Microsoft TeamsのConsult and merge a PSTN caller through DTMFとは?変更点・対象範囲・管理者の確認ポイント

Microsoft Teamsの「Consult and merge a PSTN caller through DTMF」は、Teams会議中に外部の電話番号へいったん個別に発信し、IVRや自動応答メニューをDTMF、つまり電話のプッシュ信号で操作したうえで、その相手を会議へ合流させられる機能です。従来も会議に電話番号を追加することはできましたが、今回のポイントは「合流前に相談できる」「自動音声メニューを操作して目的の相手に到達できる」「準備ができたら会議へマージできる」という点にあります。

特に、社外の専門家、取引先の代表番号、サポート窓口、コールセンター、病院・自治体・金融機関など、電話をかけると「1番を押してください」「内線番号を入力してください」と案内される相手をTeams会議へ呼び込みたい場面で役立ちます。管理者は新機能そのものを細かく作り込むというより、Audio Conferencing、PSTN発信、ダイヤルアウト制限、対象クライアント、会議種別の制限を確認しておくことが重要です。

目次

Microsoft TeamsのConsult and merge a PSTN caller through DTMFとは

「Microsoft Teams: Consult and merge a PSTN caller through DTMF」は、Microsoft 365 Roadmap ID 518218として公開されているMicrosoft Teamsの機能です。Roadmap上では、対象製品はMicrosoft Teams、状態はLaunched、一般提供時期は2026年4月、対象クラウドはWorldwide、GCC、GCC High、DoD、対象プラットフォームはDesktopとMacとされています。更新日時はUTCで2026年6月3日23時台のため、日本時間では2026年6月4日の更新として扱えます。(Microsoft)

Microsoftの説明では、これまでもユーザーは電話番号へ発信して誰かを会議に追加できました。今回の変更により、会議開催者はDTMF操作が必要な自動応答やIVRの先にいるPSTN発信先についても、先に個別相談してからTeams会議へ合流させられるようになります。たとえば、音声会議のダイヤルイン番号を使って専門家に接続し、内容を確認してからグループ討議へ追加する、といった使い方が想定されています。(Microsoft)

ここでいうPSTNは公衆交換電話網、つまり一般的な固定電話・携帯電話の電話網を指します。DTMFは、電話機で「0〜9」「*」「#」を押したときに送られるトーン信号です。Teams会議の文脈では、外部の自動音声メニューを操作するための信号と考えると分かりやすいでしょう。

何が変わるのか

今回の変更を一言でいえば、Teams会議中の「外部電話参加者の呼び込み」が実務向けに強化されます。

従来の運用では、会議中に外部の電話番号へ発信できても、相手が代表番号やIVRの奥にいる場合、会議へ直接追加するだけでは目的の担当者につながらないことがありました。自動音声に対して番号入力が必要な場合、会議全体に待ち時間が発生したり、別の電話で事前確認してからTeams会議に戻るといった手間が生じます。

新しい動きでは、会議中に電話番号または連絡先へ発信し、いったん個別の相談通話として相手と話せます。その相談通話中にDTMFのダイヤルパッドを使い、IVRや自動応答メニューを操作できます。目的の相手につながり、会議に参加してもらってよい状態になったら、通話をTeams会議へマージします。Microsoft Supportでも、Teams会議中にPeopleタブから電話番号または連絡先を入力し、「Consult and merge」を選び、相談後に「Merge」する流れが説明されています。(Microsoft サポート)

観点これまでの課題新機能で改善されること
代表番号への発信自動音声メニューで止まりやすい相談通話中にDTMFでメニュー操作できる
会議への追加目的の相手につながる前に会議へ入ってしまう可能性がある個別に確認してから会議へマージできる
社外専門家の呼び出し別電話・別チャットで事前調整しがちTeams会議内の操作で呼び込みやすい
会議参加者の体験会議全体がIVR操作を待つことがある開催者側で下準備してから合流できる

想定される利用シーン

この機能は、単なる便利機能というより、会議中に「電話でしかつながらない相手」を呼び込む業務に向いています。

社外の専門家をその場で呼ぶ

障害対応会議、法務確認、医療・研究・製造現場の技術確認などでは、会議中に特定分野の専門家へ急いで確認したいことがあります。相手の連絡先が代表番号や音声会議ブリッジしかない場合でも、DTMFで内線や会議IDを入力し、個別に状況を説明してからTeams会議へ合流してもらえます。

取引先の代表番号から担当部署につなぐ

取引先の電話窓口にかけると、「営業は1、サポートは2、契約関連は3」のような自動音声が流れることがあります。会議の全員にその音声を聞かせるのではなく、開催者が相談通話で目的の部署へ到達し、担当者に会議参加の同意を取ってからマージできます。

緊急対応時に電話参加者を追加する

ネットワーク障害、SaaS障害、店舗・拠点トラブルなどでは、現地担当者がTeamsアプリを使えず電話だけで参加するケースがあります。DTMFが必要な音声会議や社内PBXの先にいる担当者にも到達しやすくなるため、緊急時の会議運営をスムーズにできます。

対象範囲と前提条件

Roadmap上の対象は、Microsoft TeamsのDesktopとMacです。Web版、モバイル版、Teams Roomsなどについては、Roadmap ID 518218の対象プラットフォームとしては示されていません。展開確認を行う場合は、まずWindowsまたはMacのTeamsデスクトップクライアントで検証するのが現実的です。(Microsoft)

Microsoft Supportの説明では、会議へconsult and mergeするには、会議開催者にAudio ConferencingライセンスまたはPSTNライセンスが必要です。また、イベント、ウェビナー、タウンホールはサポート対象外とされています。相談通話中はDTMF用のダイヤルパッドを利用できますが、会議へマージした後はダイヤルパッドが表示されなくなる点にも注意が必要です。(Microsoft サポート)

確認項目内容
対象サービスMicrosoft Teams
Roadmap ID518218
提供状態Launched
一般提供2026年4月
対象クラウドWorldwide、GCC、GCC High、DoD
対象プラットフォームDesktop、Mac
主な前提開催者にAudio ConferencingまたはPSTN関連の利用権限が必要
非対象として明記イベント、ウェビナー、タウンホール

Microsoft 365 Roadmapのリリース日や説明は予定情報を含み、変更される可能性があります。Microsoft自身も、Roadmapのリリース日は推定であり、情報は変更される可能性があると説明しています。運用へ組み込む際は、管理センターのメッセージセンターや公式ドキュメントで自社テナントの状態を確認してください。(Microsoft)

管理者が確認すべき設定

この機能は、Teams会議の操作だけで完結して見えますが、実際にはAudio Conferencing、PSTN発信、ダイヤルアウト制御、会議ポリシー、ライセンスの状態に左右されます。管理者は次の順に確認すると抜け漏れを減らせます。

Audio Conferencingの有効化

Audio Conferencingは、ユーザーが電話からTeams会議に参加できるようにする機能です。Microsoft Learnでは、Audio ConferencingによりPSTN電話番号を使ってTeams会議に参加できると説明されています。また、Audio Conferencingを設定する必要があるのは、会議をスケジュールまたは主催するユーザーであり、電話で参加する出席者側には追加ライセンスや設定は不要です。(Microsoft Learn)

今回の機能を利用する会議開催者については、少なくとも次の点を確認します。

確認する場所確認内容
Microsoft 365 管理センター対象ユーザーに必要なライセンスが割り当てられているか
Teams 管理センターAudio Conferencing設定が意図どおりか
会議招待ダイヤルイン番号や会議IDが正しく表示されるか
利用国・地域Audio Conferencingや発信先の国・地域がサポートされるか

Microsoft Learnでは、Audio Conferencingのセットアップ手順として、国・地域の利用可否確認、ライセンスの取得と割り当て、会議ブリッジ用サービス番号の取得、会議ブリッジへの番号割り当て、ブリッジ言語や設定の確認、主催者へのダイヤルイン番号割り当てが案内されています。(Microsoft Learn)

PSTN発信とダイヤルアウト制限

会議から外部電話番号へ発信するには、Teams側でダイヤルアウトが許可されている必要があります。Microsoft Learnでは、会議開催者がTeamsアプリからダイヤルアウトして他の人を電話で会議に参加させられること、発信先番号は国番号を含むE.164形式の完全な電話番号が推奨されることが説明されています。さらに、開催者はAudio Conferencingが有効、またはオンライン通話プランやDirect RoutingでPSTN発信できる状態であり、ダイヤルアウトを許可するポリシーが付与されている必要があります。(Microsoft Learn)

管理者は、意図せず国際発信できる状態になっていないかも確認しましょう。Microsoft Learnでは、Audio ConferencingおよびエンドユーザーPSTN通話のアウトバウンド制御をユーザー単位またはテナント単位で適用でき、既定では国際・国内の発信が許可されると説明されています。Audio Conferencing PSTN callsでは「任意の宛先」「開催者と同じ国・地域」「Zone Aのみ」「許可しない」などの制御が可能です。(Microsoft Learn)

実務では、次のような判断が必要です。

組織の状況推奨される確認
国内の取引先にだけ発信したい開催者と同じ国・地域への発信に制限できるか確認
海外拠点や海外ベンダーを呼ぶ国際発信の許可範囲と費用負担を確認
誰でも外部発信できると困る対象ユーザーだけにポリシーを割り当てる
監査やコスト管理が重要PSTN利用レポートとダイヤルアウト分数の監視を設定

ライセンスと費用

Audio ConferencingライセンスはTeams Phoneライセンスとは別物です。Microsoft Learnでは、Audio Conferencingは電話でTeams会議に参加するためのアドオンライセンスであり、Teams PhoneライセンスはPBX機能やPSTN接続を扱う別のライセンスとして説明されています。(Microsoft Learn)

また、標準のAudio Conferencingサブスクリプションには、Zone Aの非プレミアム番号へのダイヤルアウトがユーザーあたり月60分含まれると説明されています。分数プールを超えた通話や対象外地域への発信では、Communication Creditsなどの課金設定が関係します。Microsoft Learnでは、PSTN minute poolsをTeams管理センターの利用状況レポートから確認でき、利用率が80%および100%に達した場合に管理者へ通知されることも説明されています。(Microsoft Learn)

「DTMFでつながるようになったから便利」というだけで展開すると、想定外の外部発信や国際発信コストが発生する可能性があります。まずは対象部署を絞り、障害対応チーム、役員会議の秘書・運営担当、カスタマーサポート二次対応チームなど、実際に電話呼び込みが多いユーザーから検証すると安全です。

利用者に伝えるべき操作イメージ

利用者向けには、管理設定の詳細よりも「いつ使うのか」「どこを押すのか」「マージ前に何を確認するのか」を伝えることが大切です。

基本的な流れ

手順操作確認ポイント
1Teams会議に参加する開催者または権限のあるユーザーとして参加する
2Peopleタブを開く参加者一覧から追加操作を行う
3電話番号または連絡先を入力する電話番号は国番号を含めて入力する
4Consult and mergeを選ぶいきなり会議へ入れず、まず個別相談にする
5相談通話中にDTMFを入力するIVRや内線番号、会議IDなどを操作する
6相手に会議参加の意図を確認する社外相手の場合は特に同意を取る
7Mergeを押して会議へ合流する合流後は会議参加者として扱われる

Microsoft Supportでは、相談通話中にIVRや自動応答の先にいる相手へ到達する場合、Dial padアイコンからDTMFトーンを送信できると説明されています。ただし、ダイヤルパッドは相談通話中のみ利用でき、マージ後は表示されません。(Microsoft サポート)

利用者向けの説明例

社内マニュアルでは、次のように説明すると伝わりやすくなります。

Teams会議中に外部の代表番号や音声ガイダンス付きの電話番号へ連絡したい場合は、「Consult and merge」を使います。まず個別の相談通話で相手につなぎ、必要に応じてダイヤルパッドで番号を入力します。相手に会議へ参加してよいことを確認してから「Merge」を押してください。マージ後はDTMFダイヤルパッドを使えないため、内線番号や会議IDの入力は合流前に完了しておきます。

この一文を運用ルールに入れるだけでも、「マージ後に番号入力しようとして困る」という失敗を防げます。

展開時に注意したいポイント

マージ後はDTMF操作できない

最も重要な注意点は、DTMFダイヤルパッドを使えるのは相談通話中だけという点です。マージ後に追加の番号入力が必要になる相手、たとえば「担当者につながった後にさらに会議IDを押す」ような電話先では、合流前に必要な操作をすべて済ませる必要があります。(Microsoft サポート)

失敗しやすい例は次の通りです。

失敗例原因対策
会議へ合流後にIVR操作が必要になったDTMF操作を完了する前にマージした相手と音声接続できたことを確認してからマージする
目的の担当者ではなく受付が会議に入った相談通話で本人確認をしていない名前、部署、会議参加可否を確認してからマージする
国際発信ができないダイヤルアウトポリシーで制限されている必要な発信先国を事前に管理者へ申請する
会議で機能が見つからない対象クライアントや会議種別ではないDesktop/Mac、通常のTeams会議で検証する

イベント、ウェビナー、タウンホールでは使えない

Microsoft Supportでは、consult and merge a call into a meetingについて、イベント、ウェビナー、タウンホールはサポートされないと明記されています。大規模配信イベントで外部の電話参加者を途中参加させたい場合は、別の登壇者参加方法や事前接続の運用を検討してください。(Microsoft サポート)

特にタウンホールやウェビナーでは、参加者ロール、登壇者管理、録画、字幕、Q&Aなどの制御が通常会議と異なります。「Teams会議でできるならイベントでもできる」と考えないことが重要です。

共有回線や代理応答の運用では制限を確認する

Microsoft Supportでは、boss and delegatesによる共有回線通話ではCall mergeを利用できないと説明されています。秘書・役員・代表電話の代理応答運用がある組織では、誰のTeamsクライアントから操作するのかを事前に確認しておきましょう。(Microsoft サポート)

役員会議などで外部電話参加者を呼ぶ場合、秘書が代理で電話を操作するよりも、会議開催者または発信権限を持つ運営担当者が会議内で操作する形にした方がトラブルを減らせます。

既存会議招待の更新が必要になる場合がある

Audio Conferencingのダイヤルイン番号を変更した場合、既存のTeams会議招待を更新して参加者へ再送する必要があります。Microsoft Learnでも、ユーザーのAudio Conferencing設定を変更した場合、既存のMicrosoft Teams会議を更新して出席者へ送信する必要があると説明されています。(Microsoft Learn)

新機能の展開に合わせて会議ブリッジ番号やユーザーの既定番号を見直す場合は、定例会議、役員会議、顧客向け会議などの既存招待も棚卸ししてください。番号だけ変更して会議招待を更新しないと、参加者が古い番号へ電話してしまう可能性があります。

開発者・連携担当者が確認すべきこと

この機能は、TeamsアプリやGraph APIで独自にDTMF制御を組み込むというより、Teamsクライアントの会議・通話体験として提供される機能です。開発者や連携担当者は、API実装よりも周辺システムとの接続設計を確認するのが現実的です。

IVRやPBX側のメニュー設計を見直す

外部のIVRや社内PBXに接続する場合、DTMF入力の桁数、タイムアウト、入力後の案内、転送先の呼び出し時間が会議運営に影響します。たとえば「内線番号を入力後、担当者につながるまで30秒以上待つ」ような設計では、会議運営者が待ち時間を長く感じる可能性があります。

見直すべき点は次の通りです。

対象確認内容
IVRメニュー会議中でも迷わず入力できる番号体系か
タイムアウト入力に少し時間がかかっても切断されないか
転送先目的の担当者や会議ブリッジへ確実に転送されるか
案内音声外部からの発信者にも意味が分かる案内か
セキュリティ会議IDやPINを不用意に共有していないか

コンタクトセンター連携では録音・同意・個人情報に注意する

Teams会議へ電話相手をマージすると、相手は会議参加者として扱われます。会議が録画・文字起こし・要約の対象になっている場合、社外の電話参加者にもその旨を伝える運用が必要です。

特に、サポート窓口、医療相談、金融相談、人事・労務相談など、個人情報や機密情報を扱う電話先を会議へ合流させる場合は、次の点を事前に決めておきましょう。

論点決めておくこと
参加同意会議へ入る前に誰がどの文言で同意を取るか
録画・録音会議録画や文字起こしが有効な場合の説明方法
参加者名電話番号表示の扱いと参加者確認方法
退室用件終了後に誰が電話参加者を切断・退出確認するか
議事録電話参加者の発言をどの範囲まで記録するか

Direct Routingや外部PBX環境では事前検証を行う

PSTN接続にDirect Routing、Operator Connect、Calling Planなどを使っている場合、発信経路や番号形式、通話制限の影響を受けることがあります。Microsoft Learnでは、Teams Phoneで外部PSTN通話を行うにはTeams Phone Standardに加えてPSTN接続オプションが必要であると説明されています。(Microsoft Learn)

開発・音声基盤担当者は、次のような観点で検証しておくとよいでしょう。

検証項目確認例
番号形式+81など国番号付きで正しく発信できるか
DTMF操作IVRが0〜9、*、#を期待どおり認識するか
転送後の音声マージ後に双方向音声が維持されるか
通話ログPSTN利用ログや課金対象が追跡できるか
障害時対応失敗時に通常の電話や別会議へ切り替えられるか

移行・展開の進め方

この機能は、全社へ大きな移行プロジェクトとして展開するより、対象ユーザーを絞って運用へ組み込む方が成功しやすいです。

まず対象ユースケースを選ぶ

最初から全社員に案内すると、「どの場面で使うべきか」が曖昧になります。まずは次のような利用頻度が高い部署を選びましょう。

優先度対象例理由
高障害対応・インシデント管理外部ベンダーや専門家を即時に呼ぶことが多い
高カスタマーサポート二次対応電話窓口やIVR先の担当者と連携しやすい
中法務・契約レビュー社外専門家を短時間だけ会議へ呼ぶ場面がある
中役員会議・秘書室外部関係者を会議中に呼び込む可能性がある
低一般的な社内定例通常はTeams参加で足りることが多い

管理者向けチェックリスト

展開前には、最低限次の項目を確認してください。

チェック確認内容
ライセンス対象開催者にAudio ConferencingまたはPSTN発信に必要なライセンスがある
クライアント対象ユーザーがTeams DesktopまたはMacを利用している
会議種別通常のTeams会議で利用する。イベント、ウェビナー、タウンホールでは使わない
発信制限ダイヤルアウトポリシーが業務要件とコスト方針に合っている
番号形式外部電話番号をE.164形式で登録・案内している
費用監視PSTN minute poolsやCommunication Creditsの状況を確認できる
操作教育マージ前にDTMF操作と本人確認を済ませるルールを周知している
代替手段失敗時の通常電話、別会議、チャット連絡の手順がある

小さく検証してから標準手順にする

検証は、実際にDTMFが必要な電話番号を使って行います。単に携帯電話へ発信してマージできるかを見るだけでは、この機能の肝である「IVR操作後に会議へ合流」が確認できません。

おすすめの検証シナリオは次の通りです。

シナリオ成功条件
代表番号から内線へ転送DTMF入力で目的の内線につながり、会議へマージできる
音声会議ブリッジへ接続会議IDや#入力後、目的の音声会議に到達できる
国外番号への発信ポリシー・課金・音声品質を含めて問題がない
マージ後の会話Teams参加者と電話参加者が相互に聞こえる
失敗時の切り戻しマージせずに相談通話を終了し、会議へ戻れる

検証後は、対象部署向けに1ページの操作手順を作ると定着しやすくなります。画面キャプチャを入れる場合は、「Peopleタブ」「Invite someone or dial a number」「Consult and merge」「Dial pad」「Merge」の5箇所を押さえれば十分です。

よくある疑問

Teams Phoneがないと使えないのか

必ずTeams Phoneだけが必要というわけではありません。Microsoft Supportでは、会議にconsult and mergeするには、会議開催者がAudio ConferencingライセンスまたはPSTNライセンスを持っている必要があると説明されています。自社の契約形態によって条件が変わるため、対象ユーザーのライセンスとPSTN発信経路を確認してください。(Microsoft サポート)

電話で参加する相手にもTeamsライセンスが必要か

Audio Conferencingの基本的な考え方では、電話で会議へダイヤルインする出席者側に追加ライセンスや設定は不要です。設定が必要なのは、会議をスケジュールまたは主催するユーザーです。(Microsoft Learn)

マージ後に追加で番号を押せるか

マージ後はDTMF用のダイヤルパッドが表示されません。DTMF操作は相談通話中に済ませる必要があります。(Microsoft サポート)

すべてのTeams会議で使えるのか

通常のTeams会議での利用を前提に考えるべきです。Microsoft Supportでは、イベント、ウェビナー、タウンホールはサポート対象外とされています。(Microsoft サポート)

既存の会議招待を変更する必要はあるか

この機能自体のために、すべての既存会議招待を更新する必要があるとは限りません。ただし、Audio Conferencing番号やユーザーの音声会議設定を変更した場合は、既存のTeams会議を更新して出席者へ送信する必要があります。(Microsoft Learn)

まとめ:確認すべきことは「DTMF対応」よりも周辺設定

Microsoft Teamsの「Consult and merge a PSTN caller through DTMF」は、IVRや自動応答の先にいる電話参加者を、Teams会議へ自然に呼び込める実務的な改善です。会議中に外部の専門家や取引先へ電話し、必要な番号操作を済ませてから合流できるため、障害対応、顧客対応、専門家レビューのような場面で効果を発揮します。

一方で、導入時に見るべきポイントはDTMF操作そのものだけではありません。管理者は、対象ユーザーのAudio ConferencingまたはPSTN関連ライセンス、ダイヤルアウトポリシー、発信先の国・地域、費用監視、対象クライアント、会議種別の制限を確認する必要があります。利用者には「マージ前にDTMF操作と本人確認を済ませる」「マージ後はダイヤルパッドが使えない」という2点を必ず周知しましょう。

次に取るべき行動は明確です。まず、電話参加者を会議へ呼び込む頻度が高い部署を1つ選び、対象ユーザーのライセンスと発信制限を確認します。そのうえで、実際のIVR番号を使って検証し、操作手順と失敗時の代替手段を社内マニュアルに反映してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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