Outlookでフォルダーごとに未読数・合計数を選択可能に|変更点と管理者の確認ポイント

Outlookのフォルダー一覧で「未読数だけではなく、フォルダー内の総アイテム数も常に見たい」と感じていた管理者・利用者にとって、今回の変更は小さいながら実務上かなり便利です。

2026年5月22日公開・更新の Microsoft 365 Roadmap ID 563807「Outlook: Choose to Show Unread or Total Count for Each Folder」では、Outlookのフォルダーウィンドウで、フォルダーごとに「未読数」または「合計数」を選んで表示できるようになることが示されています。右クリックでフォルダー単位に表示方法を選べるため、メール整理、共有メールボックス運用、ルールで振り分けたフォルダーの監視がしやすくなります。(Microsoft)

ポイントは、メールの状態やルール動作を変える機能ではなく、フォルダー一覧に表示するカウントを選べるようにするUI改善であることです。管理者は大規模な移行作業よりも、対象環境、ユーザー周知、ヘルプデスク対応、既存手順書の更新を優先して確認するとよいでしょう。

目次

Outlookの「未読数・合計数の選択表示」は何が変わるのか

今回の変更により、Outlookのフォルダーウィンドウに表示される件数を、フォルダーごとに「未読数」または「合計数」から選べるようになります。

これまでの新しいOutlookやOutlook on the webでは、多くのフォルダーでフォルダー名の後ろに未読数が表示され、合計数はフォルダーにマウスを合わせる、または右クリックメニューで確認する形でした。Microsoftのサポート情報でも、新しいOutlook for WindowsとOutlook on the webでは、既定で多くのフォルダーが未読数を表示し、合計数はホバーや右クリックで確認する説明になっています。(マイクロソフト サポート)

今回のロードマップ項目では、フォルダーを右クリックして「合計数を表示するか、未読数を表示するか」を選べるようになるとされています。つまり、確認のたびに右クリックメニューを開くのではなく、フォルダー一覧上で見たい数字を継続的に表示できるようになる点が主な改善点です。(Microsoft)

項目これまでの挙動変更後の考え方
フォルダー一覧の件数主に未読数を表示フォルダーごとに未読数または合計数を選択
合計数の確認ホバーや右クリックで確認する場面が多いフォルダー一覧に合計数を表示できる
操作単位Outlookのバージョンにより異なる右クリックからフォルダー単位で選択
メールそのものへの影響なし表示方法の変更であり、メールの既読状態や保存先は変わらない

対象範囲と提供時期

Microsoft 365 Roadmapのデータでは、この機能はOutlook向けで、ステータスは「In development」、リリースフェーズは「Preview」と「General Availability」、対象プラットフォームはDesktopとWeb、対象クラウドはWorldwide、GCC、GCC High、DoDとされています。プレビューは2026年9月、一般提供は2026年10月の予定です。(Microsoft)

ただし、Microsoft 365 Roadmapの予定日は変更される可能性があります。Microsoft自身も、ロードマップのリリース予定日や説明は変更されることがあり、一般提供、延期、キャンセルなどに応じて情報が更新または削除される可能性があると説明しています。(Microsoft)

確認項目内容
Roadmap ID563807
機能名Outlook: Choose to Show Unread or Total Count for Each Folder
対象サービスOutlook
主な対象新しいOutlook for Windows、Outlook on the webを中心に確認
プレビュー予定2026年9月
一般提供予定2026年10月
対象クラウドWorldwide、GCC、GCC High、DoD
影響の種類表示・操作性の改善。メールデータやルール自体の変更ではない

どのフォルダーで「未読数」と「合計数」を使い分けるべきか

この機能は、すべてのフォルダーで合計数を表示すればよい、というものではありません。業務では「今すぐ対応すべき未読を見たいフォルダー」と「溜まり具合や処理件数を見たいフォルダー」が分かれます。

フォルダーの種類おすすめ表示理由
受信トレイ未読数新着・未対応メールをすぐ把握しやすい
顧客別フォルダー未読数対応漏れ防止を優先しやすい
自動仕分けフォルダー未読数または合計数未読監視なら未読数、蓄積量確認なら合計数
アーカイブ用フォルダー合計数保管量や整理状況を把握しやすい
共有メールボックスの処理済みフォルダー合計数チーム全体の処理件数を把握しやすい
監査・証跡保管用フォルダー合計数未読かどうかより保存件数が重要になりやすい
ニュースレター・通知フォルダー合計数未読数だけでは蓄積量を見落としやすい

実務で迷った場合は、「そのフォルダーを見る目的」で判断するのが分かりやすいです。対応漏れを防ぎたいなら未読数、保管量や処理量を把握したいなら合計数を選びます。

たとえば、営業部門で顧客ごとにメールを自動振り分けしている場合、重要顧客フォルダーは未読数のままにしておくと対応漏れを防げます。一方、月次で問い合わせ件数の傾向をざっくり見たいフォルダーや、処理済みメールを集約するフォルダーは合計数表示のほうが役立ちます。

利用者向けの操作イメージ

正式展開後は、Microsoftの説明どおりであれば、フォルダーを右クリックして未読数または合計数の表示を選択する流れになります。実際の日本語UIの文言は、展開時期やクライアントの更新状態によって多少変わる可能性があります。(Microsoft)

手順操作
1Outlookの左側にあるフォルダーウィンドウを開く
2件数表示を変更したいフォルダーを右クリックする
3表示されるメニューから、未読数または合計数の表示を選ぶ
4フォルダー名の横に表示される件数を確認する
5必要に応じて、他のフォルダーでも同じ操作を行う

注意したいのは、フォルダーごとの設定になる可能性が高い点です。クラシックOutlookの既存機能でも、複数フォルダーをまとめて一括変更するのではなく、対象フォルダーごとに設定する説明になっています。(マイクロソフト サポート)

クラシックOutlookとの違い

クラシックOutlookでは、以前からフォルダーのプロパティで「すべてのアイテム数を表示する」設定が可能です。Microsoftのサポート情報では、クラシックOutlookでフォルダーを右クリックし、プロパティの全般タブから「Show total number of items」を選ぶ手順が案内されています。(マイクロソフト サポート)

今回の変更で特に意味があるのは、新しいOutlook for WindowsやOutlook on the webで、フォルダー一覧上の表示をより直感的に選べるようになる点です。クラシックOutlookに慣れているユーザーほど、「新しいOutlookでも同じように合計数を常時表示したい」という要望が出やすいため、移行時の不満を減らす改善として捉えるとよいでしょう。

ただし、クラシックOutlookと新しいOutlookは別アプリとして併用されるケースがあります。Microsoftは、新しいOutlookとクラシックOutlookをサイドバイサイドで使えること、また一部の既存機能に依存する組織では併用にメリットがあることを説明しています。(Microsoft Learn)

管理者が確認すべきポイント

この機能は、メールフローやセキュリティポリシーを変える更新ではありません。一方で、ユーザーがフォルダー一覧の数字をどう解釈するかが変わるため、問い合わせや誤認を防ぐ準備は必要です。

確認項目管理者が見るべきポイント
対象クライアント新しいOutlook for Windows、Outlook on the webで展開状況を確認する
表示の意味未読数と合計数の違いをヘルプデスクFAQに追加する
共有メールボックスチーム内で「どのフォルダーは未読数、どのフォルダーは合計数」を決める
既存マニュアル「フォルダー横の数字=未読数」と断定している記述を修正する
ユーザー教育合計数表示でも未読がなくなったわけではないことを周知する
問い合わせ対応「数字が急に増えた」「未読数が見えない」といった質問を想定する
展開管理プレビュー対象者を限定し、業務影響を先に確認する

特に注意したいのは、ユーザーが合計数を未読数と勘違いするケースです。たとえば、フォルダー横に「245」と表示されている場合、それが未読245件なのか、フォルダー内の総アイテム245件なのかで意味が大きく変わります。共有メールボックスや問い合わせ管理用メールボックスでは、運用ルールとして表示方法をそろえておくと混乱を防げます。

新しいOutlookの展開ポリシーとあわせて確認する

今回の機能を評価するには、新しいOutlookの展開状況も確認する必要があります。Microsoftは、管理者向けに新しいOutlookのインストールと利用を制御するガイダンスを公開しており、クラシックOutlookの「Try the new Outlook」トグルをクラウドポリシーで非表示にする方法も説明しています。(Microsoft Learn)

また、Exchange Online PowerShellでは、Set-CASMailboxやSet-OwaMailboxPolicyを使って、Outlook for Windowsで職場または学校アカウントのメールボックスにアクセスできるかを制御できます。Microsoftの説明では、Set-CASMailboxは既存メールボックスへの個別制御、Set-OwaMailboxPolicyは既存・将来のメールボックスに対するポリシーベースの制御に使う位置づけです。(Microsoft Learn)

今回の未読数・合計数表示そのものについて、ロードマップ項目からは、管理者が全ユーザーの全フォルダー表示を一括で固定する専用設定は読み取れません。そのため、現時点では「ユーザーがフォルダーごとに選ぶ表示設定」として、運用ルールと周知で整える前提で考えるのが安全です。

移行・展開時に失敗しやすいポイント

新しい機能としてはシンプルですが、現場では次のような小さな誤解が問い合わせにつながります。

失敗しやすいポイント起こりやすい問題対策
フォルダー横の数字をすべて未読数だと思い込む「未読が急に増えた」と誤認する未読数と合計数の表示例を社内FAQに載せる
共有メールボックスで表示設定が人により異なるチーム内で件数認識がずれる運用対象フォルダーごとに推奨表示を決める
クラシックOutlookの手順をそのまま案内する新しいOutlookで画面が違い混乱するクラシック、新しいOutlook、Webで手順を分ける
合計数を処理待ち件数として扱う既読済み・処理済みメールまで未対応扱いになる対応待ちは未読数、蓄積量は合計数と定義する
グループや特殊フォルダーでも同じ挙動を期待するメニューや表示が想定と違う展開後にGroups、検索フォルダー、アーカイブで実機確認する

Microsoftの現行サポート情報では、フォルダー表示に関する説明の中で、Favorites、検索フォルダー、Archiveフォルダーにも関連手順が適用される一方、Groupsではフォルダー表示オプションが利用できないとされています。また、Drafts、Notes、Junkフォルダーは既定で合計数を表示すると説明されています。(マイクロソフト サポート)

そのため、管理者は「すべてのフォルダーで同じように設定できる」と案内しきらず、特殊フォルダーやグループについては展開後に確認する前提で周知すると安全です。

開発者・運用担当者が気をつけるべき点

開発者や運用自動化の担当者にとって重要なのは、Outlookの画面に表示される数字をデータ処理の根拠にしないことです。今回の変更後は、同じフォルダーでもユーザー設定によって画面上の数字が未読数にも合計数にもなり得ます。

Microsoft GraphのmailFolderリソースには、totalItemCountとunreadItemCountが別プロパティとして用意されています。totalItemCountはフォルダー内のアイテム数、unreadItemCountは未読としてマークされたアイテム数を表します。(Microsoft Learn)

メール件数をレポート化する場合や、社内ツールでフォルダー件数を表示する場合は、次のように目的に応じて使い分けるべきです。

目的参照すべき値
未対応メールの把握unreadItemCount
フォルダー内の総量把握totalItemCount
既読済み件数の概算totalItemCount - unreadItemCount
多言語環境で既定フォルダーを扱う表示名ではなくwell-known folder nameを使う
隠しフォルダーも含めた調査includeHiddenFolders=trueの利用を検討する

Microsoft Graphのドキュメントでは、well-known folder nameはユーザーのメールボックスのロケールに関係なく使えると説明されています。たとえば受信トレイの表示名が日本語、英語、ドイツ語で異なっていても、APIではinboxのような既知名を使うことで対象フォルダーを参照できます。(Microsoft Learn)

また、TotalItemCountとUnreadItemCountはメールフォルダー内のアイテム種類に関係なく含まれると説明されています。受信トレイには通常のメールだけでなく会議出席依頼なども含まれるため、「メール通数」として厳密に扱う場合は、集計対象をどう定義するかも確認が必要です。(Microsoft Learn)

社内向け周知文の例

展開前後にユーザーへ案内するなら、難しい説明よりも「数字の意味が選べるようになった」と伝えるのが効果的です。

Outlookのフォルダー一覧で、フォルダーごとに未読数または合計数を表示できるようになります。対応漏れを防ぎたいフォルダーは未読数、保存件数や処理件数を把握したいフォルダーは合計数を選ぶと便利です。表示を変更するには、対象フォルダーを右クリックし、表示する件数の種類を選択してください。なお、表示を変えてもメールの既読状態や保存先は変わりません。

共有メールボックスを使う部署には、次のようにもう少し具体化すると混乱を防げます。

共有メールボックスでは、受信トレイと未対応フォルダーは未読数、処理済みフォルダーと保管フォルダーは合計数を推奨します。フォルダー横の数字が未読数なのか合計数なのかは、各フォルダーの表示設定によって変わります。不明な場合は、フォルダーを右クリックして表示設定を確認してください。

よくある疑問

合計数を表示すると、未読メールは見落としやすくなる?

見落としやすくなる可能性はあります。対応が必要なフォルダーでは、未読数を表示したほうが安全です。合計数は、アーカイブ、処理済み、保管、通知メールなど、件数の蓄積を見たいフォルダーに向いています。

表示を変えると、メールの既読・未読状態も変わる?

変わりません。Microsoftの説明でも、この機能はメール管理の見え方を制御しやすくするもので、他の動作を変えないとされています。(Microsoft)

すべてのフォルダーを一括で合計数表示にできる?

ロードマップ項目の説明からは、一括変更や管理者による強制設定は確認できません。右クリックでフォルダーごとに選ぶ操作として案内されています。(Microsoft)

新しいOutlookだけでなくクラシックOutlookにも関係する?

クラシックOutlookには、従来からフォルダーのプロパティで合計数を表示する設定があります。今回の注目点は、新しいOutlook for WindowsやOutlook on the webのフォルダーウィンドウで、未読数・合計数の選択がしやすくなることです。(マイクロソフト サポート)

管理者は何を最初にすべき?

まず、組織内で新しいOutlookをどの範囲に展開しているかを確認します。そのうえで、プレビュー対象者を決め、共有メールボックスや自動仕分けフォルダーで表示の混乱が起きないかを検証します。新しいOutlookの展開自体は、Microsoft 365 Apps admin centerのクラウドポリシーやExchange Online PowerShellの設定とあわせて確認するのが現実的です。(Microsoft Learn)

まず確認すべきこと

今回の「Outlook: Choose to Show Unread or Total Count for Each Folder」は、メール基盤に大きな変更を加える更新ではありません。しかし、毎日見るフォルダー一覧の数字の意味が変わるため、現場の使い勝手と問い合わせ対応には影響します。

管理者は、次の順で準備するとスムーズです。

優先度やること
高新しいOutlookとOutlook on the webの利用者範囲を確認する
高共有メールボックスで未読数・合計数の推奨ルールを決める
高ヘルプデスクFAQに「フォルダー横の数字の意味」を追加する
中手順書や研修資料のスクリーンショットを更新する
中プレビュー時期に代表ユーザーで実機検証する
低Graphや運用レポートで件数を扱う場合、画面表示ではなくAPIプロパティを参照しているか確認する

未読数は「対応すべきもの」を見つける数字、合計数は「どれだけ溜まっているか」を見る数字です。この違いを社内で共有しておけば、今回の変更はOutlookのメール整理をより実務的にする便利な改善として活用できます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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