Outlook(デスクトップ)でBigPond(Telstra)メールが「受信はできるのに送信だけ失敗する」「一度削除したら再追加できない」。この症状はSMTP認証・暗号化設定・保存された資格情報のズレが原因になりやすいです。切り分けから確実に直す手順をまとめます。
症状の整理:何が起きているのか
相談で多いのは、次のような流れです。
- ほぼ同一構成のWindowsノートPC(例:Acerのノート2台)で、Outlook(デスクトップアプリ)からBigPond(Telstra)メールが受信はできるが送信できない。
- Microsoft 365 / Officeのクイック修復やオンライン修復でも改善しない。
- 片方のPCでアカウントを削除して再追加しようとしたら、メールアドレスが認識されない等の表示で追加自体ができなくなった。
- 自動設定(メールアドレス+パスワードのみ)でも失敗。手動設定でテストすると「550 5.7.1」などのSMTPエラーが出る。
このパターンは、Outlook本体の故障というよりも、送信(SMTP)側の認証・暗号化・資格情報キャッシュの不整合、またはTelstra側で送信が拒否されている状態に当たることが多いです。受信(IMAP)が生きているため「設定は合っているはず」と思いがちですが、IMAPとSMTPは別物で、受信ができても送信だけ失敗する条件は珍しくありません。
最初にやるべき切り分け:Outlookが悪いのか、メール側が悪いのか
修復や再インストールの前に、原因を絞ると最短で直せます。以下の順に確認してください。
Webメール(Telstra Webmail)で送信できるか
まずはブラウザでTelstraのWebメールにログインし、同じアカウントでメール送信できるか確認します。
- Webメールで送信できる:アカウント自体は正常。Outlook側の設定・資格情報・プロファイルが濃厚。
- Webメールでも送信できない:パスワード・アカウント状態・送信制限(ブロック)など、Telstra側の問題が濃厚。
この時点で「Outlookの修復を何回やっても直らない」理由が見えてきます。サーバー側で弾かれているなら、Outlookを直しても結果は変わりません。
別のメールクライアントでも送信できるか
次に、Windows標準の「メール」アプリや別PC、スマホ(iPhone/Androidのメールアプリ)など、Outlook以外で同じアカウントを設定して送信できるか確認します。
- 別クライアントでも送れない:SMTP認証/パスワード/アプリパスワード/送信制限など、アカウント側の可能性が高い。
- 別クライアアントでは送れるがOutlookだけ送れない:Outlookの送信設定、資格情報マネージャー、アドイン、プロファイルの破損が有力。
自分自身宛てに送って「完全なエラー文」を確定させる
送信エラーの本文(例:550 5.7.1…)は重要な手がかりです。送信テストは「自分宛て」(同じアドレス)で十分です。エラー文が短く見える場合は、Outlookの「送受信エラー」画面や詳細表示から、サーバーが返しているメッセージを最後まで確認します。
| 切り分けチェック | 結果 | 疑うポイント | 次にやること |
|---|---|---|---|
| Webメールで送信 | OK | Outlook設定/キャッシュ | SMTP設定・資格情報・プロファイルを見直す |
| Webメールで送信 | NG | Telstra側の送信拒否/制限 | パスワード変更、送信制限ページ確認、サポートへ |
| 別アプリで送信 | OK | Outlook固有 | アドイン無効化、プロファイル作成し直し |
| 別アプリで送信 | NG | アカウント/設定値 | Telstra推奨値で統一、2段階認証の確認 |
Telstra公式の推奨設定:IMAP/SMTPを「正しい組み合わせ」に揃える
BigPond(Telstra)メールは一般にIMAPで設定し、送信(SMTP)は認証と暗号化が必須です。設定値はTelstra公式サポートの案内を基準にしてください。
- What are the IMAP, POP and SMTP mail server settings? | Telstra
- Set up Telstra Mail on Outlook | Telstra
- How do I fix an unauthenticated traffic limit error? | Telstra
| 種類 | サーバー名 | ポート | 暗号化 | Outlook側の要点 |
|---|---|---|---|---|
| 受信(IMAP) | imap.telstra.com | 993 | SSL | ユーザー名はメールアドレス全体。パスワードは最新のもの。 |
| 送信(SMTP) | smtp.telstra.com | 465(推奨)または587 | 465:SSL/TLS、587:STARTTLS | 「送信サーバーは認証が必要」を必ずオン。SPAはオフ。 |
特に重要なのは、Outlook側で次の2点が抜けていないかです。
- SMTP認証がオンになっているか(「受信と同じ資格情報を使用」)。
- 暗号化方式がポートと一致しているか(465なのにSTARTTLSを選ぶ、587なのにSSL/TLS固定などのミスマッチがないか)。
「465」と「587」どちらを使うべき?
基本はTelstra案内の465(SSL/TLS)を第一候補にし、環境によって465が通らない場合(会社ネットワークや一部ルーター設定など)に587(STARTTLS)を試す、という順番が安全です。どちらも「認証が必要」設定が抜けると、受信はできても送信だけ拒否されます。
2段階認証(Two-step verification)を使っている場合
Telstra側で2段階認証を有効にしている場合、通常のパスワードではOutlookが認証できず、送信だけ(または追加自体)が失敗することがあります。その場合はTelstra案内に従いアプリパスワードを発行してOutlookに設定します。パスワードを更新したのにOutlookだけ古いまま、というケースも多いため、後述の「資格情報の掃除」もセットで行うのがポイントです。
Outlook(クラシック)側の設定を点検する手順
ここからは「受信はできるが送信できない」ケースで最も効果が出やすい、Outlook内の具体的な確認ポイントです。画面の表記はバージョンで多少違いますが、流れは同じです。
アカウント設定を開く
- Outlookを起動し、[ファイル]を開きます。
- [アカウント設定]→[アカウント設定]を開きます。
- BigPond(Telstra)のアカウントを選び、[変更](または[修復])へ進みます。
受信(IMAP)の基本値を確認
- 受信サーバー:imap.telstra.com
- ポート:993
- 暗号化:SSL/TLS(Outlookの選択肢上は「SSL/TLS」や「SSL」表記の場合あり)
- ユーザー名:メールアドレス全体
IMAPが合っているのに送れない場合でも、ユーザー名が「@以降が欠けている」「古いBigPond IDになっている」といったズレがあると、SMTP側の認証で失敗することがあります。受信できている場合でも一応確認しましょう。
送信(SMTP)の設定:ここが最重要
[変更]画面で[詳細設定]や[その他の設定]に進むと、送信サーバーの項目があります。次の条件をすべて満たすようにします。
送信サーバーの場所(目安)
「その他の設定」または「詳細設定」内の[送信サーバー]タブで、「送信サーバー(SMTP)は認証が必要」にチェックし、「受信メールサーバーと同じ設定を使用する」を選びます。
ポートと暗号化の場所(目安)
同じく[詳細設定]タブで、送信サーバー(SMTP)のポートと暗号化方式(SSL/TLS/STARTTLS)を設定します。
| チェック項目 | 推奨 | よくある失敗 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 送信サーバー(SMTP)は認証が必要 | オン | オフのまま(受信できるので気づきにくい) | 550 5.7.1などで拒否されやすい |
| 認証に使用する資格情報 | 受信と同じ設定 | 別ユーザー名、空欄、古いパスワード | 送信だけ失敗、再追加失敗の原因にも |
| SMTPポート | 465 または 587 | 25のまま、または環境に合わない選択 | 接続できない/タイムアウト |
| 暗号化方式 | 465:SSL/TLS、587:STARTTLS | ポートと暗号化の組み合わせが不一致 | 認証前に接続が切れる、エラーが曖昧になる |
| SPA(Secure Password Authentication) | オフ | オンにしてしまう | 認証方式が合わず失敗することがある |
ポイントは、「SMTP認証をオンにして、受信と同じID/パスワードで送信する」ことです。受信だけ通っている状態でも、送信サーバーが「認証なし通信」を拒否していると、送信は必ず失敗します。
「550 5.7.1」エラーの意味と、原因を最短で潰す考え方
Outlookのテスト送信で出やすい550 5.7.1は、ざっくり言うと「サーバーがメール送信を許可しなかった(拒否した)」という意味合いです。ただし、拒否の理由は複数あります。エラー番号だけで決め打ちせず、次の観点で確認するとハマりどころを減らせます。
よくある原因トップ5
- SMTP認証がオフ、または認証情報が間違っている(古いパスワード・空欄・ユーザー名が不完全など)。
- 2段階認証を有効にしているのに、アプリパスワードを使っていない。
- ポートと暗号化方式の不一致(465なのにSTARTTLS、587なのにSSL固定など)。
- Telstra側の送信制限(unauthenticated traffic limit等)に引っかかっている。
- From(差出人)アドレスの不整合(別名義・別ドメインをFromにしている、返信先のみ変えているなど)。
原因別のチェック表(550 5.7.1が出たらここを見る)
| 状況・手がかり | 原因候補 | 確認ポイント | 具体的な対処 |
|---|---|---|---|
| 受信はOK、送信だけ即失敗 | SMTP認証オフ/資格情報ズレ | 送信サーバーの認証設定、保存パスワード | SMTP認証をオン、ユーザー名を完全なメールアドレスに統一 |
| パスワード変更後から不調 | Outlookに古いパスワードが残存 | 資格情報マネージャーに古いエントリがないか | 資格情報を削除し、再起動後に新しいパスワードで再入力 |
| 追加自体が「認識されない」 | プロファイル/自動検出の混乱 | 他のメールアカウント追加はできるか | Outlookプロファイルを新規作成し、まっさらな状態で追加 |
| 特定のネットワークだけ送れない | ネットワーク側でSMTP遮断 | モバイル回線テザリングで送れるか | 465/587を切替、VPNを外す、ルーター設定を見直す |
| 「unauthenticated」等の文言がある | 送信制限に到達 | Telstra公式の制限案内ページ | SMTP認証設定を正す、一定時間後に再試行、必要ならサポート |
550 5.7.1が出たとき、「ポートを変えてみた」「SSLを変えてみた」で迷走しやすいのですが、実は認証(ID/パスワード)問題が最頻出です。まずは認証設定と資格情報の掃除を最優先にしましょう。
Outlookに残っている「古い資格情報」を掃除する
Outlookでよくある落とし穴が、Windowsに保存された古いログイン情報(資格情報)が残り続けることです。受信だけはキャッシュで成立しているように見えても、送信時は別経路で認証し直して失敗することがあります。
資格情報マネージャーを確認する
- Windowsの検索で「資格情報マネージャー」を開きます(コントロールパネル内にあります)。
- 「Windows資格情報」や「汎用資格情報」に、Telstra/BigPond/Outlook/Office関連の項目がないか探します。
- 該当しそうな古い項目があれば削除し、Outlookを再起動して再度送信を試します。
削除後、送信時にパスワード入力を求められたら、そこで最新のパスワード(またはアプリパスワード)を入れ直します。ここで入力する情報が、実質的にSMTP認証に影響するケースが多いです。
「保存されたパスワード」の二重管理に注意
Outlookのアカウント設定でパスワードを入れ直したつもりでも、Windows側に別の保存情報が残っていると、Outlookが古い方を参照して失敗することがあります。「Office修復」ではこのズレは解消しません。送信できない問題で修復が効かなかった場合は、資格情報のクリアが効くことが多いです。
アカウント削除後に「再追加できない」場合:Outlookプロファイルを作り直す
一度アカウントを削除したあと、同じメールアドレスが「認識されない」「追加できない」状態に陥ったら、Outlookのプロファイル(設定の入れ物)が壊れている、または自動検出(自動設定)が誤った情報を掴んでいる可能性があります。この場合は、プロファイルを新規作成して、残骸を一掃するのが定番です。
プロファイル新規作成(コントロールパネルの「メール」)
- Outlookを完全に終了します(タスクトレイに残っていないことを確認)。
- Windowsの検索で「コントロールパネル」を開き、表示方法を「小さいアイコン」にします。
- [メール(Microsoft Outlook)]を開きます。
- [プロファイルの表示]→[追加]で新しいプロファイル名を作成します(例:Telstra-New)。
- 新しいプロファイルでBigPond(Telstra)アカウントを追加します。まずは自動設定(メールアドレス+パスワード)を試し、ダメならIMAP手動へ。
- 最後に「常に使用するプロファイル」で新しいプロファイルを選択してOutlookを起動します。
プロファイルを作り直すと、壊れた設定の残骸や、誤った自動検出情報から離脱できます。「削除→再追加でこじれた」ケースでは、最も成功率が高い手順です。
手動(IMAP)で追加する際の注意点
- アカウント種類はIMAPを選びます(Exchange/POPと取り違えると失敗しやすい)。
- ユーザー名はメールアドレス全体を入れます。
- SMTPはsmtp.telstra.com、ポートは465または587、暗号化方式を必ず一致させます。
- 送信サーバーの認証をオンにし、「受信と同じ設定」を選びます。
データファイル(PST/OST)の扱い
IMAPの場合、メール実体はサーバーにあるため、プロファイル再作成は比較的安全です。ただし、ローカルにしか存在しないデータもあります。
- ローカルの「連絡先」や「予定表」を使っている場合:念のためバックアップを検討。
- アーカイブ用のPSTを使っている場合:既存PSTは消さず、必要に応じて新プロファイルから「ファイルを開く」で接続。
Outlook固有の要因も確認:アドイン、セキュリティソフト、送信トレイ詰まり
別アプリでは送れるのにOutlookだけ送れない場合、次の要因が絡むことがあります。プロファイル作成前後のどちらでも、状況に応じて確認してください。
Outlookをセーフモードで起動して送信を試す
アドインが送信処理を邪魔するケースがあります。セーフモードではアドインが無効化されるため、切り分けに有効です。
- Windowsの検索でoutlook.exe /safe(または「Outlook セーフモード」)を実行。
- セーフモードで送れるなら、アドインを一つずつ無効化して原因を特定します。
送信トレイに「巨大な添付」や「壊れたメール」が残っていないか
送信トレイにサイズの大きい添付ファイルが残っていると、以降の送信も失敗しているように見えることがあります。いったん送信トレイを空にする(下書きに戻す、削除する)だけで改善する場合もあります。
セキュリティソフトのメール保護機能
一部のセキュリティソフトには「メールスキャン」「SSL検査」のような機能があり、SMTPの暗号化通信に割り込んで失敗を引き起こすことがあります。短時間だけ無効化して挙動が変わるか確認し、原因がそれなら例外設定や機能オフを検討します(会社PCの場合は管理者に相談)。
ネットワーク起因の可能性:同じ設定でも送れたり送れなかったりする理由
「同じアカウントなのに、AのPCでは送れない/BのPCでは追加できない」といったばらつきは、ネットワークや端末側の環境差でも起こります。特に次の条件があると、SMTP通信が不安定になりやすいです。
- VPNを使っている(会社VPN、セキュリティVPN)。
- 会社・学校などのネットワークで外部SMTPが制限されている。
- ルーター側でセキュリティ機能(フィルタリング、ペアレンタルコントロール等)が有効。
切り分けとして最も簡単なのは、スマホのテザリング等で別回線に切り替えて送信テストすることです。回線を変えるだけで送れるなら、OutlookやTelstraよりもネットワーク側の制限が濃厚です。
「とにかく早く直したい」人向け:実務的チェックリスト
ここまでの内容を、実作業で迷わない形にまとめます。上から順に実施すると、遠回りが減ります。
- Webメールで送信できるか確認(できないならアカウント側の問題)。
- Outlook以外のアプリでも送信を試し、Outlook固有か切り分け。
- Outlookの送信設定でSMTP認証オン、ポートと暗号化の一致を確認。
- Windowsの資格情報マネージャーで古いTelstra/Outlook関連の資格情報を削除。
- Outlookでアカウントを追加し直すときは、可能ならプロファイル新規作成でまっさらにする。
- 2段階認証を使っているなら、Telstra案内に従いアプリパスワードで設定。
- 回線(Wi-Fi/テザリング)を変えて送信テストし、ネットワーク制限を切り分け。
よくある質問
受信できているのに、なぜ送信だけ認証が必要なの?
IMAP(受信)とSMTP(送信)は別サーバー/別設定で動きます。受信は過去に入力した資格情報で成立している一方、送信は「認証なし通信」を拒否するポリシーになっていると、送信だけが弾かれます。Outlook側でSMTP認証が外れていたり、保存されたパスワードが古かったりすると、この状態になりやすいです。
Office修復(クイック/オンライン)で直らないのはなぜ?
修復で直るのはOfficeプログラム自体の破損が中心です。今回のようなケースは、Outlookのプロファイル、Windows側の資格情報、サーバー側の認証・制限が原因であることが多く、修復だけでは改善しません。
アカウント追加時に「メールアドレスが認識されない」
入力したメールアドレスそのものが間違っていないのに認識されない場合、Outlookの自動検出が誤った種類(Exchangeなど)で解釈している、あるいはプロファイルが壊れている可能性があります。コントロールパネルの「メール」から新規プロファイルを作成し、IMAPで手動追加すると改善することがあります。
465と587を切り替えたら、どちらでもダメになった
ポートを変えるだけでなく、暗号化方式が一致しているかが重要です。465はSSL/TLS、587はSTARTTLSが基本です。Outlookの表示では「SSL/TLS」「STARTTLS」「TLS」など表記が揺れる場合があるため、ポートと暗号化方式のペアで見直してください。
まとめ:直るポイントは「SMTP認証」と「プロファイルの掃除」
BigPond(Telstra)メールで「受信はできるのに送信できない/再追加できない」問題は、次のどれかに集約されることがほとんどです。
- SMTP認証がオフ、または古い資格情報が残っている
- ポートと暗号化の組み合わせが不一致
- 2段階認証によりアプリパスワードが必要
- Telstra側の送信制限・ブロックに該当
- Outlookプロファイルが壊れていて再追加がこじれている
最短ルートは、切り分け→Telstra推奨値で統一→資格情報のクリア→プロファイル新規作成です。公式設定は変更される場合もあるため、最終的にはTelstra公式サポートページの値に合わせて調整してください。

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