JetBrains IDEでGitHub Copilotを使っている場合、今回の更新で最優先に確認したいのは、Claudeをエージェントとして利用できるようになったこと、組織・エンタープライズ共通のカスタムエージェントがIDEに配信されること、AIクレジットの消費量がターン単位で見えるようになったことです。
特にClaudeエージェントは、現時点ではファイル編集やツール呼び出しが自動承認されるため、通常のチャットモデル切り替えと同じ感覚で本番リポジトリに導入するのは避けるべきです。まずGitHub Copilotプラグインを更新し、検証用ブランチやテスト用リポジトリで動作を確認してください。(The GitHub Blog)
なお、GitHub Changelog上の公式表記は2026年6月22日付、分類は「Improvement」です。日本時間で6月23日に確認した情報として扱う場合でも、記事や社内資料に記載する公開日と分類は公式ページの表記を優先するのが安全です。(The GitHub Blog)
New features and Claude as agent provider preview in JetBrains IDEsは何が変わった?
今回のGitHub Copilot for JetBrains IDEs更新では、エージェントの選択肢、操作性、管理機能、利用量の可視化がまとめて強化されました。主な変更点を実務への影響で整理すると、次のとおりです。(The GitHub Blog)
| 変更点 | 利用者への影響 | すぐ確認したいこと |
|---|---|---|
| 組織・エンタープライズエージェントへの対応 | 管理者が公開した共通エージェントをJetBrains IDEから選択可能 | エージェントピッカーに社内エージェントが表示されるか |
| Claudeをエージェントプロバイダーとして追加 | Claude Code CLIをCopilot Chatから利用可能 | CLIのインストール、実行パス、管理ポリシー |
| 実行中メッセージのキュー・方向修正 | 長時間処理を待たず、次の指示を予約または割り込み可能 | Queue、Steer、Stopの使い分け |
| Agent Debugのサマリービュー | セッション全体の動作や統計を確認しやすくなった | 問題発生時にセッション単位でログを確認 |
| モデルピッカーの改善 | /models、大きなコンテキスト、最近使ったモデルに対応 | 高コストモデルや大容量コンテキストの選択状況 |
| ターン単位のAIクレジット表示 | どの指示が多くのクレジットを消費したか把握可能 | 長いエージェント処理の消費量 |
| UIと安定性の改善 | チャット入力、コード表示、次の編集候補などが改善 | フリーズやモデル一覧の不具合が解消されるか |
| Cloud agentの一般提供 | Editor Previewフラグなしで利用可能 | Claudeエージェントのプレビュー提供と混同しないこと |
直接影響を受けるのは、JetBrains IDEでGitHub Copilot Chatやエージェント機能を利用している開発者です。GitHub.comだけを利用している人や、VS Codeだけを使っている人には、このJetBrains向け更新による直接的な設定変更はありません。
一方、Copilot BusinessまたはCopilot Enterpriseを運用している組織では、プレビューポリシー、カスタムエージェントの配布、AIクレジットの予算管理まで含めた確認が必要です。
Claudeのエージェント対応は単なるモデル追加ではない
今回追加された「Claude as agent provider」は、Copilot ChatでClaude系モデルを選ぶ機能とは扱いが異なります。
| 項目 | Claudeモデルの選択 | Claudeエージェントプロバイダー |
|---|---|---|
| 主な目的 | Copilot Chatの応答に使うモデルを選ぶ | Claude Code CLIをエージェントとして動かす |
| 選択場所 | モデルピッカー | エージェントピッカー |
| 追加設定 | 利用可能なモデルから選択 | Claude Code CLIの導入と実行パス設定 |
| ファイル・ツール操作 | Copilot側のチャットやエージェント機能に依存 | Claudeエージェントがファイル編集やツールを実行 |
| 提供状態 | モデルごとに異なる | パブリックプレビュー |
Claudeエージェントを利用するには、ローカル環境へClaude Code CLIをインストールし、JetBrains IDEの設定で実行パスを登録します。その後、Copilot ChatのエージェントピッカーからClaudeを選択してセッションを開始します。(The GitHub Blog)
Claudeエージェントを有効にする手順
- JetBrains IDEのGitHub Copilotプラグインを最新の安定版へ更新します。
- 利用するPCへClaude Code CLIをインストールし、正常に起動できることを確認します。
- JetBrains IDEで「Settings」を開きます。
- 「Tools」→「GitHub Copilot」→「Chat」を開きます。
- Claude Code CLIの実行パスを設定します。
- Copilot Chatを開き、エージェントピッカーから「Claude」を選択します。
- Copilot BusinessまたはCopilot Enterpriseの場合は、管理者に「Editor preview features」が許可されているか確認します。(The GitHub Blog)
Claude Code CLIの実行パスを登録するだけでなく、CLI単体で認証や起動が完了することも確認してください。パスが正しくても、CLI側の初期設定が終わっていなければセッションを開始できない可能性があります。
Claudeエージェントで最も注意すべき自動承認
今回のプレビューでは、Claudeエージェントが権限確認を省略するモードで動作し、ファイル編集とツール呼び出しが自動的に承認されます。個別に許可する権限設定は、今後のリリースで追加される予定です。(The GitHub Blog)
そのため、初回検証では次の運用が必要です。
| 検証前の確認 | 推奨する対応 |
|---|---|
| 未コミットの変更がある | 先にコミットまたは退避する |
| 直接本番ブランチを開いている | 検証用ブランチを作成する |
| 本番用の認証情報が環境変数にある | 検証環境から外す |
| デプロイや削除を行うツールが利用可能 | 対象環境への権限を制限する |
| 生成結果を未確認で反映する運用 | git diff、テスト、レビューを必須にする |
Claudeエージェントが想定外の方向へ進んだ場合、チャットで修正指示を追加するだけでは、実行中のツール処理が終わるまで止まらないことがあります。ファイル削除や外部サービスへの操作など、続行させたくない処理では、方向修正ではなく停止操作を選ぶことが重要です。
組織・エンタープライズのカスタムエージェントをJetBrains IDEで利用可能
管理者がGitHub上で定義して公開した組織・エンタープライズレベルのカスタムエージェントが、JetBrains IDEのエージェントピッカーへ自動的に表示されるようになりました。
これにより、開発者が毎回長いプロンプトを入力しなくても、次のような社内標準をエージェントとして共有できます。
- 社内コーディング規約に沿った実装
- テストコードの生成方針
- セキュリティレビューの確認項目
- プルリクエスト作成前のチェック
- 特定フレームワーク向けの移行手順
- レガシーコードの分析ルール
組織レベルのカスタムエージェントは、組織の.githubまたは.github-privateリポジトリ内にある/agentsディレクトリで管理します。公開されたエージェントは、対象リポジトリへの直接アクセス権がない組織メンバーにも利用可能です。また、カスタムエージェント自体はパブリックプレビューであり、エンタープライズ側のルールセットによって作成や利用が制限される場合があります。(GitHub Docs)
エージェント設定はソースコードと同じように管理する
共通エージェントは多数の開発者へ影響するため、単なるプロンプトファイルとして扱うべきではありません。次の管理ルールを決めておくと安全です。
- 変更はプルリクエスト経由にする
- 承認担当者をCODEOWNERSなどで固定する
- エージェントごとに管理責任者を決める
- 利用可能なツールやMCPサーバーを明示する
- 本番展開前に限定メンバーでテストする
- 問題発生時に戻せるバージョンを残す
- エージェントの用途と禁止事項を利用者へ公開する
特に.github-private内のエージェントは、利用者が設定ファイルを直接確認できない状態でも配布できます。管理者は「何を自動実行するエージェントなのか」を別途文書化し、利用者が挙動を判断できる状態にしておく必要があります。
Copilot CLIセッションを止めずに追加指示できる
長時間実行中のCopilot CLIセッションに対して、処理完了を待たずにメッセージを送信できるようになりました。
実行中は送信ボタンがメニューになり、次の3種類から選択できます。(The GitHub Blog)
| 操作 | 動作 | 適した場面 |
|---|---|---|
| Add to Queue | 現在の応答終了後に新しい指示を処理 | 作業完了後にテストや説明も依頼したい |
| Steer with Message | 実行中のツール処理が終わった段階で現在の処理を譲り、新しい指示を処理 | 対象ファイルや実装方針を途中で修正したい |
| Stop and Send | 現在のターンを停止し、新しい指示をすぐ送信 | 誤った変更や不要な処理を止めたい |
注意したいのは、Steer with Messageは即時停止ではない点です。実行中のツール呼び出しが完了してから新しい指示へ移るため、危険な操作を止める用途には向きません。
たとえば、リファクタリングの対象ディレクトリを間違えた程度ならSteerで修正できます。一方、誤った環境へのデプロイや大量ファイルの削除が始まった場合は、Stopを選択する判断が必要です。
Agent Debugと不具合修正でトラブルを調査しやすくなった
Agent Debugパネルには、セッション全体の動きをまとめて確認できるログサマリービューが追加されました。セッション一覧からセッション名を選ぶと、集約された統計情報を確認できます。(The GitHub Blog)
今回の更新では、次の不具合や安定性も改善されています。
- エージェントが編集するたびにdiff画面が開く問題
- 設定画面に補完モデルが表示されない問題
- 複数のUIフリーズ問題
- チャット入力欄の信頼性
- コードブロック表示の性能
- インラインチャットを途中で閉じた際の状態リセット
- 次の編集候補に利用するコード診断情報
モデル一覧が空になる、エージェント操作中にIDEが固まる、diffが何度も開くといった問題がある場合は、設定変更を繰り返す前にGitHub Copilotプラグインを更新してください。
モデルピッカーとAIクレジット表示の影響
モデルピッカーでは、/modelsコマンドから直接モデル一覧を開けるようになりました。Copilot CLIとClaudeエージェントの両方に対応し、大きなコンテキストウィンドウの選択や、最近利用したモデルの表示も追加されています。(The GitHub Blog)
また、ローカルエージェント、Copilot CLI、Claudeエージェントの各セッションでは、ターンごとのAIクレジット消費量が表示されます。
AIクレジットの消費量は、利用したモデルと処理したトークン数によって変わります。長い会話、大量のファイル、大きなコンテキスト、複数回のモデル呼び出しを伴うエージェント処理は、簡単なチャットより消費量が増えやすくなります。(GitHub Docs)
大きなコンテキストウィンドウは、大規模なコードベースの分析には有効です。ただし、常に最大サイズを選ぶのではなく、通常の質問では標準サイズ、複数ファイルを横断する調査だけ大きなサイズにするなど、用途で切り替えるのが現実的です。
組織・エンタープライズでは、AIクレジットの共有枠や追加利用の予算設定によって、上限到達後に利用が継続するか停止するかが変わります。ターン単位の表示だけで安心せず、管理者側の予算と追加利用ポリシーも確認してください。(GitHub Docs)
なお、利用量や料金情報を正しく表示するためのJetBrains用プラグイン最低バージョンとして、GitHub Docsでは1.9.1が案内されています。ただし、今回の新機能すべての必須バージョンを1.9.1と断定するものではありません。新機能を試す場合は、最新版の安定版へ更新するのが確実です。(GitHub Docs)
Cloud agentの一般提供とClaudeプレビューを混同しない
今回の更新では、Cloud agentが一般提供となり、「Editor Preview」機能フラグの対象から外れました。一方、Claudeエージェントプロバイダーは引き続きパブリックプレビューです。(The GitHub Blog)
| 機能 | 提供状態 | Editor preview features |
|---|---|---|
| Cloud agent | 一般提供 | 今回の更新で不要 |
| Claudeエージェントプロバイダー | パブリックプレビュー | Business・Enterpriseでは有効化が必要 |
| 組織レベルのカスタムエージェント | パブリックプレビュー | エンタープライズの制限を受ける場合がある |
「Cloud agentが一般提供になったため、Claudeも承認なしで全社利用できる」と判断しないよう注意してください。機能ごとに提供状態と管理ポリシーが異なります。
Claudeや共通エージェントが表示されない場合の確認項目
| 症状 | 確認する項目 |
|---|---|
| Claudeがエージェントピッカーにない | Copilotプラグインの更新、Claude Code CLIの実行パス、CLIの起動確認 |
| Business・EnterpriseでClaudeを選べない | 管理者がEditor preview featuresを有効にしているか |
| 組織エージェントが表示されない | 管理者が公開済みか、/agentsの配置が正しいか |
| 組織エージェントを作成できない | エンタープライズのルールセットで制限されていないか |
| 補完モデルが一覧にない | プラグインを最新版へ更新し、IDEを再起動 |
| AIクレジット表示が不自然 | JetBrains用Copilotプラグインが1.9.1以上か |
| エージェントが誤った処理を続けている | SteerではなくStop and Sendを検討 |
| 変更内容を追えない | Agent Debugのセッションサマリーとgit diffを確認 |
GitHub利用者が今すぐ行うべき確認
JetBrains IDEの利用者は、最初にGitHub Copilotプラグインを最新版の安定版へ更新してください。そのうえで、Claudeエージェントを試す場合は、クリーンな作業ツリーと検証用ブランチを用意し、自動承認されるファイル編集やツール実行を監視します。
組織管理者は、Editor preview featuresを許可するか判断し、共通エージェントの変更承認ルール、利用可能なツール、AIクレジットの予算を確認する必要があります。
今回の更新は、JetBrains IDE上のGitHub Copilotを単なるコード補完から、複数のエージェントを選んで作業させる環境へ近づけるものです。一方で、Claudeエージェントと組織カスタムエージェントはプレビュー段階です。まず限定されたリポジトリと利用者で検証し、差分レビュー、テスト、利用量の確認を運用に組み込んでから対象を広げるのが安全です。

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