SharePoint OnlineのFlexible Sectionsは、2026年8月に編集機能が改善される予定です。Microsoft 365 Roadmap ID 567889では、列レイアウトをイメージしやすい視覚ガイド、編集中も表示されるグリッド線・レイアウトガイド、既存セクションを1クリックでFlexible Sectionへ変換する機能が示されています。既存コンテンツの配置を保ったまま変換できる点が、特に大きな変更です。(M365 Admin)
ただし、展開後すぐに重要な本番ページを変換するのは避けましょう。まずページを複製し、PC、スマートフォン、メールの各表示と編集操作を確認してから、対象ページを段階的に移行するのが安全です。
SharePoint Flexible Sectionsの編集はどう変わる?
Roadmap 567889で案内されている改善は、Flexible Sectionsの表現力を大きく増やすというより、編集時の迷いやレイアウト崩れを減らすための操作性改善と考えると分かりやすいでしょう。
| 改善点 | 変更内容 | 編集者にとっての効果 | 展開後の確認点 |
|---|---|---|---|
| 視覚的な列レイアウトガイド | 従来のセクションに似た列構成をガイドとして表示 | 2列や3列を意識した配置を作りやすい | ガイドと実際の公開表示が一致して見えるか |
| グリッド線・レイアウトガイドの常時表示 | 編集中も位置合わせ用の線を確認できる | 余白や高さ、左右位置をそろえやすい | 拡大率やブラウザー幅を変えても操作しやすいか |
| 既存セクションの1クリック変換 | 通常のセクションをFlexible Sectionへ変換 | ページを最初から作り直す手間を削減 | テキスト、画像、リンク、Webパーツの位置が保持されるか |
| 複数表示への一貫性向上 | デスクトップ、モバイル、メールを意識した編集改善 | 公開後の見え方を予測しやすい | モバイルでの並び順やメール対応Webパーツを確認する |
視覚的な列レイアウトガイドが追加される
Flexible Sectionsは、決められた列の中にWebパーツを置く従来型セクションとは異なり、Webパーツを比較的自由に配置できます。その反面、何もないキャンバス上で中央位置や左右の幅を判断しにくいことがありました。
今回の改善では、従来の1列、2列、3列といったセクションを連想しやすい視覚ガイドが利用できるようになります。例えば、最初は2列構成を基準にWebパーツを並べ、その後、一部の画像だけを広げるといった編集がしやすくなると考えられます。(M365 Admin)
ただし、ガイドは配置を支援するものであり、固定された列そのものとは限りません。ガイドに沿って置いたからといって、公開画面やスマートフォン表示が自動的に理想的なレイアウトになるわけではないため、プレビュー確認は引き続き必要です。
グリッド線とレイアウトガイドを見ながら編集できる
グリッド線やレイアウトガイドが編集中も表示されることで、次のような調整がしやすくなります。
- 複数の画像Webパーツの左端をそろえる
- テキストとボタンの開始位置を合わせる
- Webパーツ間の余白を均一にする
- 重ねて配置した要素の位置関係を確認する
- 左右非対称のレイアウトでも基準線を維持する
特に、キャンペーンページや社内ポータルのトップページなど、画像、テキスト、リンクを組み合わせるページでは効果が期待できます。
一方で、細かい位置合わせにこだわりすぎると、デスクトップでは整っていても、画面幅が狭い環境で読みづらくなることがあります。グリッド線は「ピクセル単位で固定するための線」ではなく、「整った相対配置を作るための目安」として使うのが適切です。
既存セクションを1クリックでFlexible Sectionへ変換できる
今回の改善で最も実務への影響が大きいのが、既存セクションからFlexible Sectionへの変換です。
現行のMicrosoftサポート情報では、通常セクションのレイアウト選択肢にFlexibleは表示されず、通常セクションとFlexible Sectionを相互に切り替える操作はサポートされていないと説明されています。Roadmap 567889の展開後は、この制約が緩和され、既存コンテンツの配置を維持しながらFlexible Sectionへ変換できる予定です。(Microsoftサポート)
例えば、次のような移行がしやすくなります。
- 2列セクションの片側だけを広くする
- 3列のカード型レイアウトに大小の差を付ける
- 画像とテキストを一部重ねる
- 既存ページを残したまま、段階的にデザインを改善する
- 長期間運用しているイントラネットページを作り直さずに更新する
ただし、「コンテンツの配置を保持する」という説明を、すべての表示環境で完全に同じ見た目が維持されるという意味には捉えない方が安全です。変換後は、Webパーツの幅、余白、重なり、モバイルでの並び順を必ず確認してください。
Flexible Sectionsで現在できること
Flexible Sectionsでは、右側のツールボックスからWebパーツを追加し、セクションやWebパーツのサイズを調整できます。複数のWebパーツを選択して移動、複製、削除、グループ化したり、前面・背面の関係を調整したりすることも可能です。(Microsoftサポート)
従来型セクションとの違いは、次のように整理できます。
| 項目 | 従来型セクション | Flexible Sections |
|---|---|---|
| 基本構造 | 1列、2列、3列などの固定構成 | グリッド上で自由度の高い配置 |
| Webパーツの移動 | 列や所定の位置へ移動 | セクション内で柔軟に移動 |
| サイズ変更 | 列幅に依存しやすい | Webパーツごとに調整可能 |
| Webパーツの重なり | 基本的に想定されていない | 前後関係を指定可能 |
| 複数Webパーツの編集 | 個別操作が中心 | 複数選択やグループ化に対応 |
| 向いているページ | 手順書、一覧、情報提供ページ | キャンペーン、ポータル、ビジュアル重視のページ |
自由度が高いからといって、すべてのページをFlexible Sectionsへ変換する必要はありません。規程、申請案内、障害情報など、読みやすさと更新のしやすさを優先するページは、従来型セクションの方が管理しやすい場合があります。
2026年8月予定でも全テナントへ同時展開とは限らない
Roadmap 567889は、2026年8月をリリース時期として掲載しています。対象はSharePointのWeb版で、WorldwideのStandard Multi-Tenant環境が示されています。取得時点のRoadmap転載情報では、ステータスは「In development」、リリースフェーズは「Targeted Release」です。(M365 Admin)
Microsoft 365 Roadmapの日付は予定であり、変更される可能性があります。また、Targeted Releaseが設定されている機能では、最初に対象指定リリース環境への展開が始まり、その後に標準リリース環境へ広がります。したがって、2026年8月の特定日に全利用者が一斉に使えるようになるとは限りません。(Microsoft)
編集画面に新しいガイドや変換操作が表示されない場合は、次の点を確認してください。
- 同じテナント内の別ユーザーにも表示されていないか
- 対象指定リリースと標準リリースのどちらを利用しているか
- 新規ページと既存ページで表示に違いがないか
- ブラウザーの再読み込みやサインインし直しで変化するか
- Microsoft 365管理センターのメッセージセンターに関連通知がないか
展開後はテストページでこの順番に確認する
本番ページへ適用する前に、実際に運用しているページに近い構成のテストページを用意します。テキストだけの簡単なページではなく、画像、クイックリンク、ファイル表示、ボタン、カスタムWebパーツなどを含むページを使うことが重要です。
推奨する確認手順
- 本番ページを複製してテストページを作成する
- 変更前のPC・モバイル表示をスクリーンショットで保存する
- 最初は1つのセクションだけをFlexible Sectionへ変換する
- コンテンツとリンクが保持されているか確認する
- Webパーツを移動、サイズ変更、グループ化して編集性を確認する
- PC、タブレット、スマートフォンのプレビューを比較する
- ニュース投稿の場合はメールプレビューも確認する
- 問題がなければ、影響の小さい本番ページから段階的に適用する
テスト時のチェックリスト
| 確認項目 | 合格の判断基準 |
|---|---|
| コンテンツ保持 | テキスト、画像、リンク、ファイル参照先が変わっていない |
| デスクトップ表示 | 不自然な空白、はみ出し、重なりがない |
| モバイル表示 | 読む順番が自然で、ボタンや文字が隠れていない |
| 編集操作 | Webパーツを選択、移動、サイズ変更しやすい |
| グリッド表示 | ガイドが編集を妨げず、位置合わせに利用できる |
| 重なり順 | テキストやボタンが画像の背面に隠れない |
| カスタムWebパーツ | 表示、サイズ変更、操作に問題がない |
| アクセシビリティ | 見出し順、リンク名、文字のコントラストが適切 |
| メール表示 | 対応Webパーツが正しく表示され、情報が欠落しない |
Microsoftは、Flexible Sectionsをデバイスやメールで確認するためのプレビュー機能を案内しています。モバイル表示ではWebパーツが再配置されるため、デスクトップで左右に並べた要素が、スマートフォンではどの順番に並ぶかを確認する必要があります。(TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)
メール表示では対応Webパーツに注意する
Roadmapの説明には、デスクトップ、モバイル、メールでの一貫性向上が含まれています。ただし、これはすべてのWebパーツがメール本文で同じように表示されることを意味しません。
SharePointの「News for Email」では、メール向けに対応したWebパーツが使用されます。カスタムWebパーツやメール非対応のWebパーツが含まれている場合、メール本文にニュース全体を表示できず、ページへのリンクだけが送信されることがあります。(Microsoftサポート)
ニュースページをFlexible Sectionへ変換する場合は、最低限、次の点を確認してください。
- メールプレビューで本文が欠落していないか
- 画像のトリミング位置が適切か
- ボタンやリンクの文言が分かりやすいか
- 重ねたテキストがメールでも読めるか
- 非対応Webパーツによってリンク配信へ切り替わっていないか
本番適用を急がない方がよいページ
次のようなページは、機能展開直後の一括変換を避け、十分な検証後に適用した方が安全です。
カスタムSPFx Webパーツを多用しているページ
Flexible Sectionsではサードパーティー製やカスタムWebパーツも利用できますが、Webパーツによってサイズ変更の選択肢が異なります。標準Webパーツと同じ動作になるとは限らないため、個別確認が必要です。(Microsoftサポート)
全社員が毎日利用するポータルトップ
トップページのレイアウト崩れは、多数の利用者へ影響します。最初は部門サイトや期間限定ページなど、影響範囲の小さいページで操作を確認しましょう。
重なりを多用したデザイン
画像の上にテキストやボタンを重ねた構成は、画面幅、文字サイズ、ブラウザーの拡大率によって見え方が変わりやすくなります。特に文字が背景画像と重なる場合は、コントラストと読みやすさを確認してください。
頻繁に複数人が更新するページ
自由配置のページは、編集ルールがないと余白や位置が担当者ごとにばらつきます。「使用するガイド」「Webパーツ間の間隔」「モバイルでの並び順」など、最低限の編集ルールを決めてから導入すると安定します。
よくある誤解と注意点
1クリック変換なら確認作業は不要
変換時にコンテンツの配置が保持されても、Webパーツごとの幅やモバイルでの再配置まで完全に同一になるとは限りません。変換は作業の開始点であり、公開前の確認を省略するための機能ではありません。
ガイドに沿えばレスポンシブ対応も完了する
列ガイドやグリッド線は編集を支援する機能です。狭い画面でのWebパーツの順番、文字量、画像比率、ボタン位置は別途確認する必要があります。
Flexible Sectionsの方が常に優れている
情報を順番に読ませるページでは、固定列の方が編集しやすく、表示も予測しやすい場合があります。Flexible Sectionsは、自由度が必要なセクションだけに限定して使う方法も有効です。
2026年8月になれば全員が利用できる
Microsoft 365の新機能は段階的に展開されます。8月中に自社テナントへ表示されない可能性もあるため、編集者への利用開始日を先に確定しないようにしましょう。
展開後に取るべき対応
SharePoint Flexible Sectionsの編集機能改善では、視覚的な列ガイド、常時表示されるグリッド線、既存セクションの1クリック変換によって、ページ編集が分かりやすくなる見込みです。
運用担当者は、次の順番で対応すると安全です。
- Roadmapとメッセージセンターで自社テナントへの展開状況を確認する
- 本番ページを複製してテストページを用意する
- 既存セクションを1つだけ変換する
- PC、モバイル、メール、カスタムWebパーツを確認する
- 編集ルールを整理する
- 影響の小さいページから段階的に本番適用する
今回の改善は、既存ページをすぐに全面リニューアルするための機能というより、従来型セクションからFlexible Sectionsへ安全に移行しやすくする更新です。まずは変換結果を確認できるテスト環境を作り、公開後の見え方まで問題がないことを確認してから活用しましょう。

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