Microsoft Learn「Configure Microsoft Edge for macOS using a property list」の変更点と対応

Microsoft Learnの「Configure Microsoft Edge for macOS using a property list.」は、macOS版Microsoft Edgeのポリシーをプロパティリスト(plist)で作成し、Microsoft IntuneやJamfから配布する管理者向け資料です。

結論からいうと、一般ユーザーが設定を変更する必要はありません。管理者は、Preference Domainの表記、Intuneへアップロードするファイル形式、Settings catalogとの使い分けを確認してください。今回の情報はEdgeの新機能、料金改定、強制移行を告知するものではありません。(Microsoft Learn)

なお、指定された公開・更新日は2026年6月15日ですが、本稿確認時点で対象ページに表示されている最終更新日は2026年4月10日です。ページ内には編集履歴や6月15日固有の差分が掲載されていないため、本記事では2026年6月15日時点で確認できる公式内容を基準に、実務への影響を整理します。(Microsoft Learn)

目次

Microsoft Learnの変更点として確認すべき内容

対象ページは、macOS版Microsoft Edgeの動作そのものを変更するリリースノートではありません。plistの作成方法とMDMによる配布方法を説明する構成ガイドです。

実務上の確認ポイントは次のとおりです。

確認項目公式情報の内容必要な対応
対象macOS版Microsoft Edgeのポリシー管理管理対象のMacがある組織のみ確認
Preference Domaincom.microsoft.Edge大文字・小文字を含めて既存設定を点検
ファイル名com.microsoft.Edge.plistチャネル名を付けない
Intuneへのアップロード内容キーと値だけを含めるXMLヘッダーや外側のタグを削除
Intuneでの配布macOSの「Preference file」プロファイルを使用テストグループへ先行配布
Jamfでの配布Custom Settings payloadとして登録既存ペイロードとの重複を確認
Settings catalogEdge 77以降で利用可能対応項目はSettings catalogを優先
料金・期限対象ページに変更の記載なし契約変更や期限対応は不要

公式ページでは、plistをテキストエディター、ターミナル、Xcodeなどで作成し、IntuneまたはJamfから配布する流れが示されています。(Microsoft Learn)

影響を受けるユーザーと管理者

対象影響
個人所有のMacを使う一般ユーザー原則として影響なし
会社管理のMacを使うユーザー管理者がポリシーを変更した場合のみ、Edgeの設定や利用可能な機能が変わる
Microsoft Intune管理者plistの形式、Preference Domain、割り当て先の確認が必要
Jamf管理者Custom Settings payloadと既存ポリシーの確認が必要
Settings catalogだけを使う管理者原則として移行不要。対象設定がカタログに存在するか確認
MDMを利用していない組織今回のページによる直接的な対応は不要

Intuneでplistを配布するには、対象のMacがIntuneへ登録され、MDM管理下にある必要があります。また、プロファイルを作成する管理者には適切なIntuneロールが必要です。(Microsoft Learn)

最も注意したいのは「com.microsoft.Edge」の表記

Microsoft Edge専用ページでは、Preference Domainとplistのファイル名を次のように指定しています。

com.microsoft.Edge
com.microsoft.Edge.plist

この文字列は大文字・小文字が区別されます。Stable、Beta、Devなどのチャネル名を末尾に追加する必要もありません。Edgeビルド78.0.249.2以降は、すべてのチャネルが共通のcom.microsoft.Edgeを参照します。(Microsoft Learn)

注意したいのは、Intuneの汎用的なplist解説ページに、Preference Domainの例としてcom.Microsoft.Edgeと記載されている箇所があることです。Edge専用ページではcom.microsoft.Edgeを大文字・小文字まで明確に指定しているため、実際の設定ではEdge専用ページに合わせて小文字のmicrosoftを使用するのが安全です。(Microsoft Learn)

既存プロファイルを確認するときは、次のような表記が残っていないか検索してください。

com.microsoft.Edge.Dev
com.microsoft.Edge.Beta
com.Microsoft.Edge

古いチャネル別のPreference Domainを使っている場合は、現在使用しているEdgeとMDMプロファイルの反映状況を確認したうえで、共通のcom.microsoft.Edgeへ整理します。

Intuneへアップロードするplistの形式

公式手順では、ターミナルから次のようにサンプルのplistを作成できます。

/usr/bin/defaults write ~/Desktop/com.microsoft.Edge.plist RestoreOnStartup -int 1
/usr/bin/plutil -convert xml1 ~/Desktop/com.microsoft.Edge.plist

ただし、Intuneへアップロードするファイルには、外側の<plist><dict>、XMLヘッダーを含めません。キーと値の組み合わせだけを残します。(Microsoft Learn)

例えば、アップロードする内容は次のような形式です。

<key>RestoreOnStartup</key>
<integer>1</integer>

次のような完全なplistをそのままアップロードしないよう注意してください。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<plist version="1.0">
<dict>
    <key>RestoreOnStartup</key>
    <integer>1</integer>
</dict>
</plist>

なお、RestoreOnStartupと値1は公式ページの作成例です。すべての組織に推奨される設定値ではありません。導入するポリシー名、データ型、macOSの対応状況は、最新のMicrosoft Edgeポリシーリファレンスで個別に確認してください。(Microsoft Learn)

Settings catalogとplistのどちらを使うべきか

Microsoft Intuneでは、Microsoft Edge 77以降をSettings catalogから設定できます。公式情報でも、対象設定がSettings catalogにある場合はカタログを使用し、見つからない場合にPreference fileを使用するよう案内されています。(Microsoft Learn)

判断基準Settings catalogplist
設定項目がカタログにある推奨原則不要
XMLを手作業で編集したくない適している入力ミスに注意
ユーザー単位とデバイス単位を区別したい適しているデバイス全体が対象
カタログにないEdgeポリシーを配布したい利用できない場合がある利用を検討
Jamfなど別のMDMを利用している製品の対応状況によるCustom Settingsなどで利用可能
既存のplist運用を継続したい段階移行が可能継続可能

Settings catalogでは、設定名に(User)(Device)が表示される項目があり、適用範囲を判断しやすくなっています。一方、IntuneのPreference fileはデバイスチャネルを対象とし、端末全体へ適用されます。ユーザーごとに異なる設定を配布したい場合は、plistだけで実現しようとせず、Settings catalogの対象範囲を確認してください。(Microsoft Learn)

また、同じEdgeポリシーをSettings catalogとplistの両方で管理すると、異なる値が設定された際に原因を特定しにくくなります。ポリシーごとに管理元を一つに決めておくことが重要です。

IntuneでMicrosoft Edgeのplistを配布する手順

ポリシー名と対応状況を確認する

Microsoft Edgeのポリシーリファレンスを開き、設定したいポリシーについて次の項目を確認します。

  • 正確なポリシー名
  • macOSへの対応状況
  • 対応するEdgeのバージョン
  • 文字列、整数、真偽値、配列などのデータ型
  • 必須ポリシーと推奨ポリシーの違い

古いplistを流用する場合も、廃止または非推奨になったポリシーが含まれていないか確認してください。Microsoft Edgeのポリシー一覧は継続的に更新されています。(Microsoft Learn)

plistを作成する

Xcode、テキストエディター、ターミナルなどでplistを作成します。ポリシーテンプレートに含まれるitadminexample.plistもデータ型の確認に利用できます。(Microsoft Learn)

ファイル名は次のとおりです。

com.microsoft.Edge.plist

Intune用の形式へ整える

Intuneへアップロードするコピーから、次の要素を削除します。

  • XMLヘッダー
  • <plist></plist>
  • <dict></dict>

削除後、キーと値が正しく対になっているか確認します。Intuneはアップロードされたplistの設定内容を検証しないため、形式に誤りがあっても作成時点では気付けない場合があります。(Microsoft Learn)

Intuneでプロファイルを作成する

Intune管理センターで、次の順に進みます。

Devices
→ Manage devices
→ Configuration
→ Create
→ New policy

設定内容は次のとおりです。

項目選択内容
PlatformmacOS
Profile typeTemplates
TemplatePreference file
Preference domain namecom.microsoft.Edge
Property list file作成したplistまたはXMLファイル

プロファイルを作成したら、最初から全社へ割り当てず、検証用の端末または少人数のグループへ配布します。(Microsoft Learn)

Edgeで反映結果を確認する

ポリシー配布後、対象のMacでMicrosoft Edgeを起動し、アドレスバーに次を入力します。

edge://policy

設定したポリシー名、値、適用状態が表示されているか確認します。反映されない場合は、Preference Domain、plistのデータ型、プロファイルの割り当て先、端末のチェックイン状況を順番に点検してください。Microsoft Learnでも、Edgeポリシーの確認先としてedge://policyが案内されています。(Microsoft Learn)

既存環境を更新・移行するときの確認項目

既存のplist運用をSettings catalogへ移行することは必須ではありません。対象ページには、plistの廃止日や強制的な移行期限は記載されていません。

移行する場合は、次の順序で進めます。

  1. 現在のplistとIntuneプロファイルを保存する
  2. plist内のポリシー名と値を一覧化する
  3. Settings catalogで同じ項目を検索する
  4. ユーザー設定かデバイス設定かを確認する
  5. 検証用プロファイルを作成する
  6. 少数のMacへ割り当てる
  7. edge://policyで結果を比較する
  8. 問題がなければ既存plistの割り当てを段階的に解除する

同じポリシーを新旧両方のプロファイルから異なる値で配布しないことが重要です。Intuneでは、同じ設定に異なる値を指定すると競合として報告される場合があります。(Microsoft Learn)

設定・更新・料金・期限の確認先

項目今回の結論管理者が確認する内容
設定plistの作成・配布手順を確認Preference Domain、データ型、適用範囲
Edge本体の更新今回のページでは変更なしEdgeのリリースノートとUpdate policiesを別途確認
移行Settings catalogへの強制移行なしカタログに存在する設定から段階的に移行
料金対象ページに料金改定の記載なしIntuneやJamfの既存契約を確認
期限移行期限・廃止期限の記載なしMicrosoft Learnの更新を継続監視

Edge本体の更新方法や更新頻度を制御するポリシーは、今回のplist作成ページではなく、Microsoft Edge Update Policy Documentationで管理されています。ブラウザのバージョン管理とEdgeの機能ポリシーを混同しないようにしてください。(Microsoft Learn)

失敗しやすいポイント

Preference Domainの大文字・小文字が違う

com.Microsoft.Edgecom.microsoft.edgeではなく、Edge専用ページに記載されたcom.microsoft.Edgeを使用します。

plist全体をIntuneへアップロードする

XMLヘッダーや<plist><dict>を残したままアップロードすると、公式手順で求められる形式と異なります。Intune用ファイルはキーと値だけにします。

ユーザー設定をplistで配布しようとする

IntuneのPreference fileはデバイス全体を対象にします。ユーザー単位の制御が必要な場合は、Settings catalogの(User)項目を確認します。

ポリシーのデータ型を推測する

整数を文字列として登録するなど、データ型を間違えると期待どおりに反映されません。最新のポリシーリファレンスで確認してから作成します。

検証せず全端末へ割り当てる

Intuneはplist内の設定を事前検証しません。必ずテスト用Macへ配布し、edge://policyと実際のブラウザ動作を確認します。(Microsoft Learn)

今回必要な対応のまとめ

一般ユーザーに必要な操作はありません。Microsoft IntuneまたはJamfでmacOS版Microsoft Edgeを管理している担当者は、まず既存プロファイルを開き、次の4点を確認してください。

  • Preference Domainがcom.microsoft.Edgeになっているか
  • Intuneへ渡すファイルがキーと値だけになっているか
  • Settings catalogとplistで同じポリシーを重複管理していないか
  • 本番配布前にテスト端末でedge://policyを確認しているか

対象ページには、料金変更、強制移行、対応期限の告知はありません。既存環境を急いで作り直すのではなく、現在の設定を棚卸しし、Settings catalogで管理できる項目から段階的に整理するのが現実的な対応です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

コメント

コメントする

目次