Copilot Chatが画像付き資料を使って回答する更新とは?対象者・使えない時の確認ポイント

Microsoft 365 Copilot Chatで「画像入りのWord、PowerPoint、PDFを読ませたとき、図やスクリーンショットも回答に使ってくれるのか」と気になっている人向けの更新です。結論から言うと、2026年6月23日時点のMicrosoft 365 Roadmapでは、Copilot Chatがファイル内に埋め込まれた画像を解釈し、テキストだけでなく図表・チャート・スクリーンショットなどの視覚情報も踏まえて回答できるようになる更新として案内されています。対象はMicrosoft 365 Copilot Chatですが、ロードマップ上は段階的な展開中のため、ライセンス、利用画面、管理者設定、ファイル形式によって「まだ見えない」「期待どおり答えない」ことがあります。(Microsoft)

目次

Copilot Chatが画像付き資料を使って回答する更新のよくある疑問を整理

今回の更新は、「Copilot Chatに画像ファイルを作らせる機能」ではありません。Word文書、PowerPoint資料、PDFなどに埋め込まれた画像をCopilot Chatが読み取り、回答の根拠に使いやすくする機能です。

たとえば、次のような資料で効果を発揮しやすくなります。

資料の例これまで困りやすかったこと更新後に期待できること
グラフ入りの営業報告書本文の説明だけを拾い、グラフの傾向を見落とすグラフの増減傾向も踏まえて要約しやすくなる
画面キャプチャ入りの手順書スクリーンショット内のUIを説明しにくい画面の文脈を踏まえて手順を整理しやすくなる
図解入りの企画書図の関係性を人が補足する必要がある図と本文を組み合わせて要点を説明しやすくなる
PDF化された提案資料テキスト抽出だけでは意図が伝わりにくい図表やレイアウト上の情報もヒントにできる

Microsoft 365 Roadmapの項目560540では、対象ファイルの例としてWord文書(.docx)、PowerPointプレゼンテーション(.pptx)、PDFが挙げられています。また、チャート、図、スクリーンショットなどの視覚要素からインサイトを抽出し、テキストと視覚情報を組み合わせて回答する趣旨が説明されています。(Microsoft)

この更新で何が便利になるのか

一番のメリットは、資料の中にある「文字以外の情報」を質問に使いやすくなることです。

従来のAI活用では、資料の本文だけを要約する使い方が中心になりがちでした。しかし実務資料では、重要な結論がグラフ、フローチャート、画面キャプチャ、比較表の画像として置かれていることがあります。本文には「下図のとおり」としか書かれておらず、図を読まなければ意味が分からない資料も珍しくありません。

この更新により、次のような質問がしやすくなります。

  • 「このPDFの図表を含めて、上司向けに3点で要約して」
  • 「PowerPoint内のスクリーンショットを見て、操作手順を初心者向けに書き直して」
  • 「Word文書の本文とグラフを踏まえて、リスクが高い箇所を教えて」
  • 「提案資料の図解をもとに、顧客に説明する話し方を作って」
  • 「資料内のチャートから読み取れる変化を、本文の主張と照合して」

特に、営業、企画、サポート、社内IT、教育、研修、マニュアル作成のように、スクリーンショットや図解を多く使う業務では実用性が高い更新です。

対象になる人は誰か

今回のロードマップ項目は、製品としてはMicrosoft 365およびMicrosoft Copilot(Microsoft 365)、対象クラウドはWorldwide(Standard Multi-Tenant)、プラットフォームはDesktop、リリースリングはGeneral Availability、状態はRolling out、一般提供時期は2026年6月として掲載されています。(Microsoft)

ただし、Copilot Chatには利用形態の違いがあります。Microsoftのライセンス説明では、Copilot ChatにはWebベースのチャットとWorkベースのチャットがあり、Webベースのチャットは対象のMicrosoft 365サブスクリプションに含まれ、WorkベースのチャットはMicrosoft 365 Copilotライセンスで利用できると説明されています。(Microsoft Learn)

確認項目見るべきポイント
アカウント個人用Microsoftアカウントではなく、職場または学校のMicrosoft Entraアカウントでサインインしているか
ライセンスCopilot Chat対象のMicrosoft 365ライセンスか、Microsoft 365 Copilotライセンスが必要な使い方か
利用場所Microsoft 365 Copilotアプリ、Teams、Outlook、Edgeなど、組織で許可された入口から使っているか
展開状況Roadmap上はRolling outのため、同じ組織内でも見える時期がずれる可能性があるか
管理者設定Copilotアプリ、Teamsアプリ、Web検索、接続エクスペリエンスなどがブロックされていないか

つまり、「Copilot Chatを使える人なら全員が同じタイミングで同じ挙動になる」とは考えないほうが安全です。まずは自分のアカウント、画面、ファイルの渡し方、管理者設定を確認するのが近道です。

使い方の基本:画像付き資料をCopilot Chatに渡す方法

Copilot Chatで資料を使う場合は、プロンプトにファイルや画像を追加して質問します。Microsoftのサポート情報では、Copilot Chatの入力欄から「Add content」を選び、作業コンテンツの追加、ローカルの画像・ファイルのアップロード、OneDrive上のクラウドファイル添付を行えると説明されています。OneDriveのファイル、自分に共有されたファイル、Teams会議で共有されたファイルを選択できる場合もあります。(Microsoft サポート)

実務では、次の流れで試すと失敗を減らせます。

手順やることコツ
1Copilot Chatに職場または学校アカウントでサインインする個人用Copilotと混同しない
2「Add content」から対象ファイルを追加するまずは1ファイルだけで試す
3画像部分を含めてほしいことを明示する「図表、スクリーンショット、本文を合わせて」と書く
4回答に根拠を求める「どの図から判断したかも説明して」と依頼する
5重要な判断は原資料で確認するAIの読み取りミスや省略を前提に検証する

プロンプト例は、次のように具体的に書くと回答の質が安定します。

添付したPowerPoint資料を確認してください。本文だけでなく、スライド内のグラフ、図解、スクリーンショットも踏まえて、経営層向けに重要ポイントを5つに整理してください。判断に使った図表が分かるように説明してください。

添付PDFの手順を、初心者向けマニュアルに書き直してください。画面キャプチャに写っているボタン名や操作順も参考にし、手順に抜けがありそうな箇所は「確認が必要」と明記してください。

使えない時・見えない時に確認するポイント

Copilot Chatで画像付き資料を使おうとしても、機能が見えない、ファイルを追加できない、画像部分を読んでくれない、ということがあります。その場合は、機能不具合と決めつける前に次の順で確認してください。

まずロードマップの状態を確認する

Microsoft 365 Roadmapは、商用機能の予定日や説明を示すものですが、掲載情報は変更される可能性があります。Microsoft自身も、ロードマップ上の情報は変更される可能性があり、一般提供、キャンセル、延期などにより情報がWebサイトから削除される場合があると説明しています。(Microsoft)

そのため、Roadmap ID 560540が「Rolling out」と表示されている段階では、全ユーザーに一斉反映済みとは限りません。管理者やサポート担当者は、「利用者の操作ミス」だけでなく「まだ展開対象になっていない」可能性も考えるべきです。

職場または学校アカウントで入っているか確認する

Microsoft 365 Copilot Chatは、仕事・教育向けのCopilot体験です。Microsoftの管理者向け情報では、Microsoft 365 Copilotアプリ、copilot.cloud.microsoft、Edge、Outlook、Teamsなどが職場または学校アカウントでの入口として案内されています。(Microsoft Learn)

ブラウザーに個人用Microsoftアカウントでサインインしていると、見た目が似ていても期待するCopilot Chatではない場合があります。まず右上のアカウント表示を見て、会社または学校のアカウントになっているか確認してください。

Copilot Chatの対象ライセンスか確認する

Microsoftの最小要件では、Copilot Chatの利用には対象となるMicrosoft 365ライセンスとMicrosoft Entra IDアカウントが必要とされています。対象例としてMicrosoft 365 Business Basic、Business Standard、Business Premium、Microsoft 365 E3/E5/E7、Office 365 E1/E3/E5などが挙げられています。(Microsoft Learn)

さらに、Workベースのチャットや高度な作業データ連携はMicrosoft 365 Copilotライセンスが関係します。単に「Microsoft 365を契約している」だけでは、すべてのCopilot機能が使えるとは限りません。

管理者がCopilotアプリをブロックしていないか確認する

組織では、Microsoft 365管理センターやTeams管理センターでCopilotアプリの利用可否を制御できます。Microsoftの管理者向け情報では、Integrated AppsでCopilotアプリの可用性を管理でき、ブロックするとMicrosoft 365 Copilotアプリ、Teams、Outlook、Web上のCopilot Chatへのアクセスに影響することが説明されています。(Microsoft Learn)

利用者側でできる確認は限られるため、次のように管理者へ伝えると調査が早くなります。

伝える内容
使っているURLまたはアプリMicrosoft 365 Copilotアプリ、Teams、Outlook、Edgeなど
サインイン中のアカウント種別職場アカウントか、個人アカウントか
試したファイル形式.docx、.pptx、PDFなど
できない操作Add contentがない、ファイルを添付できない、画像を読まない
表示されたメッセージブロック、権限不足、管理者により無効化など

ファイル形式と中身を確認する

Microsoft 365 Copilotのサポート情報では、Copilot Chat、Pages、Notebooks、Createに適用される対応ファイル形式として、文書系の.docx、.doc、.pdf、.txt、.rtf、.md、プレゼンテーション系の.pptx、表計算系の.xlsx、画像系の.png、.jpg、.jpeg、.gif、.bmp、.tiffなどが示されています。(Microsoft サポート)

今回のRoadmap項目で明示されているのは、特にWord文書、PowerPoint、PDF内に埋め込まれた画像です。Excel内の画像、古い形式のファイル、スキャン品質が低いPDF、極端に小さい文字のスクリーンショットなどは、期待どおりに読み取れない可能性があります。

回答精度を上げる資料作りのコツ

この更新を活かすには、Copilot Chatに渡す資料側も整えておく必要があります。画像を読めるようになっても、ぼやけたスクリーンショットや説明不足の図は誤解の原因になります。

資料作成のポイント理由
画像の前後に短い説明文を入れるCopilotが画像の目的を判断しやすくなる
グラフには軸名、単位、期間を入れる数値の意味を取り違えにくくなる
スクリーンショットは重要部分を大きく表示する小さすぎる文字やボタンは読み取りにくい
図表番号や見出しを付ける「図1を基に説明して」のように指示しやすい
古い資料はPDF化前の元ファイルも残す画像化された文字だけに頼らず確認できる
機密情報は共有前に確認するCopilotに渡す前に権限・ラベル・社内ルールを確認できる

特に社内マニュアルや提案書では、「画像だけで分かるはず」と考えず、本文にも最低限の説明を残すことが重要です。Copilotのためだけでなく、人間が読む場合にも資料品質が上がります。

セキュリティと権限で注意すべきこと

Copilot Chatは、通常のチャット体験ではWebデータを基に回答します。ただし、ユーザーがファイルをアップロードしたり、ContextIQでファイルを指定したり、開いているコンテンツを使ったりすることで、組織コンテンツをプロンプトに含められます。Microsoftは、アップロードされたファイルはユーザーのOneDrive for Businessに保存されると説明しています。(Microsoft Learn)

また、Copilot Chatではプロンプトと回答にEnterprise Data Protectionが適用され、基盤モデルの学習にはデータを使わないと説明されています。(Microsoft Learn)

ただし、これは「どんな資料でも自由に入れてよい」という意味ではありません。人事情報、顧客情報、未公開の財務情報、契約書、セキュリティ設定資料などを扱う場合は、組織の情報分類、秘密度ラベル、DLP、共有権限、社内AI利用ルールを確認してください。

よくある質問

Copilot Chatは画像だけを見て回答できるようになりますか?

今回のRoadmap項目は、ファイル内に埋め込まれた画像をテキスト情報と組み合わせて回答に活用する更新です。単に「画像だけを万能に解析する」機能として捉えるより、Word、PowerPoint、PDFの文脈の中にある図表やスクリーンショットを理解しやすくする更新と考えるほうが実務に合っています。(Microsoft)

どのファイルで使えますか?

Roadmapでは、Word文書(.docx)、PowerPointプレゼンテーション(.pptx)、PDFが例示されています。Microsoft 365 Copilot全体の対応形式としては、文書、プレゼンテーション、表計算、画像など幅広い形式が案内されていますが、今回の更新で期待するなら、まずは.docx、.pptx、PDFで試すのが安全です。(Microsoft)

Web版でも使えますか?

Roadmap項目560540のプラットフォームはDesktopと記載されています。Copilot Chat自体はWeb、Microsoft 365 Copilotアプリ、Teams、Outlook、Edgeなど複数の入口がありますが、この更新がどの画面で見えるかは展開状況や組織設定によって変わる可能性があります。見えない場合は、デスクトップ版のMicrosoft 365 Copilotアプリや組織で推奨されている入口でも確認してください。(Microsoft)

Copilot Chatが画像を無視しているように見える時はどうすればよいですか?

プロンプトで「本文だけでなく、図表・スクリーンショットも確認して」と明示してください。それでも不十分な場合は、画像の解像度、文字の大きさ、図表の説明文、ファイル形式、添付方法を見直します。特に、画像内の文字が小さい、グラフの軸名がない、スクリーンショットが圧縮されている資料は誤読されやすくなります。

管理者は何を確認すべきですか?

管理者は、対象ユーザーのライセンス、Microsoft Entraアカウント、Copilotアプリの展開、TeamsやOutlookでのアプリ許可、Web検索ポリシー、接続エクスペリエンス、ネットワーク要件を確認してください。Microsoftは、Copilot ChatをネットワークレベルのURLやIPブロックで制御しようとすると予測できない結果やアプリの失敗につながる可能性があるため、Microsoft 365管理センターなどのサービス内コントロールで管理することを推奨しています。(Microsoft Learn)

無料の個人向けCopilotと同じですか?

同じではありません。この記事で扱っているのは、仕事や教育向けのMicrosoft 365 Copilot Chatです。個人用Microsoftアカウントで使うCopilotとは入口や保護、管理方法が異なります。Microsoftの説明では、仕事・教育向けはMicrosoft 365 Copilot ChatまたはMicrosoft 365 Copilot、個人向けはMicrosoft Copilotとして整理されています。(Microsoft Learn)

まず試すならこの3つを確認する

Copilot Chatで画像付き資料を活用したい場合は、最初に次の3点を確認してください。

優先度確認すること判断基準
対象ファイルを正しく追加できるかAdd content、アップロード、OneDrive添付が使える
画像を読むように明示したプロンプトを使っているか「図表・スクリーンショットも踏まえて」と書いている
ライセンス・管理設定・展開状況に問題がないかCopilot Chatが許可され、Roadmap上の展開対象になっている

この更新は、画像付き資料を多く扱う現場にとって、Copilot Chatの使い道を広げる重要な改善です。ただし、ロードマップ上の更新は段階的に反映されるため、見えない場合は「まだ展開前」「対象画面が違う」「管理者設定で制限されている」「ファイルの状態が読み取りにくい」の順に切り分けると、原因を特定しやすくなります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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