
| ポリシー値 | IEMode(1)を基本とする |
既存の値2 | 動作確認後に1への統一を検討する |
| 対象サイト | 必要なURLだけをサイトリストへ登録する |
| 認証 | Windows認証、SSO、再ログインが正常か確認する |
| 画面遷移 | ポップアップ、新しいウィンドウ、リダイレクトを確認する |
| ファイル操作 | アップロード、ダウンロード、印刷、PDF出力を確認する |
| セッション | EdgeモードとIEモード間でログイン状態が維持されるか確認する |
| 切り戻し | 変更前のXMLとポリシー設定を保存しておく |
| 展開方法 | 少人数の検証グループから段階的に広げる |
「すべてのイントラネットサイトをIEモードにする」設定は、管理が簡単に見える一方で、対象範囲が広がりやすい点に注意が必要です。ドットを含まないホスト名や、プロキシを経由しないサイトがイントラネットとして判定されることがあります。Microsoftも、個別のエンタープライズモードサイトリストを推奨しています。(Microsoft Learn)
料金と期限はどうなるのか
InternetExplorerIntegrationLevelの公式ポリシーページには、追加料金、新しい有償プラン、料金改定に関する記載はありません。今回のドキュメント更新を理由に、新たな費用が発生すると判断する必要はありません。
ただし、Intuneやクラウドベースのサイトリスト管理を利用している場合は、現在契約しているライセンスと管理権限の範囲を確認してください。
期限については、次の3つの日付を混同しないことが重要です。
| 日付・期間 | 意味 |
|---|---|
| 2022年6月15日 | 特定OSにおけるIE11デスクトップアプリのサポート終了日 |
| 2026年5月22日 | 現行のInternetExplorerIntegrationLevelページに表示される最終更新日 |
| 2026年6月15日 | 当該ページ上では移行期限や提供開始日として記載されていない |
| 少なくとも2029年まで | サポート対象OS上でIEモードがサポートされる予定の期間 |
Microsoftは、サポート対象のOSでIEモードを少なくとも2029年までサポートし、終了する場合は1年以上前に通知すると説明しています。ただし、Windows自体のサポート期限は別に確認する必要があります。(Microsoft Learn)
よくある疑問
InternetExplorerIntegrationLevelを1にすれば、すべての社内サイトがIEモードになりますか
なりません。値1はIEモードを利用可能にする設定です。対象URLは、エンタープライズモードサイトリストなどで別途指定します。
設定変更後にWindowsの再起動は必要ですか
公式仕様で求められているのはMicrosoft Edgeの再起動です。グループポリシーが届いていない場合はgpupdate /forceを実行し、開いているEdgeをすべて終了してから再度起動します。
NeedIEの値2を設定すればInternet Explorer 11が起動しますか
IE11デスクトップアプリが利用できなくなった環境では、値2もIEモードと同様に動作します。スタンドアロンのIE11を復活させる設定ではありません。
Macやスマートフォンでも利用できますか
利用できません。InternetExplorerIntegrationLevelはWindows版Microsoft Edge向けのポリシーであり、macOS、Android、iOSはサポート対象外です。
2026年6月15日までに設定を変更する必要がありますか
当該Microsoft Learnページには、その日を期限とする記載はありません。ページ上の最終更新日は2026年5月22日です。更新通知の日付だけで作業期限を決めず、Microsoftのライフサイクル情報と自社システムの移行計画を基準にしてください。
管理者が今すぐ確認すべきこと
まず、対象端末のedge://policyを開き、InternetExplorerIntegrationLevelが意図した値になっているか確認します。IEモードを継続する場合は、原則としてIEMode(1)を使用します。
続いて、edge://compat/enterpriseでサイトリストの取得状況と対象URLを確認してください。設定を更新した直後に反映されない場合は、サイトリストのバージョン番号と更新間隔を確認します。
最後に、認証、画面遷移、ファイル操作、印刷まで含めて業務テストを行い、問題がなければ対象ユーザーを段階的に拡大します。IEモードは既存システムを維持するための互換機能です。継続運用と並行して、対象サイトを通常のEdgeモードへ移行する計画も進めておくことが重要です。

コメント