Outlookのメール保存期間が必ず2年というわけではありません。2年以上前のメールが見えない場合は、端末の同期期間、オンラインアーカイブへの移動、実際の削除を分けて調べます。標準MRMの2年設定はアーカイブへ移す動作です。
古いメールが一覧から消えても、削除されたとは限りません。まず同じアカウントのWeb版とアーカイブを確認し、どこに残っているかを特定します。アーカイブへ移したことと、バックアップとして別のコピーを確保したことも区別してください。
2年以上前のメールが見えないときの確認順
| 確認結果 | 考えられる違い | 次に見る場所 |
|---|---|---|
| Web版の元フォルダーにある | 従来版の同期期間・表示・検索の範囲 | Exchangeへの接続とオフライン同期設定 |
| オンラインアーカイブにある | MRMのアーカイブ動作等で移動 | 別のアーカイブメールボックスの同名フォルダー |
| 通常のアーカイブフォルダーにある | アーカイブボタン等による移動 | 元のメールボックス内のアーカイブ |
| 従来版の別PSTにある | 自動整理や過去の保存による移動 | AutoArchiveの保存先とバックアップ |
| 削除済みアイテムにある | 削除操作やルール等 | 必要なメールを移動して戻す |
| どこにも見つからない | 削除・保持期間・検索条件等の確認が必要 | 復元可能領域と管理者の調査 |
1.端末の同期期間とサーバーの保存期間を区別する
従来版OutlookでExchangeキャッシュモードを使う場合、「オフラインにするメールの期間」「過去のメールをダウンロード」等の設定が24か月なら、それより古いメールを端末へ同期していない可能性があります。設定範囲外のメールがサーバー上から削除されたという意味ではありません。オフラインでは取得できないため、接続状態も確認します。
- 同じアカウントのWeb版で、送信者・件名・日付を指定して元のフォルダーを検索する。
- 従来版のフォルダーや検索結果に、サーバーの追加項目・追加結果を表示する案内がないか確認する。
- 必要なら「ファイル→アカウント設定→アカウント設定」でExchangeアカウントを開き、同期期間を確認する。
- 期間を広げる場合は端末の空き容量と通信量を確認し、求められたらOutlookを再起動して同期を待つ。
「すべて」にしても、既に削除されたメールや別のオンラインアーカイブの内容が元の受信トレイへ復元されるわけではありません。このスライダーは従来版のExchangeキャッシュモードの説明で、POP・IMAPや新しいOutlookへそのまま当てはめません。
2.2年の標準設定はオンラインアーカイブへの移動
Exchange OnlineのDefault MRM Policyには「Default 2 years move to archive」という既定タグがあり、730日でMove to Archiveを行います。標準のポリシーに、メールボックス全体を2年で自動削除する既定タグがあるという意味ではありません。組織が変更したタグや個人用タグ等は別に確認します。
アーカイブメールボックスが利用できる場合、フォルダー一覧でオンラインアーカイブ・インプレースアーカイブ等の別領域を開き、元のメールがあったフォルダーを確認します。受信トレイから行う検索にこの別領域が含まれない場合もあるため、アーカイブを選んで検索してください。表示されないときは、アーカイブの有効状態と利用条件を管理者へ確認します。
通常の「アーカイブ」フォルダーとは別
アーカイブボタンで移した先は通常、元のメールボックス内のアーカイブフォルダーです。この操作ではメールボックスの使用量は減りません。オンラインアーカイブは別のメールボックスで、既定のアーカイブフォルダーと同じ場所ではありません。どちらも「アーカイブ」と呼ばれるため、表示名だけで保管先を決めないでください。
3.従来版の自動整理はPSTの保存先と削除設定を確認する
従来版のAutoArchiveは「ファイル→オプション→詳細設定→自動整理」の設定と、フォルダーのプロパティを確認します。古いアイテムをPSTへ移す設定と、完全に削除する設定は別です。移動なら保存先を確認し、ファイルをコピーして保護してから内容を調べます。完全削除を選んでいる場合はアーカイブコピーが作られません。
新しいOutlookには従来版のAutoArchive機能はありません。また、従来版でも組織の方針等で利用できない場合があります。「このフォルダーは自動整理しない」を指定しても、サーバーのMRM・Purview等による処理まで止まるわけではありません。
4.実際に削除されている場合の復元
まず削除済みアイテムと迷惑メールを確認します。見つからない場合、新しいOutlookとWeb版では削除済みアイテムを選び、メール一覧上部の「このフォルダーから削除されたアイテムを復元」等の操作へ進みます。従来版ではオンラインで削除済みアイテムを選び、ホームの「サーバーから削除済みアイテムを復元」を確認します。
機能の有無と復元期間はアカウント・組織設定で異なり、すべてのPOP・IMAPアカウントで同じ復元機能を使えるわけではありません。復元後も、移動先のフォルダーと対象メールを確認します。見つからなければ早めに管理者へ相談してください。
管理者はMRMとPurviewの両方を確認する
MRMのRetentionPolicyは、関連づけられたタグの期間と動作を確認して判断します。ポリシー名だけで「2年削除」等と推測しません。次は必要な権限を持つ管理者がExchange Online PowerShellへ接続済みの状態で使う参照例です。対象アドレス・ポリシー名・タグ名は実在する値に置き換え、各結果を確認して次へ進みます。
# 対象メールボックスのMRMポリシーを確認
Get-Mailbox -Identity '[email protected]' | Format-List Name,RetentionPolicy
# 表示された実在するポリシー名を指定
Get-RetentionPolicy -Identity 'PolicyName' | Format-List
# ポリシーの関連タグから実在するタグ名を選んで確認
Get-RetentionPolicyTag -Identity 'TagName' |
Format-List Name,Type,RetentionEnabled,AgeLimitForRetention,RetentionAction
nullや誤ったIdentityを渡すと、対象を絞らず一覧を返す場合があるため、名称を照合してください。Get-Mailbox等の上記参照だけでは、Purviewの保持ポリシー・ラベル・ホールドの全体を調べたことにはなりません。これらは管理者が別途、対象メールの適用状況を確認します。
Purviewの保持では、利用者が消したメール等のコピーがRecoverable Itemsに残る場合があります。保持されていることと受信トレイで見えることは別で、eDiscovery等に必要な権限もあります。eDiscoveryは任意の外部バックアップを自動で検索する機能ではなく、後からホールドを設定しても既に永久削除されたメールを復元できる保証はありません。
今後メールを消えないようにするには
- 保管が必要な期間を管理者と決め、アーカイブ移動と削除の動作を確認する。
- 重要フォルダーを作っただけで、組織の削除設定から除外されたとは考えない。
- バックアップがある場合は対象・取得時点・保存期間・実際の復元方法を確認する。
- PSTを保存する場合は組織の許可、実際に含まれる期間と内容、保管場所を確認する。
- 削除済みアイテムや迷惑メールを長期保管場所として使わない。
アーカイブ設定を解除する前に、現在の保存先と適用方針を確認してください。設定を止めること、メールを移すこと、復元できるコピーを持つことは別です。個人用Outlook.comや他社メールでは保存ルールも異なるため、Exchange Onlineの標準MRMを全アカウントへ当てはめません。

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