Windows 11 26H1で、一部のWin32アプリが「新規プロジェクト」を作成した直後に終了する、エラー画面を表示して落ちる、作成処理を完了できないといった場合は、Windows側の互換性問題である可能性があります。
Microsoftは、この問題を2026年7月28日公開のKB5101681(OSビルド28000.2608)で修正しました。まずWindowsのバージョンとOSビルドを確認し、Windows 11 26H1でビルドが28000.2608未満なら、KB5101681またはそれ以降の累積更新プログラムを適用してください。(マイクロソフトサポート)
ただし、Microsoftは公開リリースノートで対象アプリ名、発生条件、原因となったコンポーネントを明らかにしていません。そのため、すべてのWin32アプリのクラッシュがKB5101681で直るわけではなく、OSバージョン、発生操作、現在のビルドを照合して判断する必要があります。
新規プロジェクトを作るとWin32アプリが落ちる問題はKB5101681で修正
KB5101681のリリースノートには、一部のWin32アプリケーションについて、新規プロジェクト作成時に発生する可能性があるクラッシュを防ぎ、信頼性を向上させる修正が含まれると記載されています。(マイクロソフトサポート)
問題と修正内容を整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象OS | Windows 11 バージョン26H1 |
| 対象エディション | 26H1の全エディション |
| 主な症状 | 一部のWin32アプリで新規プロジェクト作成時にクラッシュする |
| 修正更新 | KB5101681 |
| 修正後のOSビルド | 28000.2608 |
| 公開日 | 2026年7月28日 |
| 更新の種類 | セキュリティ以外のプレビュー累積更新 |
| 対応状況 | 修正済み |
| 対象アプリ名 | 公開情報では明示されていない |
| 対応方法 | KB5101681またはそれ以降の累積更新を適用する |
重要なのは、単に「アプリが落ちる」というだけではなく、新しいプロジェクトを作成する操作がクラッシュのきっかけになっているかです。
既存プロジェクトを開くとき、ファイルを保存するとき、アプリを起動するときなど、別の操作でクラッシュする場合は、今回の修正とは異なる問題である可能性があります。
KB5101681の対象か確認する方法
更新を適用する前に、使用しているWindowsが本当に26H1か、現在のOSビルドはいくつかを確認します。
winverでWindowsのバージョンを確認する
もっとも簡単なのは、winverを実行する方法です。
WindowsキーとRキーを押します。- 「ファイル名を指定して実行」に
winverと入力します。 - 「OK」を選択します。
- 表示されたバージョンとOSビルドを確認します。
今回の修正対象として確認すべき表示は、次の2点です。
- バージョン:26H1
- OSビルド:28000.2608以上
OSビルドが28000.2608未満なら、KB5101681の修正がまだ入っていない可能性があります。28000.2608以上であれば、KB5101681またはその修正を含む後続の累積更新プログラムが適用されていると判断できます。
Windows 11 26H1は、2026年初頭以降に登場する一部の新しいデバイス向けとして提供されており、従来のWindows 11デバイスにWindows Update経由で通常の機能更新として配信されるバージョンではありません。24H2や25H2を使用しているPCにKB5101681を適用しようとしても、対象OSが異なります。(マイクロソフトサポート)
PowerShellでOSビルドを確認する
複数台を確認するときや、表示内容を記録したい場合は、PowerShellを利用すると便利です。
$os = Get-ItemProperty "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion"
[PSCustomObject]@{
ProductName = $os.ProductName
DisplayVersion = $os.DisplayVersion
OSBuild = "$($os.CurrentBuild).$($os.UBR)"
}
実行結果が次のようになっていれば、KB5101681の修正を含むビルドです。
ProductName : Windows 11
DisplayVersion : 26H1
OSBuild : 28000.2608
ビルド番号だけでなく、必ずDisplayVersionも確認してください。異なるWindowsバージョンでは、同じKB番号を利用できません。
Windows UpdateからKB5101681をインストールする手順
KB5101681はセキュリティ以外のプレビュー更新プログラムです。一般的な個人PCでは、Windows Updateのオプション更新からインストールできます。(マイクロソフトサポート)
- 作業中のファイルを保存します。
- 「設定」を開きます。
- 「Windows Update」を選択します。
- 「詳細オプション」を開きます。
- 「オプションの更新プログラム」を選択します。
- KB5101681を含む更新プログラムを選択します。
- ダウンロードとインストールを実行します。
- 再起動を求められた場合はPCを再起動します。
winverでOSビルドが28000.2608以上になったことを確認します。- 問題が起きていたWin32アプリで、新規プロジェクトを作成して再現確認します。
設定画面の表記は、Windowsの表示言語や更新状況によって多少異なる場合があります。
KB5101681が表示されない場合
オプションの更新プログラムにKB5101681が表示されないときは、次の点を確認します。
| 確認項目 | 判断方法 |
|---|---|
| Windowsのバージョン | 26H1以外ではKB5101681の対象外 |
| 現在のOSビルド | 28000.2608以上なら、すでに修正を含んでいる可能性が高い |
| 更新の一時停止 | Windows Updateの一時停止を解除する |
| 管理端末か | 組織の更新ポリシーでプレビュー更新が制限されている可能性がある |
| 再起動待ちか | 保留中の更新を完了してから再確認する |
| 後続更新の適用状況 | より新しい累積更新が入っていればKB5101681単体は表示されない |
Windowsの更新プログラムは累積型です。Microsoftの更新履歴でも、最新の更新をインストールすると、それ以前に公開された修正が含まれると説明されています。そのため、OSビルドが28000.2608を超えている場合、KB5101681を個別に探して再インストールする必要はありません。(マイクロソフトサポート)
Microsoft Updateカタログから手動で適用する方法
Windows Updateに表示されない場合や、管理者が検証用PCへ個別に適用する場合は、Microsoft UpdateカタログからKB5101681を入手できます。
Microsoft Updateカタログには、Windows 11 26H1向けのx64版とArm64版が登録されています。PCのアーキテクチャに合うパッケージを選ぶ必要があります。(Microsoft Update Catalog)
PCのアーキテクチャを確認する
- 「設定」を開きます。
- 「システム」を選択します。
- 「バージョン情報」を開きます。
- 「システムの種類」を確認します。
一般的なIntelまたはAMD搭載PCはx64です。Arm系プロセッサを搭載したWindows PCではArm64を使用します。
異なるアーキテクチャの更新パッケージはインストールできません。 製品名だけで判断せず、「システムの種類」を確認してください。
手動適用時の注意点
KB5101681の公式情報では、Microsoft Updateカタログから取得するパッケージについて、複数のMSUファイルがある場合は所定の方法でインストールするよう案内されています。複数ファイルが提供された場合は、必要なMSUを同じフォルダーに置き、DISMでフォルダーを指定する方法が安全です。(マイクロソフトサポート)
DISM /Online /Add-Package /PackagePath:C:\Packages
管理者権限のコマンドプロンプトで実行してください。
ファイル名やパッケージ構成はアーキテクチャによって異なるため、Web上の記事から古いファイル名をコピーするのではなく、Microsoft Updateカタログから取得した実ファイルを使用します。
企業PCではすぐにプレビュー更新を配るべきか
KB5101681はプレビュー累積更新プログラムです。業務端末へ適用する場合は、障害の緊急度によって判断を分けるのが現実的です。
| 状況 | 推奨する対応 |
|---|---|
| 新規プロジェクトを作れず、業務が停止している | 検証端末へKB5101681を先行適用する |
| 影響するアプリと端末が限定されている | 対象端末だけに段階配信する |
| 回避策があり、緊急性が低い | 後続のセキュリティ累積更新を待つ |
| 多数の業務アプリを利用している | パイロットグループで互換性を確認してから展開する |
| OSビルドがすでに28000.2608以上 | 更新ではなくアプリ側の調査へ進む |
Microsoftの案内では、このプレビュー更新の変更はWindows Update for Businessへ直接含まれず、次のセキュリティ更新プログラムに反映されるとされています。全社展開を急がない場合は、後続の累積更新に含まれるのを待つ選択もできます。(マイクロソフトサポート)
一方、新規プロジェクトを作成できないことで設計、編集、開発などの業務が止まっている場合は、次のセキュリティ更新を待つより、限定した検証端末へ先行適用する方が合理的です。
展開前に確認するテスト項目
Microsoftは対象アプリ名を公表していないため、更新後は「アプリが起動するか」だけでなく、実際の作業フローを確認します。
- 空の新規プロジェクトを作成できるか
- テンプレートを選んだプロジェクトを作成できるか
- 保存先をローカルフォルダーにした場合に成功するか
- ネットワークドライブや同期フォルダーでも成功するか
- 標準ユーザーと管理者の両方で動作するか
- プラグインや拡張機能を有効にした状態で動作するか
- 作成したプロジェクトを保存、終了、再度開けるか
新規作成画面が開いただけで修正済みと判断せず、プロジェクトの保存と再読み込みまで確認することが重要です。
KB5101681を適用してもクラッシュする場合
OSビルドが28000.2608以上なのに新規プロジェクト作成時のクラッシュが続く場合は、今回のWindows互換性問題とは別の原因を疑います。
アプリと関連コンポーネントを更新する
次の項目を順番に確認します。
- Win32アプリ本体の更新
- アプリのプラグインや拡張機能
- GPUドライバー
- プリンタードライバーや仮想プリンター
- .NET、Visual C++ランタイムなどの依存コンポーネント
- セキュリティソフトやアプリ制御ポリシー
ただし、原因を切り分ける前に複数の更新や設定変更を同時に行うと、何が効いたのか分からなくなります。最初にWindows更新だけを適用し、再現確認してから次の対策へ進みます。
ローカルフォルダーで新規作成を試す
保存先がOneDrive、ネットワーク共有、NAS、DFSドライブなどの場合は、一度ローカルフォルダーで試します。
C:\Temp\TestProject
ローカルでは作成でき、ネットワーク上だけで失敗する場合、Win32互換性以外に、アクセス権、同期処理、ファイルロック、パス長、セキュリティ設定などが関係している可能性があります。
信頼性モニターでクラッシュ情報を確認する
WindowsキーとRキーを押し、次を実行します。
perfmon /rel
信頼性モニターでクラッシュした日時を選択し、次の情報を記録します。
- 障害が発生したアプリケーション名
- アプリケーションのバージョン
- 障害モジュール名
- 例外コード
- WindowsのOSビルド
- クラッシュ直前に行った操作
アプリベンダーやMicrosoftへ問い合わせる場合、「落ちる」という説明だけでなく、新規プロジェクトの種類、保存先、障害モジュール名、例外コードを添えると調査しやすくなります。
対象アプリ名が公開されていない点に注意
KB5101681の公開リリースノートでは、「一部のWin32アプリケーション」とだけ説明されており、具体的な製品名は掲載されていません。また、特定のアプリフレームワーク、プロジェクト形式、例外コード、原因となったWindows更新も明示されていません。(マイクロソフトサポート)
そのため、次のような判断は避けてください。
- Win32アプリならすべて影響すると考える
- 新規ファイル作成の不具合をすべて同じ問題と考える
- Windows 11 24H2や25H2にもKB5101681を適用しようとする
- アプリの起動時クラッシュまで修正対象だと断定する
- 更新後に別の操作で落ちる問題まで解決済みと判断する
今回の修正に該当する可能性が高いのは、Windows 11 26H1で、新規プロジェクト作成を直接のきっかけとして一部のWin32アプリがクラッシュするケースです。
アプリの再インストールよりWindows更新を先に試す
この問題は、アプリ固有の修正ではなくWindows 11 26H1の累積更新プログラムで対処されています。そのため、該当条件を満たしている場合は、アプリのアンインストールや設定初期化を繰り返す前に、OSビルドを確認する方が効率的です。
推奨する切り分け順は次のとおりです。
- Windowsが26H1か確認する
- OSビルドが28000.2608以上か確認する
- 未適用ならKB5101681または後続更新を適用する
- 新規プロジェクト作成を再テストする
- 改善しなければアプリ本体を更新する
- プラグイン、保存先、ユーザープロファイルを切り分ける
- 信頼性モニターやイベントログを取得する
- アプリベンダーまたはMicrosoftへ問い合わせる
アプリの再インストールを先に行うと、ユーザー設定、テンプレート、プラグイン情報が失われることがあります。OS側の修正対象と一致する場合は、Windows更新を優先してください。
まとめ
Windows 11 26H1で一部のWin32アプリが新規プロジェクト作成時にクラッシュする問題は、KB5101681で修正されています。(マイクロソフトサポート)
最初にwinverを実行し、次の条件を確認してください。
- Windows 11 バージョン26H1である
- OSビルドが28000.2608未満である
- 新規プロジェクト作成をきっかけにクラッシュする
条件に該当する場合は、Windows Updateのオプション更新からKB5101681を適用するか、それ以降の累積更新プログラムをインストールします。
すでにOSビルドが28000.2608以上なら、KB5101681を再度探すのではなく、アプリの更新、プラグイン、保存先、障害モジュールなどを調査してください。対象アプリ名が公開されていないため、OSビルドの確認と、実際の新規プロジェクト作成テストをセットで行うことが確実な判断方法です。

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