Provision favorites for Microsoft Edgeの変更点と設定手順

「Provision favorites for Microsoft Edge」は、企業や学校の管理者が、社内ポータルや業務システムなどのお気に入りをMicrosoft Edgeへ一括配布するための仕組みです。

結論として、2026年6月15日時点で確認できる内容は、一般ユーザー向けの新機能や有料化ではありません。管理者がEdgeの画面上でお気に入りを作成し、エクスポートした設定値を「ManagedFavorites」ポリシーへ登録できるようにする管理手順です。配布されたお気に入りは管理対象となり、ユーザー自身では編集できません。(Microsoft Learn)

なお、指定されたMicrosoft Learnページに表示される最終更新日は、英語版が2024年1月12日、日本語版が2025年3月17日です。少なくとも指定ページ上では、2026年6月15日付の新たな提供開始、移行期限、料金変更は確認できません。2026年の新機能というより、以前から利用できるEdgeのお気に入り管理機能を改めて確認する内容と捉えるのが適切です。(Microsoft Learn)

目次

Windows / Edgeの「Provision favorites for Microsoft Edge」で何が変わるのか

主な変更点は、管理対象のお気に入りを作る作業が簡単になったことです。

Microsoft Edgeバージョン85以降では、管理者が複雑な設定値を最初から手作業で記述しなくても、Edgeの画面でお気に入りとフォルダーを作成し、グループポリシー用の構成をエクスポートできます。

比較項目従来の作成方法Provision favorites利用時
お気に入りの構成JSON形式の設定値を手作業で作成Edgeの画面でお気に入りを作成
フォルダー階層記述ミスが起きやすい画面上で階層を確認できる
ポリシーへの登録作成した値を手動で整形エクスポートした値を貼り付ける
ユーザーによる編集管理方法による管理対象のお気に入りは編集不可
アカウント同期構成による管理対象のお気に入りは同期されない

改善されたのは、あくまでポリシー設定値の作成方法です。ユーザーのお気に入りを自動移行する機能や、通常のお気に入りをクラウドで共有する機能ではありません。(Microsoft Learn)

Provision favorites for Microsoft Edgeの影響範囲

影響を受けるのは、主にMicrosoft Edgeを組織で管理している管理者と、その管理対象デバイスを利用するユーザーです。

対象影響
Active Directory管理者グループポリシーで共通のお気に入りを配布できる
Microsoft Intune管理者設定カタログからEdgeポリシーをクラウド配布できる
管理対象のWindowsユーザーEdgeに管理対象のお気に入りフォルダーが表示される
個人利用のみのユーザー通常は対応不要
個人のMicrosoftアカウントでサインインしたプロファイルManagedFavoritesポリシーの適用対象外
拡張機能管理対象のお気に入りを変更できない

ManagedFavoritesはプロファイル単位で適用でき、動的なポリシー更新に対応しています。一方、ユーザーが上書きできる「推奨ポリシー」としては設定できず、必須ポリシーとして配布します。(Microsoft Learn)

一般ユーザーに見える変化

管理者がポリシーを配布すると、Edgeのお気に入り内に「管理されているお気に入り」などの専用フォルダーが表示されます。

ユーザーは登録されたリンクを開けますが、次の操作はできません。

  • 管理対象リンクの名前変更
  • URLの変更
  • 管理対象リンクの削除
  • 管理対象フォルダーへのリンク追加
  • 拡張機能による内容の書き換え

お気に入りバーからフォルダーを非表示にすることはできます。また、ユーザーが自分で登録した通常のお気に入りは、管理対象のお気に入りとは別に扱われます。(Microsoft Learn)

グループポリシーでお気に入りを配布する手順

公式手順では、Edgeの管理者向けエクスポート機能を有効にしてから、お気に入りの構成を作成します。

事前準備

次の環境を確認してください。

確認項目内容
Microsoft Edgeエクスポート機能の手順はバージョン85以降
管理用テンプレート現在のEdgeに対応するMSEdge.admx
作業用プロファイル普段使用していない新規プロファイルを推奨
配布方法Active Directory GPO、ローカルGPO、Intuneなど
テスト端末本番配布前に確認できる管理対象端末

作業用に新しいEdgeプロファイルを用意することが重要です。エクスポート時には、そのプロファイルに保存されているお気に入りが構成に含まれます。普段使いのプロファイルで作業すると、個人的なリンクや不要なサイトまで配布する恐れがあります。(Microsoft Learn)

Edgeでお気に入り構成を作成する

  1. Edgeのアドレスバーに次を入力します。
edge://flags/#edge-favorites-admin-export
  1. 「Favorites configuration export for administrators」に相当する項目を有効にします。
  2. Edgeを再起動します。
  3. アドレスバーに次を入力します。
edge://favorites
  1. 配布したいお気に入りとフォルダーを作成します。
  2. お気に入り画面のメニューから「お気に入りの構成のエクスポート」を選択します。
  3. ユーザーに表示する最上位フォルダー名を入力します。
  4. プラットフォーム形式で「Windows」を選択します。
  5. 「クリップボードにコピー」を選択します。(Microsoft Learn)

フラグの名称や画面表示は、Edgeのバージョンによって変わる可能性があります。項目が見つからない場合でも、ManagedFavoritesポリシー自体が利用できないとは限りません。公式ポリシーリファレンスの例を参考に、設定値を直接作成する方法もあります。

グループポリシーへ登録する

グループポリシー管理エディターまたはローカルグループポリシーエディターで、次の場所を開きます。

コンピューターの構成
  └ 管理用テンプレート
      └ Microsoft Edge
          └ お気に入りを構成する

「お気に入りを構成する」を有効にし、Edgeからコピーした構成値をオプション欄へ貼り付けます。その後、「適用」または「OK」を選択します。

ポリシーの内部名はManagedFavoritesです。Windowsのレジストリでは、次の場所に文字列値として保存されます。

パス: SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge
値名: ManagedFavorites
種類: REG_SZ

ManagedFavoritesは必須ポリシーであり、ユーザーが設定を変更できる推奨ポリシーとしては利用できません。(Microsoft Learn)

ManagedFavoritesの設定例

次は、社内ポータルと問い合わせ先を配布する例です。

[
  {
    "toplevel_name": "社内リンク"
  },
  {
    "name": "社内ポータル",
    "url": "https://intranet.example.com/"
  },
  {
    "name": "サポート",
    "children": [
      {
        "name": "ヘルプデスク",
        "url": "https://helpdesk.example.com/"
      },
      {
        "name": "操作マニュアル",
        "url": "https://manual.example.com/"
      }
    ]
  }
]

設定値では、主に次のキーを使用します。

キー用途
toplevel_name管理対象フォルダーの表示名
nameお気に入りまたはフォルダーの名前
urlお気に入りのリンク先
childrenサブフォルダー内のお気に入り一覧

Edgeはプロトコルが省略されたURLを補正できますが、設定ミスを防ぐため、https://から始まる完全なURLを記載するのが安全です。 (Microsoft Learn)

Microsoft Intuneから配布する方法

クラウド管理しているWindows端末では、Microsoft Intuneの設定カタログからEdgeポリシーを配布できます。

基本的な流れは次のとおりです。

  1. Microsoft Intune管理センターで「デバイス」を開きます。
  2. 「構成」から新しいポリシーを作成します。
  3. プラットフォームに「Windows 10以降」を指定します。
  4. プロファイルの種類に「設定カタログ」を指定します。
  5. 設定ピッカーで「Configure favorites」または「ManagedFavorites」を検索します。
  6. ポリシーを有効にし、エクスポートした構成値を登録します。
  7. テスト用のMicrosoft Entraグループへ割り当てます。
  8. 動作確認後、本番のユーザーまたはデバイスグループへ展開します。

Intuneの画面名は更新で変わる場合がありますが、「Windows 10以降」「設定カタログ」「Microsoft Edgeポリシー」という流れは同じです。IntuneによるEdgeのポリシー管理は、Active DirectoryのグループポリシーやローカルGPOによる管理と同等の役割を持ちます。(Microsoft Learn)

設定が反映されたか確認する方法

対象端末のEdgeで、次の内部ページを開きます。

edge://policy

ポリシー一覧にManagedFavoritesが表示され、エラーが発生していないことを確認してください。

Active Directoryのグループポリシーがすぐに反映されない場合は、対象端末のコマンドプロンプトまたはPowerShellで次を実行します。

gpupdate /force

その後、Edgeをいったん完全に終了してから再起動します。Microsoftの公式ガイドでも、ポリシー確認にはedge://policyを使用し、必要に応じてEdgeを開き直す手順が案内されています。(Microsoft Learn)

確認時は、フォルダーが表示されたかだけでなく、次の点もテストしてください。

確認項目チェック内容
ポリシー状態ManagedFavoritesにエラーがない
フォルダー名意図した名前で表示されている
フォルダー階層部門や用途別の分類が正しい
リンク先認証後も目的のページが開く
対象範囲テスト対象外の端末へ配布されていない
ユーザー操作管理対象リンクを編集できない
個人用プロファイルMicrosoftアカウントのプロファイルへ誤適用されていない

設定・更新・移行・料金・期限で確認すべきこと

項目2026年6月15日時点の確認内容
設定ManagedFavoritesをGPOやIntuneから配布する
Edge更新専用アップデートは不要。現在のEdgeとADMXを使用する
既存設定の移行手作業で作成したManagedFavorites設定は継続利用可能
個人のお気に入り移行自動移行されない。別途エクスポートや同期を検討する
追加料金ManagedFavorites自体の追加料金は明記されていない
Intuneの料金利用者または管理対象デバイスに適切なIntuneライセンスが必要
適用期限公式資料に強制移行期限の記載はない
提供終了ManagedFavoritesの終了予定は記載されていない

Intuneを使わず、Active DirectoryやローカルGPOで設定する場合、ManagedFavorites専用のサブスクリプションは必要ありません。ただし、Intune経由で配布する場合は、Intuneサービスの恩恵を受けるユーザーまたはデバイスにライセンスが必要です。(Microsoft Learn)

既存環境から移行するときの考え方

すでにManagedFavoritesをJSON形式で作成し、GPOやレジストリから配布している場合、Edgeのエクスポート方式へ強制移行する必要はありません。

エクスポート機能は、設定値を作成しやすくするための補助機能です。現在の設定が正常に動作していれば、そのまま管理を続けられます。

一方、次のような環境では作り直しを検討する価値があります。

  • JSONの編集ミスが頻発している
  • お気に入りの階層が複雑になっている
  • 設定を作った担当者しか更新できない
  • 不要なリンクや重複リンクが増えている
  • URL変更時の確認手順が決まっていない

更新後の構成値は、テキストファイルとして保管し、変更日、変更者、リンクの管理部門を記録しておくと運用しやすくなります。Edgeから毎回作り直すのではなく、承認済みの設定値を構成管理の対象にすることが重要です。

失敗しやすいポイントと対処法

症状主な原因対処法
不要なリンクまで配布された普段使いのプロファイルでエクスポートした専用の新規プロファイルで作り直す
ポリシーが表示されないEdge用ADMXが古い、または未導入現在のMSEdge.admxを導入する
ManagedFavoritesにエラーが出るJSONの引用符、カンマ、階層が不正JSON検証後に再登録する
HTMLファイルを貼り付けても反映されない通常のお気に入りエクスポートを使用した「お気に入りの構成のエクスポート」を使用する
一部のプロファイルだけ反映されない個人のMicrosoftアカウントでサインインしている管理対象の職場プロファイルで確認する
ユーザーが編集できないと問い合わせてくるManagedFavoritesの仕様個人用と管理対象のお気に入りの違いを周知する
別の端末に同期されない管理対象のお気に入りは同期対象外各対象端末へポリシーを割り当てる
URL変更が反映されないGPOの更新待ち、Edgeを開いたままgpupdate /force後にEdgeを再起動する

管理者が今すぐ行うべきこと

最初に、全社配布したいリンクを洗い出し、URLの所有部門と更新責任者を決めてください。次に、専用のEdgeプロファイルでお気に入り構成を作成し、少数のテストグループへ配布します。

テスト端末では、edge://policyのエラー、フォルダー階層、リンク先、認証動作を確認します。問題がなければ対象範囲を段階的に広げます。

Provision favorites for Microsoft Edgeは、リンクを登録することよりも、古くなったリンクを誰が更新するかを決めて運用することが重要です。設定後も定期的にリンク切れや不要な項目を確認することで、管理対象のお気に入りを実用的な業務導線として維持できます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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