SharePointで削除ファイルを日付でたどって復元したいときは、最初にやることはシンプルです。1〜数件の削除ならサイトのごみ箱、見つからなければ第2段階ごみ箱、同じ日の大量削除や上書きなら「このライブラリを復元する」を使います。SharePoint Online の削除アイテムは、元の場所から削除した時点を起点に原則 93 日保持され、ライブラリ単位の時点復元は過去 30 日の操作が対象です。この記事では、迷わない判断順、画面の開き方、失敗しやすいポイント、最後の代替策まで実務目線で整理します。 (Microsoft サポート)
削除ファイルを日付でたどるときの判断順
まずは、戻したい範囲で機能を切り分けるのが最短です。
- 1〜数件のファイルを戻したいなら、通常のごみ箱
- 通常のごみ箱に見当たらないなら、第2段階ごみ箱
- 同じ日にフォルダーごと消えた、複数ファイルがまとめて壊れたなら、「このライブラリを復元する」
- ファイル自体は残っていて、中身だけ過去の状態に戻したいなら、バージョン履歴
SharePoint の復元は「ファイル単位で戻すか」「ライブラリ全体を時点で戻すか」で手段が変わります。ここを先に決めると、無駄に画面を探し回らずに済みます。 (Microsoft サポート)
復元前に確認しておきたい前提条件
- 通常のごみ箱では、編集権限があれば他のユーザーが削除したアイテムも表示・復元できます。 (Microsoft サポート)
- 第2段階ごみ箱は、所有者または管理者クラスの権限が必要です。表示されない場合は、権限不足か機能が無効の可能性があります。 (Microsoft サポート)
- 削除アイテムの保持期間は、元の場所から削除した時点を起点に 93 日です。サイトのごみ箱から消したら第2段階ごみ箱へ移りますが、日数がリセットされるわけではありません。さらに、サイト コレクションごみ箱のクォータ超過や管理者の手動削除で、93 日より前に消えることもあります。 (Microsoft サポート)
- 復元先は基本的に元の場所です。同じパスに同名ファイルやフォルダーがすでにあると、末尾に番号が付いて戻ることがあります。 (Microsoft サポート)
方法1:ごみ箱で削除した日付周辺をたどって復元する
削除した日がだいたい分かっていて、戻したいのが数件までなら、この方法が最優先です。たとえば「昨日の夕方に消えた」「月曜の午前中に間違って消した」と分かっているなら、その時期の項目を中心に見ていくのが最も早いです。
手順
- 対象の SharePoint サイトを開きます。Teams のチャネル ファイルなら、[ファイル] タブの [詳細] から [SharePoint で開く] を選びます。
- 左下の [ごみ箱] を開きます。
- 左メニューにごみ箱が見当たらない場合は、[設定] → [サイト コンテンツ] → [ごみ箱] と進みます。
- 削除した時期に近い項目を確認し、戻したいファイルやフォルダーにチェックを入れて [復元] を押します。
- 元のライブラリに戻り、想定どおりの場所へ戻ったか確認します。 (Microsoft サポート)
通常のごみ箱から復元したアイテムは元の場所に戻ります。最近削除したはずなのに見当たらない場合は、すでにサイトのごみ箱から消されていて、第2段階ごみ箱に移っている可能性があります。 (Microsoft サポート)
ここでつまずきやすいポイント
ファイルが属していたライブラリごと削除されている場合、ファイルだけ先に戻すことはできません。まずライブラリを復元し、その後にファイルを戻す必要があります。また、削除されたフォルダー内の特定ファイルだけを戻すと、フォルダー自体は再作成されても、そのフォルダー内の他のファイルまで一括で戻るわけではありません。同期クライアント経由で削除した場合は、PC 側の Windows ごみ箱に残っていることもあるため、そこも確認すると復旧が早いことがあります。 (Microsoft サポート)
方法2:通常のごみ箱にないときは第2段階ごみ箱を確認する
「さっき見たはずなのにない」「誰かがごみ箱を空にしたかもしれない」というときは、第2段階ごみ箱まで追う必要があります。ここを見落とすと、まだ戻せるファイルを見逃しがちです。
手順
- [設定] を開き、[サイトの設定] に進みます。
- [サイトの設定] が見えない場合は、[サイト情報] → [すべてのサイト設定の表示] を開きます。
- [サイト コレクションの管理] の [ごみ箱] を開きます。
- ごみ箱ページの下部にある [第2段階ごみ箱] を開きます。
- 対象アイテムを選び、[復元] を押します。 (Microsoft サポート)
第2段階ごみ箱は「通常のごみ箱の次の避難先」です。保持期間は第1段階と第2段階の合計で 93 日なので、「第2段階にあるからまだ 93 日ある」とは考えないほうが安全です。古い削除分ほど、クォータ超過や手動削除の影響を受けやすい点も見落としがちです。 (Microsoft サポート)
方法3:同じ日にまとめて消えたなら「このライブラリを復元する」
ファイルが 1 件ではなく、同じ日の誤操作で大量に削除されたり、まとめて上書きされたり、破損したりしたなら、個別復元よりライブラリ単位の時点復元が向いています。Microsoft はこの機能を、削除・上書き・破損・マルウェアのようなケース向けとして案内しています。 (Microsoft サポート)
たとえば「4月8日の 15 時以降に大量削除が始まった」と分かっているなら、その直前の時点までライブラリ全体を戻す、という使い方です。
手順
- 対象のドキュメント ライブラリを開きます。Teams のチャネル ファイルなら、[ファイル] タブから [その他] → [SharePoint で開く] と進みます。
- [設定] → [このライブラリを復元する] を開きます。
- [昨日] などの日付プリセット、または [ユーザー設定の日付と時刻] を選びます。
- 日次アクティビティ グラフとアクティビティ フィードで、元に戻したい最初の操作を確認します。
- カスタム日時を使う場合は、元に戻すべき最も早いアクティビティを選びます。
- [復元] を実行します。ライブラリは、最初に選択したアクティビティの前の状態に戻ります。 (Microsoft サポート)
先に知っておきたい注意点
- この操作を開始できるのはサイト管理者だけです。復元中は、そのライブラリを開いているユーザーに通知が出ます。 (Microsoft サポート)
- カスタム日時では、最初に選んだアクティビティ以降の操作が自動的に巻き戻し対象になります。つまり、削除後に行われた正常な更新も一緒に戻る可能性があります。夕方の大量削除を戻したいなら、午前中の正常更新まで消してしまわないかを必ず確認してください。 (Microsoft サポート)
- この機能はモダン エクスペリエンス向けで、削除されたライブラリ全体を戻す用途には使えません。ライブラリ自体が消えているなら、ごみ箱からライブラリを復元する流れに切り替える必要があります。 (Microsoft サポート)
- 削除後に同じファイルやフォルダーを再アップロードしていると、その項目の復元がスキップされることがあります。うまく戻らない場合は、復元後に生成される RestoreLog を確認すると原因の切り分けがしやすくなります。 (Microsoft サポート)
方法4:ファイルは残っているならバージョン履歴で戻す
ファイル自体は存在していて、「昨日の版に戻したい」「誰かの上書き前の状態に戻したい」という場合は、ごみ箱ではなくバージョン履歴を使うほうが正確です。たとえば、仕様書.docx は残っているが、午前 9 時時点の内容に戻したい、というケースです。 (Microsoft サポート)
手順
- 対象ファイルがあるライブラリを開きます。
- ファイル横の […] を開き、[バージョン履歴] を選びます。
- 戻したい日時のバージョンのメニューから [復元] を選びます。
- 確認ダイアログで [OK] を押します。復元した版は削除されず、コピーとして最新バージョンになります。 (Microsoft サポート)
ここで誤解しやすいのが、「削除したファイルもバージョン履歴から戻せるのでは」という点です。実際には、ファイル自体が削除されるとそのファイルの全バージョンも一緒に消えるため、まずごみ箱から本体を戻す必要があります。また、[バージョン履歴] が出ない場合は、バージョン管理がオフになっている可能性があります。 (Microsoft サポート)
復元できないときの切り分け
次のどれに当てはまるかで、打ち手はかなり変わります。
- ごみ箱にも第2段階ごみ箱にもない
標準 UI での復元可能期間を過ぎたか、手動削除された可能性が高いです。 (Microsoft サポート) - ファイルだけ戻そうとしているが、ライブラリごと消えている
先にライブラリを復元しないと戻せません。 (Microsoft サポート) - フォルダー内の一部だけ戻したら、中身が全部は戻らない
その動作は仕様どおりです。必要なファイルを個別に復元するか、範囲が広ければライブラリ復元を検討します。 (Microsoft サポート) - 同名ファイルがすでにある、または再アップロード済み
末尾に番号が付いて復元されたり、ライブラリ復元でスキップされたりすることがあります。 (Microsoft サポート) - 同期フォルダーから消えた
SharePoint だけでなく、ローカル PC の Windows ごみ箱も確認します。 (Microsoft サポート)
標準機能で戻せないときの代替策
Microsoft サポートにサイト コレクション単位の復元を相談する
SharePoint Online では、実際の削除から 14 日以内であれば、管理者が Microsoft サポートにサイト コレクション単位の復元を依頼できる場合があります。ただし、対象はサイト コレクション全体であり、特定のファイル・リスト・ライブラリだけをピンポイントで戻す手段ではありません。個別ファイルの復元が目的なら、まずはごみ箱やライブラリ復元を使い切るべきです。 (Microsoft サポート)
削除日時の特定や原因調査なら監査ログも使う
「どの日付に戻すべきか分からない」「大量削除が誰の操作で起きたか確認したい」というときは、Microsoft Purview の監査ログ検索が役立ちます。監査ログ検索には Audit Logs または View-Only Audit Logs ロールが必要で、SharePoint / OneDrive の監査対象には FileDeleted、FileDeletedFirstStageRecycleBin、FileDeletedSecondStageRecycleBin、FileRecycled、FileRestored などの削除・復元系アクティビティが含まれます。日付の当たりを付ける材料として、管理者に確認してもらう価値があります。 (Microsoft Learn)
迷ったときの実務フロー
- まず、削除が起きたおおよその日付を決める
- 1〜数件なら通常のごみ箱を確認する
- 見つからなければ第2段階ごみ箱まで追う
- 同じ日の大量削除・上書きなら「このライブラリを復元する」に切り替える
- ファイル本体が残っているならバージョン履歴で戻す
- それでも無理なら、管理者に監査ログ確認やサポート相談を依頼する
SharePoint で削除ファイルを日付でたどって復元するときは、「1件を戻すのか、ライブラリ全体を時点で戻すのか」を最初に決めることが成功の分かれ目です。まずは対象サイトのごみ箱を開き、削除が起きた日付周辺を確認してください。そこで見つからなければ、すぐに第2段階ごみ箱かサイト管理者へのエスカレーションに進むのが最短です。 (Microsoft サポート)

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