Microsoft TeamsのScoped Searchとは?Viva ConnectionsのSharePoint検索変更と管理者の確認ポイント

Microsoft Teamsの「Microsoft Teams: Scoped Search for SharePoint app in Teams (Viva Connections)」は、Teams内のSharePointアプリ、つまりViva Connectionsを利用しているユーザーの検索体験を変える更新です。結論から言うと、ユーザーがTeams内のSharePointアプリ上でTeamsの検索アイコンを使って検索した場合、検索結果がSharePointグローバル検索の範囲に絞られ、Enterキーを押すとSharePointの検索ページが開くようになります。一般提供は2026年6月予定で、管理者は検索権限、Teamsアプリの展開、モバイル利用者への案内を先に確認しておくべきです。(Microsoft)

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Microsoft TeamsのScoped Search for SharePoint app in Teamsとは

「Microsoft Teams: Scoped Search for SharePoint app in Teams (Viva Connections)」は、Teams内のSharePointアプリで検索したときに、検索対象をSharePointグローバル検索へスコープする機能です。

Microsoft 365ロードマップの情報では、ユーザーがSharePoint app in Teams、つまりViva Connections内でTeamsの検索アイコンから検索すると、SharePointグローバル検索にスコープされた検索結果を受け取ります。その後、検索クエリでEnterキーを押すと、SharePointの検索ページが開くと説明されています。(Microsoft)

この変更で重要なのは、「Teamsの検索機能がなくなる」ことではありません。ユーザーがどの画面にいるかによって、検索結果の文脈がSharePoint寄りになるという点です。Viva Connectionsを社内ポータル、ニュース、申請リンク、部門サイトへの入口として使っている組織では、ユーザーがTeamsを離れずにSharePointコンテンツを探しやすくなります。

何が変わるのか

今回の変更は、検索画面そのものの全面刷新というより、Teams内SharePointアプリ利用中の検索スコープを明確にする更新です。

項目変更後の動き
対象画面Teams内のSharePointアプリ、Viva Connections
検索操作Teamsの検索アイコンから検索
検索結果の範囲SharePointグローバル検索にスコープ
Enterキー押下時SharePoint検索ページを開く
予定時期2026年6月に一般提供予定
状態In development
対象サービスMicrosoft Teams、SharePoint
対象クラウドWorldwide、GCC、GCC High、DoD
ロードマップ上の対象プラットフォームAndroid、iOS

特に注意したいのは、ロードマップ上のプラットフォームがAndroidとiOSとして示されている点です。デスクトップ版Teamsについては、このロードマップ項目だけでは対象として明示されていません。モバイルでViva Connectionsを使っている現場部門、営業部門、店舗・拠点勤務者が多い組織では、先にモバイル利用シナリオで検証するのが現実的です。(Microsoft)

また、Microsoft 365ロードマップの掲載情報は、商用機能のリリース予定日や説明を示すもので、予定は変更される可能性があります。2026年6月を固定日として社内通知するのではなく、「2026年6月以降に順次反映される可能性がある」といった表現で展開計画に組み込むと安全です。(Microsoft)

Viva Connections利用組織で影響が出やすい場面

Viva Connectionsは、TeamsやWebからアクセスできるカスタマイズ可能な従業員向けエクスペリエンスで、ニュース、リソース、ダッシュボードなどをまとめる入口として使われます。Microsoft Learnでは、Viva ConnectionsはTeamsのユーザーエクスペリエンスアプリであり、SharePoint、Teams、Microsoft EntraなどのMicrosoft 365機能を基盤にしていると説明されています。(Microsoft Learn)

そのため、今回のScoped Searchは次のような組織ほど影響を受けやすくなります。

社内ポータルをViva Connectionsに集約している組織

勤怠、経費精算、社内規程、総務手続き、福利厚生、ITヘルプデスクなどへのリンクをViva Connectionsに集約している場合、ユーザーは「Teamsで探せば見つかる」という感覚で検索します。

今回の変更により、Viva Connections内での検索がSharePointグローバル検索に寄るため、SharePoint上のページ、ニュース、ファイル、サイトを見つけやすくなる可能性があります。一方で、外部SaaSや独自業務システムの情報がSharePoint検索に載っていない場合、「検索しても出てこない」という問い合わせが増える可能性があります。

SharePointニュースや社内文書を頻繁に発信している組織

人事通達、全社ニュース、部署別のお知らせ、マニュアルをSharePointニュースやページで運用している場合、検索導線の改善は利用者にとってメリットがあります。

ただし、古いニュースや重複したページが多いと、検索結果に似た情報が並びます。Scoped Searchの導入前に、検索されやすいキーワードで実際にSharePoint検索を試し、古い規程、廃止済み申請手順、旧部門名のページが上位に出ないか確認しておくべきです。

モバイル利用が多い現場部門

ロードマップ上ではAndroidとiOSが対象プラットフォームとして示されています。現場担当者がスマートフォンのTeamsからViva Connectionsを開き、申請手順や緊急連絡先、店舗マニュアルを探している場合、検索結果の変化は日常業務に直結します。(Microsoft)

特にモバイルでは画面が狭いため、検索結果のタイトル、説明文、ページ名が分かりにくいと、目的の情報にたどり着きにくくなります。SharePointページのタイトルを「お知らせ」や「手順」だけにせず、「経費精算の申請手順」「入退社時のITアカウント申請」のように、検索される言葉を含めることが重要です。

管理者が確認すべき設定

今回の機能は、現時点の公式ロードマップ情報では、管理者が有効化する新しいトグルや移行手順が明記されている更新ではありません。とはいえ、実際の展開で混乱を防ぐには、Teams管理、SharePoint検索、Viva Connections運用の3つを確認する必要があります。

Teamsアプリの許可とピン留め

Viva ConnectionsまたはSharePointアプリをTeamsで使わせている場合、Teams管理センターのアプリ管理設定を確認します。

Teamsのアプリセットアップポリシーでは、管理者がユーザーのTeamsアプリバーに表示するアプリや表示順を設定できます。Microsoft Learnでは、アプリセットアップポリシーにより、ピン留めするアプリやTeamsアプリバーでの表示順を管理できると説明されています。(Microsoft Learn)

確認すべきポイントは次の通りです。

確認項目判断基準
SharePoint/Viva Connectionsアプリが対象ユーザーに表示されるか全社展開か、部門別展開かを確認する
モバイルTeamsでアプリにアクセスしやすいかアプリバーやメニュー内で迷わない配置にする
アプリセットアップポリシーが複数ないか対象ユーザーに意図したポリシーが適用されているか確認する
ユーザーによるピン留め変更を許可しているかユーザーが外してしまう可能性を考慮する

アプリがピン留めされていない場合、そもそもユーザーがViva Connectionsにアクセスしないため、検索改善の効果も出にくくなります。

アプリのアクセス許可ポリシー

Teamsでは、アプリのアクセス許可ポリシーで、ユーザーが利用できるアプリを制御できます。Microsoft Learnでは、特定のアプリを許可またはブロックでき、ポリシーはユーザーに適用された場合に有効になると説明されています。(Microsoft Learn)

特に、部門別にTeamsアプリ利用を制限している組織では、次の点を確認してください。

確認項目失敗しやすいポイント
Microsoftアプリの許可設定SharePoint/Viva Connectionsがブロックされているユーザーがいる
グローバルポリシーとカスタムポリシー一部ユーザーだけ検索導線が再現できない
ポリシー反映時間設定変更直後に検証して「反映されない」と判断してしまう
Web、モバイル、デスクトップの差モバイルだけ挙動が違うケースを見落とす

Microsoft Learnでは、アプリセットアップポリシーはアプリのアクセス許可ポリシーと連携し、ピン留めされたアプリでも、アクセス許可ポリシーでブロックされている場合はユーザーが使用できないと説明されています。(Microsoft Learn)

SharePoint検索に出したいコンテンツの整備

Scoped Searchの価値は、SharePoint検索で必要な情報が見つかる状態になっていて初めて発揮されます。

SharePointのMicrosoft Searchでは、SharePointコンテンツのインデックスが使われます。Microsoft Learnでは、ユーザーはインデックス化されたSharePointコンテンツのみを見つけられ、Microsoft Searchとクラシック検索はSharePointコンテンツに対して同じインデックスを共有すると説明されています。(Microsoft Learn)

導入前に、少なくとも次の検索語で実測してください。

検索語の例確認する内容
経費精算最新の申請手順が上位に出るか
パスワード変更情シスの正しい案内ページが出るか
年末調整古い年度のページが上位に出ていないか
休暇申請勤怠システムへの導線が分かるか
入社手続き人事・IT・総務の情報が整理されているか

検索結果が期待と違う場合は、検索機能だけを疑うのではなく、ページタイトル、ファイル名、サイト構成、古いページの整理、権限設定を見直す必要があります。

開発者・サイト管理者が確認すべきポイント

Viva Connectionsを標準機能だけで運用している場合、開発者側の作業は多くありません。一方で、SPFx、Adaptive Cards、独自カード、業務システム連携を使っている場合は、検索導線との整合性を確認しておくべきです。

Microsoft Learnでは、Viva ConnectionsのダッシュボードカードはAdaptive CardsとSharePoint Framework、つまりSPFxに基づいていると説明されています。(Microsoft Learn)

独自カードの情報がSharePoint検索で見つかるか確認する

たとえば、Viva Connectionsのカードに「出張申請」「シフト確認」「社内FAQ」へのリンクを表示していても、リンク先が外部システムだけの場合、SharePoint検索結果には期待通りに出ないことがあります。

対策として、重要な業務導線にはSharePoint上の案内ページを用意し、そこから外部システムへ誘導します。これにより、ユーザーがTeams内で検索したときに「どこから申請すればよいか」を見つけやすくなります。

例として、単にカードから外部の経費精算SaaSへ飛ばすのではなく、SharePointに「経費精算の申請手順」というページを作り、対象者、締切、必要書類、SaaSへのリンクをまとめます。このページが検索に出れば、初めて利用する社員にも説明が伝わります。

検索結果ページへの遷移を想定してUIを確認する

今回の機能では、Enterキーを押すとSharePoint検索ページが開くとされています。つまり、ユーザーはTeams内の検索候補だけで完結せず、SharePoint検索ページへ移動する流れを取る可能性があります。(Microsoft)

サイト管理者は、SharePoint検索ページに移動した後もユーザーが迷わないように、次の点を確認してください。

確認項目対応例
ページタイトル「FAQ」ではなく「Microsoft TeamsのFAQ」のように具体化する
サイト名部門略称だけでなく、正式名称や用途が分かる名前にする
ニュースの期限古い告知はアーカイブまたは更新日を明記する
ファイル名manual_ver3_final.xlsxのような名前を避ける
権限必要なユーザーが検索結果から開けるか確認する

検索に載せたくない情報の権限を再点検する

SharePoint検索は、ユーザーがアクセスできる範囲の情報を見つけやすくします。Microsoft Searchの概要では、ユーザーには既にアクセス権のある結果のみが表示され、Microsoft Searchによってアクセス許可が変更されることはないと説明されています。(Microsoft Learn)

ただし、これは「権限設定が正しければ安全」という意味です。もともと広すぎる権限で公開されているページやファイルは、検索導線が改善されることで見つかりやすくなります。

特に次のコンテンツは事前に確認してください。

  • 人事評価、給与、異動、懲戒に関するファイル
  • 未公開の組織変更資料
  • 取引先との契約書や提案書
  • 社外秘の製品ロードマップ
  • 古い共有リンクで全社閲覧になっている文書

検索の変更は、権限ミスを作るわけではありません。しかし、権限ミスを発見しやすくすることはあります。展開前の棚卸しにはちょうどよいタイミングです。

展開前に行うべき検証手順

管理者は、2026年6月の一般提供予定に向けて、次の流れで確認すると無駄がありません。

手順作業内容担当の例
1対象ユーザーを洗い出すTeams管理者、Viva Connections担当
2モバイルTeamsでSharePointアプリの表示を確認するTeams管理者
3主要キーワードでSharePoint検索を試すSharePoint管理者、各部門管理者
4古いページ・重複ページ・権限不備を直すサイト所有者
5ヘルプデスク向けFAQを作る情シス、社内広報
6一部ユーザーで動作を確認するパイロット部門
7全社通知または部門通知を出す情シス、広報、人事

検証では、管理者アカウントだけで確認しないことが重要です。管理者は多くのサイトにアクセスできるため、一般ユーザーと検索結果が異なります。必ず、営業、バックオフィス、現場、管理職など、権限の異なるユーザーで検索結果を比較してください。

ユーザー向け案内で伝えるべきこと

この変更は便利ですが、ユーザーにとっては「Teamsで検索したらSharePointのページが開いた」と見える可能性があります。混乱を避けるには、専門用語を使わず、操作ベースで案内するのが効果的です。

社内案内では、次のように書くと伝わりやすくなります。

伝える内容文例
何が変わるかTeams内の社内ポータルで検索すると、SharePoint上の社内ページやファイルを探しやすくなります。
どう操作するかTeamsで社内ポータルを開き、検索アイコンからキーワードを入力してください。Enterキーを押すと検索結果ページが開きます。
何を検索できるか社内ニュース、マニュアル、申請手順、SharePoint上のファイルなどを検索できます。
見つからない場合キーワードを変えるか、ページ名・部署名で検索してください。それでも見つからない場合はヘルプデスクへ連絡してください。
権限について権限のないページやファイルは表示されません。必要な場合はサイト所有者にアクセス権を申請してください。

「Teams検索が変わります」だけでは、ユーザーは何をすればよいか分かりません。「社内ポータルで探したい情報があるときの操作」として伝えると、行動に結びつきます。

移行作業は必要か

現時点のロードマップ情報だけを見る限り、大規模な移行作業や管理者による明示的な有効化手順は示されていません。したがって、今回の対応は「システム移行」よりも「検索体験の確認」と「情報設計の見直し」が中心です。

ただし、次の組織では実質的な準備作業が必要になります。

組織の状態必要な準備
Viva Connectionsを全社ポータルとして使っている主要検索キーワードの結果確認、古い情報の整理
モバイルTeams利用者が多いiOS/Androidでの動作確認、画面キャプチャ付き案内
SharePointサイトが乱立しているサイト名、ページ名、権限、重複コンテンツの棚卸し
外部SaaSへのリンクが多いSharePoint上に案内ページを作り、検索可能な入口を整える
部門ごとにTeamsアプリポリシーが異なる対象ユーザーにSharePointアプリが表示されるか確認する

よくある誤解と注意点

Teams全体の検索結果がSharePointだけになるわけではない

今回の対象は、Teams内のSharePointアプリ、Viva Connections内でTeamsの検索アイコンを使う場面です。Teams全体の検索やチャット検索がすべてSharePoint検索に置き換わる、という内容ではありません。

検索で見つからない情報は、検索機能ではなく情報設計の問題かもしれない

「検索しても出ない」という問い合わせの原因は、検索機能そのものとは限りません。ページタイトルが曖昧、ファイル名が分かりにくい、古いページが残っている、権限が不足している、そもそもSharePoint上に案内がない、といった原因がよくあります。

Scoped Searchの導入を機に、検索される前提で社内コンテンツを作ることが大切です。

管理者だけの検証では不十分

管理者は閲覧権限が広いため、検索結果が一般ユーザーより多く表示されます。特に人事、経理、経営企画、法務などの機密性が高い部門サイトでは、一般社員、部門メンバー、管理職、サイト所有者で検索結果を比較してください。

まず何をすべきか

最初に行うべきことは、Viva Connectionsを使っているユーザーと、検索される可能性が高いSharePointコンテンツを洗い出すことです。

次に、Teams管理者はSharePointアプリの展開状況とアプリポリシーを確認します。SharePoint管理者とサイト所有者は、主要キーワードで検索結果を確認し、古いページ、曖昧なタイトル、広すぎる権限を修正します。開発者は、SPFxカードや独自カードからリンクしている業務情報が、SharePoint検索で見つけられる導線になっているかを確認します。

今回の「Microsoft Teams: Scoped Search for SharePoint app in Teams (Viva Connections)」は、派手な新機能というより、Teams内の社内ポータルを実用的にする検索導線の改善です。2026年6月の一般提供予定に向けて、モバイル利用者、Teamsアプリポリシー、SharePoint検索結果、権限設定の4点を先に確認しておけば、展開後の問い合わせを減らし、ユーザーがTeamsから必要な社内情報へたどり着きやすくなります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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