Wordで入力を始めるたびに、カーソル付近へ「ProWritingAid」のポップアップが出て文字が隠れたり、「Draft with Copilot」が何度も再表示されて集中が途切れたりすると、文書作成が一気に苦痛になります。この記事では、Microsoft 365 Personal 利用者が“恒久的に邪魔表示を減らす”ための具体的な設定手順を、デスクトップ版/ブラウザー版(Word for the web)に分けて整理します。
まず結論:消せるもの/消せないものを整理する
先に現実的なゴールを共有します。Word上の「Draft with Copilot(Copilotの案内・ボタン)」は、デスクトップ版(Windows/Mac)なら原則オフにできます。一方、Word for the web(ブラウザー版)では、アプリ側の設定としてはオフにできない前提で考えるのが近道です。
| 困っている表示 | デスクトップ版 Word(Windows/Mac) | Word for the web(ブラウザー版) | ポイント |
|---|---|---|---|
| Draft with Copilot(カーソル付近の案内/ボタン) | オフ可能(設定あり) | 原則オフ不可 | まず「Copilot を有効にする」を切る |
| ProWritingAid のポップアップ(広告/案内/提案) | 多くはアドイン起因。無効化・削除で停止可能 | 多くはブラウザー拡張機能/Officeアドイン起因。無効化・削除で停止可能 | 「Word標準」ではなく外部機能の可能性が高い |
ここからは「最短で効く手順」→「効かない時の深掘り(バージョン、アドイン切り分け、代替策)」の順で説明します。
最短ルート:Wordの「Draft with Copilot」を止める(デスクトップ版)
「Draft with Copilot」が入力位置の近くに出てきて邪魔な場合、原因はほぼCopilot表示です。デスクトップ版Wordには、Copilotを無効化するチェック項目が用意されています。
Windows:WordのCopilotをオフにする手順
- Wordを起動します。
- [ファイル]→[オプション]を開きます。
- 左メニューの[Copilot]を開きます。
- [Copilot を有効にする]のチェックを外します。
- [OK]を押し、Wordをいったん閉じて再起動します。
この操作で、リボンのCopilotアイコンが無効になり、Word内のCopilot機能が使えなくなります(=案内の出方が大きく減ります)。
Mac:WordのCopilotをオフにする手順
- Wordを起動します。
- 上部メニューから(Wordの)アプリメニューを開き、[設定]へ進みます。
- [作成および校正ツール]→[Copilot]を開きます。
- [Copilot を有効にする]のチェックを外します。
- Wordを閉じて再起動します。
Windowsと同様、デスクトップアプリ側での無効化です。
重要:この設定は「アプリごと」「端末ごと」に必要
Copilotのオン/オフは、WordだけでなくExcelやPowerPointなど「アプリごと」に別のチェック項目があり、さらに「その端末のそのアプリ」に対して効く仕様です。複数PCを使っている場合は、同じ手順を各端末で行う必要があります。
「Copilot」メニュー自体が見当たらないときのチェックポイント
手順通りに進めようとしても、[オプション]の左側に[Copilot]が出てこないことがあります。これは、Wordのバージョンが条件を満たしていないケースが代表例です。
Copilotのチェック項目が出る最低バージョン(目安)
Microsoftの案内では、特定のバージョン以降で[Copilot を有効にする]チェックが利用できるとされています(記載の日付も明示されています)。
| OS | アプリ | チェック項目が使えるとされるバージョン(例) |
|---|---|---|
| Windows | Word | バージョン 2412 以降 |
| Windows | Excel | バージョン 2501 以降 |
| Windows | PowerPoint | バージョン 2501 以降 |
| Mac | Word | バージョン 16.93 以降 |
| Mac | Excel / PowerPoint | バージョン 16.93.x 以降 |
上記は「少なくともこのバージョン以降で使える」と明記されている目安です。まずはWordを最新に更新し、再確認してください。
どうしても出ない場合は「プライバシー設定」でCopilot相当を抑制する
Microsoftは、アプリにチェック項目がまだない場合の代替として、アカウントのプライバシー設定(接続済みエクスペリエンス)を変更してCopilotをオフにする方法も案内しています。
注意:この方法はCopilotだけでなく、他の便利機能も一緒に止まる可能性があります(例:推奨返信、テキスト予測、Designer関連、自動代替テキストなど)。「AI系は全部要らない」という方には向きますが、「一部は使う」人は影響範囲を理解してから切り替えましょう。
Windows:接続済みエクスペリエンス(コンテンツ分析)をオフにする
- Wordなどのアプリで、[ファイル]→[アカウント]へ進みます。
- [アカウントのプライバシー]→[設定の管理]を開きます。
- [接続済みエクスペリエンス]で、[コンテンツを分析するエクスペリエンスを有効にする]のチェックをオフにします。
- [OK]を押し、アプリを閉じて再起動します。
このプライバシー設定は、いずれかのアプリで変更すれば他のアプリにも反映される、と案内されています。
Mac:接続済みエクスペリエンス(コンテンツ分析)をオフにする
- Wordなどのアプリで、アプリメニューから[基本設定]→[個人用設定]→[プライバシー]へ進みます。
- [接続済みエクスペリエンス]→[接続済みエクスペリエンスの管理]を開きます。
- [コンテンツを分析するエクスペリエンスを有効にする]のチェックをオフにします。
- [OK]を押し、アプリを閉じて再起動します。
こちらも、変更が他アプリに反映される旨が案内されています。
Word for the web(ブラウザー版)でCopilotをオフにできない理由と現実的な対処
ブラウザー版のWord(Word for the web)は、アプリ内に「Copilot を有効にする」チェックが存在しないため、少なくともWord側の設定としてはオフにできません。Microsoftも、Web版のWord/Excel/PowerPointではCopilotをオフにできない旨を明記しています。
この前提を踏まえたうえで、現実的な落としどころは次の3つです。
- 長文作業はデスクトップ版Wordを使う:「Draft with Copilot」が作業を遮るなら、オフにできる環境へ寄せるのが一番確実です。
- (可能なら)上で紹介したプライバシー設定で抑制する:影響範囲は広いですが、AI系の導線を全体的に弱めたい場合に有効です。
- 表示の原因が「Copilot」ではなく拡張機能/アドインなら、そちらを止める:次章で詳しく説明します。
次に本丸:ProWritingAidのポップアップが出続ける原因を切り分ける
「ProWritingAid」という名前が表示される以上、Word標準機能というより、何らかのアドイン/拡張機能が動いている可能性が高いです。特に、入力位置付近に出て文字を隠すタイプは、文章校正ツールの“提案UI”が前面に出ている挙動と一致します。
対処を最短にするために、まず「どこから出ているか」を切り分けます。
| 状況 | 疑うべき場所 | 見分けのコツ | 最短対処 |
|---|---|---|---|
| デスクトップ版Wordだけで出る | Wordアドイン(COMアドイン等) | WordのリボンにProWritingAidタブがある/アドイン一覧にある | Wordのアドインで無効化 |
| ブラウザー版Wordで出る | ブラウザー拡張機能/Officeアドイン | Edge/Chromeで拡張機能を止めると消える | 拡張機能をオフ or 削除 |
| どのアプリでも出る(Word以外でも) | 常駐アプリ(ProWritingAid Desktop Everywhere等) | タスクトレイにアイコンがある/どこでも文章入力で出る | 常駐停止・設定でオフ |
ProWritingAidを“恒久的に”止める:Wordアドインを無効化する(デスクトップ版)
ProWritingAidのヘルプでは、WordアドインはWordの[アドイン]設定から有効/無効を切り替えられると案内されています。まずはここが最優先です。
手順:ProWritingAid Word Add-in を無効化
- Wordを開き、[ファイル]→[オプション]へ進みます。
- 左メニューの[アドイン]を開きます。
- 画面下部の[管理](例:COM アドイン など)を選び、[設定(Go…)]をクリックします。
- 一覧から ProWritingAid(拡張機能/アドイン)を探し、チェックを外します。
- [OK]で閉じ、Wordを再起動します。
ProWritingAid側の案内でも、同様に「File > Options > Add-Ins」から無効化できることが示されています。
もし「無効化」ではなく完全に消したい(再表示の可能性を消したい)場合は、後述する「Officeアドインの削除」も併用すると堅いです。
ProWritingAidは残したいが、カーソル付近のポップアップだけ消したい場合
ProWritingAidは「全部オフ」だけが正解ではありません。校正は欲しいが、入力位置の近くに出る導線(Rephraseなど)が邪魔、というケースもあります。ProWritingAidは機能単位でオフにできることがあります。
例:Rephrase(言い換え提案)をオフにする
ProWritingAidの案内では、Wordアドインの設定画面からRephraseをオフにする手順が示されています。操作イメージとしては次の流れです。
- Wordのリボンにある[ProWritingAid]タブを開きます。
- 設定(Settings)を開きます。
- Rephraseに関する項目(Rephraseの表示/ツールバー等)をオフにします。
「広告が出る」という表現でも、実態は“提案UI”の可能性があります。まずは「アドイン自体を止める」→「必要なら機能だけ戻す」の順で調整すると、イライラが最短で減ります。
Word for the webでProWritingAidが出る場合:ブラウザー拡張機能を疑う
ブラウザー版WordでProWritingAidが出てくる場合、Wordというよりブラウザー(Edge/Chrome)の拡張機能が重なって表示しているケースが非常に多いです。ProWritingAid側も、Chrome拡張機能など複数の統合先でRephraseをオフにする案内を出しています。
最短チェック:拡張機能を一時的にオフにして挙動を見る
- Edgeの場合:拡張機能の管理からProWritingAidをオフ
- Chromeの場合:拡張機能(Extensions)からProWritingAidをオフ
一時オフでポップアップが消えるなら、原因はほぼ拡張機能側です。恒久的に止めるなら「オフのままにする」か「削除」を選びます。
Officeアドインとして入っている場合:My Add-insから削除する
Wordには「Officeアドイン(ストアアドイン)」という仕組みもあり、ここに入っているアドインは「マイ アドイン」から削除できます。Microsoftの案内でも、[アドインの取得]→[マイ アドイン]から削除する流れが示されています。
手順:Officeアドイン(ストアアドイン)を削除する流れ
- Wordで[ファイル]→[アドインの取得](または[ホーム]→[アドイン])を開きます。
- [Office アドイン]ダイアログの[マイ アドイン]タブを開きます。
- 対象のアドイン(ProWritingAid等)を選び、削除(Remove/削除)します。
「無効化」と「削除」の違いは、再び勝手に有効化されたり、別の環境で復活したりする確率に影響します。“二度と出てほしくない”なら削除までやるのが安全です。
切り分けに強い:Wordをセーフモードで起動して、アドイン起因か確認する(Windows)
「何をやっても消えない」「原因がCopilotなのかProWritingAidなのか分からない」場合は、セーフモードが非常に有効です。Microsoftの案内でも、セーフモード起動後にアドイン/COMアドインを一つずつ無効にして原因を特定する手順が示されています。
セーフモード起動(例)
Windowsの場合、次のような形でセーフモード起動ができます(入力欄から起動)。
winword /safe
セーフモードで改善したら「アドイン」が原因
セーフモードでポップアップが出なくなるなら、原因はほぼアドインです。あとは通常起動に戻したうえで、[ファイル]→[オプション]→[アドイン]から一つずつ無効化し、犯人を特定します。
それでも「Draft with Copilot」が出る/設定が効かないときの実務的チェック
Copilotをオフにしたつもりでも、まだ表示が残るときは「設定が反映されていない」か「別経路の導線」が残っている可能性があります。チェック項目を順に確認してください。
| 症状 | よくある原因 | 対処 |
|---|---|---|
| チェックを外したのに、しばらくすると戻る | 再起動していない/別ユーザーで同じ端末を使用 | Wordを閉じて再起動。端末共有なら他ユーザーにも影響する点に注意 |
| [Copilot]が出ない | Wordのバージョンが条件未満 | 更新して再確認。代替としてプライバシー設定も検討 |
| ブラウザー版で出続ける | Web版はアプリ側でオフにできない | デスクトップ版へ寄せる/拡張機能の停止/プライバシー設定の検討 |
| Copilotを消したいだけでなく“ボタンも見たくない” | リボンに残っている | リボンのカスタマイズでアイコンを非表示(ただしCopilot自体はオフにならない) |
なお、リボンからCopilotアイコンを消す(カスタマイズ)という方向もありますが、アイコンを消してもCopilot機能自体が無効化されるわけではない点は重要です。
“恒久的に邪魔表示をなくす”ためのおすすめ手順(まとめ)
最後に、作業を止めずに片付けるためのおすすめ手順を、優先順位順にまとめます。
デスクトップ版Wordを使っている場合
- Copilotをオフ:[ファイル]→[オプション]→[Copilot]→[Copilot を有効にする]のチェックを外す → 再起動。
- ProWritingAidを止める:[ファイル]→[オプション]→[アドイン]で無効化(必要なら削除)。
- まだ残るならセーフモードで切り分け:アドインが犯人かを確定して、原因のものだけ処置。
Word for the web(ブラウザー版)が中心の場合
- 前提:Web版はCopilotをオフにできないことがある。
- ProWritingAidが出るなら:ブラウザー拡張機能をオフ/削除(最短)。
- 可能なら:長文だけでもデスクトップ版Wordへ寄せる(Copilotをオフにできるため)。
Wordは“書く道具”なので、入力中に視線を奪うUIがあるだけで生産性が大きく落ちます。今回のケースは、Copilotはアプリ設定で止める、ProWritingAidはアドイン/拡張機能を止める――この二段構えで改善することがほとんどです。困りポイントが「どこで出ているか」だけでも切り分けられれば、対処は一気に簡単になります。

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