Microsoft Edgeの「Archived release notes for Microsoft Edge Stable Channel」は、過去のStable Channelリリースに含まれた新機能・非セキュリティ更新・ポリシー変更を確認するための公式アーカイブです。結論から言うと、2026年5月時点で管理者が特に確認すべきなのは、Microsoft Edge 146 Stableに含まれるLocal Network Access関連ポリシー、Workspaces移行、Collections廃止、カスタムプライマリパスワード廃止、古いサードパーティストレージ分割ポリシーの廃止です。
このページは「最新リリースだけを読む」ためのページではありません。既に展開済み、またはExtended Stableで運用中のバージョンについて、どの変更がユーザー体験・社内Webアプリ・グループポリシー・Intune設定に影響するかを確認するために使います。Microsoftの現行Stableリリースノートでは、過去リリースの確認先としてArchived release notesが案内されており、Stable Channelの更新は段階的にロールアウトされる点も明記されています。(Microsoft Learn)
Archived release notes for Microsoft Edge Stable Channelとは
「Archived release notes for Microsoft Edge Stable Channel」は、Microsoft Edge Stable Channelの過去バージョンに含まれた新機能と非セキュリティ更新をまとめたMicrosoft公式のリリースノートです。セキュリティ更新は別ページで管理されるため、このアーカイブだけを読んでも脆弱性対応の全体像は把握できません。(Microsoft Learn)
管理者視点では、次のような場面で役立ちます。
| 確認したいこと | 見るべきポイント |
|---|---|
| 社内端末に適用済みのEdgeで何が変わったか | 該当バージョンのFeature Updates、Fixes、Policy Updates |
| グループポリシーやIntune設定に影響があるか | New policies、Deprecated policies、Obsolete policies |
| 社内WebアプリがEdge更新後に動かなくなる可能性があるか | Local Network Access、Storage Access、iframe、認証、Cookie関連の変更 |
| ユーザーへの事前告知が必要か | Collections廃止、Workspaces変更、パスワード関連UI変更 |
| Extended Stableを使うべきか | StableとExtended Stableの更新サイクル、展開猶予 |
特に企業環境では、「ブラウザの新機能」よりも「既存業務が壊れないか」「管理ポリシーが古くなっていないか」の確認が重要です。
2026年5月時点で押さえるべき位置付け
2026年5月時点の現行Stableリリースノートでは、Stableの最新メジャーバージョンとしてMicrosoft Edge 148が掲載され、過去リリースへの導線としてArchived release notesが案内されています。つまり、Edge 146の情報は「今から新機能として追う情報」というより、既に展開済みの環境やExtended Stable運用中の環境で影響を確認するための情報です。(Microsoft Learn)
Microsoft EdgeのStable Channelは広範な展開向けで、おおむね4週間ごとに新機能が提供されます。一方、Extended Stableは企業向けに約8週間の長いメジャーリリースサイクルを提供する選択肢です。複雑な業務アプリや厳格な検証プロセスがある組織では、Extended Stableを使うことで検証期間を確保しやすくなります。(Microsoft Learn)
Microsoft Edge 146 Stableの主な変更点
Archived release notesで重要なのは、Microsoft Edge 146 Stableの変更が単なる機能追加ではなく、社内運用に関わる複数の変更を含んでいる点です。Microsoft Edge 146.0.3856.59は2026年3月13日のStableリリースとして掲載され、Feature Updates、Policy Updates、Securityへの参照が整理されています。(Microsoft Learn)
主な変更点は次のとおりです。
| 分類 | 変更内容 | 実務上の影響 |
|---|---|---|
| Collections | Collectionsの廃止開始 | 保存済みコンテンツの移行案内が必要 |
| Workspaces | V2アーキテクチャへ移行 | 共有・コラボレーション機能の扱いを確認 |
| macOSサポート | Edge 150がmacOS 12 Monterey対応の最後になる予定 | Mac端末のOS更新計画が必要 |
| Primary Password | カスタムプライマリパスワード廃止予定 | 認証方式・ユーザー周知が必要 |
| Local Network Access | 新しいLNA関連ポリシー追加 | 社内Webアプリ、iframe、ローカル機器連携に影響 |
| ストレージ関連 | 旧サードパーティストレージ分割ポリシーがobsolete | Webアプリ側の実装見直しが必要 |
| InPrivate | トラッキング防止設定の扱いを通常ブラウズと統合 | プライバシー設定の説明変更が必要 |
| パスワード削除UI | 閲覧データ削除画面からPasswordsを削除 | 誤削除防止、ヘルプデスク問い合わせ減少が期待される |
管理者が最優先で確認すべき変更
Local Network Access関連ポリシー
Microsoft Edge 146 Stableで最も実務影響が大きいのは、Local Network Access、いわゆるLNA関連の変更です。LNAは、Webサイトがローカルネットワークやlocalhost上のリソースへアクセスする場面に関係します。たとえば、社内ポータルからローカル端末のエージェント、プリンター、NAS、開発用localhost、認証用コンポーネントへアクセスするようなケースです。
Edge 146では、LNA制限がクロスオリジンiframeに影響するケースを緩和するため、LocalNetworkAccessIpAddressSpaceOverridesとLocalNetworkAccessPermissionsPolicyDefaultEnabledが追加されています。(Microsoft Learn)
| ポリシー | 役割 | 確認すべき環境 |
|---|---|---|
LocalNetworkAccessIpAddressSpaceOverrides | 特定のIPアドレス範囲をpublic、local、loopbackとして扱う | CGN、社内ネットワーク、特殊なIP設計がある環境 |
LocalNetworkAccessPermissionsPolicyDefaultEnabled | クロスオリジンサブフレームでLNA権限を継承できるようにする | iframe内でローカルネットワークへアクセスする社内Webアプリ |
LocalNetworkAllowedForUrls | 指定したサイトにローカルネットワークエンドポイントへのアクセスを許可 | 社内ポータル、業務SaaS、認証連携サイト |
LocalNetworkBlockedForUrls | 指定サイトからローカルネットワークへのアクセスをブロック | 外部サイトや不要なアクセス経路を制御したい環境 |
LoopbackNetworkAllowedForUrls | localhostなどローカル端末へのアクセスを許可 | ローカルエージェント連携、開発ツール、認証補助ツール |
LoopbackNetworkBlockedForUrls | ローカル端末へのアクセスをブロック | ゼロトラスト方針で明示的に制限したい環境 |
LocalNetworkAccessIpAddressSpaceOverridesはWindows、macOS、AndroidのEdge 146以降でサポートされ、IP範囲をCIDR形式で指定できます。たとえば100.64.0.0/10=publicのように、Carrier-grade NATの範囲をpublicとして扱う設定例が示されています。(Microsoft Learn)
LocalNetworkAccessPermissionsPolicyDefaultEnabledは、クロスオリジンサブフレームがLNA権限を継承できるかを制御するポリシーです。既定では、明示的に委任されていないクロスオリジンサブフレームはLNAリクエストを行えません。2026年5月8日に更新された公式ポリシードキュメントでも、このポリシーの対象バージョンや動作が説明されています。(Microsoft Learn)
WorkspacesのV2移行
Microsoft EdgeのWorkspacesは、保存済みタブセットを作成・共有できる機能として導入されました。Edge 146のArchived release notesでは、保存済みWorkspacesのデータがOneDrive/SharePointからEdge Syncサービスへ移行され、コラボレーション・共有機能が削除されると説明されています。同期をポリシーで無効化している組織でも既存のv1 Workspaceデータは新アーキテクチャへ移行されますが、新規v2 Workspacesはデバイス間で同期されず、各デバイスのローカルに残る扱いです。(Microsoft Learn)
管理者は、次の利用者を洗い出してください。
| 対象ユーザー | 確認内容 |
|---|---|
| Workspacesをチーム共有に使っている部署 | 共有機能削除後の代替手段 |
| 同期を無効化している組織 | 新規Workspaceが端末ローカルに残ることの影響 |
| 複数端末で同じ作業環境を使うユーザー | 同期されない場合の運用手順 |
| 情報管理部門 | 保存データの所在、監査、削除手順 |
実務では、Workspacesを「共有作業スペース」として使っていたチームほど影響を受けやすくなります。代替として、SharePointページ、Teamsチャネル、OneNote、共有のお気に入り、社内ポータルなどにリンク集を移す運用を検討するとよいでしょう。
Collectionsの廃止開始
Edge 146では、Collectionsの廃止開始も告知されています。既存ユーザーにはバナーが表示され、新しいアイテムの追加ができなくなります。保存済みコンテンツを残すには、エクスポートするか、すべてのページをFavoritesへ移す必要があります。(Microsoft Learn)
ユーザー影響が出やすいのは、調査業務、営業資料収集、学習メモ、競合サイトの整理などにCollectionsを使っていたケースです。廃止後に「資料が見つからない」と問い合わせが増える可能性があるため、管理部門は事前に次の案内を出すと混乱を減らせます。
| 案内項目 | 内容 |
|---|---|
| 何が変わるか | Collectionsに新規アイテムを追加できなくなる |
| いつ対応すべきか | バナー表示後ではなく、展開前に移行を促す |
| 移行先 | Favorites、OneNote、SharePoint、Teams、社内ナレッジベース |
| 注意点 | 重要な調査メモやURLを個人端末だけに残さない |
カスタムプライマリパスワードの廃止
Edge 146では、ユーザーがEdge設定画面から新しいカスタムプライマリパスワードを作成できなくなります。既に設定済みのユーザーには警告が表示され、2026年6月4日以降はデバイス認証へ自動移行される予定です。また、PrimaryPasswordSettingポリシーはWithCustomPrimaryPasswordオプションをサポートしなくなります。(Microsoft Learn)
管理者が確認すべきポイントは、パスワード管理の運用です。特に、Windows Hello、macOSのデバイス認証、条件付きアクセス、パスワードマネージャー禁止ポリシーを組み合わせている環境では、Edge側の認証仕様変更がユーザー体験に影響する可能性があります。
次のようなユーザーには事前告知が必要です。
| ユーザー層 | 想定される問い合わせ |
|---|---|
| カスタムプライマリパスワード利用者 | これまでのパスワード入力がなくなった、認証方法が変わった |
| ヘルプデスク | 保存パスワードの保護方法を聞かれる |
| セキュリティ部門 | デバイス認証への移行が社内基準を満たすか確認したい |
| 情シス | PrimaryPasswordSettingの既存設定をどう変更すべきか判断したい |
開発者が確認すべき変更
サードパーティストレージ分割ポリシーの廃止
Edge 146では、ThirdPartyStoragePartitioningBlockedForOriginsとDefaultThirdPartyStoragePartitioningSettingがobsoleteになっています。これらのポリシーはEdge 140で非推奨となり、Edge 145以降では機能しないと説明されています。代替として、Web APIのrequestStorageAccessメソッドを使う方向が示されています。(Microsoft Learn)
影響が出やすいのは、次のようなWebアプリです。
| アプリの種類 | 影響例 |
|---|---|
| iframeで外部サービスを埋め込む社内ポータル | ログイン状態やCookieが維持されない |
| SSO連携アプリ | 認証後のセッション引き継ぎに失敗する |
| 埋め込み動画・SNS・BIダッシュボード | サードパーティコンテキストで保存領域にアクセスできない |
| 古い業務アプリ | ポリシーで回避していた挙動が再現できない |
開発者は「Edgeのポリシーで例外設定しているから大丈夫」と考えるのではなく、アプリ側でStorage Access APIへの対応が必要か確認してください。特に認証・セッション・埋め込みコンテンツに関わる部分は、Edge、Chrome、Firefoxなど複数ブラウザで検証することが重要です。
Local Network Accessとiframeの実装確認
MicrosoftのLNAガイダンスでは、Microsoft Edge 143以降でLocal Network Access制限が既定で出荷され、ローカルネットワークやlocalhostへの接続時に権限プロンプトが発生する可能性があると説明されています。対象にはsubresource requests、fetch()リクエスト、subframe navigationが含まれます。(Microsoft Learn)
iframe内からローカルネットワークへアクセスする場合は、埋め込み元がlocal-network-accessのPermissions Policyを明示的に指定する必要があります。たとえば、iframeにallow="local-network-access"を設定し、必要に応じて許可するoriginも指定します。(Microsoft Learn)
開発者は、次の順で確認すると効率的です。
| 手順 | 確認内容 | 判断基準 |
|---|---|---|
| 1 | ローカルネットワークへアクセスする処理を洗い出す | localhost、127.0.0.1、192.168.x.x、10.x.x.x、.localなど |
| 2 | その処理がiframe内か確認する | クロスオリジンiframeなら要注意 |
| 3 | Permissions Policyを確認する | allow="local-network-access"が必要か判断 |
| 4 | HTTPS化の状況を確認する | LNA権限要求にはセキュアコンテキストが関係する |
| 5 | Edge 146以降でテストする | プロンプト、CORSエラー、混在コンテンツ扱いを確認 |
| 6 | 管理ポリシーで補う範囲を決める | コード修正で直すか、ポリシーで一時緩和するか判断 |
「管理ポリシーで許可したのにiframe内の処理が動かない」というトラブルは起こりやすいポイントです。Microsoftのガイダンスでも、iframeが必要な権限を持っていない場合、サイトコードの修正やLocalNetworkAccessPermissionsPolicyDefaultEnabledと許可URLポリシーの組み合わせが必要になるケースが示されています。(Microsoft Learn)
展開前に確認したいポリシー一覧
Edge 146では、ネットワーク、TLS、ズーム、終了警告、タブ優先度など複数の新ポリシーが追加されています。Archived release notesには、LocalNetworkAccessIpAddressSpaceOverrides、LocalNetworkAccessPermissionsPolicyDefaultEnabled、LocalNetworkAllowedForUrls、LocalNetworkBlockedForUrls、LoopbackNetworkAllowedForUrls、LoopbackNetworkBlockedForUrls、PreferSlowCiphers、PreferSlowKexAlgorithms、StandardizedBrowserZoomEnabled、WarnBeforeQuittingEnabled、ForceForegroundPriorityForAllTabsが新ポリシーとして掲載されています。(Microsoft Learn)
管理者は、すべてを一度に有効化するのではなく、業務影響が大きい順に確認してください。
| 優先度 | ポリシー | 確認理由 |
|---|---|---|
| 高 | LNA関連ポリシー | 社内Webアプリ、ローカル機器、認証処理に影響しやすい |
| 高 | PrimaryPasswordSetting | カスタムプライマリパスワード廃止の影響を受ける |
| 中 | WarnBeforeQuittingEnabled | タブを多数開く業務ユーザーの操作ミス防止 |
| 中 | StandardizedBrowserZoomEnabled | 表示崩れやアクセシビリティ確認に関係 |
| 中 | PreferSlowCiphers、PreferSlowKexAlgorithms | 古いTLS環境や特殊な暗号要件がある場合のみ慎重に確認 |
| 低〜中 | ForceForegroundPriorityForAllTabs | パフォーマンス検証が必要な端末で確認 |
また、DefaultThirdPartyStoragePartitioningSettingとThirdPartyStoragePartitioningBlockedForOriginsはobsoleteとして掲載されています。既存のグループポリシーやIntune構成プロファイルに残っている場合、設定していても期待した効果が出ない可能性があります。(Microsoft Learn)
Extended Stable運用中の注意点
Edge 146のアーカイブには、StableだけでなくExtended Stableの更新も掲載されています。2026年4月のExtended Stable更新では複数のバグ修正・パフォーマンス修正があり、EdgeおよびWebView2をWSUSまたはMSIベースの企業向けパッケージで展開する際、Auto Update無効ポリシー構成でインストールに失敗する問題の修正も含まれています。(Microsoft Learn)
この修正は、次の環境で特に確認すべきです。
| 環境 | 確認ポイント |
|---|---|
| WSUSでEdgeを配布している | 対象更新が承認・配布済みか |
| Configuration Managerで管理している | 更新分類、製品カテゴリ、展開リング |
| MSIパッケージを手動展開している | 自動更新無効時のインストール検証 |
| WebView2 Runtimeを業務アプリが利用している | Edge本体だけでなくWebView2も検証対象にする |
| Auto Updateを無効化している | 更新失敗時の復旧手順を用意する |
Edge本体は正常でも、WebView2を使う業務アプリで不具合が出ることがあります。特にERP、ワークフロー、電子契約、会計、人事、コールセンター系のアプリがWebView2を組み込んでいる場合、Edgeの更新計画にWebView2 Runtimeの確認を含めてください。
ユーザー影響が出やすい機能変更
パスワード削除UIの変更
Edge 146では、閲覧データのクリア画面から「Passwords」が削除されます。これは、ユーザーが閲覧履歴を消すつもりで保存済みパスワードまで誤って削除してしまう混乱を減らすための変更です。保存済みパスワードの管理・編集・削除は、引き続きedge://settings/autofill/passwordsから行えます。(Microsoft Learn)
ヘルプデスク向けには、次のような案内文を用意しておくと実用的です。
| 問い合わせ | 回答案 |
|---|---|
| 閲覧データ削除画面にパスワードがない | パスワードは専用のパスワード管理画面から削除します |
| 保存済みパスワードを消したい | edge://settings/autofill/passwordsを開いて対象サイトを削除します |
| 履歴削除でパスワードも消えるか | 通常の閲覧データ削除画面からは誤って削除されにくくなっています |
InPrivateのトラッキング防止設定
Edge 146では、InPrivate専用に「Strict tracking prevention」を選ぶトグルが削除され、通常ブラウズとInPrivateでトラッキング防止の設定体験が統合されます。これまでInPrivateだけ別設定にしていたユーザーには、設定場所や挙動の違いを説明する必要があります。(Microsoft Learn)
セキュリティ部門は、「InPrivateだから常に強い設定になる」といった誤解が社内にないか確認してください。InPrivateは履歴の保存抑制などに役立ちますが、組織のDLP、プロキシ、監査、条件付きアクセスの代替ではありません。
Copilot、New Tab Page、Edge for Business関連
Edge 146では、Copilot New Tab Page、Microsoft 365 Copilot Chatの複数タブ対応、YouTube動画を対象にしたCopilot Chat、Enterprise New Tab Pageなど、Microsoft 365やEdge for Businessと連動する機能も記載されています。これらの一部はControlled Feature RolloutまたはPublic Previewとして説明されており、すべての環境で同時に表示されるとは限りません。(Microsoft Learn)
管理者は、「ユーザーAには表示されるがユーザーBには表示されない」という問い合わせを想定してください。段階的ロールアウト、対象ライセンス、Microsoft 365管理センター側の設定、Edge management service、ポリシー設定の有無を切り分ける必要があります。
管理者向けの実務チェックリスト
Microsoft EdgeのArchived release notesを読んだあと、管理者が実際に行うべき作業は次のとおりです。
| チェック項目 | 具体的な作業 |
|---|---|
| バージョン確認 | 管理対象端末のEdgeバージョンとStable/Extended Stableの区分を確認 |
| ADMX確認 | 最新のMicrosoft Edge管理テンプレートを取得し、既存GPOとの差分を見る |
| Intune確認 | Settings Catalogまたは構成プロファイルに古いポリシーが残っていないか確認 |
| LNA影響調査 | ローカルIP、localhost、iframe、社内認証連携を使うWebアプリを洗い出す |
| Workspaces確認 | 共有用途でWorkspacesを使っている部署を確認 |
| Collections移行 | FavoritesやSharePointなどへの移行案内を作成 |
| パスワード方針 | カスタムプライマリパスワード廃止とデバイス認証への移行を周知 |
| macOS棚卸し | macOS 12 Monterey端末の残数と更新計画を確認 |
| WebView2検証 | Edge本体だけでなくWebView2 Runtimeを使う業務アプリをテスト |
| 段階展開 | 検証グループ、パイロット、本番展開の順に進める |
特にLNA関連は、ポリシーで一時的に回避できる場合もありますが、最終的にはWebアプリ側の修正が必要になることがあります。管理部門だけで完結させず、社内開発チーム、ベンダー、ネットワーク管理者を巻き込んで確認してください。
開発チーム向けの確認ポイント
開発者は、Edgeのリリースノートを「ブラウザ仕様の変更通知」として読む必要があります。とくにEdge 146では、ローカルネットワークアクセス、ストレージアクセス、iframe、HTTPS、権限プロンプトが重要です。
次のようなコードや構成がある場合は、優先的に検証してください。
| 確認対象 | 例 | リスク |
|---|---|---|
| localhost連携 | http://localhost:xxxxへfetchする | LNAプロンプトやブロック |
| ローカルIP連携 | http://192.168.1.xへアクセス | 混在コンテンツ、権限要求 |
| iframe埋め込み | 外部ドメインの認証部品や業務画面 | Permissions Policy不足 |
| 古いHTTP運用 | 社内WebアプリをHTTPで提供 | セキュアコンテキスト要件に抵触 |
| サードパーティCookie依存 | iframe内ログイン、埋め込みSaaS | セッション維持失敗 |
| 古いEdgeポリシー依存 | obsoleteポリシーで回避していた処理 | 設定が効かない |
MicrosoftのLNAガイダンスでは、テスト計画を作り、代表的なユーザーグループで検証しながらポリシー構成を調整することが推奨されています。(Microsoft Learn)
よくある失敗と回避策
最新リリースノートだけを見て過去の影響を見落とす
Edgeを段階展開している組織では、端末ごとにバージョンが異なることがあります。最新のStableリリースノートだけを見ると、すでに適用済みのEdge 146の変更を見落とす可能性があります。
回避策は、管理対象端末の実バージョンを収集し、そのバージョンのArchived release notesを確認することです。Intune、Configuration Manager、資産管理ツール、EDRのインベントリ情報を使うと効率的です。
obsoleteポリシーを設定し続ける
廃止済みポリシーがGPOやIntuneに残っていると、管理者は「設定しているのに効かない」と誤解しやすくなります。Edge 146では、サードパーティストレージ分割関連の旧ポリシーがobsoleteになっています。(Microsoft Learn)
回避策は、Edgeポリシーを棚卸しし、deprecatedやobsoleteの状態を定期的に確認することです。特にブラウザ更新時は、設定値だけでなく「そのポリシーがまだ有効か」まで見る必要があります。
LNAの問題をネットワーク障害と誤認する
ローカルネットワークへのアクセスが失敗すると、最初はDNS、プロキシ、ファイアウォール、VPNの問題に見えます。しかし、EdgeのLNA制限やiframeのPermissions Policyが原因の場合もあります。
回避策は、DevToolsのコンソールエラー、Edgeのバージョン、iframe構成、対象URLのIPアドレス空間を一緒に確認することです。クロスオリジンiframe内のローカルアクセスは特に切り分けが難しいため、開発者と管理者で同じテスト手順を共有してください。
Controlled Feature Rolloutを不具合と判断する
Copilot関連機能やUI変更の一部は、段階的に展開されます。そのため、同じバージョンでも端末やユーザーによって表示が異なる場合があります。
回避策は、問い合わせ対応時に「バージョン」「ポリシー」「ロールアウト状況」「Microsoft 365管理センター側の設定」を分けて確認することです。すべての差異を不具合として扱うと、調査工数が無駄に増えます。
社内展開のおすすめ手順
Microsoft EdgeのStable更新を安全に展開するには、次の順序がおすすめです。
| フェーズ | 作業 | 完了条件 |
|---|---|---|
| 事前調査 | Archived release notesと現行release notesを確認 | 影響機能と対象ポリシーを一覧化 |
| 棚卸し | Edge、WebView2、OS、macOS端末、業務アプリを確認 | 影響を受ける端末・アプリを特定 |
| 検証 | 情シス、開発、代表ユーザーでテスト | LNA、認証、iframe、パスワード、Workspacesを確認 |
| ポリシー更新 | GPO、Intune、ADMX、MDM設定を更新 | obsoleteポリシーを整理し、新ポリシーを必要範囲で適用 |
| ユーザー周知 | Collections、Workspaces、パスワード変更を案内 | 問い合わせが想定される点をFAQ化 |
| 段階展開 | 小規模グループから本番展開 | 業務停止につながる問題がないことを確認 |
| 展開後監視 | ヘルプデスク、ログ、アプリ障害を監視 | 問題発生時のロールバック・回避策を用意 |
Extended Stableを使う場合でも、セキュリティ更新や重要な修正は別途提供されます。リリース間隔が長いからといって、更新確認を後回しにしてよいわけではありません。
まとめ:Archived release notesは「過去情報」ではなく運用リスク確認に使う
Archived release notes for Microsoft Edge Stable Channelは、単なる過去バージョンの記録ではありません。企業環境では、既に配布されたEdgeの変更が、社内Webアプリ、ユーザー操作、認証、パスワード管理、ローカルネットワークアクセス、WebView2に影響する可能性があります。
今回のEdge 146関連で最初に確認すべきことは、次の5つです。
| 最優先項目 | 取るべき行動 |
|---|---|
| LNA関連ポリシー | ローカルIP、localhost、iframeを使うアプリを検証 |
| Workspaces移行 | 共有用途で使っている部署へ影響を確認 |
| Collections廃止 | 保存済み情報をFavoritesなどへ移行 |
| カスタムプライマリパスワード廃止 | デバイス認証への移行とポリシー変更を周知 |
| obsoleteポリシー | GPO・Intuneから古い設定を棚卸し |
次に行うべきことは、管理対象端末のEdgeバージョンを確認し、Edge 146またはExtended Stable 146を使っている端末があるかを把握することです。そのうえで、LNA、Workspaces、Collections、パスワード、WebView2を中心に検証項目を作れば、更新後の問い合わせや業務アプリの不具合を大きく減らせます。

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