WordでFIGURE 1が二重表示される原因とキャプション重複の直し方

Wordで画像にキャプションを付けたときに「FIGURE 1 FIGURE 1」や「図 1 図 1」と二重表示されてしまうと、どこを直せばよいのか分かりにくいものです。実はこの現象は、Wordのバグではなく「キャプション」スタイルの設定と、キャプション機能の自動番号がぶつかっているだけです。この記事では、その仕組みと安全な直し方、既存文書の一括修正、今後の再発防止まで詳しく解説します。

目次

Wordのキャプションで「FIGURE 1」が二重表示される現象

まずは、どのようなときにキャプションが二重表示になるのかを整理しておきます。

よくある表示例

画像の下にキャプションを挿入したとき、次のような表示になっていないでしょうか。

  • FIGURE 1 FIGURE 1 XXXXの構成図
  • 図 1 図 1 システム全体図
  • Figure 3 Figure 3 Architecture Overview

このように、ラベル+番号の部分がまったく同じ形で2回続けて表示されるのが典型的な症状です。なお、「XXXXの構成図」「Architecture Overview」のような説明文は1回だけ表示されているケースがほとんどです。

なぜ一部の文書だけで起きるのか

同じPC・同じWordでも、ある文書では問題が起き、別の文書では正常に表示されることがあります。これは

  • 文書やテンプレートごとに「スタイル」の中身が違う
  • 過去に誰かが「キャプション」スタイルをカスタマイズしている

といった理由で、文書ごとに「キャプション」スタイルの設定が異なるためです。特に、他人からもらった社内テンプレートや、古い文書をコピーして作ったファイルで起こりやすい現象です。

現象よくある状況想定される原因
FIGURE 1 FIGURE 1 と二重に出る英語論文用テンプレートを流用「Caption」スタイルに段落番号が設定されている
図 1 図 1 と二重に出る以前、箇条書き番号を使って図番号を振っていたキャプション段落に直接「段落番号」が残っている
図番号がバラバラ・途中で飛ぶコピー&貼り付けを繰り返して編集キャプションフィールドと手打ちの数字が混在

Wordのキャプションの仕組みを理解する

原因を正しく直すには、Wordがどのように図番号を作っているかをざっくり理解しておくと安心です。

「キャプションの挿入」で自動生成されるもの

[参考資料]タブの[キャプションの挿入](英語UI: References > Insert Caption)を使うと、Wordは次のような構造のキャプションを自動で作ります。

  • ラベル … 「図」「Figure」「表」など
  • 連番フィールド … 実体は { SEQ Figure } のようなフィールドコード
  • 説明文 … ユーザーが入力したテキスト

つまり、Wordは内部的には

Figure { SEQ Figure \* ARABIC } XXXXの構成図

といった形で自動生成しており、「Figure 1」の部分はフィールドとして1セットになっています。ここにさらに「段落番号」を重ねてしまうと、ラベル+番号が二重に表示されるわけです。

Caption(キャプション)スタイルの役割

キャプションの見た目(フォント・サイズ・行間・余白など)をまとめて管理しているのが、段落スタイルの「Caption」スタイル(日本語UIでは「キャプション」)です。

  • キャプションの書式を一括変更できる
  • すべての図・表のキャプションを統一できる
  • テンプレートに保存することで、会社やチームのルールを再利用できる

本来、このスタイルには「フォント」「段落」「タブ位置」などだけを設定しておくのが安全ですが、ここに「段落番号(リスト番号)」を設定してしまうと、問題の原因になります。

段落番号とキャプション番号の違い

ここで、Wordの「段落番号」とキャプションの「連番フィールド」の違いを一度整理しておきましょう。

種類仕組み典型的な用途今回の問題との関係
段落番号(リスト番号)[ホーム]タブの[段落番号]で付ける番号。段落に対するリスト設定。手順書の番号付きリスト、章番号など「Caption」スタイルに付けると、キャプションの先頭に追加の番号が付く
キャプション番号(SEQフィールド)[キャプションの挿入]で挿入される { SEQ 図 } などのフィールド。図番号・表番号・数式番号などこちらは必須。これに加えて段落番号を付けると二重表示になる

つまり、キャプションの段落に「段落番号」と「キャプション番号」の2種類の番号が同時に付いてしまっているのが、FIGURE 1/図 1 が二重表示される正体です。

根本原因:キャプションスタイルに段落番号が設定されている

多くのケースで、次の設定が原因になっています。

  • 「キャプション」スタイルに対して、過去の編集で[段落番号]を設定した
  • 別の番号付きスタイルを元に「キャプション」スタイルを作った
  • 他人が作ったテンプレートで、最初から番号付きの「キャプション」スタイルになっている

その結果、キャプション1行が次のような構造になってしまいます。

  • 段落番号 … 1, 2, 3 などのリスト番号
  • キャプション番号 … Figure 1, Figure 2 などのフィールド

視覚的には「FIGURE 1 FIGURE 1」と見えますが、内側では「段落番号」+「キャプション番号」という別々の番号が連なっている状態です。

レイヤー例本来の状態問題が起きている状態
段落番号1)キャプションでは通常は未設定「Caption」スタイルに誤って設定されている
キャプション番号FIGURE 1[キャプションの挿入]で自動付与段落番号の後ろに続けて表示される
見た目FIGURE 1 FIGURE 1FIGURE 1 のみ段落番号+キャプション番号で二重表示

したがって、もっとも安全で再現性の高い解決策は、「キャプション」スタイルから番号付けを外すことです。

安全な解決策:キャプションスタイルから番号付けを外す

ここからは、実際の操作手順を詳しく説明します。まずはショートカットでサクッと直す方法、そのあとにリボンから操作する方法を紹介します。

ショートカットで「キャプション」スタイルの番号を外す手順

  1. スタイルの適用ウィンドウを開く
    キーボードで Ctrl + Shift + S を押して、「スタイルの適用」ウィンドウを表示します。
  2. Caption/キャプションスタイルを選択
    「スタイル名」の欄に Caption または キャプション と入力し、表示されたスタイル名を選択します。
  3. [変更]ボタンをクリック
    スタイルの適用ウィンドウの右下にある[変更]ボタンをクリックして、「スタイルの変更」ダイアログを開きます。
  4. [書式] > [番号](または[段落番号])を開く
    ダイアログの左下にある[書式]ボタンをクリックし、メニューから[番号]または[段落番号]を選択します。Wordのバージョンによって表記が異なる場合があります。
  5. 番号付けを[なし]にする
    表示された「番号」ダイアログで、一覧から[なし]を選択し、[OK]をクリックします。
  6. スタイルの変更を確定
    そのまま「スタイルの変更」ダイアログで[OK]を押して閉じます。

これで、「キャプション」スタイルから段落番号設定が外れました。同じスタイルが適用されているキャプションすべてに、自動的に反映されます。

操作箇所キーボード操作ポイント
スタイルの適用ウィンドウCtrl + Shift + Sスタイル名を直接入力できるので大量のスタイルがあっても素早くアクセス可能
スタイルの変更マウス操作必ず[書式]から[番号]/[段落番号]を開いて[なし]を選ぶ
既存キャプションへの反映自動的に反映同じスタイルが当たっている段落には一括適用される

リボンから「キャプション」スタイルを修正する手順

ショートカットが苦手な場合は、リボンから同じ操作を行うこともできます。

  1. [ホーム]タブの[スタイル]ギャラリーで、「キャプション」または「Caption」を探します。
  2. 「キャプション」スタイルを右クリックし、[変更]を選択します。
  3. 開いた「スタイルの変更」画面で、左下の[書式]ボタン > [番号](または[段落番号])をクリックします。
  4. 番号一覧から[なし]を選択して[OK]を押します。
  5. 「スタイルの変更」画面に戻ったら、必要に応じて[このテンプレートに基づく新しい文書]にチェックを入れて[OK]をクリックします。

最後のチェックを入れておくと、現在開いているテンプレート(多くの場合は Normal.dotm)をもとに作られる新規文書でも、同じ設定が引き継がれるようになります。

フィールドの更新で番号を整える

「キャプション」スタイルの番号付けを外したあと、次の手順で番号表示を整理しておくと安心です。

  1. 文書全体を選択 … Ctrl + A
  2. フィールドの更新 … F9 キーを押す
  3. ダイアログが出たら、[文書全体を更新] を選択

これにより、すべての図番号・表番号・目次・相互参照などが一括で最新状態に再計算されます。図を途中で削除したり順番を入れ替えたりしたあとでも、番号の飛び・重複を防ぐことができます。

キャプション入力時のコツと誤操作を防ぐルール

「キャプション」スタイルを直しただけでは、誤った操作を繰り返すと別の不具合が出ることがあります。ここでは、キャプションを挿入するときの運用ルールを決めておきましょう。

キャプション欄には説明文だけを入力する

[キャプションの挿入]ダイアログには、ラベルと番号が自動で挿入される欄と、説明文を入力する欄があります。このときのポイントはただ1つです。

  • キャプションのテキストボックスには「説明文だけ」を入力する

具体的には、次のような入力はNGです。

  • FIGURE 1 システム全体図
  • 図 1 XXXXの構成図

これらは、Wordが自動で追加する「Figure 1」「図 1」と重複してしまうため、結果的に「FIGURE 1 FIGURE 1 システム全体図」のような表示になります。

正しくは、次のように説明文だけ入力します。

  • システム全体図
  • Architecture overview

ラベルや番号はダイアログで切り替える

ラベルや番号書式を変えたいときも、手打ちではなくダイアログで変更することが重要です。

  • ラベルを日本語にしたい → [ラベル] で「図」「表」を選択
  • 英語論文用にしたい → [ラベル] で「Figure」「Table」を選択
  • 「図 1-1」など章番号を含めたい → [番号]ボタンから「章番号を含める」を設定

ここで勝手に「Fig. 1」などと手打ちしてしまうと、Wordの自動管理との整合性が崩れ、あとから番号の修正が難しくなります。

既存文書を一括で整えるポイント

すでにページ数の多い文書で図番号が二重表示になっている場合も、基本方針は同じです。

キャプションスタイルを修正したあとに行うこと

  1. 前述の手順で「キャプション」スタイルから番号付けを外す。
  2. 文書全体を選択して F9 でフィールドを更新する。
  3. 二重表示が残っているキャプションがないか、ざっとスクロールして確認する。

この時点でほとんどのキャプションは自動的に修正されますが、次のような場合は個別対応が必要です。

  • キャプション段落に別のスタイルが適用されている
  • 一部だけ手打ちの「Figure 1」が残っている
  • 箇条書きや段落番号を手動で付けていた

キャプションスタイルを再適用する

二重表示が残っている段落は、スタイルが崩れている可能性があります。次のような手順で整えます。

  1. 該当キャプションの行全体を選択します。
  2. [ホーム]タブ > [スタイル]ギャラリーから「キャプション」をクリックして再適用します。
  3. 必要に応じて F9 でフィールド更新を行います。

これで、その段落にも「キャプション」スタイルの正しい設定が反映されます。

段落番号の直接指定を解除する

スタイルではなく、段落に「直接」番号が設定されているケースもあります。この場合は、次の操作で解除できます。

  1. キャプションの段落を選択します。
  2. [ホーム]タブ > [段落番号]アイコンの横にある▼をクリックします。
  3. 一覧から[番号なし](または[なし])を選択します。

これで、段落番号としての数字が消え、キャプション番号だけが残ります。見た目が「FIGURE 1」に戻っていることを確認してください。

再発防止:テンプレートに設定を保存する

同じ問題を何度も直すのは非効率です。次の方法で、再発防止しておくのがおすすめです。

Normalテンプレートに保存する

個人用の環境なら、「スタイルの変更」ダイアログで次のチェックを入れておきます。

  • [このテンプレートに基づく新しい文書] にチェックを入れて[OK]

これで、新規作成するWord文書はすべて、番号なしの「キャプション」スタイルが既定になります。

社内テンプレートに保存して配布する

チームや組織で同じテンプレートを使っている場合は、以下のような流れで運用するのが理想です。

  1. テンプレートとなる .dotx / .dotm ファイルを開く。
  2. そのテンプレート内で「キャプション」スタイルの番号設定を解除する。
  3. テンプレートファイルを保存して、共有フォルダーやTeamsなどで配布する。
  4. メンバーには「このテンプレートから文書を作成する」運用に統一してもらう。

こうしておくと、新しく作成する文書では最初から正しいキャプションスタイルが適用され、二重表示のトラブルを大幅に減らすことができます。

うまくいかないときのチェックリスト

ここまでの手順を試しても問題が残る場合は、次のポイントを順に確認してみてください。

スタイル一覧に「キャプション」が見つからない

スタイルペインに目的のスタイルが表示されていないだけ、ということがあります。

  1. [ホーム]タブの[スタイル]グループ右下の小さなボタンを押して、「スタイル」ウィンドウを開きます。
  2. ウィンドウ下部の[オプション]をクリックします。
  3. [スタイルの表示] の設定を [このテンプレートのすべてのスタイル] に変更して[OK]を押します。

これで、「キャプション」スタイルを含め、すべてのスタイルが一覧に表示されるようになります。

設定を変えてもまだ二重表示になる

次のような可能性があります。

  • キャプションに別のスタイルが適用されている(例:「本文」や「見出し」など)
  • 段落番号が直接指定されている(スタイルではなく段落側)
  • キャプション番号の一部を手打ちで書き換えている

まずは、キャプション段落を選択し、

  • スタイルを「キャプション」に統一する
  • [段落番号] > [番号なし] で直接指定を外す
  • 怪しい数字は削除してから、もう一度[キャプションの挿入]で入れ直す

といった対応を行うと、多くのケースで改善します。

キャプションが日本語だけ/英語だけになってしまう

日英併記の資料などで、「図 1(Figure 1)」のように表示したいケースもあると思います。このとき、

  • ラベルを「図」にして、説明文に「(Figure 1)」と手打ちする

といった方法を取ると、番号の整合性が崩れてメンテナンスが難しくなります。日英併記が必要な場合は、次のような方針がおすすめです。

  • ラベルは「図」に統一し、説明文の中で英語を併記する(例:「図 1 システム構成図 (System Configuration)」)
  • どうしても「Figure 1」としたい場合は、ラベルを英語に統一して文書全体を英語仕様にする

いずれにしても、「番号」そのものはWordに任せる、というルールを守ると後々の修正が楽になります。

ラベルを日本語/英語に切り替える方法

最後に、ラベルの切り替え方法とカスタムラベルの作り方をまとめておきます。

既存ラベル(図/Figure/表)を切り替える

  1. 図を選択し、[参考資料]タブ > [キャプションの挿入] をクリックします。
  2. [ラベル] のドロップダウンから「図」「表」「図表」「Figure」「Table」などを選択します。
  3. [OK]を押すと、選んだラベル+番号が自動で挿入されます。

すでに挿入済みのキャプションを変更したい場合は、そのキャプションを右クリックし、[フィールドの更新]や[キャプションの編集]を使って調整できます。

新しいラベルを追加する

社内ルールで「写真」「Schema」など独自のラベルを使いたい場合は、次のように追加できます。

  1. [キャプションの挿入]ダイアログで、[新しいラベル]ボタンをクリックします。
  2. 作成したいラベル名(例:「写真」「Schema」)を入力して[OK]を押します。
  3. 以降、そのラベルが[ラベル]の一覧に表示されます。

この方法で作成したラベルも、内部的には { SEQ ラベル名 } のフィールドとして扱われるため、番号の自動管理が有効です。

よくある勘違いと注意点

「FIGURE 1 FIGURE 1」はWordのバグではない

二重表示を見ると「Wordの不具合では?」と思いがちですが、実際には

  • スタイルに段落番号を追加
  • キャプション機能で自動番号を付与

という、ユーザー側の設定の組み合わせが原因です。逆に言えば、一度スタイルを正しく整えておけば、以降は安定して運用できます。

数字を直接書き換えるのはNG

キャプションに表示されている番号は、フィールドによって自動生成されています。ここを直接書き換えると、一見直ったように見えても、

  • 相互参照の番号がズレる
  • 図を追加・削除したときに整合性が取れなくなる
  • 別のPCで開いたときに表示が変わることがある

といった問題を引き起こしやすくなります。番号そのものには触らず、スタイルとキャプション機能の設定で調整するのが正攻法です。

コピー&貼り付け時にも注意

他の文書から図とキャプションをまとめてコピーしてくるとき、

  • 図だけを貼り付けて、キャプションは新規に挿入する
  • キャプションを含めてコピーした場合でも、フィールド更新(F9)を忘れず行う

といった運用を徹底すると、番号重複や飛び番号のトラブルを減らせます。また、別のテンプレートからコピーした場合は、「キャプション」スタイルの定義まで一緒に持ち込まれていることがあるので、必要に応じてスタイルの内容を確認しておきましょう。

まとめ:原因はスタイル設定、直し方はシンプル

ここまでのポイントを改めて整理すると、次の3点に集約できます。

  • 原因:キャプションの段落に「段落番号」と「キャプション番号」が二重に付いている(多くは「キャプション」スタイルに段落番号が設定されている)
  • 基本対処:「キャプション」スタイルの番号付けを[なし]に戻す + 段落番号の直接指定があれば解除する
  • 運用ルール:キャプション欄には説明文だけを入力し、番号やラベルはWordに任せる

一度テンプレートやスタイルを整えてしまえば、以降は「キャプションの挿入」→「説明文だけ入力」というシンプルな手順だけで、きれいな図表番号が自動で振られるようになります。FIGURE 1/図 1 の二重表示で悩んでいる場合は、まず「キャプション」スタイルの番号付けを確認し、今回紹介した手順で無効化してみてください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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