Outlook「New and Improved People Hub on Web」の変更点と確認手順

Outlook on the webの連絡先画面が変わり、「以前より連絡先を探しにくい」「同じ人物が1件にまとまって見える」と戸惑っている人もいるでしょう。

Microsoftが2026年6月16日に更新した「Outlook: New and Improved People Hub on Web」は、People Hubを複数列の新しい画面に刷新し、検索の高速化、人物情報の一元表示、重複した連絡先の自動リンク、組織プロフィール情報の追加を行う変更です。一般ユーザーによるデータ移行やアプリのインストールは案内されていませんが、連絡先の表示方法や削除時の挙動には注意が必要です。(Microsoft)

目次

Outlookの「New and Improved People Hub on Web」とは

People Hubは、Outlook on the webで連絡先の作成、検索、編集、削除などを行う画面です。

今回の変更は、連絡先データそのものを別サービスへ移すものではなく、人物を探して情報を確認するための画面と表示方法を改善するものです。

公式ロードマップの内容を整理すると、次のようになります。

項目内容
機能名Outlook: New and Improved People Hub on Web
Roadmap ID537282
対象製品Outlook
対象プラットフォームWeb
対象環境Worldwide(Standard Multi-Tenant)
ロードマップ追加日2025年12月11日
最終更新日2026年6月16日
一般提供時期2026年5月
状態Launched
リリース区分Targeted Release、General Availability

Microsoft 365 Roadmapで「Launched」と表示される機能は、対象となる顧客への一般提供が完了した機能を意味します。ただし、ロードマップの日程や内容は変更される可能性があります。(Microsoft)

OutlookのPeople Hubで何が変わるのか

主な変更点は次の5つです。

変更点変更後の内容利用者への影響
画面構成モダンな複数列レイアウト一覧と人物情報を確認しやすくなる
検索高速な連絡先検索多数の連絡先から目的の人物を探しやすくなる
人物情報同じ人物の情報を統合して表示複数の情報源を行き来する手間が減る
重複連絡先重複したエントリを自動的にリンク同じ人物が何件も並ぶ状況を減らせる
組織情報利用可能な組織プロフィール情報を追加部署や役職などを確認しやすくなる

複数列の新しい連絡先画面になる

新しいPeople Hubでは、連絡先を複数列で扱うモダンな画面が採用されます。

連絡先の一覧から人物を選択し、その人物の詳細を確認する流れが整理されるため、連絡先を開くたびに画面を大きく切り替える操作が減ります。

Microsoftのサポート情報では、人物を選択するとプロフィールカードが表示され、利用可能な情報に応じてセクションやタブの内容が変わると説明されています。最近のファイル、会話、組織情報などが表示される場合もあります。(マイクロソフトサポート)

以前の画面を前提に作られた社内マニュアルでは、ボタンの位置や画面構成が一致しなくなる可能性があります。管理者は「Peopleを開く」「連絡先を選ぶ」「編集する」といった基本操作のスクリーンショットを更新しておくとよいでしょう。

連絡先検索が高速化される

新しいPeople Hubでは、検索性能の向上が変更点として明記されています。

特に次のような利用者は効果を感じやすいでしょう。

  • 顧客や取引先の連絡先を多数登録している
  • 氏名ではなく会社名やメールアドレスから探すことが多い
  • 同姓同名の社員や取引先が多い
  • メール作成前に部署や役職を確認している

検索結果が想定どおりにならない場合は、氏名だけでなく、メールアドレス、電話番号、会社名などでも検索してください。Outlookでは、これらの情報を使って連絡先を検索できます。(マイクロソフトサポート)

人物単位で情報がまとめられる

従来は、個人の連絡先、組織のプロフィール、過去のやり取りなどが別々に見えることがありました。

新しいPeople Hubでは、同じ人物に関する情報を統一されたビューで確認できるようになります。これにより、例えば取引先からメールを受け取った際に、次の情報を一連の操作で確認しやすくなります。

  • 保存済みのメールアドレスや電話番号
  • 所属組織や役職
  • 過去のメールやTeamsでの会話
  • 共有したファイル
  • Outlookに保存した独自の連絡先情報

表示される情報は、アカウントの種類、組織の設定、登録されているプロフィール情報によって異なります。組織情報が表示されない場合でも、必ずしも機能の不具合とは限りません。

重複した連絡先の「自動リンク」に注意する

今回の変更で特に注意したいのが、重複した連絡先の扱いです。

公式ロードマップでは、重複したエントリを自動的にリンクすると説明されています。ただし、これはすべての重複データが物理的に結合・削除されるという意味ではありません。

Microsoftのサポート情報では、新しいOutlookとOutlook on the webは、完全に一致する連絡先や、別の連絡先に含まれる情報の一部だけを持つ連絡先を自動的に非表示にすると説明されています。つまり、画面上は1人に見えていても、内部には複数の連絡先レコードが残っている場合があります。(マイクロソフトサポート)

表示件数が減っても、連絡先が消えたとは限らない

アップデート後に連絡先の件数が減ったように見える場合、まず重複した連絡先が非表示になっていないか確認してください。

例えば、次の2件が登録されているとします。

連絡先A連絡先B
氏名:山田太郎氏名:山田太郎
メール:同じメール:同じ
電話番号:登録済み電話番号:登録済み
会社名:登録済み会社名:未登録

この場合、情報の少ない連絡先Bが、連絡先Aの一部として扱われ、一覧上で非表示になる可能性があります。

連絡先が見当たらないときは、すぐに再登録せず、氏名やメールアドレスで検索してください。確認せずに再登録すると、重複データをさらに増やす原因になります。

連絡先を削除する前にバックアップする

Outlook on the webで表示中の連絡先を削除すると、非表示になっている重複連絡先も含めて、ほかのOutlookアプリから削除される場合があります。Microsoftも、Web版から削除した場合は、連絡先と非表示の重複がすべてのOutlookアプリから削除されると案内しています。(マイクロソフトサポート)

多数の連絡先を整理する場合は、先にCSVファイルへエクスポートしておくのが安全です。

  1. Outlook on the webで「People」を開く
  2. ツールバーから「連絡先の管理」を選ぶ
  3. 「連絡先のエクスポート」を選ぶ
  4. 「すべての連絡先」または対象フォルダーを選ぶ
  5. CSVファイルを保存する

エクスポートしたCSVファイルは、誤削除時の確認や、ほかのOutlook環境へのインポートに利用できます。(マイクロソフトサポート)

誰に影響するのか

影響範囲は、Outlookの利用方法によって異なります。

対象者主な影響
Outlook on the webでPeopleを使う一般ユーザー画面構成、検索方法、人物情報の表示方法が変わる
多数の連絡先を登録しているユーザー検索速度や一覧の見え方が変わる
CSVやスマートフォンから連絡先を取り込んだユーザー重複した連絡先がまとめられ、件数が減ったように見える可能性がある
Microsoft 365管理者社内手順書、研修資料、ヘルプデスク対応の更新が必要
組織プロフィールを管理する担当者部署、役職などの登録内容がPeople Hubの表示に影響する
デスクトップ版やモバイル版のみを使うユーザーこのロードマップ項目による直接の対象とは明記されていない

今回のRoadmap ID 537282で明記されているプラットフォームは「Web」です。クラシックOutlook、Outlook for Mac、モバイル版まで同じ時期・同じ画面になると判断しないようにしてください。

新しいOutlook for Windowsにも類似したPeople Hubの改善はありますが、別のリリース情報として管理されています。Web版の変更と対象範囲を混同しないことが重要です。(Microsoft Learn)

また、公式ロードマップの対象クラウドはWorldwideのStandard Multi-Tenantです。政府機関向けクラウドなど、ほかのクラウド環境での提供状況は、このロードマップ項目だけでは判断できません。

一般ユーザーが確認する手順

アップデートが反映されたかどうかは、次の順番で確認できます。

  1. ブラウザでOutlook on the webにサインインする
  2. 左側のナビゲーションから「People」を開く
  3. 連絡先一覧の画面構成を確認する
  4. よく利用する人物を氏名やメールアドレスで検索する
  5. 人物を選び、連絡先情報や組織情報が表示されるか確認する
  6. 同じ人物として登録した重複連絡先の見え方を確認する
  7. 編集や削除は、重要でないテスト用連絡先で試す

画面がほかの利用者と異なる場合は、まず同じMicrosoft 365アカウントを使用しているか確認してください。そのうえで、ブラウザの再読み込みや再サインインを行い、改善しない場合は管理者に確認します。

Microsoft 365管理者が確認すべきこと

管理者は、機能が表示されるかどうかだけでなく、業務への影響を確認する必要があります。

代表ユーザーで操作を検証する

次のような利用パターンを持つユーザーを選び、People Hubを確認します。

  • 連絡先が少ない一般ユーザー
  • 数百件以上の連絡先を持つ営業担当者
  • CSVインポートを利用したユーザー
  • スマートフォンと連絡先を同期しているユーザー
  • 役員秘書や共有メールボックスの利用者

検索、編集、削除、連絡先リストの操作まで確認すると、ヘルプデスクで発生しそうな問い合わせを把握できます。

社内マニュアルの画面を更新する

特に次の資料は見直しが必要です。

  • 新しい連絡先の登録手順
  • 連絡先の検索手順
  • 連絡先リストの作成手順
  • 連絡先の編集・削除手順
  • CSVのインポート・エクスポート手順
  • Outlookの初期研修資料

「以前の画面に戻す」ことを前提に案内するのは避けてください。公式ロードマップには、旧People Hubへ戻すためのユーザー設定や管理者ポリシーは記載されていません。

組織プロフィールの内容を確認する

新しいPeople Hubでは、利用可能な組織プロフィール情報が人物情報に追加されます。

部署名、役職、上司などに古い情報が残っていると、People Hubにも不正確な情報が表示される可能性があります。表示内容に問題がある場合は、Outlookの画面だけでなく、Microsoft 365で管理している元のプロフィール情報も確認してください。

設定・更新・移行・料金・期限の確認ポイント

確認項目現時点で分かっていること対応
ユーザー設定有効化するための個別設定は案内されていないPeople Hubを開き、反映状況を確認する
管理者設定専用ポリシーや有効化手順はロードマップに記載されていない対象ユーザーで動作検証する
アプリ更新対象はWebであり、デスクトップアプリの更新手順は記載されていない対応ブラウザでOutlook on the webを確認する
データ移行連絡先の再インポートや移行作業は案内されていない表示件数や重複の扱いを確認する
追加料金この変更に固有の追加料金や追加ライセンスは記載されていない現在利用中のOutlook環境で提供状況を確認する
提供時期一般提供は2026年5月、2026年6月16日時点でLaunched社内案内やマニュアル更新を進める
移行期限ユーザーが行う移行期限は記載されていない旧画面を前提とした業務手順を早めに見直す
元に戻す設定公式ロードマップには記載されていないロールバックできる前提で運用しない

追加料金が記載されていないことは、すべてのMicrosoftアカウントで無条件に利用できるという意味ではありません。実際の利用可否は、契約しているMicrosoft 365プラン、アカウントの種類、対象クラウドを基準に判断してください。

よくある疑問

連絡先が消えたように見えるのは不具合ですか

重複した連絡先が自動的に非表示になり、一覧の件数が減って見えることがあります。

氏名やメールアドレスで検索し、人物情報が表示されるか確認してください。見つからない場合でも、すぐに同じ連絡先を再登録せず、別のOutlookクライアントやエクスポートしたCSVでも確認するのが安全です。

重複した連絡先は自動的に削除されますか

必ずしも削除されるわけではありません。

Outlook on the webでは、完全な重複や情報の少ない重複レコードが非表示になる場合があります。画面上で1件に見えても、複数のレコードが残っている可能性があります。

旧People Hubへ戻せますか

Roadmap ID 537282には、旧画面へ戻すための切り替え設定は記載されていません。

業務上の問題がある場合は、まず新しい画面に合わせて操作手順を見直し、必要に応じてOutlookのフィードバック機能やMicrosoft 365のサポート窓口を利用します。

新しいOutlook for Windowsも対象ですか

今回のロードマップ項目で明記されている対象はWebです。

新しいOutlook for Windowsにも似たPeople Hubの改善がありますが、リリース時期や利用できる機能は個別に確認する必要があります。

今すぐ行うべき対応

一般ユーザーは、Outlook on the webでPeopleを開き、よく利用する連絡先を検索してください。連絡先が少なく見える場合は、重複が非表示になっていないかを確認します。大量に編集・削除する前には、CSV形式でバックアップを作成しておくと安全です。

Microsoft 365管理者は、代表ユーザーによる操作検証、社内マニュアルの更新、重複連絡先に関する注意喚起、組織プロフィール情報の確認を進めてください。今回の変更は単なる見た目の刷新ではなく、人物情報をまとめて表示する仕組みの変更です。特に「1件に見える連絡先が、必ずしも1つのデータとは限らない」点を周知しておくことが、誤削除や問い合わせの増加を防ぐポイントです。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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