Edge の新しいタブに表示される「Microsoft Start(MSN)」をやめて、常に Bing.com を開きたい――そんなニーズは多いのに、標準設定の画面には切替項目が見当たりません。本記事では、その理由と安全に実現するための具体的な方法(拡張機能を使う手順、企業管理下での代替策、運用上の注意点、トラブル解決)を、実務目線で徹底解説します。
結論と全体像:Edge の標準機能だけでは「新しいタブ=Bing.com」固定はできない
Microsoft Edge(Chromium ベース)は、新しいタブ(NTP: New Tab Page)の振る舞いをブラウザ側で厳格に管理しています。ユーザー設定で「レイアウト(集中/インスピレーション/情報)」やフィードの表示可否は調整できるものの、任意の URL を直接指定して新しいタブに表示する項目はありません。そのため、新しいタブを Bing.com に固定したい場合は拡張機能(New Tab Override 系)を用いるのが実用的な解です。
ここでいう「Focused(集中)ビュー」は Microsoft Start の要素を抑えただけの簡易表示であり、ページ自体は Microsoft Start の NTP のままです。「Start ではなく純粋な Bing.com を出したい」という要件には該当しません。
用語と機能の整理:Start・ホーム・起動時・アドレスバーの違い
まずは、Edge の似て非なる 4 つの表示/設定を整理しておくと、のちのトラブルを避けられます。
| 対象 | 何を指す? | 既定の表示 | 設定場所 | 任意URL指定 | 今回の目的との関係 |
|---|---|---|---|---|---|
| 新しいタブ(NTP) | Ctrl+T や「+」で開くタブ | Microsoft Start(MSN) | Start/Home/NTP 関連の設定 | 標準では不可 | ここを Bing.com にしたい |
| ホーム(🏠ボタン) | ツールバーの家アイコン | 無効または Start | edge://settings/startHomeNTP | 可(HomepageLocation) | 代替手段として有効 |
| 起動時ページ | Edge 起動後に最初に開くページ | 前回のタブなど | edge://settings/onStartup | 可(複数 URL 可) | 新規タブとは別物 |
| アドレスバーの検索 | 検索語の送信先 | 既定の検索プロバイダー | edge://settings/search | 検索エンジンの追加可 | Bing への統一に関連 |
最短手順:拡張機能で「新しいタブ=Bing.com」に固定する
以下は任意URLを指定できる新しいタブ置換拡張の一般的な流れです。「Custom New Tab」など似た名前の拡張でも作者や機能は異なるため、名称だけで選ばず、配布元・要求権限・更新履歴を確認してください。特定の拡張を実機検証した手順ではなく、設定画面は製品により異なります。
- Edge アドオン ストアで拡張を追加
Edge の右上メニューから「拡張機能」→「拡張機能の管理」を開き、「アドオンを取得」から Custom New Tab(または同等)を検索し、追加します。
同名の別製品もあるため、説明欄で任意URLの指定に対応することと開発元を確認してください。 - 拡張が無効化されていないか確認
セキュリティ保護のため、追加直後に無効の状態で入ることがあります。アドレスバーに次を入力し、有効にしてください。edge://extensions/一覧で開発元と無効化の理由を確認します。信頼できる拡張の変更内容に同意した場合だけ有効にし、通常ウィンドウで確認してください。 - 拡張の設定で URL を指定
右上のパズル(拡張アイコン)→ Custom New Tab → 設定(Options)を開き、https://www.bing.com/をURL 欄に入力→ Save。これで完了です。
以後、Ctrl+T またはタブバーの「+」で新しいタブを開くと、Bing.com が表示されるかを通常ウィンドウで確認します。
カスタム URL のコツ(地域・言語・UI)
- 日本語固定にしたい場合の一例:
https://www.bing.com/?setlang=ja-jp&cc=JP - サインイン状態によるパーソナライズを避けたい:
通常のhttps://www.bing.com/を使い、Bing 側のサインアウトやプライバシー設定を調整。 - 検索時のエクスペリエンスをシンプルにしたい:
ニュースやカードの表示は、そのページに表示される個別の設定で調整します。SafeSearchは検索結果の成人向けコンテンツを制御する機能で、ニュースを隠す設定ではありません。
「できない理由」をもう少し詳しく:NTP はブラウザが保護している
通常の新しいタブを置き換える拡張には、ブラウザーのページ上書き機構を使うものがあります。ただし、Chromium系の拡張開発資料では、この機構による新しいタブの上書きはIncognitoでは利用できません。Edgeでも「InPrivateで許可」をオンにするだけで通常タブと同じ置換ができるとは考えず、この記事の置換手順は通常ウィンドウを対象にしてください。
拡張はブラウザーの動作を変更するため、拡張を選ぶ際は次のポイントを重視してください。
| 確認ポイント | 見るべき内容 | 推奨判断 |
|---|---|---|
| 要求権限 | 「新しいタブの置換」以外に、すべてのサイトのデータの読み取り/変更を広く要求していないか | 過大な権限は避け、必要最小限のものを選ぶ |
| 開発元の透明性 | 作者情報、更新履歴、レビュー | メンテされている拡張を選ぶ |
| InPrivate 対応 | 通常タブと同じ置換は保証されない | BingのURLを直接開く方法を使う |
実運用のコツ:アップデートやプロファイル切替で崩れない設定にする
- 拡張がオフに戻るときは
Edge 更新後などに、NTP 上書き系拡張が自動で無効化されることがあります。表示が Microsoft Start に戻ったと感じたら、まずはedge://extensions/を開き、スイッチがオフになっていないか確認してください。 - 複数プロファイル利用時
Edge のプロファイルは拡張の有効/無効や設定をプロファイル単位で持ちます。仕事用・個人用などでプロファイルを分けている場合は、各プロファイルで同じ手順を繰り返してください。 - 同期の注意
拡張の同期をオンにしていると、別 PC にも同じ拡張が入りますが、拡張の設定内容(指定 URL)が同期されないケースがあります。新しい環境でhttps://www.bing.com/の再入力が必要になる点に注意。 - InPrivateは別扱い
拡張へのInPrivate許可と、新しいタブの上書き対応は別です。通常ウィンドウで動作確認し、InPrivateではBingのURLを直接開いてください。
トラブルシューティング集
| 現象 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 「+」や Ctrl+T で Start が出てしまう | 拡張が無効化/競合/プロファイル違い | edge://extensions/ で拡張を有効化。類似拡張の併用をやめる。プロファイル右上のアバターを確認。 |
| InPrivate だけ Bing にならない | 新しいタブ上書き方式の制限 | 許可を増やして解決しようとせず、BingのURLを直接開く。 |
| 新しいタブは Bing だが、アドレスバー検索が別エンジンに飛ぶ | 既定の検索プロバイダーが Bing 以外 | 次のページで Bing を既定に変更:edge://settings/search |
| 企業端末で拡張のインストール自体ができない | 管理ポリシーによる制限 | IT 管理者に相談。管理側ポリシーまたは拡張の強制配布で対応可能(後述)。 |
| ページ読み込みが遅い | 拡張の初期処理/ネットワーク遅延 | 軽量な拡張を選ぶ。Bing の地域と言語を適切に設定し直す。 |
「アドレスバーの検索も Bing に統一したい」場合の設定
新しいタブを Bing.com にしても、アドレスバー(Omnibox)の既定検索が他社エンジンのままだと、検索時に別サイトへ遷移します。揃えたい場合は、次を確認してください。
- アドレスバーに以下を入力し、検索エンジン設定を開く:
edge://settings/search - 「アドレスバーで使用する検索エンジン」を Bing に変更。
- 必要に応じて「検索エンジンの管理」から Bing のエントリが正しく登録されているか確認。
企業・学校の管理端末での選択肢(IT 管理者向け)
NewTabPageLocationの公式仕様では、AD/Microsoft Entra参加、またはデバイス管理登録などの適用条件があります。個人Microsoftアカウントでサインインしたプロファイルには適用されません。個人PCへレジストリ値を入れれば使えるという設定ではないため、管理者が条件を確認してください。
管理下の端末では、ユーザーが拡張を入れられない、あるいは拡張の動作がブロックされることがあります。その場合は、グループポリシー/Intune(管理テンプレート)で NTP や拡張を制御します。以下は実務でよく使われる設定例の概要です。
| 目的 | 代表的なポリシーキー(概念) | 概要 | 備考 |
|---|---|---|---|
| NTP を指定 URL に固定 | NewTabPageLocation | 新しいタブの宛先を管理者が指定 | 環境により機能差あり。テスト必須 |
| ホームボタンを Bing に | ShowHomeButton / HomepageLocation | ホームボタンを表示し、Bing.com を割り当て | ユーザー操作での回避策にもなる |
| 起動時に Bing を開く | RestoreOnStartup / RestoreOnStartupURLs | 起動直後のタブを Bing.com に指定 | NTP とは別の制御 |
| 拡張の強制配布 | ExtensionInstallForcelist | 社内承認済みの NTP 置換拡張を強制インストール | 拡張 ID と更新 URL の指定が必要 |
| 検索エンジンを Bing に固定 | DefaultSearchProviderEnabled / DefaultSearchProviderSearchURL | アドレスバー検索を Bing に統一 | 従業員の意図しない逸脱を防ぐ |
レジストリを手動で投入する場合の作業イメージ(テスト環境で検証してから本番適用してください):
Windows レジストリ(例・概念)
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge
NewTabPageLocation REG_SZ https://www.bing.com/
ShowHomeButton REG_DWORD 1
HomepageLocation REG_SZ https://www.bing.com/
[拡張の強制配布]
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\ExtensionInstallForcelist
1 = <拡張ID>;https://edge.microsoft.com/extensionwebstorebase/v1/crx
拡張 ID は edge://extensions/ の詳細画面で確認できます。運用では、edge://policy を開いて有効化されたポリシーが反映されているかを現場端末で検証することを推奨します。
代替運用:ホームボタンや起動時ページを活用する
組織ポリシーの都合で NTP の置換が難しいときは、次の代替でユーザー体験を近づけられます。
- ホームボタン(🏠)を表示して Bing.com を割り当てる
edge://settings/startHomeNTPでホームボタンをオンにし、https://www.bing.com/をホームページに指定。新タブは Start のままでも、ワンクリックで Bing に移動できます。 - 起動時ページを Bing にする
edge://settings/onStartupで「特定のページを開く」にhttps://www.bing.com/を登録。業務開始直後の導線を Bing に寄せられます。
セキュリティ&プライバシーの注意点
- 権限が過大な拡張は避ける
NTP 置換には広い権限が必要になることがありますが、全サイトのデータ読み取り・変更など不要な権限まで要求する拡張は避けましょう。 - 最小インストール主義
目的が「新しいタブを Bing にする」だけなら、不要な機能が盛り沢山の拡張より、機能を絞ったものを比較できます。ただし軽量さや単機能であることだけで安全性は判断できません。 - InPrivate の扱い
新しいタブの置換目的だけで拡張の権限を広げないでください。通常ウィンドウの動作とは分けて判断します。 - 企業端末では IT ポリシーに従う
ユーザーが勝手にポリシーを迂回することは避けてください。管理ポリシーで正しく実現するのが運用面・コンプライアンス面で最善です。
新しいタブを Bing.com にする具体手順(スクリーンショット不要の詳細版)
- 右上の「…」メニュー →「拡張機能」→「拡張機能の管理」。
- 「アドオンを取得」をクリックし、検索窓に Custom New Tab と入力。
- 候補一覧から、「新しいタブの置換」を明示するアドオンを選び「入手」。
- 確認ダイアログの内容(要求権限)を読み、問題なければ追加。
- 拡張の一覧で対象がオンになっているか確認。InPrivateへの許可はこの手順に含めません。
- 拡張の「詳細」→「拡張オプション」またはツールバーアイコンから設定画面を開く。
- URL 欄に
https://www.bing.com/(日本語固定ならhttps://www.bing.com/?setlang=ja-jp&cc=JP)を入力し Save。 - 新しいタブ(
Ctrl+T)を開いて動作確認。
「うまくいかない」場合の確認チェックリスト
| チェック | やり方 | 期待状態 |
|---|---|---|
| 拡張の有効/無効 | edge://extensions/ でスイッチを確認 | オン |
| プロファイルの確認 | 右上プロフィール画像 → 切替 | 対象プロファイルで拡張が入っている |
| 競合拡張の有無 | NTP を扱う拡張を一時的にオフ | 単独の NTP 拡張のみオン |
| アドレスバー検索の既定 | edge://settings/search を開く | Bing が既定 |
| InPrivate での挙動 | InPrivate ウィンドウを開く | 通常タブとは別の制限。URLを直接開く |
| 管理ポリシーの影響 | edge://policy で確認 | 拡張や NTP の制限がかかっていない |
Edge(Windows/Mac)とモバイル版の違い
本記事の手順は デスクトップ版 Edge を対象としています。モバイル版 Edge(iOS/Android)は拡張機能の仕組みや NTP の制御が異なり、新しいタブを任意 URL に置換できない場合があります。スマホでは、ホームボタンやお気に入り、ショートカットを使った運用に切り替えましょう。
アンインストール/元に戻したいとき
edge://extensions/を開く。- 当該拡張をオフにする(無効化)。元の Microsoft Start に戻ることを確認。
- 完全に削除したい場合は「削除」をクリック。
なお、ホームボタンや起動時ページで Bing.com を指定していた場合は、各設定画面で合わせて元に戻してください。
実務で便利な小ワザ集
- ショートカットから即検索
Windows ではWinを押して「bing」と入力→Bing の PWA(アプリ版)やショートカットを活用すると、NTP 替わりに軽快です。 - キーボード派の最短導線
Ctrl+T → b → Enterとするより、NTP を Bing 固定にしておけば、Ctrl+T の時点で検索窓にフォーカス(またはアドレスバー)でき、意識の切替コストが下がります。 - Bing 検索を仕事用/個人用で分ける
Edge のプロファイルを 2 つ作り、片方のみ NTP を Bing 固定に。プロファイルごとに既定検索や拡張を変えると、用途ごとの集中がしやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. Focused(集中)ビューと何が違うの?
A. Focused は Microsoft Start のレイアウト設定の一つで、Start そのものを簡素表示にするだけです。Bing.com ではありません。拡張で NTP を URL 置換すると、ページ自体が Bing.com になります。
Q. 複数の新しいタブ拡張を入れても良い?
A. 推奨しません。NTP 置換は 1 つの拡張に任せ、他は無効化してください。競合の原因になります。
Q. 拡張を入れずにポリシーだけで実現できる?
A. 適用条件を満たす管理環境ではNewTabPageLocationを検討できます。ポリシーだけで目的を満たすなら、置換拡張の強制配布を重ねる必要はありません。管理者が対象プロファイルとedge://policyの反映状態を確認します。
Q. 「Bing.com にしたらニュースが出ない」ほうが好み。
A. Bingトップに表示されるカードやニュースの設定を確認してください。SafeSearchはニュース非表示の設定ではありません。よりミニマルにしたいなら、シンプルな検索専用の独自ページを社内でホストし、NTP をそこに向ける方法もあります。
運用のまとめ
- 要件:新しいタブで Microsoft Start をやめ、Bing.com を開きたい。
- 結論:Edge 標準設定では不可。拡張機能(New Tab Override 系)で置換する。
- 実装:Custom New Tab を追加 → 有効化 → URL に
https://www.bing.com/→ 保存。 - 運用:アップデートで無効化されることがあるため、異常時は
edge://extensions/を確認。プロファイルごとに設定。 - 企業環境:適用条件を満たすポリシー、または承認済み拡張を選び、競合させない。
edge://policyで反映を検証。
実務テンプレ:ヘルプデスク向け案内文(社内配布にそのまま使える)
以下は案内文のひな形です。管理者が承認した拡張の名称・開発元・実際の設定画面に合わせて修正してから利用してください。
【Edge で新しいタブを常に Bing にする方法】
1) 右上「…」→「拡張機能」→「拡張機能の管理」→「アドオンを取得」
2) 「Custom New Tab」を検索して追加(または同等の New Tab Override 系)
3) 追加後、「拡張機能」一覧で拡張を「オン」にする
4) 拡張の設定を開き、URL 欄に https://www.bing.com/ を入力→保存
5) Ctrl+T で新しいタブを開き、Bing になっているか確認
※ この手順は通常ウィンドウが対象。InPrivateではBingのURLを直接開く
※ 表示が Start に戻ったら、拡張がオフになっていないか再確認
チェックポイント早見表
| 観点 | ベストプラクティス | 想定効果 |
|---|---|---|
| 拡張の選定 | 単機能・最小権限のものを選ぶ | セキュリティと安定性の両立 |
| 設定の一貫性 | プロファイルごとに同じ設定を再現 | 環境差異のトラブル低減 |
| 検索体験の統一 | アドレスバー既定も Bing に | 誤遷移や混乱を防止 |
| 企業端末での適用 | 要件を満たすポリシーまたは承認済み拡張を選択 | ユーザー操作に依存しない安定運用 |
| 更新リスク対応 | 異常時はまず edge://extensions/ を点検 | 復旧時間の短縮 |
最後に:Bing を“最短一手”で呼び出せる快適さを
仕事でも学習でも、検索は 1 日に何十回も行います。「Ctrl+T → すぐ検索」の導線を Bing.com に統一できれば、意識の切替や余計なクリックを減らせます。Edge 標準の枠を踏み越えるといっても、やることは拡張を一つ入れて URL を指定するだけ。セキュリティと運用の要点だけ押さえて、あなたの Edge を今日から最適化しましょう。



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