Wordで文書を比較できないときの確認方法|原本を守る手順と原因の切り分け

Wordで「Word was unable to compare documents」などのエラーが出たときは、まず元の文書と変更後の文書をコピーし、比較結果の出力先を[新規文書]にして確認します。エラーが出たことだけでは、Normal.dotmの破損やWindows Updateが原因とは判断できません。

特定の文書の組み合わせでだけ起きるのか、別の文書でも比較できないのかを整理すると、次に調べる範囲を絞れます。この記事ではWindowsのデスクトップ版Wordを対象に、通常の比較手順、原本を守る確認方法、Word全体の問題を調べるときの注意点を説明します。

目次

最初に原本を保存し、エラーの条件を記録する

  1. 比較する2つの文書を別名のコピーとして保存し、原本と区別します。
  2. どちらが変更前で、どちらが変更後かを確認します。
  3. エラーメッセージの全文、Wordの製品名・バージョンを記録します。
  4. 比較する文書、比較オプション、結果の出力先をメモします。

「原本」と「コピー」を取り違えないよう、保存場所とファイル名も記録します。比較設定を変える場合は一度に1項目ずつ変更すると、どの条件で結果が変わったかを追いやすくなります。

Wordの比較機能を正しい出力先で試す

  1. 確認用にコピーした2つの文書を開きます。
  2. [校閲]タブ→[比較]→[比較]を選びます。
  3. [元の文書]には変更前のコピー、[変更された文書]には変更後のコピーを指定します。
  4. 詳細を開き、文字の変更、書式、コメントなど、今回必要な比較対象を確認します。
  5. 変更を文字単位で表示するか、単語単位で表示するかを選びます。
  6. [変更の表示先]が[新規文書]になっていることを確認して実行します。

Wordは既定で、差分を第三の新しい文書に表示します。この出力方法では比較元の文書は変更されません。一方、出力先に[元の文書]や[変更された文書]を選ぶと、選択した文書が変更されます。結果を元ファイルに反映する意図がない場合は[新規文書]を選んでください。Microsoftの文書比較の公式手順

どちらかに変更履歴が含まれると、履歴を承諾して比較するための確認が表示されることがあります。メッセージを読み、履歴を含めた元の状態は原本で保持します。比較結果は別名で保存し、比較に使った2つの原本へ上書きしないようにします。

「比較」と「組み合わせ」は用途が異なる

変更前と変更後の2つの文書の差分を調べる場合は[比較]を使います。複数の校閲者から届いた変更を1つの文書へまとめたい場合は[組み合わせ]が対象です。Microsoftも、複数の校閲者の変更をまとめる場合は通常の比較とは別の機能を使うよう案内しています。

文書固有の問題か、Word全体の問題かを整理する

次の表は、公式の比較操作を使って確認範囲を絞るための目安です。特定の比較エラーの原因としてMicrosoftが認定した一覧ではありません。どの確認もコピーで行い、結果が変わったことと、原因を確定できたことを分けて記録します。

確認した結果次に調べる範囲
元の2文書の組み合わせだけ失敗するその文書の内容、比較設定、既存の変更履歴などを確認する。
一方の文書を含むと失敗するその文書で再現する条件を絞る。ファイル破損とはまだ断定しない。
短い確認用文書同士でも失敗するWordの起動状態、設定、アドインなど、文書以外の範囲を確認する。
比較対象を変えると実行できるどの比較対象で結果が変わったかを記録する。省いた要素まで確認できたとは扱わない。

確認用の短い文書は、新しい文書を2つ作り、片方に分かりやすい文字の変更を加えたものを使えます。これで比較できるかを確認すると、元の文書にだけ起きるのかを整理できます。これは診断用の提案であり、このエラーを必ず回避する方法ではありません。

Word全体でも起きる場合は起動条件を変えて確認する

Wordの起動や動作に関する一般的な診断として、winword /aがあります。この起動方法ではアドインと、Normalテンプレートを含むグローバルテンプレートの自動読み込みを抑えます。文書比較エラー専用の修復コマンドではなく、起動条件を変えて挙動の差を見るために使います。Office製品のコマンドラインスイッチ

  1. 作業中の文書を保存し、開いているWordを終了します。
  2. Windowsキー+Rで[ファイル名を指定して実行]を開きます。
  3. 次のコマンドを入力して実行します。
  4. 起動したWordで確認用のコピーを開き、同じ比較設定・同じ出力先で試します。
  5. 結果を記録し、確認が終わったらWordを閉じて、通常の方法で起動します。
winword /a

この一般的な切り分けはMicrosoft LearnのWord起動・使用時の問題を調べる資料にも記載されています。同資料には旧バージョン向けの画面や手順も含まれるため、実際の環境に対応する項目を確認してください。

起動条件を変えた結果判断と次の対応
比較できるようになった通常起動時に読み込むアドイン・テンプレート等の関与を調べる材料になる。どれが原因かは追加確認が必要。
同じエラーが続くNormal.dotmの初期化へ自動的に進まず、文書の再現条件とWordのほかの症状を整理する。
コマンドでWordを起動できないデスクトップ版Wordのインストール状態と入力を確認し、管理者またはサポートへ相談する。

Normal.dotmを最初から削除しない理由

Normal.dotmはWordの標準テンプレートです。Microsoftの一般的なトラブルシューティングには置き換え手順もありますが、文書比較エラーが出たという理由だけで破損を確定するものではありません。テンプレートを変更すると、保存されたスタイル、マクロ、独自設定などに影響する場合があります。

通常起動との差からアドインやテンプレートを調べる場合は、対象の特定、変更前のバックアップ、元へ戻す手順をそろえて進めます。組織で配布されたテンプレートや業務用アドインがある場合は管理者へ確認してください。複数の設定をまとめて初期化すると、原因も戻し方も分かりにくくなります。

OfficeやWindowsの更新直後に気づいた場合も、日時やバージョンを記録することと、更新が原因だと断定することは別です。確認した公式の既知の問題に一致するかを調べる前に、更新を一律にアンインストールする手順は取りません。

解決しない場合にサポートへ渡す情報

  • エラーメッセージの全文と、Wordのバージョン。
  • 比較した文書の形式、原本/コピーの区別、比較結果の出力先。
  • 特定の組み合わせだけか、短い確認用文書でも起きるか。
  • 選択した比較対象と、設定を変えたときの結果。
  • 通常起動とwinword /aの差、比較以外で起きている症状。

内容を共有できる文書なら、問題が再現する最小限のコピーを用意すると説明しやすくなります。機密文書の場合は、原本の送付を前提にせず、共有できる範囲の再現条件を整理してください。

よくある質問

比較すると原本が書き換わりますか?

既定の[新規文書]を出力先にする比較では、比較元の文書は変更されません。出力先を[元の文書]または[変更された文書]に変更すると、その文書が変更されます。試すときはコピーを使い、出力先も確認します。

winword /aで比較できればNormal.dotmが原因ですか?

それだけでは特定できません。アドインやグローバルテンプレートなど、通常と違う読み込み条件をまとめて変えているため、どの要素が関与したかは追加の確認が必要です。

比較対象を減らして成功した結果を使ってもよいですか?

文字の差分だけが必要なら、その目的に合うか確認して使えます。ただし、比較から外した書式やコメントまで一致したことにはなりません。何を比較した結果なのかを、結果の文書と一緒に残しておきましょう。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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