AI in SharePointプレビューで何が変わる?管理者が確認すべき設定とガバナンス

AI in SharePointプレビューの重要点は、SharePoint上でAIがページ作成・ファイル要約・メタデータ付与・ライブラリ整理を支援することだけではありません。むしろ、サイト所有者と管理者が「そのコンテンツをCopilotに見せてよいのか」「古いサイトや広すぎる権限を放置していないか」を見直すきっかけになる点が本質です。

2026年6月3日に更新されたMicrosoft Learnの公式情報では、AI in SharePointはプレビュー機能であり、既定では有効にならず、Microsoft 365 Copilotライセンスと管理者による明示的なオプトインが必要とされています。結論としては、全社一斉展開よりも、まず低リスクかつ効果が見えやすいサイトを選び、権限・ライフサイクル・Copilot readinessを確認してから段階的に展開するのが安全です。(Microsoft Learn)

目次

SharePointのAI/Copilot更新で何が変わるのか

AI in SharePointは、SharePointに組み込まれるAI機能群です。Microsoftの説明では、SharePoint内のコンテンツを管理・整理し、ファイル、ページ、サイトをCopilotで活用しやすい状態にすることを目的としています。以前はKnowledge Agentと呼ばれていたプレビュー機能で、現在もプレビュー前提の制約を理解して使う必要があります。(マイクロソフトサポート)

主な変化は、これまで人が手作業で行っていた「SharePointコンテンツの整備」にAIが入り込むことです。たとえば、ファイルの要約、ドキュメント比較、音声概要、FAQ作成、ライブラリのメタデータ列作成、ルール設定、サイト改善提案、ページ作成などが対象になります。(マイクロソフトサポート)

領域できるようになること管理上の確認ポイント
ファイル質問、要約、比較、音声概要、FAQ作成機密ファイルに適切なアクセス権があるか
ページAIによる文章作成、書き換え、FAQ Webパーツ、デザイン提案古いページや誤情報を残していないか
ライブラリ自動メタデータ列、ビュー作成、ルール設定列設計・命名規則・自動処理の責任者がいるか
サイト自然言語によるサイト作成、サイト改善提案サイト所有者、公開範囲、ライフサイクルが定義されているか
スキル繰り返し作業を再利用できる手順として保存誰が作成・編集・実行できるか

この更新で特に注意したいのは、AIが「新しい検索窓」ではなく「SharePoint上の実作業に関わる操作面」へ広がっていることです。ライブラリの列やルール、スキル、サイト構造がAIによって提案されるため、情報設計が曖昧なサイトでは、AIの便利さよりも運用の混乱が先に表面化する可能性があります。

AI in SharePointプレビューの利用条件

AI in SharePointは、すべてのSharePointテナントで自動的に使える機能ではありません。プレビュー中は、Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーが対象で、SharePoint管理者またはグローバル管理者がPowerShellで明示的に有効化します。公式情報では、パブリックプレビュー中および一般提供時にMicrosoft 365 Copilotライセンスに含まれ、追加料金は発生しないと説明されています。(Microsoft Learn)

確認項目内容失敗しやすいポイント
ライセンスユーザーにMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要一部ユーザーだけライセンスがなく、同じサイトでも体験が揃わない
有効化PowerShellでテナント全体またはサイト単位にオプトイン既定では無効のため、ユーザーに案内しても機能が表示されない
対象クラウドMicrosoft 365 Government、GCC High、DoD、Office 365エアギャップ、21Vianet運用環境は現時点で非対応グローバル企業や公共系テナントで前提を誤る
AIサブプロセッサ完全なプレビュー体験にはAnthropicの有効化が推奨コンプライアンス確認なしに有効化してしまう
PowerShellSharePoint Online Management Shell 16.0.26615.12013以降が必要古いモジュールでKnowledgeAgentScopeが認識されない
マルチgeogeoごとにスクリプト実行が必要1リージョンだけ有効化され、地域ごとに挙動が変わる

プレビュー中のPowerShellパラメーター名は、機能名がAI in SharePointに変わっていてもKnowledgeAgentScopeなどKnowledge Agent由来の名称が残ります。また、一般提供時には有効化プロセスが変わる予定とされているため、社内手順書には「プレビュー時点の手順」と明記しておくべきです。(Microsoft Learn)

有効化スコープは「全社」より「選択サイト」から始める

AI in SharePointの有効化では、KnowledgeAgentScopeで対象範囲を制御します。値は、全サイトのAllSites、指定サイトのみのIncludeSelectedSites、指定サイト以外のExcludeSelectedSites、無効化のNoSitesです。既定値はNoSitesで、指定サイトリストは最大100件までという制約があります。(Microsoft Learn)

最初の展開では、AllSitesよりもIncludeSelectedSitesを使い、パイロットサイトから始めるのが現実的です。特に、社内ポータル、規程集、営業資料、ナレッジベースのように効果が見えやすく、かつ権限設計を見直しやすいサイトが候補になります。

Connect-SPOService https://yourtenant-admin.sharepoint.com

Set-SPOTenant -KnowledgeAgentScope IncludeSelectedSites

Set-SPOTenant -KnowledgeAgentSelectedSitesList @(
  "https://yourtenant.sharepoint.com/sites/knowledge-pilot",
  "https://yourtenant.sharepoint.com/sites/hr-faq"
)

Get-SPOTenant | Select-Object KnowledgeAgentScope, KnowledgeAgentSelectedSitesList

注意点は、KnowledgeAgentSelectedSitesListが既定で既存リストを上書きすることです。後からサイトを追加する場合は、意図せず既存のパイロットサイトを消さないように、KnowledgeAgentSelectedSitesListOperation Appendの使用を検討します。(Microsoft Learn)

サイト所有者と管理者が最初に答えるべきガバナンス質問

AI in SharePointを展開する前に、管理者は「機能をオンにできるか」だけでなく、「オンにしてよい状態か」を確認する必要があります。CopilotやSharePointのAI体験は、SharePoint上のコンテンツ、権限、ラベル、ライフサイクル管理の品質に強く依存するためです。

質問なぜ重要か具体的な確認方法
このサイトの閲覧者は適切かAIの回答はユーザーのアクセス権に基づくため、広すぎる権限はそのまま情報露出リスクになるサイト権限、共有リンク、Everyone except external users、外部共有を確認
サイト所有者は明確か所有者不在では、AIで見つかった問題を誰も直せない最低2名の所有者または管理者を設定
古いページやファイルは残っていないかCopilotが古い情報を根拠に回答する可能性がある非アクティブサイト、古いページ、不要ライブラリを棚卸し
AIで扱ってよいサイトか人事、法務、M&A、監査などは慎重な展開が必要高リスクサイトはプレビュー対象から除外、またはRestricted Content Discoveryを検討
自動生成された列・ルールを誰が承認するかAIの提案をそのまま採用すると分類や通知が乱れるライブラリ管理者、情報管理担当、業務部門で承認フローを決める

Microsoftは、SharePointとOneDriveのコンテンツが適切に管理され、安全にアクセス可能な状態であるほどCopilotとエージェントが有効に機能すると説明しています。SharePoint Admin Agentも、コンテンツの散在、ライフサイクル、過剰共有、権限管理などをガバナンス上の重点領域として扱います。(Microsoft Learn)

権限管理:AI導入前に「見えてはいけない情報」を減らす

AI in SharePointを導入すると、ユーザーはファイルを一つずつ探すのではなく、自然言語で質問し、要約や比較を行うようになります。つまり、これまで目立たなかった権限の緩さが、AIの回答を通じて顕在化しやすくなります。

SharePointのエージェントは、Microsoft 365 Copilotと同様に、ユーザーのデータアクセス権に基づいて回答します。ユーザーがエージェントにアクセスできても、参照先サイトやライブラリへの権限がなければ、その制限されたコンテンツは回答に含まれません。逆に言えば、権限が広すぎるコンテンツは、AI体験でも広く利用される可能性があります。(Microsoft Learn)

管理者は、少なくとも次のリンクと権限を展開前に確認すべきです。

  • Anyoneリンク
  • 組織内の全員リンク
  • Everyone except external users
  • 退職者・異動者が所有するサイト
  • 直接権限付与が多すぎるフォルダー
  • 継承が切れたアイテム
  • 外部共有されたままの古いファイル
  • 機密ラベルが未設定の重要文書

SharePoint Advanced Managementでは、Data Access Governanceレポートにより、過剰共有や機密コンテンツを含む可能性のあるサイトを特定できます。共有リンク、権限状態、感度ラベル、Everyone except external usersなどの観点で確認でき、AI insightsを使ってレポート内のパターンや推奨対応を把握することもできます。(Microsoft Learn)

Restricted Content Discoveryは「一時避難」として使う

高リスクサイトをすぐに整理できない場合は、Restricted Content Discoveryの利用を検討できます。これは、特定のSharePointサイトのコンテンツを組織全体検索やMicrosoft 365 Copilot Business Chatに表示されにくくするサイト単位の設定です。権限そのものは変更せず、過剰共有サイトの権限整理に時間を確保する目的で使えます。(Microsoft Learn)

ただし、Restricted Content Discoveryは万能な保護策ではありません。既存のサイト権限は変わらず、アクセス権を持つユーザーは引き続きファイルを開けます。また、使いすぎると検索やCopilotが参照できる情報が減り、回答が不完全または不正確になる可能性があります。公式情報でも、過剰使用は検索、SharePoint、Copilotのパフォーマンスに悪影響を与える可能性があると注意されています。(Microsoft Learn)

実務では、次のようなサイトに限定して使うのが現実的です。

RCDを検討するサイト理由
M&A、法務、監査、懲戒、人事評価関連サイト検索で偶然見つかること自体を避けたい
共有リンクが多く、整理に時間がかかるサイト権限見直しまでの暫定措置になる
所有者不在だが機密性が高いサイト所有者再設定までのリスク低減に使える
Copilot展開前の高リスク棚卸しで検出されたサイト段階展開の除外対象にできる

RCDは「隠せば安全」という機能ではなく、「整理するまで見つかりにくくする」ための補助策です。最終的には、権限、共有リンク、所有者、ライフサイクルポリシーを正しく直す必要があります。

サイト所有者を明確にしないとAI活用は進まない

AI in SharePointの展開では、サイト所有者の責任がこれまで以上に重要になります。AIが古いページや壊れたリンク、整理されていないライブラリを見つけても、修正する担当者がいなければ改善は進みません。

SharePoint Advanced Managementのサイト所有権ポリシーでは、サイト所有者または管理者の最小人数を定義し、基準を満たさないサイトを検出して通知できます。Microsoftは、所有者不在サイトのリスクを下げるため、最低2名の所有者を設定することを推奨しています。(Microsoft Learn)

特に注意したいのは、Teamsから作成されたSharePointサイトです。チームの所有者が異動・退職しても、裏側のSharePointサイトは残り続けます。ファイルもチャネルも残るため、CopilotやAI in SharePointの導入時に「誰も管理していないが情報だけは蓄積されたサイト」が問題になりやすくなります。

AI機能別に見る展開前チェック

サイト作成AIはセルフサービス作成ポリシーとセットで確認する

Create sites with AIは、自然言語で目的を説明すると、ページ、リスト、ライブラリなどを含むサイト構成案をAIが提案し、承認後にサイトを作成する機能です。計画を確認してから作成できる点は便利ですが、ユーザーにサイト作成を許可しているか、どのテンプレート・命名規則・所有者ルールを適用するかを事前に決めておく必要があります。(Microsoft Learn)

また、Create sites with AIは、プレビュー有効化の構成にも注意が必要です。公式情報では、テナントがAllSitesまたはExcludeSelectedSites構成でプレビューにオプトインしている必要があり、Selected SitesNo Sites構成では組織内ユーザーがこの機能を利用できないと説明されています。(Microsoft Learn)

ライブラリ作成AIはメタデータ設計の出発点として使う

Create document library with AIでは、ライブラリの目的を説明し、必要に応じてサンプルファイルを指定すると、AIがライブラリ名、説明、メタデータスキーマを提案します。請求書、契約書、プロジェクト成果物、社員オンボーディング資料など、一定の文書パターンがある業務では効果を出しやすい機能です。(Microsoft Learn)

ただし、AIが作った列名や抽出プロンプトをそのまま本番利用するのは避けるべきです。たとえば、契約書ライブラリで「契約開始日」「契約終了日」「自動更新有無」「相手先名」を列にする場合、法務部門がその列定義で問題ないか確認する必要があります。列の意味が曖昧だと、検索・ビュー・ワークフローすべてに影響します。

自動メタデータ列は「便利だが検証必須」

Create autofill columnsは、ライブラリ内のファイルを分析して、メタデータ列と抽出プロンプトを提案します。初回構成時には最大20件のファイルを基に提案し、保存後に新しくアップロードされたファイルには自動的にメタデータが付与されます。アップロードしたユーザーにCopilotライセンスがなくても、新規ファイルのメタデータ処理は行われると説明されています。(Microsoft Learn)

実務での注意点は、サンプル20件がライブラリ全体を代表しているとは限らないことです。古いファイル、例外的なファイル、テンプレートが混在していると、列の提案が業務実態からずれることがあります。保存前に、部門担当者が列名、値の形式、抽出プロンプト、ビューへの反映を確認しましょう。

ワークフロー自動化は対応トリガーとアクションを確認する

AI in SharePointでは、自然言語で「契約書が承認されたら自分にメール」「レビュー済み請求書をフォルダーへ移動」といった指示を行い、ライブラリのルールを作成できます。対応する主なアクションはメール送信、移動、コピー、値の設定です。(Microsoft Learn)

一方で、制約もあります。サポートされるトリガーは新規作成、変更、削除であり、暗号化ファイルの分析、日付接近トリガー、削除アクション、翻訳アクションなどには制限があります。また、1つのリストまたはライブラリで作成できるルールは最大15件です。(Microsoft Learn)

運用では、AIで作成したルールを「誰が変更してよいか」を決めておくことが重要です。通知先や移動先フォルダーが誤っていると、ファイルが見つからない、承認通知が届かない、関係者以外に通知されるといったトラブルにつながります。

スキルは業務手順の標準化に使えるが、権限管理が必要

AI in SharePointのSkillsは、繰り返し使う複数ステップの作業を再利用可能な資産として保存する機能です。たとえば「契約書に必須項目が入っているか確認し、不備がある文書をリストに登録する」といった業務手順を、自然言語でスキル化できます。(Microsoft Learn)

スキルはサイト内のAgent AssetsライブラリにMarkdownファイルとして保存されます。既定では、サイトの編集権限を持つユーザーがスキルを作成でき、閲覧権限を持つユーザーが実行できます。必要であれば、Agent Assetsライブラリの権限継承を切り、より厳しい権限モデルに変更します。(Microsoft Learn)

開発者やPower Platform担当者が特に押さえるべき点は、Skillsが外部システム接続やカスタムコード実行を行う仕組みではないことです。スキルはAI in SharePointが提供する組み込み機能を組み合わせるもので、ユーザーの既存権限を超える操作はできません。外部API連携や業務システム更新が必要な場合は、Power Automate、Copilot Studio、SPFxなど既存の拡張手段と役割を分けて設計しましょう。(Microsoft Learn)

開発者・管理者が確認すべき移行と展開上の注意点

AI in SharePointは、従来のSharePointサイトを別環境へ移行する更新ではありません。しかし、運用面では「人が手作業で管理していたSharePoint」から「AIが構造化・整理・提案するSharePoint」への移行と考えるべきです。

立場確認すべきこと実務上の対応
SharePoint管理者PowerShell、ライセンス、対象サイト、multi-geo、サブプロセッサパイロット用の有効化スクリプトとロールバック手順を用意
Microsoft 365管理者Copilotライセンス、サービスプラン、AIプロバイダー設定Anthropic有効化のコンプライアンス審査を行う
セキュリティ担当外部共有、共有リンク、感度ラベル、DLP、監査ログAI展開前の高リスクサイト一覧を作る
サイト所有者所有者、権限、古いページ、壊れたリンク、メタデータサイト単位の棚卸しチェックリストを運用する
開発者Skills、.agentファイル、ライブラリルール、既存拡張との住み分けAIが生成した構成をレビューし、本番運用ルールに組み込む
業務部門AIが作る列・ルール・スキルの妥当性業務用語、分類、通知先、承認者を明文化する

また、言語サポートにも注意が必要です。AI in SharePointは、SharePoint OnlineとMicrosoft 365 Copilotの両方でサポートされる言語のみを対象とし、サポート外言語では結果が変わる可能性があります。ワークフロー関連では、テキストベースのプロンプトと応答はMicrosoft 365 Copilotの対応言語に従う一方、ファイル処理には英語ファイルのみという制約も示されています。(Microsoft Learn)

展開前に実施したい8ステップ

AI in SharePointを安全に展開するなら、次の順序で進めると失敗しにくくなります。

ステップ作業目的
1Copilotライセンス保有者と対象部門を確認利用者を絞り、サポート範囲を明確にする
2高リスクサイトを棚卸しM&A、人事、法務、監査、外部共有多数のサイトを除外候補にする
3Data Access Governanceレポートを確認過剰共有、共有リンク、感度ラベルの問題を把握する
4サイト所有者を最低2名にする改善依頼やアクセスレビューの受け皿を作る
5パイロットサイトを選定効果が見えやすく、権限整理しやすいサイトから始める
6IncludeSelectedSitesで有効化影響範囲を限定して検証する
7メタデータ列・ルール・スキルを業務部門がレビューAI生成物をそのまま本番化しない
8利用ログ、問い合わせ、権限問題を確認して拡大ExcludeSelectedSitesAllSitesへの移行を判断する

サイトアクセスレビューも有効です。SharePoint管理者はData Access Governanceレポートからサイト所有者へレビュー依頼を送信でき、サイト所有者は共有リンクやEveryone except external users、過剰権限を確認して修正できます。Web画面からは最大100サイトまで直接開始でき、大量のサイトではPowerShellを使う構成です。(Microsoft Learn)

よくある失敗パターン

全社有効化してから権限問題に気づく

最も避けたいのは、AllSitesで有効化してから、共有リンクや古い権限が大量に見つかるケースです。AI in SharePointは権限を勝手に修復する機能ではありません。まずData Access Governance、共有設定、サイト所有者、感度ラベルを確認し、リスクの低いサイトから始めるべきです。

AIが作ったメタデータ列をそのまま採用する

AIの列提案は便利ですが、組織の分類体系や保存ルールを理解しているとは限りません。たとえば「契約種別」という列を作っても、値が「NDA」「秘密保持契約」「機密保持」など表記ゆれを起こすと、ビューや検索で使いにくくなります。管理メタデータ、選択肢列、命名規則をあらかじめ決めておくと安定します。

スキルを誰でも作れる状態にしてしまう

サイト編集者が多いサイトでは、スキルが乱立する可能性があります。スキルは便利な反面、業務手順そのものをSharePoint内に保存する仕組みです。Agent Assetsライブラリの権限、命名規則、承認ルールを決めておかないと、似たようなスキルが複数でき、どれが正式手順なのか分からなくなります。(Microsoft Learn)

Restricted Content Discoveryを使いすぎる

RCDは高リスクサイトの一時的な露出抑制には役立ちますが、使いすぎると検索やCopilotの回答品質に影響します。Copilot readinessの目的は、必要な情報を隠すことではなく、正しい人が正しい情報にアクセスできる状態を作ることです。(Microsoft Learn)

管理者向けチェックリスト

項目確認
Microsoft 365 Copilotライセンスの割り当ては完了しているかはい / いいえ
SharePoint Online Management Shellは必要バージョン以上かはい / いいえ
KnowledgeAgentScopeの対象範囲を決めたかはい / いいえ
パイロットサイトの所有者は最低2名いるかはい / いいえ
共有リンクと外部共有を確認したかはい / いいえ
Everyone except external usersの利用状況を確認したかはい / いいえ
高リスクサイトをRCDまたは除外リストに入れたかはい / いいえ
Anthropicサブプロセッサ設定を法務・セキュリティと確認したかはい / いいえ
AI生成の列・ルール・スキルの承認者を決めたかはい / いいえ
一般提供時に手順変更があり得ることを運用資料に明記したかはい / いいえ

サイト所有者向けチェックリスト

項目見直すポイント
サイトの目的現在も必要なサイトか、古いプロジェクトサイトではないか
所有者最低2名の責任者がいるか
権限閲覧者、メンバー、所有者が業務実態に合っているか
共有リンクAnyoneリンクや組織内リンクが残っていないか
ページ古い案内、終了済み施策、壊れたリンクがないか
ライブラリファイル命名、列、ビューが整理されているか
機密情報感度ラベルやDLPの対象にすべきファイルがないか
AI生成物列、ルール、スキルをレビューする担当者がいるか

まず何から始めるべきか

AI in SharePointプレビューは、SharePointを「保存場所」から「AIが理解し、整理し、再利用する業務基盤」へ近づける更新です。ただし、AIは既存の権限やコンテンツ品質を前提に動くため、情報管理が曖昧なまま有効化すると、過剰共有、古い情報、所有者不在、分類の乱れが目立ちやすくなります。

最初に行うべきことは、新機能の利用マニュアル作成ではなく、パイロットサイトの選定です。次に、そのサイトの権限、所有者、共有リンク、古いページ、ライブラリ列、感度ラベルを確認します。そのうえで、IncludeSelectedSitesでAI in SharePointを有効化し、メタデータ列、ルール、スキル、サイト改善提案を業務部門と一緒に検証します。

AI in SharePointは、Copilot readinessを抽象論で終わらせず、サイト所有者に「自分のサイトを今すぐ見直す理由」を与える機能です。安全に使い始める鍵は、全社展開を急ぐことではなく、AIに見せてもよいSharePointへ先に整えることです。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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