Outlookの「Account Switcher for Copilot Tab」は、2026年6月9日の更新で提供見送りとなりました。Outlook for iOS/AndroidのCopilotタブで複数アカウントを切り替える予定でしたが、Microsoftは現時点で変更を進めないと案内し、ロードマップの状態を「Cancelled」に変更しています。利用者による設定変更やアプリ更新、データ移行、追加料金の支払い、期限までの対応は必要ありません。(Microsoft)
複数アカウントでCopilot Chatを使う予定だったユーザーは、当面、現在選択されているアカウントを前提に利用します。管理者は、社内マニュアルや告知に「Copilotタブでアカウントを切り替えられる」と記載している場合、内容を修正してください。
Outlookの「Account Switcher for Copilot Tab」は提供見送りに変更
Microsoft 365 Roadmap ID 490213「Outlook: Account Switcher for Copilot Tab」は、Outlookモバイル版のCopilotタブにアカウント切り替え機能を追加する項目でした。
当初予定されていた操作は、Copilotタブで画面を左にスワイプしてナビゲーションを開き、対応するアカウント一覧から利用するアカウントを選択するというものです。
公式ロードマップに登録されている対象範囲は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Roadmap ID | 490213 |
| 対象サービス | Outlook |
| 対象プラットフォーム | iOS、Android |
| 対象クラウド | Worldwide、GCC |
| リリース区分 | 一般提供 |
| 当初の提供時期 | 2025年9月 |
| 2026年6月9日時点の状態 | Cancelled |
Microsoftは2026年6月9日、「現時点ではこの変更を進めない」と説明しています。そのため、以前の提供予定日を基準に導入計画を立てることはできません。(Microsoft)
何ができるようになる予定だったのか
この変更は、Outlookに登録したメールアカウントそのものを切り替える機能ではありません。
対象だったのは、Outlookモバイル版のCopilot Chatで使用するアカウントです。複数の対応アカウントを登録していても、Copilot Chatでは既定のアカウントしか利用できないケースがあります。
Account Switcherが提供されれば、Copilotタブから別の対応アカウントへ切り替え、そのアカウントに関連するチャット履歴やMicrosoft Graph上の業務データへアクセスしやすくなる予定でした。(TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)
たとえば、次のような利用場面が想定されます。
- 本社と関連会社のアカウントを1台のスマートフォンで利用している
- 複数のMicrosoft 365テナントに所属している
- 業務用アカウントを複数登録している
- アカウントごとのCopilot Chat履歴を確認したい
今回のキャンセルにより、これらの用途を前提としたCopilotタブ内の切り替え操作は、正式な標準機能として利用できるとは限りません。
Outlookで変わらない機能
今回見送られたのは、あくまでCopilotタブ専用のAccount Switcherです。Outlookモバイル版に以前からあるメールアカウントの追加や受信トレイの切り替えが廃止されるわけではありません。
Outlook for iOS/Androidでは、複数のメールアカウントを追加し、アカウントアイコンから受信トレイを切り替えられます。(Microsoft サポート)
混同しやすい違いを整理すると、次のようになります。
| 操作 | 今回の変更による影響 |
|---|---|
| メールアカウントをOutlookに追加する | 影響なし |
| アカウントごとに受信トレイを切り替える | 影響なし |
| アカウントごとに予定表を確認する | 影響なし |
| Copilotタブ内で利用アカウントを切り替える | 提供見送り |
| Outlookのメール作成支援や要約機能を使う | 契約・設定・対応環境による |
メール画面ではアカウントを切り替えられるのに、Copilotタブでは切り替えられないという状態は、必ずしもOutlookの故障ではありません。
影響を受けるユーザーと管理者
影響が大きいのは、Outlookモバイル版に複数アカウントを登録し、Copilot Chatもアカウントごとに使い分けようとしていたユーザーです。
影響を受けやすいユーザー
- Outlook for iOSまたはAndroidを利用している
- Outlookに複数の職場・学校アカウントを登録している
- 複数テナントのCopilot Chatを使い分けたい
- アカウント別のチャット履歴や業務データを参照したい
- 社内案内を見てAccount Switcherの提供を待っていた
影響が限定的なユーザー
- Outlookを1アカウントだけで使用している
- Copilot Chatを利用していない
- Outlookのメールや予定表だけを利用している
- OutlookのWeb版やWindows版だけを利用している
ロードマップ上の対象プラットフォームはiOSとAndroidです。今回の項目を、Windows版やWeb版Outlookのアカウント管理機能と混同しないようにしましょう。(Microsoft)
設定・更新・移行・料金・期限の確認ポイント
今回の変更で確認すべき項目をまとめると、次のとおりです。
| 確認項目 | 結論 | 必要な対応 |
|---|---|---|
| 設定 | Account Switcherを有効にする新しい設定はない | 設定変更は不要 |
| アプリ更新 | 更新による機能提供は予定されていない | 再インストールなどは不要 |
| データ移行 | 移行対象となるデータはない | 移行作業は不要 |
| 料金 | Account Switcherに関する追加料金はない | 契約変更は不要 |
| 対応期限 | 移行期限や終了期限はない | 期限対応は不要 |
| 管理者作業 | 技術的な展開作業はない | 告知・手順書のみ確認 |
設定
Account Switcherをオンにする管理ポリシーやユーザー設定は案内されていません。ロードマップ項目がキャンセルされたため、管理センターで設定を探しても、この機能を有効化できるとは限りません。
なお、OutlookにおけるCopilot Chat自体の利用可否は別の設定です。管理者はMicrosoft 365管理センターの統合アプリから、Outlookを含む各画面でのCopilotアプリへのアクセスを管理できます。(Microsoft Learn)
アプリ更新
Account Switcherが表示されない場合でも、この項目に関してはアプリの更新不足と判断しないでください。
Outlookを最新バージョンに保つことは、セキュリティや不具合修正のために重要です。ただし、App StoreやGoogle Playから更新しても、キャンセルされたAccount Switcherが利用可能になるとは限りません。
データ移行
メール、予定表、連絡先、Copilotのチャット履歴を移行する必要はありません。
今回の機能は、既存データを別アカウントへ統合するものではなく、アカウントごとの情報へ移動しやすくするための画面操作でした。キャンセルによって既存データが削除されたり、別アカウントへ移動したりするわけではありません。
料金とライセンス
Account Switcher自体について、新しい料金や追加ライセンスは発表されていません。
ただし、Copilot Chatで利用できる機能は、サインインしているアカウント、Microsoft 365の契約、Microsoft 365 Copilotライセンスの割り当て、管理者設定によって異なります。Account SwitcherのキャンセルとCopilotライセンスの有無は、分けて確認する必要があります。(Microsoft サポート)
対応期限
2026年6月9日は、ユーザーの対応期限ではなく、Microsoftがロードマップを更新した日です。
移行期限、設定期限、旧機能の終了日などはありません。管理者が行うべきなのは、誤った提供予定が社内に残っていないかを確認することです。
一般ユーザーの確認手順
Copilotタブでアカウントを切り替えられず困っている場合は、次の順番で確認してください。
利用しているOutlookを確認する
今回のロードマップ項目は、Outlook for iOSとOutlook for Androidが対象です。
Windows版、Mac版、Web版で同じ操作を探しても、今回のAccount Switcherとは異なります。
メールのアカウント切り替えと区別する
Outlookの左上にあるアカウントアイコンから受信トレイを切り替えられても、Copilotタブの利用アカウントまで連動して切り替わるとは限りません。
「メールは切り替えられるが、Copilotは切り替わらない」という状態だけで、アカウントの再登録を行う必要はありません。
Copilotで使用中のアカウントを確認する
Copilot Chatを開き、現在サインインしているアカウントや組織名を確認します。
機密情報を扱う場合は、プロンプトを入力する前に、意図した職場・学校アカウントで利用しているかを必ず確認してください。複数テナントを利用する環境では、アカウントの取り違えが操作上の不便より大きなリスクになります。
Copilot自体が表示されない場合は別問題として確認する
Copilotタブそのものが表示されない場合は、Account Switcherのキャンセルとは別に、次の項目を確認します。
- Copilotを利用できるアカウントでサインインしているか
- 必要なMicrosoft 365ライセンスが割り当てられているか
- 管理者がCopilotアプリへのアクセスを制限していないか
- Outlookアプリが古すぎないか
- 組織の接続エクスペリエンス設定で制限されていないか
管理者が今すぐ確認すべきこと
技術的な移行作業はありませんが、社内周知を済ませていた組織では情報の訂正が必要です。
Microsoft 365 Message centerを確認する
管理者はMicrosoft 365管理センターのMessage centerで、メッセージID「MC1068268」を検索します。Roadmap IDは「490213」です。
ロードマップサイトでは、一般提供済み、キャンセル、延期となった項目が削除される場合があります。検索結果に表示されない場合でも、Message centerの履歴や公式更新情報を確認してください。(Microsoft)
社内マニュアルから予定機能を削除する
次のような記載がある場合は修正します。
Copilotタブを左にスワイプし、利用するアカウントを選択してください。
修正後は、たとえば次のように案内すると誤解を防げます。
Outlookモバイル版のCopilotタブ内でアカウントを切り替える機能は、2026年6月9日時点で提供見送りとなっています。Copilotを使用する前に、現在利用中のアカウントを確認してください。
ヘルプデスクの回答を統一する
問い合わせ対応では、以下の切り分けが重要です。
- メールアカウントを切り替えられない
→ Outlookのアカウント追加・ナビゲーションを確認する - Copilotタブだけアカウントを切り替えられない
→ Roadmap ID 490213の提供見送りを案内する - Copilotタブ自体が表示されない
→ ライセンス、統合アプリ、ポリシー、アプリバージョンを確認する
Account Switcherがないことを理由に、端末初期化やアカウント削除を案内しないよう注意してください。
よくある疑問
Outlookの複数アカウント機能も廃止されるのですか
廃止されません。
今回キャンセルされたのは、Copilotタブ内でCopilot Chatの利用アカウントを切り替える機能です。メールや予定表のアカウント切り替えとは別の機能です。
Outlookアプリを更新すればAccount Switcherが表示されますか
2026年6月9日時点では、更新しても表示されるとは限りません。
公式ロードマップの状態がCancelledになっているため、アプリの再インストールやキャッシュ削除をAccount Switcherの解決策として実施する必要はありません。
すでにAccount Switcherが表示されている場合はどうすればよいですか
一部環境で画面が表示されていても、継続提供される標準機能として業務手順に固定しない方が安全です。
重要な業務では、利用中のアカウントを毎回確認し、将来の画面変更に備えて代替手順を用意してください。
今後、同じ機能が再提供される可能性はありますか
Microsoftの更新は「現時点では進めない」という内容であり、将来の再設計や再登録を否定するものではありません。
ただし、新しい提供時期や後継機能は発表されていません。以前のロードマップ日程をそのまま延期予定として扱わず、新しいRoadmap IDやMessage centerの案内を待つ必要があります。
Outlook利用者と管理者が取るべき対応
Outlookの「Account Switcher for Copilot Tab」は、2026年6月9日時点で提供見送りです。対象はOutlook for iOS/AndroidのCopilotタブであり、通常のメールアカウント切り替えには影響しません。
一般ユーザーは、アプリの再インストールではなく、Copilotで現在使用しているアカウントを確認してください。管理者は、MC1068268とRoadmap ID 490213を確認し、社内資料に残っている「左スワイプでCopilotアカウントを切り替える」という案内を削除します。
現時点で必要なのは、設定変更やデータ移行ではなく、既定アカウントを前提とした運用への戻しと、誤った社内案内の修正です。

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