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Microsoft TeamsのSearch in quick sharing experienceとは?変更点と管理者の確認ポイント

Microsoft Teamsでチャットやチャネルにファイルを添付するとき、「どこに保存したか分からず、OneDriveやSharePointを開き直して探す」という手間が減ります。Microsoft Teams: Search in quick sharing experienceは、クイック共有、つまりファイル添付時の選択画面の中でクラウドファイルを検索できるようにする更新です。

結論として、この変更はファイルの保存先や共有権限を大きく変えるものではなく、Teams内でファイルを探して添付する導線を改善する機能です。管理者がまず確認すべきなのは、OneDrive/SharePointの共有設定、Teams Files policy、外部共有時の権限設計です。Microsoft 365 Roadmapでは、Roadmap ID 560814として2026年6月の一般提供が予定されていますが、ロードマップ上の時期や内容は変更される可能性があります。(Microsoft)

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目次

Microsoft Teams: Search in quick sharing experienceとは

Microsoft Teams: Search in quick sharing experienceは、Teamsでファイルを添付する際に、クイック共有の画面内からクラウドベースのファイルを検索できるようにする機能です。

これまでは、添付したいファイルがすぐに見つからない場合、OneDrive、SharePoint、Teamsのファイル一覧、最近使った項目などを行き来して探す場面がありました。今回の更新では、添付操作の途中でファイル検索ができるため、チャットやチャネルへのファイル共有がよりスムーズになります。

公式のRelease Communications APIでは、この機能はMicrosoft Teams向けの更新として、Desktop、Mac、Web、Worldwide、GCC、GCC High、DoD、General Availability、Targeted Releaseのタグが付いています。ステータスは確認時点で「In development」、公開時期は「June CY2026」とされています。(Microsoft)

項目内容
Roadmap ID560814
機能名Microsoft Teams: Search in quick sharing experience
対象サービスMicrosoft Teams
主な変更ファイル添付時のクイック共有画面内でクラウドファイルを検索可能にする
主な利用場面チャット、グループチャット、チャネルでのファイル添付
提供予定2026年6月の一般提供予定
実務上の見方権限や保存先の変更ではなく、ファイルを探して添付するUI改善として捉える

何が変わるのか

今回のポイントは、「共有する前に探す」操作がTeams内で完結しやすくなることです。

たとえば、営業チームのチャネルで提案書を共有したい場合、従来はSharePointのドキュメントライブラリを開いたり、OneDriveの検索を使ったりして、目的のファイルを探してからTeamsに戻る流れになりがちでした。新機能では、添付操作の途中でクラウドファイルを検索できるため、会話の流れを止めずに共有しやすくなります。

観点従来起きやすかったこと更新後に期待できること
ファイル検索Teams外のOneDriveやSharePointを開いて探す添付画面内でクラウドファイルを検索しやすくなる
共有スピードファイル名や保存場所を思い出せないと時間がかかるキーワードで探せるため、添付までの手間が減る
ユーザー教育「どこから添付すればよいか」が分かりにくい添付画面内で探す操作を案内しやすい
権限管理共有後に「開けない」と問い合わせが来る検索性は上がるが、権限確認は引き続き必要

注意したいのは、検索できることと、送信先の全員が開けることは同じではない点です。TeamsのチャネルにアップロードしたファイルはチームのSharePointフォルダーに保存され、チャットで送信したファイルは送信者のOneDrive for Businessに保存されます。つまり、どこに共有するかによって、管理すべき保存先と権限の見方が変わります。(マイクロソフトサポート)

影響を受けるユーザーと業務シーン

この更新の影響を受けやすいのは、Teamsで日常的にファイルを共有しているユーザーです。特に、複数のチーム、チャネル、プロジェクトサイトを使い分けている組織では効果が出やすいでしょう。

対象者影響確認すべきこと
一般ユーザー添付時にクラウドファイルを探しやすくなるファイル名、保存場所、共有先の選び方
チーム所有者チャネルでのファイル共有が増える可能性があるチャネル構成、SharePoint側の権限、不要ファイルの整理
Teams管理者添付導線の変化により問い合わせ内容が変わるTeams Files policy、対象ユーザー、展開タイミング
SharePoint/OneDrive管理者検索しやすくなることで既存ファイルの共有機会が増える外部共有、既定のリンク種類、サイト単位の制限
セキュリティ担当者共有の手間が減る分、誤共有対策が重要になる秘密度ラベル、DLP、Defender、監査ログ
開発者・内製アプリ担当Teams内のファイル共有導線が変わる独自アプリや業務フローがユーザー操作と競合しないか

特に重要なのは、ファイル共有が「簡単になる」ことで、ユーザーがこれまで以上にTeamsから既存ファイルを共有する可能性がある点です。検索性が高まるほど、古いファイル、下書き、共有範囲が曖昧なファイルも見つけやすくなります。機能展開前に、ファイル名ルールや保存場所の使い分けを整理しておくと、展開後の混乱を減らせます。

管理者が確認すべき設定

OneDriveとSharePointの共有設定を確認する

Microsoft Teamsのファイル共有は、Teams単体で完結しているように見えても、実際にはOneDriveとSharePointの設定に強く依存します。

チャネルで共有するファイルはSharePoint、チャットで送るファイルはOneDrive for Businessに保存されます。そのため、Teamsの添付画面だけを見ても、権限トラブルの原因は判断できません。(マイクロソフトサポート)

確認すべきポイントは次の通りです。

確認項目見るべき場所判断基準
組織全体の外部共有SharePoint管理センターの共有設定外部共有を許可する範囲が業務要件と合っているか
OneDriveの共有レベルSharePoint管理センターSharePointより広い設定になっていないか
サイト単位の共有設定SharePointサイトの設定機密性の高いチームサイトで外部共有が広すぎないか
既定のリンク種類ファイルとフォルダーのリンク設定「特定のユーザー」「組織内のユーザー」「リンクを知っている全員」のどれを既定にするか
ドメイン制限SharePoint/OneDrive、Microsoft Entra取引先ドメインだけを許可・ブロックする必要があるか

Microsoftのドキュメントでは、SharePoint管理センターでSharePointとOneDriveの外部共有レベルを指定でき、SharePointの設定はTeamsに接続されたサイトにも影響します。また、OneDriveの設定はSharePointより寛容にはできません。(Microsoft Learn)

Teams Files policyを確認する

TeamsでOneDriveやSharePointのファイル添付導線を管理している場合は、Teams Files policyも確認が必要です。

Microsoft TeamsはOneDriveとSharePointを使ってコンテンツを保存・共有します。組織がサードパーティのストレージを選択している場合、NativeFileEntryPointsを無効にすることで、TeamsのチャットやチャネルからOneDrive/SharePointコンテンツをアップロードする入口を非表示にできます。この設定はTeams管理センターではなく、PowerShellで変更するものとされています。(Microsoft Learn)

確認コマンドの例は次の通りです。

Get-CsTeamsFilesPolicy -Identity Global

NativeFileEntryPointsを無効にしている環境では、今回の検索付きクイック共有体験が想定通り表示されない、またはユーザーの操作感が一般的な説明と異なる可能性があります。逆に、この新機能だけを止めたいという理由でNativeFileEntryPointsを無効化すると、OneDrive/SharePointの添付導線全体に影響するため注意が必要です。

外部共有の権限トラブルを想定しておく

外部ユーザーとのチャットや会議でファイルを共有している組織では、検索機能そのものよりも「相手が開けるか」が重要です。

Microsoftの外部チャットに関するドキュメントでは、ファイルアクセスは既存のOneDriveとSharePointの共有設定に従い、Teamsでファイル共有を有効にしてもこれらの制御を上書きしないと説明されています。秘密度ラベル、ドメイン制限、悪意あるリンク保護も引き続き適用され、送信者が手動でファイル権限を調整しなければならない場合があります。(Microsoft Learn)

展開前に、ヘルプデスク向けに次の切り分けを用意しておくと実務で役立ちます。

問い合わせ内容主な原因候補確認ポイント
検索してもファイルが出ない送信者にファイル権限がない、クラウド上にない、別アカウントで保存しているOneDrive/SharePoint上の保存場所、サインインアカウント
添付できたが相手が開けない共有リンクの対象が狭い、外部共有が制限されているリンク設定、SharePoint/OneDrive外部共有、サイト制限
外部ユーザーに共有できないTeams側ではなくSharePoint/OneDrive側で制限されている組織レベル、サイトレベル、Entraの外部コラボレーション設定
機密ファイルが見つかりやすくなったファイル名や権限設計が甘い秘密度ラベル、DLP、アクセスレビュー

セキュリティとコンプライアンスの確認

検索しやすくなることは、ユーザー体験としては大きな改善です。一方で、管理者視点では「本来見つけてほしくないファイルが見つかる」のではなく、「本来アクセスできるが、扱いに注意が必要なファイルが共有されやすくなる」点に注意すべきです。

確認したい対策は次の通りです。

対策目的
秘密度ラベル機密ファイルの表示、暗号化、外部共有制御を明確にする
DLPポリシー個人情報、契約情報、財務情報などの誤共有を抑止する
Defender for Office 365SharePoint、OneDrive、Teams上の悪意あるファイル対策を強化する
監査ログ誰が、いつ、どのファイルを共有したかを追跡できるようにする
アクセスレビュー古いチームや外部ゲストの権限を棚卸しする

Defender for Office 365のSafe Attachments for SharePoint, OneDrive, and Microsoft Teamsは、悪意あるファイルに対する追加保護を提供します。ただし、Microsoftの説明ではすべてのファイルを逐次スキャンするわけではなく、非同期処理や脅威シグナルを使う設計とされています。検索・添付の利便性向上に合わせて、共有ルールとユーザー教育も併せて整えることが重要です。(Microsoft Learn)

開発者・内製アプリ担当が確認すべきこと

この更新は、現時点の公式説明を見る限り、APIの破壊的変更やアプリ移行を求める内容ではありません。主な変更点はTeamsクライアント上のファイル添付体験です。

ただし、社内ポータル、Teamsアプリ、Power Automate、ボット、SharePoint連携アプリなどでファイル共有フローを作っている場合は、ユーザーの操作導線が変わることを前提に確認しておくべきです。

確認すべき開発・運用ポイント

確認項目理由
独自のファイル共有手順書Teams標準の添付検索で代替できる操作が増える可能性がある
Teamsアプリのメッセージ拡張ユーザーが標準添付とアプリ添付を混同しないようにする
SharePointライブラリのメタデータ検索で見つけやすいファイル名・列設計になっているか確認する
承認フロー付きファイル共有下書きや未承認ファイルが共有されないよう権限を分ける
BotやAdaptive Cardのリンク共有リンクの権限が送信先に合っているか確認する
監査・ログ設計UIが変わっても共有イベントを追跡できるか確認する

特に、社内アプリで「申請書を作成してTeamsに共有する」「契約書レビュー用のSharePointリンクを投稿する」といった機能を持っている場合、ユーザーが標準の添付検索を使って直接ファイルを共有する場面が増えるかもしれません。業務上、必ず承認済みファイルだけを共有させたい場合は、UI説明ではなく、SharePoint側のライブラリ権限や公開済みフォルダーの分離で制御するのが安全です。

展開前にユーザーへ伝えるべきこと

この機能は直感的に使える可能性が高い一方で、ファイル共有の基本ルールを知らないまま使うと、権限トラブルや誤共有につながります。展開時は、細かい画面説明よりも「どこに保存されたファイルを、誰に共有しているのか」を伝える方が効果的です。

共有したい内容推奨する共有場所理由
チーム全体で長期的に使う資料チャネル、または対応するSharePointサイトチームの所有物として管理しやすい
数名だけに一時的に共有する資料チャットOneDriveベースで特定メンバーに共有しやすい
外部取引先と共有する資料権限を確認したSharePointサイトまたは特定リンク外部共有設定と監査を管理しやすい
正式版の規程・テンプレートSharePointの管理されたライブラリ版管理、承認、権限管理に向いている
個人の作業中ファイルOneDriveに保存し、必要時のみ共有下書きと正式版を分けやすい

ユーザーには、次のように説明すると分かりやすくなります。

「Teamsの添付画面でファイルを検索できるようになります。ただし、検索で見つかったファイルを共有してよいかは別問題です。チーム全体で使う資料はチャネル、個別共有はチャット、正式文書はSharePointの決められた場所から共有してください。」

展開時に失敗しやすいポイント

検索機能だけに注目して権限を見落とす

最も起きやすい失敗は、「ファイルが探しやすくなったから便利」で終わってしまい、共有権限の見直しをしないことです。検索性が上がると、ユーザーは過去のファイルも見つけやすくなります。古い提案書、契約書ドラフト、退職者が作成した資料などが残っている場合は、展開前に整理しておく価値があります。

チャット共有とチャネル共有の違いを説明しない

チャットに送ったファイルはOneDrive、チャネルに共有したファイルはSharePointという違いを理解していないと、あとから「チームの資料が個人のOneDriveにある」「退職者のファイル所有者が問題になる」といった運用課題につながります。

サードパーティストレージ利用環境で確認しない

Boxなどのサードパーティストレージを標準利用している組織では、Teams Files policyでOneDrive/SharePointの入口を制御している場合があります。標準的なMicrosoft 365環境と同じ見え方になるとは限らないため、対象ユーザーで実機確認が必要です。

モバイル利用者への案内を先走る

公式API上の対象プラットフォームにはDesktop、Mac、Webが含まれていますが、モバイルが同じタイミング・同じ体験で提供されるとは読み取れません。現場向けの案内では、「まずPC版TeamsとWeb版Teamsで確認」と表現する方が安全です。(Microsoft)

管理者向けチェックリスト

展開前後に確認する項目を、実務向けに整理すると次の通りです。

タイミングチェック項目
展開前Microsoft 365管理センターのMessage centerとRoadmap ID 560814を確認する
展開前対象プラットフォーム、対象クラウド、提供時期を自社テナントで確認する
展開前SharePoint/OneDriveの外部共有設定と既定リンク種類を確認する
展開前Teams Files policyのNativeFileEntryPointsを確認する
展開前機密ファイルの保存場所、権限、ラベルを棚卸しする
展開時Targeted Release対象ユーザーやIT部門で先行確認する
展開時「検索できること」と「共有してよいこと」は別だと周知する
展開後「検索に出ない」「相手が開けない」問い合わせを分類してFAQ化する
展開後外部共有、アクセス要求、DLPアラートの変化を確認する

よくある疑問

この機能で既存ファイルの権限は変わる?

公式の説明から読み取れる主な変更は、クイック共有内でクラウドファイルを検索しやすくすることです。ファイルの保存先や共有権限そのものを広げる機能ではありません。実際のアクセス制御は、引き続きOneDrive、SharePoint、Teams Files policy、外部共有設定に依存します。

管理者が個別に無効化できる?

この機能だけを個別にオフにする専用設定は、確認した公式情報の範囲では明記されていません。一方で、Teams Files policyのNativeFileEntryPointsを無効にすると、OneDrive/SharePointのファイル入口全体に影響します。単に新しい検索UIを避けたいという理由で広範なファイル入口を無効化するのは、業務影響が大きいため慎重に判断してください。(Microsoft Learn)

検索結果に出ないファイルがある場合は?

まず、ファイルがクラウド上にあるか、ユーザーがそのファイルにアクセス権を持っているか、正しいMicrosoft 365アカウントでTeamsにサインインしているかを確認します。個人用OneDriveのファイルは、Teamsで表示されるOneDrive for Businessのファイルとは別物です。Microsoft Supportでも、Teamsで表示されるOneDriveファイルはMicrosoft 365アカウントに関連付くOneDrive for Businessであり、個人用OneDriveには現在接続できないと説明されています。(マイクロソフトサポート)

すぐに移行作業は必要?

通常のMicrosoft 365環境であれば、ファイル移行作業が必要になるタイプの更新ではありません。ただし、古いファイル共有ルール、外部共有、サードパーティストレージ連携、独自アプリの共有フローがある場合は、展開前にテストする価値があります。

まず何をすべきか

Microsoft Teams: Search in quick sharing experienceは、日常的なファイル共有の摩擦を減らす実用的な更新です。ユーザーにとっては「Teamsでファイルを添付するときに探しやすくなる」機能ですが、管理者にとっては「共有しやすくなる前に、共有してよい状態を整える」タイミングでもあります。

まずは、Roadmap ID 560814とMessage centerで自社テナントの展開状況を確認し、次にSharePoint/OneDriveの共有設定、Teams Files policy、外部共有ルールを見直しましょう。そのうえで、ユーザー向けには「添付時に検索できるようになること」と「ファイルの保存場所・権限の考え方は変わらないこと」をセットで周知するのが、安全で効果的な展開方法です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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