SharePoint内でViva Amplifyのキャンペーンを作成・分析するには、Viva Amplifyの対象ライセンス、対象SharePointサイトでニュースを作成・編集できる権限、各配信先を利用できる権限、そしてテナントへの機能展開が必要です。
Microsoft 365 Roadmap ID 568073によると、SharePointサイト内で複数のニュース投稿を「サイトキャンペーン」として整理し、Outlook、Teams、Viva Engage、ほかのSharePointサイトへ配信したうえで、キャンペーン単位の分析を行えるようになります。ただし、2026年8月3日時点では状態が「開発中」で、一般提供は2026年8月予定です。Targeted Releaseも対象ですが、すべてのテナントへ同時に表示されるとは限りません。
SharePointにViva Amplifyキャンペーンが統合されると何が変わるか
今回追加される「Campaigns in SharePoint」は、Viva Amplifyのキャンペーン管理機能をSharePointへ組み込むものです。
従来のようにViva Amplifyアプリへ移動しなくても、SharePointの「Publish」から次の操作を行えるようになります。
- キャンペーンを作成する
- キャンペーンに関連付けたニュース投稿を作成する
- 複数のニュース投稿を一つの施策として管理する
- Outlook、Teams、Viva Engage、SharePointへ配信する
- 複数の投稿をまとめたキャンペーン分析を確認する
Microsoftは、この機能を既存のViva Amplifyキャンペーンを置き換えるものではなく、SharePointサイト内で作成できる「軽量なキャンペーン」と説明しています。SharePointニュースを中心に運用している広報部門や人事部門が、日常の作業場所を変えずに配信と効果測定を行える点が大きな特徴です。
利用開始に必要な条件
主な条件を整理すると、次のようになります。
| 確認項目 | 必要な内容 | 確認する担当者 |
|---|---|---|
| 機能展開 | テナントにCampaigns in SharePointが展開されている | Microsoft 365管理者 |
| ライセンス | キャンペーン作成者や利用者にViva Amplifyの対象ライセンスがある | ライセンス管理者 |
| SharePoint権限 | 対象サイトでニュースを作成・編集できる | サイト所有者 |
| 配信先の権限 | Outlook、Teams、Viva Engage、SharePointの各配信先を利用できる | 各サービスの管理者 |
| 利用環境 | Worldwide標準マルチテナントのWeb環境 | Microsoft 365管理者 |
| 分析環境 | 必要に応じて組織データを連携する | Viva/Microsoft 365管理者 |
特に注意したいのは、SharePointを利用できるだけではサイトキャンペーンを作成できない点です。2026年8月3日時点では、Viva Amplify利用者だけが対象とされています。
Viva Amplifyの対象ライセンスが必要
Microsoftのセットアップ資料では、「Viva Amplify」と「Viva Amplify – Organizational data」のサービスプランが、次の製品ライセンスを持つユーザーに対して有効になると説明されています。
- Microsoft Viva
- Microsoft Viva Employee Communities & Communications
- Microsoft Viva for Faculty
- Microsoft Viva with Glint add-on
- Microsoft Viva with Glint add-on for Faculty
契約名だけで判断せず、Microsoft 365管理センターで対象ユーザーの「アプリとサービス」を開き、Viva Amplifyのサービスプランが実際に有効になっているか確認してください。ライセンスを購入していても、サービスプランが個別に無効化されていると機能が表示されない可能性があります。(Microsoft Learn)
対象サイトでニュースを編集できる権限が必要
サイトキャンペーンでは、作成時にキャンペーンを配置するSharePointサイトを選択します。そのため、利用者には少なくとも、そのサイトでニュース投稿を作成・編集できる権限が必要です。
既存の「Amplify from SharePoint」も、Amplifyライセンスに加えて、SharePointニュースの作成者または編集者であることを利用条件としています。Amplifyライセンスを割り当てても、SharePointサイトの編集権限が自動的に追加されるわけではありません。(Microsoft サポート)
運用では、次のような役割分担が分かりやすいでしょう。
| 役割 | 主な作業 |
|---|---|
| SharePoint管理者 | Viva Amplifyの設定、作成者の制限、障害調査 |
| サイト所有者 | 対象サイトへのメンバー追加、編集権限の管理 |
| 広報担当者 | キャンペーン作成、ニュース投稿、配信、分析 |
| 承認担当者 | 内容確認、公開前の承認 |
| 分析担当者 | 閲覧数や反応を確認し、次回施策を改善 |
SharePoint管理者ロールは、Viva Amplifyの管理設定を変更する場合に必要です。一般の広報担当者がキャンペーンやニュース投稿を作成するために、SharePoint管理者ロールを付与する必要はありません。過剰な管理権限を与えず、対象サイトの編集権限で運用することが重要です。(Microsoft Learn)
キャンペーン作成を制限している場合は許可対象に含める
Viva Amplifyは、初期設定では組織内の対象ユーザーがキャンペーンを作成できる構成です。一方、管理者はキャンペーンを作成できるユーザーを、特定のユーザーまたはセキュリティグループだけに制限できます。
ライセンスとSharePoint権限が正しくてもキャンペーン作成ボタンが表示されない場合は、次の場所で作成制限を確認します。
- Microsoft 365管理センターを開く
- 「セットアップ」から「Microsoft Viva」を選択する
- 「Viva Amplify」を開く
- 「キャンペーン設定の管理」を確認する
- 対象ユーザーまたはグループが許可されているか確認する
特定ユーザーだけに制限すると、選択した利用者を含むセキュリティグループがMicrosoft Entraに作成されます。異動や担当変更がある組織では、このグループのメンテナンス担当者も決めておきましょう。(Microsoft Learn)
配信先ごとの権限も必要
Viva Amplifyは、利用者が本来持っていない送信権限や投稿権限を追加する機能ではありません。
たとえば、SharePointニュースを次の場所へ配信する場合、それぞれのサービスで必要な権限を持っている必要があります。
- Outlookで送信できるメールボックスや送信権限
- Teamsの対象チャネルへ投稿できる権限
- Viva Engageで記事や投稿を公開できる権限
- 配信先SharePointサイトでニュースを公開できる権限
「SharePointでは作成できるが、Teamsが配信先に表示されない」という場合は、Viva Amplifyではなく、対象チームやチャネル側の投稿権限を確認します。Amplifyを導入しても、各サービスに設定済みのガバナンスや送信制限は引き継がれます。(Microsoft サポート)
OneDrive for BusinessとExchangeの構成も確認する
Viva Amplify全体のセットアップ資料では、キャンペーンを作成するユーザーに対して、OneDrive for BusinessとExchangeメールボックスが必要とされています。
一方、SharePointサイトキャンペーンは選択したSharePointサイト内に作成されるため、既存のAmplifyアプリキャンペーンとまったく同じ前提条件になるかは、ロードマップと現時点のサイトキャンペーン向け資料だけでは明確になっていません。
本番展開前には、少なくとも次の構成を持つパイロットユーザーで動作確認するのが安全です。
- Viva Amplify対象ライセンス
- OneDrive for Business
- Exchange Onlineメールボックス
- 対象SharePointサイトの編集権限
- 利用予定のTeamsやViva Engageへの投稿権限
特にOutlookへ配信する場合は、Exchangeメールボックスとメール送信に関するポリシーの確認が欠かせません。(Microsoft Learn)
SharePointでサイトキャンペーンを作成する手順
テナントに機能が展開された後は、SharePointの「Publish」からサイトキャンペーンを作成します。
- SharePointサイトを開くか、Microsoft 365のアプリバーからSharePointを開く
- SharePointのサイドアプリバーで「Publish」を選択する
- 「Campaigns」タブを開く
- 「Create campaign」を選択する
- キャンペーン名を入力する
- キャンペーンを配置するSharePointサイトを選択する
- 必要に応じて説明とサムネイルを設定する
- 「Create」を選択する
キャンペーンを作成すると、そのキャンペーンに自動的に関連付けられるニュース投稿を作成できます。公開時には、Outlook、Teams、Viva Engage、SharePointなどへ展開し、公開後はチャネルをまたいだ集計分析を確認できます。(Microsoft サポート)
日本語環境ではボタン名が翻訳される可能性があります。また、公式サポート文書が公開されていても、ロードマップ上はまだ開発中であるため、テナントに「Publish」や「Create campaign」が表示されていない場合があります。
サイトキャンペーンで分析できる範囲
サイトキャンペーンについて公式資料で明確に示されているのは、複数のニュース投稿をまとめ、チャネル横断のキャンペーン分析を確認できることです。(Microsoft サポート)
既存のViva Amplifyでは、主に次の指標を確認できます。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| ユニーク閲覧者 | キャンペーンや投稿を開いたユーザー数 |
| プロモーション | 共有、転送、メンションなどの合計 |
| ユーザー当たりの平均閲覧時間 | コンテンツを実際に閲覧していた平均時間 |
| チャネル別閲覧 | SharePoint、Outlook、Teamsなど配信先別の実績 |
| リアクション | 肯定的、否定的、その他の反応 |
| リンククリック | ニュース内のリンクをクリックした利用状況 |
既存のAmplifyレポートでは、キャンペーン全体と個別パブリケーションの二段階で分析できます。詳細レポートではチャネル別の内訳を確認でき、CSVやPowerPointへの出力にも対応しています。(Microsoft サポート)
ただし、ロードマップID 568073では、サイトキャンペーンに既存Amplifyレポートの全指標や全エクスポート機能がそのまま提供されるとは明記されていません。一般提供後に、次の項目を実際のテナントで確認してください。
- キャンペーン全体で表示される指標
- ニュース投稿ごとの詳細分析
- チャネル別の内訳
- CSVやPowerPointへのエクスポート
- 組織属性によるグループ化
- データ更新までの時間
組織データを連携すると分析を深められる
Viva Amplifyでは、組織データを連携することで、勤務地、役職、レベルなどの属性を使った分析が可能になります。
たとえば、全社向け制度変更を配信した場合に、「東京拠点ではOutlook経由の閲覧が多い」「特定部門ではSharePointからの閲覧が少ない」といった切り口で状況を確認できます。
組織データの連携は、キャンペーン作成そのものの必須条件ではありません。しかし、部署別や拠点別に社内広報の到達状況を評価したい場合には有効です。連携前のデータは組織属性による分析対象にならないため、利用する場合はキャンペーン開始前に準備しておきましょう。(Microsoft Learn)
なお、個人の行動が特定されないように、Amplifyはユーザー情報ではなく集計値を保存します。組織属性を使った内訳も、一定の件数に達しない場合は表示されません。(Microsoft サポート)
既存のAmplify機能との違い
SharePointには、すでに単体のニュース投稿を複数チャネルへ拡散する「Amplify from SharePoint」があります。今回のサイトキャンペーンは、その機能に「複数投稿を一つの施策としてまとめる」管理単位を加えるものと考えると分かりやすいでしょう。
| 機能 | 管理単位 | 主な用途 | 作成場所 |
|---|---|---|---|
| 通常のSharePointニュース | 1件のニュース | サイト内でのお知らせ | SharePointサイト |
| Amplify from SharePoint | 1件のニュース | 1投稿を複数チャネルへ展開 | SharePointニュース画面 |
| SharePointサイトキャンペーン | 複数のニュース | サイト内の連続した広報施策 | SharePointのPublish |
| Viva Amplifyアプリのキャンペーン | 複数のパブリケーション | 本格的な組織横断キャンペーン | Viva Amplifyアプリ |
単発のお知らせであれば、既存のAmplify from SharePointで十分です。
一方、次のような複数回の発信をまとめて評価したい場合は、サイトキャンペーンが適しています。
- 新制度の予告、詳細説明、開始案内
- 社内イベントの告知、申込案内、直前案内
- セキュリティ研修の周知、受講促進、締切通知
- 新製品の紹介、利用方法、導入事例
- 福利厚生制度の紹介を複数回に分けて発信する施策
Viva Amplifyアプリの本格的なキャンペーンと比べ、SharePointサイトキャンペーンは、既存ニュースを中心に短期間で施策を組み立てたい場合に向いています。
表示されない・分析できない場合の確認ポイント
「Create campaign」が表示されない
次の順番で確認します。
- テナントに機能が展開済みか
- 対象ユーザーにAmplifyライセンスがあるか
- Viva Amplifyのサービスプランが有効か
- キャンペーン作成者の制限対象になっていないか
- 対象サイトでニュースを編集できるか
- Web版SharePointを利用しているか
2026年8月は一般提供の予定月であり、8月1日からすべてのテナントで一斉に利用可能になるという意味ではありません。Microsoft 365 Roadmapの日付は予定であり、Targeted ReleaseからStandard Releaseへ段階的に展開される場合があります。(Microsoft)
一部の配信先が選択できない
Viva Amplifyは、利用者に新しい投稿権限を与えません。対象のTeamsチャネル、Viva Engage、配信先SharePointサイト、Outlookの送信設定を確認してください。(Microsoft サポート)
閲覧数が想定より少ない
Viva Amplifyの公式資料では、ライセンスを持たないユーザーのシグナルは正確に報告されない可能性があるとされています。配信自体が成功していても、受信者のライセンス状況や配信チャネルによって、分析値に差が出る可能性があります。
また、チャネルごとにMicrosoft Graphへ提供されるデータの種類が異なるため、SharePoint、Outlook、Teamsで取得できる指標が完全に同じとは限りません。(Microsoft サポート)
一般提供前に管理者が準備すべきこと
まず、少人数の広報担当者をTargeted Releaseの対象にし、パイロット用のSharePointコミュニケーションサイトで試す方法が安全です。
確認作業は、次の順番で進めると効率的です。
- Viva Amplifyライセンスとサービスプランを確認する
- キャンペーン作成者の制限設定を確認する
- パイロット用SharePointサイトを決める
- 広報担当者へニュース編集権限を付与する
- Outlook、Teams、Viva Engageの投稿権限を確認する
- 二つ以上のテストニュースを含むサイトキャンペーンを作成する
- 限定した配信先へ公開する
- キャンペーン全体と投稿別の分析項目を確認する
- ライセンス、権限、承認、分析方法を運用手順書へ反映する
本番導入では、担当者個人のチームサイトではなく、広報部門が継続管理するコミュニケーションサイトにキャンペーンを配置すると、異動や担当変更があっても運用を引き継ぎやすくなります。
まとめ
SharePoint内でViva Amplifyキャンペーンを作成・分析するために必要なのは、主に次の四つです。
- Viva Amplifyの対象ライセンス
- 対象SharePointサイトのニュース編集権限
- Outlook、Teams、Viva Engageなど各配信先の利用権限
- テナントへのCampaigns in SharePointの機能展開
2026年8月3日時点では、Worldwide標準マルチテナントのWeb版を対象に、2026年8月の一般提供が予定されていますが、状態はまだ「開発中」です。まずMicrosoft 365管理センターでライセンスと作成者設定を確認し、Targeted Releaseのパイロットユーザーで「Publish」にサイトキャンペーンが表示されるか確認するのが次の行動になります。

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