Microsoft TeamsのAndroid既知の問題|Teams Phoneのラインキー着信音問題と対処

Microsoft Teamsの「Known issues with Teams on Android devices」で、2026年7月10日に公開・更新情報として確認された実質的な変更点は、Microsoft Teams Shared Spaceライセンスを使用する一部のTeams Phoneで、ラインキーごとの着信音を設定できない問題が追加されたことです。

対象はYealink、AudioCodes、Poly製のTeams Phoneです。Androidスマートフォン版Teamsの全ユーザーや、Teams Rooms on Androidの全端末に影響する変更ではありません。また、新機能の展開や設定仕様の変更ではなく、既に発生している制限をMicrosoftが既知の問題として明文化したものです。

管理者は一斉にライセンスを変更するのではなく、「対象メーカーのTeams Phoneか」「Teams Shared Spaceライセンスか」「ラインキー別の着信音が本当に必要か」を確認してから対応を判断する必要があります。Microsoft Learn上の最終更新日は2026年7月9日で、公開リポジトリの差分でもTeams Phoneの新しい既知の問題が追加されたことを確認できます。(マイクロソフトラーニング)

目次

Microsoft Teamsの「Known issues with Teams on Android devices」で何が変わったのか

今回の更新で追加されたのは、次の既知の問題です。

確認項目内容
対象端末Yealink、AudioCodes、Poly製のTeams Phone
対象ライセンスMicrosoft Teams Shared Space
対象機能ラインキーごとの着信音設定
発生する問題個別のラインキーに着信音を設定できない
公式の回避策E5などのユーザーライセンスを使用する
修正バージョン公表されていない
修正時期公表されていない
展開スケジュール記載なし

重要なのは、2026年7月10日から端末の挙動が一斉に変わるわけではないことです。

今回の更新は、製品アップデートの配信開始を告知するものではありません。Microsoftが確認済みの制限をサポート文書に追加した更新です。そのため、Teams管理センターでポリシーを変更したり、すべてのAndroid端末を更新したりする必要はありません。(GitHub)

対象となる端末と対象外の環境

今回の既知の問題は、次の条件が重なった場合に確認が必要です。

条件確認内容
デバイスの種類Microsoft Teams認定のTeams Phone
メーカーYealink、AudioCodes、Poly
ライセンスTeams Shared Space
利用機能ラインキー
必要な操作ラインキーごとに異なる着信音を設定する

ページ名には「Teams on Android devices」とありますが、今回追加された問題の対象はTeams Phoneです。

次の環境は、少なくとも今回追加された問題の対象としては記載されていません。

  • Androidスマートフォン版のTeamsアプリ
  • Windows版またはMac版のTeams
  • Teams Rooms on Android
  • Teamsパネル
  • Teamsディスプレイ
  • Teams Shared Spaceではなくユーザーライセンスを割り当てたTeams Phone
  • ラインキー別の着信音を使用していないTeams Phone

ただし、同じ公式ページにはTeams Rooms on AndroidやTeamsパネルなどに関する別の既知の問題も掲載されています。今回追加された着信音の問題と、ページ内のほかの問題を混同しないようにしてください。(マイクロソフトラーニング)

Teams Shared Spaceライセンスとは

Microsoft Teams Shared Spaceは、共用スペースに設置するTeams Phone、Teamsパネル、ブック可能なデスク用のドックなどを対象としたライセンスです。

2026年4月より前は「Microsoft Teams Shared Devices」という名称でした。社内資料や過去の設計書に旧名称が残っている場合は、同じライセンスを指している可能性があります。

Teams Shared Spaceには、Teams PhoneやIntune P1などのサービスプランが含まれます。共用電話機1台につき1ライセンスを割り当てる運用が基本です。(マイクロソフトラーニング)

Teams Shared Space – Single Spaceとの違いに注意する

類似名称の「Microsoft Teams Shared Space – Single Space」と混同しないことも重要です。

Teams Shared Space – Single Spaceは、ブック可能なデスクやBYOD会議室などを対象とするライセンスです。Microsoftの公式情報では、Teams Phoneのサービスプランは含まれていません。Teams Phoneのライセンス調査では、アカウントに割り当てられているSKUの正式名称まで確認してください。(マイクロソフトラーニング)

ラインキーとは何か

ラインキーは、Teams Phoneの画面や物理ボタン、サイドカーと呼ばれる拡張キーユニットに、電話操作を割り当てる機能です。

主に次の用途で使用します。

  • よく電話する相手への短縮ダイヤル
  • 上司や担当者の共有回線
  • 代理応答
  • コラボレーション通話委任
  • コールキューの監視と応答
  • 通話中のワンタッチ転送

タッチ対応端末、非タッチ端末、サイドカー付き端末で利用できますが、必要なTeamsアプリの最低バージョンが異なります。

端末の種類Teamsアプリの最低バージョン
非タッチ端末1449/1.0.94.2024101709以降
タッチ対応端末1449/1.0.94.2025084203以降
サイドカー1449/1.0.94.2025165302以降

端末にラインキーのメニュー自体が表示されない場合は、今回の既知の問題ではなく、Teamsアプリのバージョン不足や端末側の対応状況が原因である可能性があります。Teams管理センター、または端末の「設定」から現在のバージョンを確認してください。(マイクロソフトラーニング)

本来の着信音設定と発生する問題

通常、Teams Phoneでは次の操作でラインキーごとの着信音を設定します。

  1. ホーム画面で「Line keys」を開く
  2. 設定したいラインキーを長押しする
  3. 「Manage ringtone」を選択する
  4. 使用する着信音を選ぶ

日本語表示では、「ラインキー」「着信音の管理」などの名称で表示される可能性があります。UIの表記は端末、アプリバージョン、言語によって異なります。

今回の問題では、Teams Shared SpaceライセンスでプロビジョニングされたYealink、AudioCodes、Poly製端末において、ラインキーごとの着信音を設定できません。

Microsoftの公式情報には、メニューが表示されないのか、設定保存に失敗するのか、設定後に元へ戻るのかといった詳細な症状までは記載されていません。また、発着信そのものができなくなる、ラインキーの割り当てが消える、端末からサインアウトされるといった障害も、今回の問題としては記載されていません。したがって、現時点では電話機能全体の障害ではなく、着信音のカスタマイズに関する制限として扱うのが適切です。(マイクロソフトラーニング)

コールキューのラインキーでは個別着信音が適用されない

ライセンスを変更する前に、ラインキーに何を割り当てているかを確認してください。

Microsoftのラインキーに関する公式情報では、コールキューを割り当てたラインキーには、選択した個別着信音が適用されないと説明されています。コールキューからの着信には、標準の着信音が使用されます。(マイクロソフトラーニング)

したがって、次のような対応は効果がありません。

コールキューごとに音を変えたいので、Teams Shared SpaceからE5へライセンスを変更する

この場合、ライセンスを変更して着信音の設定画面が利用できるようになっても、コールキューの着信には個別の着信音が適用されません。

一方、短縮ダイヤル、共有回線、代理応答などで個別着信音を使い分けたい場合は、今回の既知の問題が業務へ影響する可能性があります。

想定される業務への影響

ラインキーごとの着信音を使っている組織では、着信元や担当業務を音だけで判別できなくなる可能性があります。

影響が出やすいのは、次のような運用です。

受付電話

代表番号、担当部署、役員宛てなど、複数の回線を1台のTeams Phoneで受けている場合です。画面を確認しないと、どの回線への着信か判断しにくくなります。

秘書・代理応答

本人宛ての着信と、上司やほかの担当者の代理応答を異なる音で区別している場合です。

店舗や施設の共用電話

予約、問い合わせ、内部連絡など、複数の用途をラインキーへ割り当てている場合です。

サービスデスク

緊急連絡用の共有回線と通常の問い合わせ回線を、着信音で区別している場合です。

一方、ラインキーの画面表示で判断できる、端末の利用者が常に画面を見られる、標準着信音だけで問題ないといった環境では、緊急の対応は不要です。

展開時期と修正時期

Microsoft Learnに表示される最終更新日は2026年7月9日です。日本では2026年7月10日に確認された更新として扱えます。

ただし、今回の情報には次の内容がありません。

  • 問題が発生し始めた日
  • 問題を引き起こしたTeamsアプリのバージョン
  • 修正予定のTeamsアプリバージョン
  • 修正プログラムの展開開始日
  • 一般提供の完了予定日
  • テナント単位のロールアウト計画

2026年7月2日付のTeams Phone向けリリース「1449/1.0.94.2026104705」には、複数のコールキューを使用する際のラインキー性能改善などが含まれています。しかし、7月9日に着信音の問題が既知の問題として追加されており、このリリースで解決済みとは記載されていません。

そのため、Teamsアプリを最新化すれば今回の問題も解決すると判断することはできません。更新は端末の安定性やほかの不具合対策として必要ですが、着信音問題の解消についてはMicrosoftが修正バージョンを明示するまで確認が必要です。(マイクロソフトラーニング)

対応が必要かを判断するチェック表

利用状況対応要否推奨対応
対象メーカーのTeams Phoneを使用していない原則不要通常運用を継続
Teams Shared Spaceを使用していない原則不要念のため実機確認
ラインキーを使用していない不要公式情報の監視のみ
ラインキーを使うが着信音を変えていない緊急性は低い標準着信音で運用
コールキューの音を変えたいライセンス変更は非推奨個別着信音は適用されないため運用を見直す
共有回線などで着信音の使い分けが必須対応を検討ユーザーライセンスによる回避策を検証
ラインキーメニュー自体が表示されない切り分けが必要Teamsアプリの最低バージョンを確認
ユーザーライセンスでも設定できない別原因の可能性アプリ、ファームウェア、OEM情報を確認

管理者が実施すべき対応手順

対象端末を一覧化する

Teams管理センターでは、「Teams Devices」から「Phones」を開くことで、登録済みのTeams Phoneを確認できます。

一覧には、端末名、メーカー、モデル、サインインしているアカウント、状態、最終接続日時、履歴などが表示されます。まずYealink、AudioCodes、Poly製端末だけを抽出してください。(マイクロソフトラーニング)

2026年6月以降、Teams Rooms on Android、Teams Phone、TeamsパネルなどのAndroidデバイス管理は、Teams管理センターからTeams Rooms Pro Management Portalへ段階的に移行しています。テナントの移行状況によって確認画面が異なるため、Teams管理センターに対象端末が見つからない場合はPro Management Portalも確認してください。(マイクロソフトラーニング)

端末アカウントのライセンスを確認する

対象端末にサインインしているアカウントごとに、次の点を確認します。

  1. Microsoft Teams Shared Spaceが割り当てられているか
  2. 旧名称のMicrosoft Teams Shared Devicesとして管理されていないか
  3. Teams Shared Space – Single Spaceと取り違えていないか
  4. ユーザーライセンスとShared Spaceを重複して割り当てていないか
  5. グループベースのライセンス割り当てが使われていないか

グループベースでライセンスを付与している場合、アカウント単体で変更しても、グループから再度Shared Spaceが割り当てられることがあります。ライセンスの付与元まで確認してください。

ラインキーの用途を分類する

ラインキーごとに、次のどれを割り当てているかを記録します。

  • 短縮ダイヤル
  • 共有回線
  • コラボレーション通話委任
  • コールキュー
  • 通話転送

コールキューであれば、個別着信音が適用されない仕様のため、今回の回避策を実施する必要性は低くなります。

実機で症状を確認する

業務時間外または検証用端末で、次の操作を実施します。

  1. ラインキーを長押しする
  2. 着信音管理の項目が表示されるか確認する
  3. 着信音を変更する
  4. 設定が保存されるか確認する
  5. 端末を再起動する
  6. 設定が維持されているか確認する
  7. 実際に対象回線へ着信させる

Microsoftが具体的なエラーメッセージを示していないため、「メニューがない」「保存できない」「再起動後に戻る」など、実際の症状を記録することが重要です。

回避策を選択する

対応は次の2つに分かれます。

標準着信音のまま運用する

個別着信音が必須でなければ、Teams Shared Spaceライセンスを維持し、Microsoftの修正を待つ方法が現実的です。

共用端末向けのライセンス体系を維持できるため、契約やアカウント設計への影響を抑えられます。

ユーザーライセンスへ変更する

Microsoftは、E5などのユーザーライセンスを使用する方法を回避策として案内しています。(マイクロソフトラーニング)

ただし、E5は公式文書に記載された一例です。利用可能なすべてのライセンスSKUや最低要件までは示されていません。実際に変更する場合は、次の点を確認してください。

  • 対象SKUに必要なTeams Phoneサービスが含まれるか
  • Teamsを含む契約か、Teamsを分離した契約か
  • 共用端末への割り当てが契約条件に合っているか
  • 月額費用や年間費用が増えないか
  • ライセンス変更後も端末のサインインと通話が正常か
  • 元のライセンスへ戻す手順を用意しているか

全端末を一括変更せず、まず1台で検証してください。

ライセンス変更後に確認する項目

ユーザーライセンスを使った回避策を試す場合は、着信音だけでなく次の機能も確認します。

確認項目テスト内容
サインイン再起動後も正常にサインインできるか
発信内線、外線、緊急通報設定が正常か
着信通常回線と共有回線で正常に鳴るか
ラインキー割り当てが維持されているか
着信音ラインキーごとの設定が保存されるか
共有回線状態表示と代理応答が正常か
コールキュー標準着信音で正常に着信するか
通話転送ワンタッチ転送が正常か
Intuneコンプライアンス状態に問題がないか
端末管理管理ポータルから状態を確認できるか

設定変更日時、端末名、アカウント、変更前後のライセンス、Teamsアプリのバージョン、ファームウェアのバージョンも記録しておくと、問題発生時に戻しやすくなります。

やってはいけない対応

すべてのAndroid端末を対象にする

今回の追加情報は、Androidスマートフォン版Teams全体の問題ではありません。対象メーカー、端末種別、ライセンスを確認せずに全社通知を出すと、利用者を混乱させます。

Shared Spaceライセンスを一括でE5へ変更する

着信音の使い分けが不要な端末まで変更すると、費用やライセンス管理の負担が増える可能性があります。対象端末を絞り、業務上の必要性が高い端末だけで検証してください。

コールキューのためにライセンスを変更する

コールキューのラインキーには個別着信音が適用されません。ライセンス変更前に、ラインキーの割り当て先を必ず確認してください。

最新アプリへの更新だけで解決済みと判断する

今回の問題について、Microsoftは修正済みバージョンを公表していません。更新後も実機テストが必要です。

メーカー非承認の方法で更新する

Teams Phoneのアプリやファームウェアは、Microsoftが検証した管理ポータル経由の更新を使用するのが基本です。Microsoftは、Teams管理センターで提供される検証済み更新の利用を推奨しています。(マイクロソフトラーニング)

今後の修正に備えた更新管理

Teams Phoneの自動更新には、検証用、一般用、最終段階の更新フェーズがあります。

更新フェーズ主な用途更新時期の目安
Validation検証端末リリース後0~15日
General一般端末リリース後16~45日
FinalVIP用・重要拠点リリース後46~60日

Microsoftが修正バージョンを公表した際は、まずValidationフェーズの端末で確認し、その後に一般端末へ展開すると安全です。

今回の問題だけを理由に、すべての端末を最速フェーズへ移す必要はありません。修正内容がリリースノートに明記された後、ラインキー、着信音、共有回線、コールキューを含む受け入れテストを実施してください。(マイクロソフトラーニング)

同じ公式ページに掲載されている主な既知の問題

今回追加された着信音問題以外にも、公式ページには次の問題が掲載されています。

対象問題公式に示されている対応
Teams Rooms on Androidコンソールとペアリングした端末でE2EE会議に参加できない現時点で回避策なし
Cisco製Teams Rooms on Android特定バージョンでミュート・ミュート解除が安定しない1449/1.0.96.2025341701へ更新
Teams Rooms on Android特定バージョンで更新用の空き容量が不足する管理ポータルからサインアウト後、再サインイン
複数のAndroid Teamsデバイス自動的にサインアウトされるMicrosoftの個別手順に従う
Teams PhoneMFAと利用規約の条件付きアクセスポリシー併用でサインインがループするサポートされない組み合わせを除外
Teams Phoneコールキュー着信時に「Just me」チャットが生成されるコールキューの会議モードを有効化
Teams Phone管理センターから許可済みアプリを削除できない現時点で回避策なし

これらはすべてが2026年7月10日に追加されたわけではありません。今回の差分として確認できるのは、Teams Shared Spaceライセンスとラインキー着信音に関する問題です。(マイクロソフトラーニング)

対象条件を確認してから必要な端末だけ対応する

今回のMicrosoft TeamsのAndroid向け既知の問題で、最初に確認すべき条件は次の3点です。

  1. Yealink、AudioCodes、Poly製のTeams Phoneを使用している
  2. 端末アカウントにTeams Shared Spaceライセンスを割り当てている
  3. ラインキーごとの着信音を業務で使用する必要がある

3つすべてに該当しなければ、緊急の対応は基本的に不要です。

該当する場合も、コールキューのラインキーでは個別着信音が適用されない点を先に確認してください。共有回線などで着信音の使い分けが必須の場合に限り、E5などのユーザーライセンスを使う公式回避策を検証します。

修正時期と修正バージョンは公表されていないため、対象端末を1台検証用として管理し、Microsoft Learnの既知の問題ページとTeams Phoneのリリースノートを継続的に確認することが、最も安全な対応です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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