Copilot Billing Preview app終了後の移行先|使用量・予算・レポートの確認方法

Copilot Billing Preview appが見つからなくなったのは、障害や権限設定の問題ではありません。GitHubは2026年8月4日に同アプリを終了し、GitHub Copilotの支出管理機能を通常のBilling設定へ集約しました。

今後は、使用状況の確認は「AI usage」ページ、支出上限の設定は「Budgets」、部門別管理は「Cost centers」、明細の取得は使用量レポート、定期取得はBilling APIという形で使い分けます。旧アプリの代わりとなる新しいGitHub Appをインストールする必要はありません。(The GitHub Blog)

目次

Copilot Billing Preview appは終了済み

Copilot Billing Preview appは、GitHub Copilotが使用量ベースの請求体系へ移行する際に、請求内容を確認しやすくするため提供されていたプレビューアプリです。

現在は正式に廃止され、利用できません。GitHubは、通常のBilling設定の方が、旧アプリでは確認できなかったユーザー単位の予算、コストセンター、共有されたAI creditsプールの割り当てなどを含め、より包括的に管理できると説明しています。(The GitHub Blog)

旧アプリで行っていた作業は、次の機能へ移行します。

目的今後の確認先主な用途
Copilotの使用量を確認するAI usageAI credits、モデル別・ユーザー別の利用状況を確認
Copilotを含む請求全体を見るMetered usage/UsageCopilotの追加料金やSKU別支出を確認
支出に上限を設けるBudgetsユーザー、組織、コストセンター、Enterprise単位で制御
部門やプロジェクト別に集計するCost centers開発部門、プロジェクト、検証グループごとの費用配賦
CSVなどで明細を取得するUsage reports経理確認、月次保存、ユーザー別分析
データ取得を自動化するBilling APIBI連携、日次監視、社内ダッシュボード作成

重要なのは、旧アプリと同じ画面を探すのではなく、確認・制御・集計・自動化をそれぞれ別のBilling機能へ割り振ることです。

使用量は「AI usage」ページで確認する

Copilot Billing Preview app終了後、日常的な利用状況の確認先となるのが「AI usage」ページです。

組織またはEnterpriseの管理者は、基本的に次の順序で移動します。

  1. 対象のOrganizationまたはEnterpriseを開く
  2. 「Settings」または「Billing & Licensing」を開く
  3. 「Usage」または「Metered usage」を開く
  4. 「AI usage」を選択する

Enterpriseでは、設定画面の「Billing & licensing」から直接「AI usage」へ移動できる場合もあります。画面構成はアカウント種別やGitHubのUI更新によって多少異なります。(GitHub Docs)

AI usageで確認できる内容

AI usageページでは、主に次のような分析ができます。

  • AI creditsの合計消費量
  • モデル別の使用量
  • Organization別の使用量
  • コストセンター別の使用量
  • ユーザー別の使用量
  • 指定期間内の使用傾向
  • 追加支出が発生している箇所
  • 表示中データのエクスポート

既定ではモデル単位でグループ化されるため、特定のモデルによって支出が増えていないかを確認できます。Enterprise ownerとbilling managerはユーザー単位で絞り込めますが、Organization ownerは画面上でユーザー別データを直接確認できない場合があります。その場合は、後述するAI usage reportを取得します。(GitHub Docs)

Copilot全体の支出はMetered usageで確認する

AI creditsの消費状況だけでなく、Copilotに関係する請求全体を見たい場合は「Metered usage」または「Usage」を使用します。

検索欄で次のフィルターを指定すると、Copilot関連の支出へ絞り込めます。

product:copilot

Enterpriseでコストセンターを指定する場合は、次のようなフィルターも利用できます。

product:copilot cost_center:コストセンター名

さらに「Group by: SKU」を選択すると、Copilot BusinessやCopilot Enterpriseなど、SKUごとの支出差を確認しやすくなります。(GitHub Docs)

支出上限は「Budgets」で設定する

使用量を見るだけでは、想定外の請求を防げません。GitHub Copilot Billingでは、予算の種類によって「何を止めるのか」と「いつ有効になるのか」が異なります。

予算の種類制御する対象有効になるタイミング上限到達時
Universal user-level budget全ユーザーの1人あたり消費量共有プール利用中と追加課金時必ず停止
Cost center user-level budgetコストセンター所属者の1人あたり消費量共有プール利用中と追加課金時必ず停止
Individual user-level budget特定ユーザーの消費量共有プール利用中と追加課金時必ず停止
Cost center budget部門単位の追加課金共有プールを使い切った後停止設定が必要
Organization budgetOrganization単位の追加課金共有プールを使い切った後停止設定が必要
Enterprise budgetEnterprise全体の追加課金共有プールを使い切った後停止設定が必要

ユーザー単位の予算は、共有AI creditsプールから消費している段階でも機能します。一方、コストセンター、Organization、Enterpriseの予算は、原則として共有プールを使い切り、追加の従量課金へ移行した後に機能します。(GitHub Docs)

「予算を設定しただけ」では課金が止まらないことがある

最も注意したいのが、「Stop usage when budget limit is reached」の設定です。

コストセンター予算、Organization予算、Enterprise予算では、この項目を有効にしなければ、予算額に到達しても通知されるだけで、利用と課金が継続します。公式ドキュメントでは、この停止設定は既定で無効になっていると案内されています。(GitHub Docs)

予算作成後は、次の2点を必ず確認してください。

  • 予算額が設定されている
  • 「Stop usage when budget limit is reached」が有効になっている

「通知が届く予算」と「実際に利用を止める上限」は同じではありません。

追加課金ポリシーも確認する

追加のAI creditsを有料で使用するには、OrganizationまたはEnterprise側で「AI credit paid usage」に相当するポリシーが有効である必要があります。

このポリシーが無効な場合、共有AI creditsプールを使い切った時点で利用が停止します。予算に残額があっても追加課金へは移行しません。(GitHub Docs)

したがって、運用方針は次のどちらかに決めます。

  • 共有プールを使い切ったら停止する
  • 追加利用を許可し、Budgetsで支出上限を設ける

予算だけを見るのではなく、追加課金ポリシーと組み合わせて確認することが重要です。

部門別・プロジェクト別管理は「Cost centers」を使う

Cost centersは、GitHubの使用量と支出を、部署、プロジェクト、検証チームなどへ割り当てるための機能です。

たとえば、次のような管理に適しています。

  • 開発部と情報システム部の費用を分ける
  • Copilot Enterpriseの試験導入グループだけを集計する
  • 子会社や事業部ごとに予算を分ける
  • プロジェクト単位で社内チャージバックを行う
  • 通常利用者とAIエージェントを多用するチームを分ける

GitHub Copilotの費用は、基本的にコストセンターへ所属するユーザーを基準に割り当てられます。Enterprise teamをコストセンターへ割り当てれば、チームへの参加・離脱に応じてメンバーを追従させる運用も可能です。(GitHub Docs)

共有プールの制御と追加課金の制御は別に設定する

コストセンターには、「Included usage control」と「Cost center budget」という異なる制御があります。

設定制御するもの用途
Included usage control共有AI creditsプールから部門が使用できる量一部門による共有枠の使い過ぎを防ぐ
Cost center budget共有プール消費後に発生する追加課金部門の有料超過額を制限する

Cost center budgetだけを設定しても、共有プール内で特定部門が大量にAI creditsを消費することは防げません。

反対に、Included usage controlだけでは、上限到達後に有料超過を許可した場合の支出上限を管理できません。部門ごとの独立性を高めたい場合は、両方を組み合わせます。(GitHub Docs)

生データは「Usage reports」から取得する

月次報告、経理部門への提出、ユーザー別分析などには、Usage reportsを使用します。

基本的な取得手順は次のとおりです。

  1. 「Metered usage」または「AI usage」を開く
  2. 「Get usage report」を選択する
  3. 対象期間やレポート種別を指定する
  4. レポートを要求する
  5. 登録メールアドレスに届いた案内から取得する

表示中のグラフだけを保存したい場合は、チャートのオプションからデータをエクスポートする方法もあります。メールで届くレポートのダウンロードリンクには有効期限があるため、受信後は早めに保存します。(GitHub Docs)

利用できるレポートの違い

レポート内容指定できる期間
Summarized usage report全有料製品の集計データ最大1年
Detailed usage reportユーザー名などを含む詳細データ最大31日
AI usage reportAI creditsをユーザー・モデル別に分析最大31日

AI usage reportには、日付、モデル、ユーザー名に加え、input、output、cache read、cache writeなどのトークン情報が含まれます。どのモデルや処理がAI creditsを消費しているのかを詳しく調べる場合に適しています。(GitHub Docs)

実際の請求額は「net_amount」で確認する

レポートには、使用量と金額に関する複数の項目が含まれます。

  • gross_amount:割引や含有枠を適用する前の金額
  • discount_amount:プランに含まれる利用枠や割引の金額
  • net_amount:実際に請求対象となる金額

AI creditsの使用量が多くても、その多くがプラン付属の共有枠に収まっていれば、net_amountは小さくなる可能性があります。

そのため、quantitygross_amountだけを見て「追加請求が発生した」と判断してはいけません。請求対象額の確認にはnet_amountを使用します。(GitHub Docs)

また、使用日はUTCで記録されます。日本時間では午前0時から午前8時59分までの利用が、レポート上では前日のUTC日付に含まれる場合があります。日次集計を社内システムと照合する際は、時差を考慮してください。(GitHub Docs)

定期取得やBI連携は「Billing API」へ移行する

毎月手作業でCSVを取得するのではなく、社内ダッシュボード、Excel、Power BI、データベースへ自動連携したい場合はBilling APIを使用します。

取得するアカウントの単位によって、エンドポイントが異なります。

対象AI credits使用量のエンドポイント
個人アカウント/users/{username}/settings/billing/ai_credit/usage
Organization/organizations/{org}/settings/billing/ai_credit/usage
Enterprise/enterprises/{enterprise}/settings/billing/ai_credit/usage

OrganizationやEnterpriseからライセンスを割り当てられているユーザーの使用量は、個人用エンドポイントではなく、そのライセンスを管理しているOrganizationまたはEnterpriseのエンドポイントから取得します。(GitHub Docs)

EnterpriseのAI credits使用量を取得する例

GitHub CLIを使用する場合は、次のように取得できます。

gh api \
  -H "Accept: application/vnd.github+json" \
  -H "X-GitHub-Api-Version: 2026-03-10" \
  "/enterprises/ENTERPRISE/settings/billing/ai_credit/usage?year=2026&month=8"

ENTERPRISEは対象Enterpriseのslugへ置き換えます。APIバージョンは将来変更される可能性があるため、実装時には最新の公式リファレンスを確認してください。(GitHub Docs)

Enterprise向けのAI credits使用量APIでは、期間に加えて、Organization、ユーザー、モデル、製品、コストセンターなどで絞り込めます。

?year=2026&month=8&user=USERNAME
?year=2026&month=8&model=MODEL_NAME
?year=2026&month=8&cost_center_id=COST_CENTER_ID

ユーザー別の異常増加、特定モデルによる支出増、部門別費用の集計などを自動化できます。AI credits使用量APIから参照できる期間は過去24カ月とされているため、それより長く保存したい場合は、月次または日次で社内ストレージへ蓄積しておくと安全です。(GitHub Docs)

APIと画面から取得するレポートは完全に同じではない

一般的なBilling APIの/usageエンドポイントは、主に集計された請求情報を返します。Web画面から取得できるDetailed usage reportと同じ粒度のデータが、そのまま取得できるとは限りません。

Copilotの詳細を取得したい場合は、汎用の/usageだけでなく、/ai_credit/usageを使用します。ユーザー名やトークン内訳を含む詳細なCSVが必要な場合は、AI usageページから取得するレポートも併用します。(GitHub Docs)

旧アプリからの実務的な移行手順

Copilot Billing Preview appを利用していたOrganizationやEnterpriseでは、次の順序で移行すると確認漏れを防げます。

旧アプリへのリンクを廃止する

社内マニュアル、ブラウザーのお気に入り、Wiki、運用手順書に旧アプリへのリンクが残っていないか確認します。

リンク先は、原則として次のいずれかへ変更します。

  • 日常監視用:AI usage
  • 請求全体の確認用:Metered usage
  • 上限管理用:Budgets
  • 部門別管理用:Cost centers

現在の使用量を基準値として保存する

AI usageページで当月の使用量を確認し、画面データまたはUsage reportを保存します。

移行時点の基準値を残しておけば、翌月以降の増減や、予算設定後の効果を比較できます。

既存の予算設定を点検する

次の項目を確認します。

  • ユーザー単位の上限が必要か
  • 部門単位の上限が必要か
  • Enterprise全体の上限が必要か
  • 上限到達時に通知だけでよいか
  • 上限到達時に利用を停止するか
  • AI credit paid usageを許可するか

特に「Stop usage when budget limit is reached」の有効化を忘れないようにします。

コストセンターを実際の管理単位へ合わせる

Organizationの構成をそのままコストセンターにする必要はありません。

会計上の費用配賦や責任範囲に合わせて、開発部、プロジェクト、子会社、Copilot検証チームなど、支出を管理したい単位で設計します。

レポートの定期保存を始める

AI usage reportは取得期間が最大31日です。月次締めのタイミングで、前月分を保存する運用にすると扱いやすくなります。

長期的な傾向分析が必要な場合は、Billing APIから取得したデータをデータベースやBIツールへ蓄積します。

社内手順書と監視処理を更新する

旧アプリの画面を前提とした次の内容を見直します。

  • 月次請求確認手順
  • 異常利用の調査手順
  • 予算超過時の対応
  • 経理部門へ渡すデータ
  • APIやスクリプトの取得先
  • 管理者とOrganization ownerの役割分担

旧アプリの単純な代替画面を決めるのではなく、「閲覧」「制御」「配賦」「出力」「自動化」の担当機能を明記すると、運用が分かりやすくなります。

AI usageが表示されない場合の確認ポイント

AI usageが見つからない場合は、旧アプリの終了とは別に、次の項目を確認します。

  • 個人、Organization、Enterpriseのどの請求情報を見ようとしているか
  • Organization owner、Enterprise owner、billing managerなどの権限があるか
  • GitHub Enterprise Cloudの対象アカウントを開いているか
  • Copilotのライセンスが個人契約か、OrganizationまたはEnterprise管理か
  • 「Usage」ではなく「Billing & Licensing」内を確認しているか

個人契約のCopilot利用状況は個人のBilling設定から確認します。会社から割り当てられたCopilotライセンスの使用量は、会社側のOrganizationまたはEnterpriseのBilling設定で管理されます。(GitHub Docs)

まとめ:目的ごとに移行先を分ける

Copilot Billing Preview appは終了しており、復旧や再インストールはできません。今後は、GitHubのBilling設定にある複数の機能を目的別に使用します。

  • 使用状況を見る:AI usage
  • Copilot全体の支出を見る:Metered usage
  • 支出を制限する:Budgets
  • 部門別に管理する:Cost centers
  • 明細を保存する:Usage reports
  • 定期取得を自動化する:Billing API

まずAI usageで現在の消費量を確認し、その後、Budgetsの停止設定と追加課金ポリシーを点検してください。OrganizationやEnterpriseで運用している場合は、コストセンターと月次レポートまで整備することで、旧アプリよりも細かな支出管理が可能になります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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