Copilot+ PCのWindows Updateで「AIコンポーネント 1.2605.856.0」という番号を見ても、Windows本体のバージョンなのか、Copilotアプリの更新なのか分かりにくいかもしれません。
結論からいうと、1.2605.856.0は、Copilot+ PCで動作するWindows AIコンポーネントのバージョンです。2026年7月のWindows 11累積更新では、Image Search、Content Extraction、Semantic Analysis、Settings Modelの4コンポーネントが、このバージョンとして掲載されています。
対象は、Windows 11 24H2、25H2、26H1を実行するCopilot+ PCです。通常のWindows 11 PCやWindows Serverには、累積更新プログラム自体が配信されても、対象のAIコンポーネントはインストールされません。基本的には手動で個別パッケージを探すのではなく、端末に対応する2026年7月のWindows Updateを適用すれば対応できます。(マイクロソフトサポート)
AIコンポーネント1.2605.856.0は何のバージョンか
1.2605.856.0は、Windows 11のOSビルド番号でも、Microsoft Copilotアプリのバージョンでもありません。
Windowsに組み込まれたオンデバイスAI処理用コンポーネントのバージョンです。2026年7月の累積更新プログラムでは、次の4つが1.2605.856.0として記載されています。
| AIコンポーネント | 役割の目安 |
|---|---|
| Image Search | 画像の内容や特徴を使った検索処理を支える基盤 |
| Content Extraction | 画像や文書などから、AI処理に必要な情報を取り出す基盤 |
| Semantic Analysis | 単純な文字一致ではなく、意味や文脈を解釈する処理基盤 |
| Settings Model | Windowsの設定に関係するAI処理を支えるモデル |
Microsoftの2026年7月のリリースノートでは、これら4コンポーネントの名称とバージョンは示されていますが、アプリごとの具体的な変更点や、新しく追加された画面操作までは説明されていません。そのため、「この更新で新しいボタンが追加される」と考えるより、WindowsのAI機能を内部で支えるモデルや処理基盤が更新されると捉えるのが適切です。(マイクロソフトサポート)
バージョン番号だけではコンポーネントを特定できない
MicrosoftのAIコンポーネント更新履歴を見ると、1.2605.856.0という番号は、Image Searchなどの4コンポーネントだけでなく、Image Processing、Image Transform、Phi Silicaといった別のAIコンポーネントにも使用されています。
つまり、トラブル調査や端末管理では「1.2605.856.0が入っているか」だけを見るのでは不十分です。次の情報を組み合わせて確認する必要があります。
- AIコンポーネント名
- バージョン番号
- 関連するKB番号
- Windows 11のバージョン
- AMD、Intel、Qualcommなどのプロセッサー構成
同じバージョン番号でも、対象となるコンポーネントやプロセッサー向けパッケージが異なる場合があります。(Microsoft Learn)
対象となるWindows 11と更新プログラム
2026年7月の累積更新で1.2605.856.0が掲載されている対象は、Windows 11 24H2、25H2、26H1です。
| Windows 11のバージョン | 2026年7月の更新 | 更新後のOSビルド | 対象 |
|---|---|---|---|
| Windows 11 24H2 | KB5101650 | 26100.8875 | Copilot+ PC |
| Windows 11 25H2 | KB5101650 | 26200.8875 | Copilot+ PC |
| Windows 11 26H1 | KB5101649 | 28000.2525 | Copilot+ PC |
| Windows 11 24H2 | KB5121767 | 26100.8894 | 一部の影響対象端末向けOOB更新 |
| Windows 11 25H2 | KB5121767 | 26200.8894 | 一部の影響対象端末向けOOB更新 |
Windows 11 24H2と25H2では、2026年7月14日公開のKB5101650に4つのAIコンポーネントが掲載されています。Windows 11 26H1では、同日公開のKB5101649が対象です。いずれもバージョンは1.2605.856.0です。(マイクロソフトサポート)
「すべてのエディション」でも通常のPCは対象外
MicrosoftのKBページには「all editions」と記載されていますが、これはHome、Pro、EnterpriseなどのWindowsエディションを指しています。
すべてのWindows 11搭載PCにAIコンポーネントが入る、という意味ではありません。AIコンポーネントの実行部分はCopilot+ PCだけが対象で、通常のWindows PCやWindows ServerにはインストールされないとMicrosoftが明記しています。(マイクロソフトサポート)
次のような端末は対象外です。
- Copilotアプリは入っているが、Copilot+ PCではない
- NPUを搭載していても、Copilot+ PCとして認定されていない
- Windows 11 23H2以前を使用している
- Windows Serverを使用している
- Windows 10を使用している
Copilotキーがある、Copilotアプリが使える、タスクマネージャーにNPUが表示される、といった条件だけでは、対象端末とは断定できません。メーカーの製品仕様に「Copilot+ PC」と明記されているかを確認するのが確実です。
4つのAIコンポーネントが支える処理
Microsoftは、Copilot+ PCのAIコンポーネントについて、機械学習モデル、実行ランタイム、ハードウェア向けに最適化された実行レイヤーなどで構成されると説明しています。専用のNPUを利用して、AI処理を端末上で実行するための基盤です。(マイクロソフトサポート)
Image Search
Image Searchは、画像のファイル名だけでなく、画像に含まれる内容や特徴を基に検索するための処理を支えるコンポーネントと考えられます。
たとえば、ファイル名が「IMG_4832.jpg」でも、「海辺で遊んでいる犬」のような内容に基づいて画像を探す処理では、画像の意味を理解する仕組みが必要です。
ただし、2026年7月のKBでは、Image Searchが具体的にどのアプリや検索画面で使用されるかまでは示されていません。Bing画像検索のバージョンでもありません。
Content Extraction
Content Extractionは、画像、文書、画面上の情報などから、後続のAI処理に必要な内容を抽出するための基盤です。
単にファイルを開くのではなく、内容を解析し、検索、要約、分類、操作候補の提示などに利用できる形へ変換する役割が想定されます。
このコンポーネントが更新されても、単独の「Content Extraction」アプリが追加されるわけではありません。
Semantic Analysis
Semantic Analysisは、文字列の完全一致ではなく、単語の意味、文脈、利用者の意図などを解析する処理に関係します。
たとえば、「先週作った旅行の資料」と検索したときに、「旅行」という文字がファイル名に含まれていなくても、内容や関連情報から候補を探すには意味ベースの解析が必要です。
ただし、検索精度が具体的に何%向上した、どの言語で改善された、といった詳細は7月のKBには掲載されていません。
Settings Model
Settings Modelは、Windowsの設定に関するAI処理を支えるモデルとして掲載されています。
Windows 11には、自然な言葉で設定を探したり、目的に合った設定項目へ案内したりするAI機能があります。ただし、1.2605.856.0のSettings Modelが特定の設定画面や機能とどのように対応するかについて、7月のKBは詳細を示していません。
そのため、Settings Modelが更新されたという情報だけを根拠に、特定の設定機能が新しく有効になると断定することはできません。
1.2605.856.0で何が変わるのか
今回の更新で公式に確認できる変更は、対象のAIコンポーネントが1.2605.856.0として収録されていることです。
一方、Microsoftは次のような個別情報を公開していません。
- Image Searchの検索精度がどの程度変わるか
- Content Extractionの対応形式が増えるか
- Semantic Analysisの日本語精度が改善するか
- Settings Modelで新しい設定操作が追加されるか
- 具体的な不具合修正項目
- コンポーネントごとの性能比較
MicrosoftはCopilot+ PCのAIコンポーネントをWindows Updateから個別に保守し、OS本体の機能更新とは別に、改善、最適化、信頼性向上を配信できる仕組みと説明しています。したがって、今回も目立つ新機能というより、内部モデルや実行基盤の更新である可能性があります。(マイクロソフトサポート)
1.2605.856.0は7月に初めて登場した番号ではない
MicrosoftのAIコンポーネント更新履歴では、Image Search、Content Extraction、Semantic Analysis、Settings Modelの1.2605.856.0が、2026年5月26日や6月23日の更新としても記録されています。
つまり、7月の累積更新で同じ番号が掲載されていても、必ずしも「7月に新しく開発されたAI機能」を意味するわけではありません。過去に提供されたAIコンポーネントのバージョンが、最新の累積更新パッケージにも含まれていると考えられます。(Microsoft Learn)
この点は、更新履歴を読むうえで重要です。同じバージョンが複数の月のKBに掲載されていても、更新の失敗やMicrosoftの記載ミスとは限りません。
1.2605.856.0を適用する手順
個人利用のCopilot+ PCでは、Windows Updateから対象の累積更新を適用するのが基本です。
Windows 11のバージョンを確認する
WindowsキーとRキーを押します。- 「ファイル名を指定して実行」に
winverと入力します。 - 表示された画面で、24H2、25H2、26H1のいずれかを確認します。
- OSビルドも確認します。
更新後の目安は次のとおりです。
- 24H2:26100.8875以降
- 25H2:26200.8875以降
- 26H1:28000.2525以降
OOB更新のKB5121767が適用された24H2、25H2では、26100.8894または26200.8894になります。(マイクロソフトサポート)
Windows Updateを実行する
- 「設定」を開きます。
- 「Windows Update」を選択します。
- 「更新プログラムのチェック」を選択します。
- 表示された2026年7月の累積更新をインストールします。
- 再起動を求められた場合は再起動します。
- 再起動後、もう一度「更新プログラムのチェック」を実行します。
AIコンポーネントはWindows Updateを通じて提供されます。プロセッサーの種類に応じて必要なパッケージが選択されるため、通常はAMD用、Intel用、Qualcomm用を利用者が手動で選ぶ必要はありません。(Microsoft Learn)
更新履歴を確認する
- 「設定」を開きます。
- 「Windows Update」を選択します。
- 「更新の履歴」を開きます。
- KB5101650、KB5101649、またはKB5121767があるか確認します。
- AIコンポーネント関連の更新が別に表示されている場合は、名称とバージョンも確認します。
AIコンポーネントの更新履歴は、プロセッサーの種類や配信経路によって個別のKB番号で表示される場合があります。そのため、1.2605.856.0という番号だけでなく、コンポーネント名も併せて確認してください。
KB5121767は全員が入れる必要があるのか
KB5121767は、2026年7月18日に公開されたWindows 11 24H2、25H2向けの緊急リリース、いわゆるOut-of-band更新です。
この更新は、一部のIntel Innovation Platform Frameworkドライバーを使用するDell製端末で発生した、性能、消費電力、システム動作への影響に対応しています。影響を受ける一部端末では、7月14日のKB5101650が一時的に配信停止されていました。(マイクロソフトサポート)
KB5121767にも、1.2605.856.0の次の4コンポーネントが含まれます。
- Image Search
- Content Extraction
- Semantic Analysis
- Settings Model
ただし、MicrosoftはKB5121767について、影響を受ける端末にのみ推奨し、影響を受けていない場合は対応不要としています。すべてのCopilot+ PCで、Microsoft Updateカタログから手動インストールする必要はありません。(マイクロソフトサポート)
Windows UpdateにKB5121767が表示された場合は、端末判定や配信設定に従って適用します。表示されない端末で、無理に探してインストールする必要はありません。
更新前に確認しておくこと
Copilot+ PCであることを確認する
通常のWindows 11 PCでは、AIコンポーネントがインストールされないのが正常です。
次の条件だけでは、Copilot+ PCとは限りません。
- Copilotアプリが起動できる
- キーボードにCopilotキーがある
- CPUにAI機能が搭載されている
- タスクマネージャーにNPUが表示される
購入時の製品仕様、メーカーのサポートページ、法人向け端末管理台帳などで「Copilot+ PC」と明記されているか確認してください。
OSバージョンを確認する
対象はWindows 11 24H2、25H2、26H1です。Windows 11 23H2以前では、今回の7月更新に記載された対象構成と一致しません。
OSバージョンが古い場合は、AIコンポーネントだけを手動で入れるのではなく、端末に提供されているWindows 11の機能更新を先に検討します。
企業管理端末では配信ポリシーを確認する
Windows Update for Business、Intune、WSUSなどで管理されている端末では、一般向けPCと配信時期が異なる場合があります。
更新が表示されないからといって、直ちに失敗とは判断できません。次の状態を確認してください。
- 更新の一時停止
- 品質更新プログラムの延期設定
- 展開リング
- 機能更新プログラムの固定
- セーフガードホールド
- 管理者による承認待ち
- デバイスドライバーの互換性判定
管理端末にMicrosoft Updateカタログ版を独自に適用すると、組織の展開方針から外れる可能性があります。まず管理者の配信設定を確認するのが安全です。
更新後に新しいAI機能が見つからない場合
1.2605.856.0が適用されても、必ず新しいアプリやボタンが表示されるわけではありません。
AI機能の利用可否には、AIコンポーネント以外にも次の要素が関係します。
- Windows 11のOSビルド
- Microsoft Storeアプリのバージョン
- プロセッサーやNPUの種類
- デバイスドライバー
- 段階的な機能展開
- 言語や地域
- 組織のポリシー
- 機能ごとのオン・オフ設定
したがって、1.2605.856.0が入ったことと、Recall、Click to Do、Windows検索、設定のAIエージェントなど、特定の機能が利用可能になることは同義ではありません。
更新後は「新機能が表示されたか」だけで判断せず、Windows Updateの履歴、OSビルド、各アプリの更新状況を確認してください。
よくある疑問
Copilotアプリのバージョンなのか
Copilotアプリのバージョンではありません。
Windowsに組み込まれ、Copilot+ PCのオンデバイスAI機能を支えるAIコンポーネントのバージョンです。CopilotアプリはMicrosoft Storeなどから別に更新されます。
通常のWindows 11 PCに手動インストールできるのか
基本的には対象外です。
累積更新プログラムにAIコンポーネントのファイルが含まれていても、実行コンポーネントはCopilot+ PCにのみ適用され、通常のWindows PCやWindows Serverにはインストールされません。(マイクロソフトサポート)
1.2605.856.0を入れればPCがCopilot+ PCになるのか
なりません。
Copilot+ PCは、対応するNPUやプロセッサーなどを備えたハードウェア区分です。ソフトウェアの更新だけで通常のPCをCopilot+ PCへ変更することはできません。
これはセキュリティ更新なのか
1.2605.856.0はAIコンポーネントのバージョンです。
ただし、2026年7月14日のKB5101650とKB5101649は、セキュリティ修正を含む月例累積更新プログラムです。AIコンポーネントの記載そのものは、コンポーネント更新の情報提供であり、4コンポーネントすべてにセキュリティ問題があったことを意味しません。(マイクロソフトサポート)
バージョンが以前から1.2605.856.0だった場合も更新は必要か
必要です。
AIコンポーネントの番号が変わらなくても、7月の累積更新にはWindows本体のセキュリティ修正や品質改善が含まれています。AIコンポーネントの番号だけを見て、累積更新全体が不要と判断しないでください。
対象端末では7月のWindows Updateを適用する
1.2605.856.0は、2026年7月のWindows 11更新で掲載されたCopilot+ PC向けAIコンポーネントのバージョンです。対象となるのはImage Search、Content Extraction、Semantic Analysis、Settings Modelの4つです。
確認時のポイントは次のとおりです。
- Windows本体やCopilotアプリのバージョンではない
- Windows 11 24H2、25H2、26H1のCopilot+ PCが対象
- 通常のWindows PCやWindows Serverにはインストールされない
- 24H2と25H2はKB5101650、26H1はKB5101649が基本
- KB5121767は、一部の影響対象端末向けのOOB更新
- バージョン番号だけでなく、コンポーネント名とKB番号を確認する
- 更新後に新しい画面やボタンが必ず追加されるわけではない
まずwinverでWindows 11のバージョンを確認し、端末がCopilot+ PCであることを確認してください。そのうえでWindows Updateを実行し、端末に提示された2026年7月の累積更新を適用するのが適切な対応です。

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