導入文章
Word for Macで校閲機能を使いながらドキュメントを校正しているのに、削除箇所の取り消し線が表示されずに困っていませんか?大切な履歴の見直しや修正箇所の把握がスムーズにできないと、業務効率が落ちてしまいます。ここでは、取り消し線が表示されなくなる原因から対処方法までを分かりやすく解説します。
Word for Macの変更履歴で取り消し線が表示されない原因を理解しよう
Word for Macで「Track Changes(変更履歴)」を有効にしているにもかかわらず、削除箇所に取り消し線が反映されない現象は、複数の理由で発生する可能性があります。設定の組み合わせや表示モードの選択肢など、いくつかの要因が重なると意図せず起こるケースがあります。以下では、よくある原因とその背景について詳しく見ていきましょう。
設定が正しく反映されないことによる誤作動
Wordには表示オプションがいくつも存在し、それぞれが複雑に連動しています。特に「Track Changes」関連は、挿入の表示形式や削除の表示形式など、細かい指定項目があるため、意図せず別のスタイルが優先されてしまうケースが見受けられます。たとえば、削除箇所を取り消し線にする設定を適切にしていても、同時に「バルーン表示を優先する」などの項目が有効になっていると、削除テキストはインライン上ではなくマージンにバルーンで表示されてしまい、取り消し線が見えなくなることがあります。
表示モード(All Markup/Simple Markup)の影響
Wordの表示モードには「All Markup(すべてのマークアップ)」と「Simple Markup(変更箇所のみ表示)」などがあり、目的に応じて変更履歴の見え方が変化します。Simple Markupで表示していると、削除箇所が強調されにくかったり、取り消し線が省略されたりすることがあります。こうした表示モードの選択が原因で、「Strikethrough(取り消し線)」の設定が機能していないように見えることが多いです。
その他の表示モードやコメントバルーンの影響
Wordではコメントや変更履歴をマージン上にまとめる機能があります。これをバルーン表示と呼びますが、この設定が「Display deletions in balloons(削除箇所はバルーンに表示)」になっている場合、削除した文字自体が本文中には見えず、マージンに「削除:○○」と書かれてしまうケースが出てきます。その結果、本文中では赤字や取り消し線が見えず、「削除箇所が分からなくなった」という混乱につながります。
取り消し線表示を復活させる5つの手順
ここからは、具体的な対策をステップごとにご紹介します。自分のWord for Macの状態を照らし合わせながら設定を確認し、問題を解決していきましょう。
1. 表示モードを「All Markup」に切り替える
まず確認したいのは、Wordの表示モードです。
- [校閲]タブ → [変更履歴] → [マークアップ オプション] → 表示モードを「All Markup」に設定しましょう。
- もし「Simple Markup」になっている場合は、赤い縦線が入るだけなど、変更点が簡易的にしか表示されません。「All Markup」にすると、削除や挿入、コメントなど、すべての修正内容が詳細に反映されます。
この基本的な確認だけで、取り消し線表示が戻るケースも多々ありますので、まずはここから試してみましょう。
2. 「Show Markup」の詳細設定を再度チェック
続いて、[校閲]タブ → [Show Markup]メニューの詳細設定を確認します。以下のポイントを見落としていないかチェックしてみてください。
| 設定項目 | 説明 | 備考 |
|---|---|---|
| Insertions(挿入) | 挿入テキストにどのような強調表示をするか設定 | 下線などを指定可能 |
| Deletions(削除) | 削除テキストを取り消し線やバルーンで表示するか設定 | 取り消し線の他に「Hidden(非表示)」なども選択可能 |
| Comments(コメント) | コメントを表示するか、バルーンにするか | コメントを見落としていないかも要チェック |
| Formatting(書式) | フォントや段落の変更を含めて表示するか | 変更点が多い場合は見やすさの工夫が必要 |
| Balloons(バルーン表示) | バルーンを使うか、インラインで表示するかなどを制御 | バルーンをオフにすると削除箇所が本文中に反映されやすい |
特に「Balloons(バルーン表示)」の設定では、削除箇所をマージンにのみ表示するか、インラインで表示するかを選択できます。インライン表示を選択すれば、削除部分は取り消し線や別のスタイルで表示され、視覚的にも直感的に確認しやすくなります。
3. Wordの[Preferences] → [Track Changes]を見直す
Word for Macには「Preferences(設定)」メニューがあり、ここで全体の動作を左右するオプションがまとめられています。校閲タブとは別に、システム全体の設定を確認すると問題が解消することも少なくありません。
- Wordを開いた状態で、メニューバーから[Word] → [Preferences]にアクセスします。
- [Track Changes]を選択し、Deletions(削除)の表示形式が「Strikethrough」になっているか再度チェックしましょう。
- 一度別のオプション(例:「None」や「Hidden」)に切り替えてから、再度「Strikethrough」を選び直すと、設定がリフレッシュされる場合があります。
- 挿入箇所の表示形式(Insertions)も「Underline(下線)」など、希望のスタイルになっているか合わせて見直しましょう。
設定が更新されない場合のトラブルシューティング
「Preferences」で設定を変更しても反映されない場合、正常に適用されていない可能性があります。このときは、念のためWordの再起動を試すと効果的です。また、テンプレートファイル(Normal.dotm)が破損している可能性があるときは、Officeの修復インストールやテンプレートの再作成を検討しましょう。
4. Wordを再起動、またはMacを再起動する
Wordの設定変更が反映されないときや、突然表示形式がおかしくなったときには、シンプルですが再起動が有効です。
- Wordを一度終了し、再度起動してみましょう。
- 必要に応じてMac自体を再起動することで、Wordのキャッシュがクリアされ、設定が正しく読み込まれることがあります。
- macOSやOfficeのアップデートをまだ適用していない場合は、最新バージョンにしてから再度設定を確認すると問題が改善する場合もあります。
5. Windows版との表示形式の違いを理解しておく
同じWordでも、Windows版とMac版では設定画面やメニューの配置が微妙に異なります。インターフェイスだけでなく、初期設定も異なる場合があるため、Windows版と同じ手順で対処してもうまくいかないケースがあります。もしWindows版の情報を参考にしているのに解決しないときは、Mac版に特化した公式ヘルプやコミュニティを参照すると効率的です。
設定が反映されないときの追加ポイント
上記の手順をすべて試してもなお、削除箇所が取り消し線にならない場合は、WordのバージョンやmacOSのバージョンが古い可能性、あるいはアドインの干渉など、別の要因が潜んでいるかもしれません。以下に、さらに踏み込んだ対処策を挙げます。
バージョンの互換性をチェックする
- Macを新しいOSにアップデートした場合、Wordも最新バージョンへ更新が必要になることがあります。
- App StoreもしくはMicrosoft AutoUpdateを利用して、最新のアップデートがあるか確認しましょう。バージョン相違によって想定外の動作を起こすケースは意外に多いです。
Officeバージョンとライセンス形態の違い
同じ「Microsoft 365」でも、個人向け、法人向け、教育向けなどのライセンスによって微妙にインストールされるコンポーネントが異なる場合があります。また、一部の機能が制限されているエディションを利用している場合、変更履歴の挙動が通常とは違う場合も考えられます。
アドインやプラグインの影響を疑う
PDF作成ツールや翻訳ツールなどのWordアドインが、Track Changesの動作に影響を与えることがあります。不要なアドインは無効化してみましょう。
- [Tools] → [Templates and Add-ins]からアドインの一覧を確認する。
- 不要、または使用しないアドインのチェックを外し、Wordを再起動する。
- 表示形式が正常化するかどうかを確認する。
Normal.dotmテンプレートをリセットする
Wordの動作を司るテンプレートファイル「Normal.dotm」が破損すると、思わぬ不具合が発生します。テンプレートを初期化すると、ユーザー設定やマクロなどがリセットされる可能性はありますが、問題解決の糸口になることがあります。
- Wordを終了する。
- Finderで「~/Library/Group Containers/UBF8T346G9.Office/User Content/Templates/」を開く。
- 「Normal.dotm」を別のフォルダに移動する(バックアップとして保管)。
- Wordを再起動すると、新しいNormal.dotmが自動生成される。
取り消し線が正しく表示されると業務効率が上がる理由
Wordの変更履歴は、ドキュメントの共同作業や校正に不可欠です。削除箇所が取り消し線で表示されないと、以下のようなデメリットが考えられます。
- どの部分を削除したのかが一目で分からない
赤文字だけでは瞬時に「削除箇所」を識別しづらく、作業効率が下がります。 - 複数の修正がある場合に混乱が生じる
大量の修正点があるとき、変更の理由や意図を伝えるのが難しくなります。 - 後から修正内容を検証する手間が増える
「なぜこの部分が削除されたのか」を追跡する際にバルーン表示のみでは見づらい場合が多く、見落としの原因になります。
取り消し線によって、削除した箇所が視覚的にはっきり示されるだけでなく、ドキュメント全体の流れを維持しながら変更点を俯瞰できるようになります。こうしたメリットを考えると、表示設定の最適化は業務効率向上の大きな鍵となるでしょう。
具体的な画面例:設定を適切にする手順
実際のWord for Macの画面をイメージしながら、以下のステップで設定を見直してみてください。
- [校閲]タブをクリック
ここで「Track Changes」のオンオフを確認します。オンになっていない場合、変更履歴自体が記録されません。 - [Simple Markup] → [All Markup]に変更
画面上部、変更履歴のドロップダウンから表示モードを切り替えます。 - [Show Markup]をクリックし、DeletionsとInsertionsをチェック
Deletions(削除)の設定をStrikethroughに、Insertions(挿入)をUnderlineにするなど、自分が見やすい形に設定。 - [Preferences] → [Track Changes]で最終チェック
ここで取り消し線や下線などの詳細設定を再確認。 - 設定後に一度Wordを終了させて再起動
設定がきちんと反映されるか動作を確認します。
まとめ
Word for Macで削除箇所の取り消し線が表示されない問題は、表示モードやバルーン設定、Track Changesの詳細オプションなど、複数の要因が関わって発生する可能性があります。以下のポイントを踏まえながら対処してみましょう。
- 表示モードを「All Markup」にする
- [Show Markup]でDeletionsとInsertionsのスタイルを適切に設定
- [Preferences] → [Track Changes]の再確認やWordの再起動で設定をリフレッシュ
- アドインの干渉やテンプレートの破損にも注意
これらを実践しても問題が解決しない場合は、WordのバージョンやmacOSのアップデート状況、ライセンス形態、アドインなどを総合的にチェックし、最終的には公式のサポートやコミュニティに問い合わせることも検討してみてください。正しく設定された変更履歴は、ドキュメントの校正や共同作業をより円滑にし、業務効率の向上につながります。

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