INFファイルからプリンターを追加するときは、最初にプリンターの正確な型番、接続方式、Windowsのアーキテクチャ、ドライバーパッケージの配布元を確認します。Windows 11では通常、Windows UpdateまたはWindows標準のIPPクラスドライバーによる追加を先に試し、メーカー固有機能が必要な場合だけ、メーカー公式サイトから入手した署名済みINFを使います。管理者権限、プリンターのIPアドレス、現在のキュー設定を記録してから作業すれば、誤った機種のドライバーやポートを登録する事故を避けられます。
「ディスク使用」が必要かを先に判断する
INFはドライバー本体ではなく、対応機種、コピーするファイル、ドライバー名などをWindowsへ伝えるセットアップ情報です。INFだけを別の場所から入手しても、同じパッケージに含まれるCAT、DLL、設定ファイルが欠けていれば導入できません。ZIP形式ならフォルダー構造を保ったまま展開し、実行ファイル形式ならメーカーの説明に従って展開可能か確認します。非公式なドライバー配布サイト、機種名が似ているだけのパッケージ、署名を無効化しないと入らないパッケージは使いません。
- Windows 11の「設定」→「システム」→「バージョン情報」で、x64またはARM64などのシステム種類を確認する
- プリンター本体の銘板または管理画面で、シリーズ名ではなく完全な型番を確認する
- USB、共有キュー、WSD、Standard TCP/IPのどれで接続するかを決める
- 既存キューがある場合は、名前、ドライバー名、ポート名、両面・カラーなどの既定値を記録する
- ドライバーの公開元、対象OS、版数、デジタル署名をメーカー公式情報と照合する
変更前に現在の状態を読み取り専用で確認する
管理者としてWindows PowerShellを開く前に、通常のPowerShellでも次の照会はできます。既存キューとドライバーパッケージを把握し、同名キューや同じIPポートを重複作成しないための確認です。出力に社内のサーバー名やIPアドレスが含まれるため、外部へそのまま貼り付けないでください。
Get-Printer | Select-Object Name, DriverName, PortName, Type
Get-PrinterDriver | Select-Object Name, Manufacturer, MajorVersion
Get-PrinterPort | Select-Object Name, PrinterHostAddress, PortNumber
pnputil /enum-drivers
対象IPへの疎通確認は、印刷プロトコルを決めてから行います。pingが通らないだけで故障とは断定できません。ICMPを拒否するプリンターもあるため、メーカーが指定するRAW 9100、LPR、IPPなどの方式とネットワークポリシーを管理者に確認します。共有プリンターならクライアントへローカルTCP/IPキューを作らず、原則として承認済みのプリントサーバー上の共有キューを追加します。
Windows 11の画面からINFを指定して追加する手順
「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」を開き、「デバイスの追加」を選びます。検索が終わっても対象が出ない場合は、「プリンターが一覧にない」付近の「新しいデバイスの手動追加」を選択します。表示文言は更新で多少変わりますが、従来の「プリンターの追加」ウィザードが開く点は同じです。
- ネットワーク機の場合は「TCP/IPアドレスまたはホスト名を使ってプリンターを追加する」、USBや既存ポートなら「ローカルプリンターまたはネットワークプリンターを手動設定で追加する」を選びます。
- TCP/IPでは、承認済みの固定IPまたはDNS名を入力します。自動照会で別の汎用ドライバーが選ばれる環境だけ、「プリンターを照会して使用するドライバーを自動選択する」を外します。常に外す必要はありません。
- ドライバー選択画面で「ディスク使用」→「参照」を選び、展開した公式パッケージ内のINFを指定します。
- 一覧に複数モデルが出たら、本体の完全な型番と一致する項目を選びます。末尾のPS、PCL、UFR、Universalなどは印刷言語や機能が異なるため、推測で選びません。
- 既存キューと区別できる名前を付けます。共有設定は意図したプリントサーバーでのみ有効にし、クライアントPCから無断で共有しません。
- 完了後にプリンタープロパティを開き、ポート、ドライバー名、用紙、両面、カラーを確認してからテストページを1枚だけ印刷します。
「ディスク使用」でINFが表示されない場合は、参照先がパッケージのルートではなく、Win11、x64、Driverなどの下位フォルダーに分かれていないか確認します。INFをテキスト編集して機種名を追加したり、ドライバー署名の強制を無効にしたりしてはいけません。組織で未署名の開発用ドライバーが本当に必要なら、一般端末ではなく隔離した検証環境と正式な署名手順を使います。
複数台へ展開するときのPowerShell手順
画面操作が成功した後で、同一構成を管理対象端末へ展開する場合に限りコマンド化します。PnPUtilの追加はドライバーストアを変更し、Add-PrinterPortとAdd-Printerはポートとキューを作成します。まず検証端末で実行し、変更対象を1台・1機種に限定してください。次は説明用の予約IPと仮名なので、実環境の承認値へ置き換えます。
pnputil /add-driver "C:\Drivers\Vendor\Model\driver.inf"
Add-PrinterDriver -Name 'INFに記載された正確なドライバー名'
Get-PrinterDriver -Name 'INFに記載された正確なドライバー名' | Select-Object Name, Manufacturer
Add-PrinterPort -Name 'IP_192.0.2.25' -PrinterHostAddress '192.0.2.25'
Add-Printer -Name 'Office-Printer-Test' -DriverName 'INFに記載された正確なドライバー名' -PortName 'IP_192.0.2.25'
PnPUtilの追加後に表示された正確なドライバー名を使います。Add-PrinterDriverのInfPathは任意の展開フォルダーではなくドライバーストア内のINFを前提とするため、パッケージをステージしていない状態で外部フォルダーを直接渡さないでください。既存デバイスへ即時適用する「/install」、サブフォルダーを無差別に走査する指定、再起動指定は既定例にしません。適用対象を把握した管理配布だけで追加します。
追加できないときの切り分け
- 機種が一覧にない:別アーキテクチャのINF、展開不足、対応OS外を疑い、メーカーの対象OS表と照合します。
- 署名エラー:CATファイル欠落、改変、期限切れではないか確認し、署名検証を無効にせず新しい公式パッケージを取得します。
- アクセス拒否:ローカル管理者または組織のプリンター管理権限を確認します。Point and Printの制限を緩める回避策は採りません。
- 追加済みだが印刷不可:キューのドライバー名とポートを確認し、SNMP名、RAW/LPR、共有キューの到達性をネットワーク担当と照合します。
- 文字化け・仕上げ機能不足:汎用ドライバーとメーカー固有ドライバーの違い、PCLとPostScriptの選択、Print Support Appの有無を確認します。
- ARM端末:メーカーの従来型インストーラーが動かない場合があるため、Microsoftの手動追加手順とARM64対応パッケージを優先します。
確認と戻し方
テストページ、業務アプリからのA4印刷、両面や給紙トレイなど必要機能を確認し、成功したキュー名・ドライバー版・ポートを構成記録へ残します。問題があれば、新しく作ったキューだけを「設定」→「プリンターとスキャナー」から削除して元のキューへ戻します。印刷待ちジョブがないことを確認してから行い、既存キュー、共有、ドライバーパッケージ、ポートを一括削除しません。ドライバーの削除は他のキューにも影響するため、依存関係を調査した別作業として扱います。Windows 10は2025年10月14日に通常サポートが終了しているため、2026年時点の業務端末はWindows 11への移行計画も併せて確認してください。
公式情報・参考資料

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