Microsoft LearnのExport Copilot metrics変更点|対象者・設定・注意点

2026年6月17日に更新されたMicrosoft Learnでは、Microsoft Copilot Dashboardから、過去6か月分のCopilot利用指標をユーザー単位・週次でエクスポートする方法が整理されました。

今回の重要点は、エクスポート対象として確認できる指標が増え、各指標の定義がViva Insightsの指標ガイドに集約されたことです。管理者に必須の移行作業は案内されていませんが、既存のPower BIやPower Queryで列を固定している場合は、追加指標による影響を確認する必要があります。

また、この機能は対象テナントで既定で有効になります。利用を制限したい組織は、Microsoft 365管理センターのViva Feature Access Managementを確認してください。機能は引き続きパブリックプレビューです。(Microsoft Learn)

目次

2026年6月17日版「Export Copilot metrics」の変更点

Microsoft Learnにはページ単位の詳細な変更履歴が掲載されていません。ただし、2026年6月17日更新の英語版と、2026年6月5日更新の日本語版を比較すると、英語版では指標一覧が拡張されています。

あわせて、以前はページ内に掲載されていた指標の定義が省略され、現在の英語版では「Viva Insights metrics guide」を参照する構成に変更されています。日本語版への反映には時間差があるため、運用開始時は英語版も確認した方が安全です。(Microsoft Learn)

主に追加を確認できる指標は、次のとおりです。

分類追加を確認できる主な指標分かること
利用チャネルMicrosoft 365 Copilotアプリ、Edge、OneNoteで実行されたCopilotアクションCopilotがどのアプリや入口から利用されているか
Excelデータのクリーンアップ、チャットヘルパー、例による数式作成会話だけでなく、データ整形や数式作成に活用されているか
PowerPoint提案、翻訳、書き換え資料の新規作成以外に、編集や改善で利用されているか
Word文書のコーチング文章を直接書き換えず、構成や明確さの改善支援に使われているか
Outlook選択範囲の書き換え、返信候補メール作成のどの段階でCopilotが使われているか

たとえば、Excelの「データのクリーンアップ」は、データクレンジング画面でCopilotの提案を適用した回数です。「例による数式作成」は、完成例や変換内容を示して数式を生成した回数を表します。

Wordのコーチングは、文章を直接書き換える機能ではなく、トーン、明確さ、構成、専門性などを改善するための助言を受けた回数です。従来よりも、単純な利用回数ではなく「どの業務で、どのようにCopilotが使われたか」を細かく分析しやすくなっています。(Microsoft Learn)

Export Copilot metricsで取得できるデータ

この機能はMicrosoft Learn上でデータを出力するものではありません。実際の操作は、Viva Insights Webアプリ内にあるMicrosoft Copilot Dashboardで行います。

エクスポート内容は次のとおりです。(Microsoft Learn)

項目内容
対象期間過去6か月
集計単位ユーザー単位・週次
ユーザー識別子個人識別子を削除し、匿名化されたIDに置換
主なデータMicrosoft 365 Copilotの操作数、利用日数、アプリ別利用状況
Copilot ChatCopilotライセンスを持たないユーザーの利用指標も収録
定着度7日・28日単位の再利用状況や、直近28日間の利用週数
組織属性Organization、FunctionType
更新頻度週次
カスタマイズ対象期間や指標を指定したエクスポートは不可

FunctionTypeは、管理者がアップロードした組織データファイルから取得されます。該当項目が組織データに含まれていない場合、エクスポートファイルでは空欄になります。

ダッシュボードと数値が一致しないことがある

エクスポートには、日曜日から土曜日までの完了した週だけが含まれます。一方、Copilot Dashboardには進行中の週が含まれる場合があります。

そのため、同じ日に確認しても、ダッシュボードの合計とエクスポート結果が一致しないことがあります。比較するときは、対象期間をそろえてください。(Microsoft Learn)

影響を受けるユーザーと管理者

データをエクスポートできるのは、Copilot Dashboardへのグローバルアクセスを持つユーザーです。ダッシュボードを閲覧できても、チーム単位の権限しか持たないユーザーはエクスポートできません。(Microsoft Learn)

対象者影響と必要な対応
Microsoft 365グローバル管理者VFAMで機能の有効・無効と対象グループを確認する
Entra IDから自動判定された上級リーダー既定でエクスポートを利用できる可能性がある
管理者からグローバルアクセスを付与されたユーザーCopilot Dashboardから直接エクスポートできる
Viva Insightsアナリストグローバルアクセスがあれば利用できる
グローバルアクセスを持つユーザーの代理人管理者が無効化していなければアクセスを継承する
チームレベルのビューを持つマネージャーエクスポート機能は利用できない
一般ユーザー操作変更は不要。ただし利用状況が匿名化IDで集計対象になる場合がある

特に注意したいのは代理アクセスです。上級リーダーがアクセス権を委任している場合、代理人もエクスポート機能を利用できる可能性があります。管理者は、役職者本人だけでなく、委任先も含めて権限を確認してください。

設定・更新・移行・料金・期限の確認ポイント

確認項目公式情報の内容管理者が行うこと
ライセンスCopilotライセンスが50以上、またはViva Insightsライセンスが50以上割り当てられたテナントが対象Microsoft 365管理センターで割り当て数を確認
初期設定対象テナントと対象ユーザーでは既定で有効不要なユーザーに公開されていないか確認
アクセス制御VFAMでテナントまたはグループ単位に無効化・再有効化できるエクスポートを許可するグループを明確にする
反映時間ポリシー変更の反映には最大24時間かかる変更直後に表示されなくても、すぐに再設定しない
ソフトウェア更新クライアントアプリの更新要件は記載されていないブラウザーから機能の表示を確認
データ移行既存データの移行手順は記載されていない自動取り込み処理の列追加耐性を確認
料金エクスポート機能の個別料金は記載されていない「無料」と判断せず、必要なライセンス数を確認
期限強制移行日や設定期限は記載されていないプレビュー中の変更に備えて公式情報を継続確認

機能アクセスを制御する場合は、Microsoft 365管理センターで「設定」から「Viva」を開き、「Settings」「Manage feature access」の順に進みます。対象機能はViva Insightsの「Copilot Metrics Export(Preview)」です。

複数のポリシーが同じユーザーに適用されている場合、より制限の強いポリシーが優先されます。エクスポートボタンが表示されないときは、テナント全体の設定だけでなく、ユーザーまたはグループ向けポリシーも確認してください。(Microsoft Learn)

Copilotメトリックをエクスポートする手順

  1. テナントに必要なライセンス数が割り当てられているか確認します。
  2. 利用者がCopilot Dashboardへのグローバルアクセスを持っているか確認します。
  3. Microsoft 365管理センターのVFAMで、エクスポート機能が無効になっていないか確認します。
  4. Viva Insights Webアプリを開きます。
  5. 左側のメニューから「Copilot Dashboard」を選択します。
  6. ダッシュボード上の「Export data」を選択します。
  7. ブラウザーでダウンロードが自動的に開始されることを確認します。(Microsoft Learn)

新たにライセンス要件を満たしたテナントでは、ダッシュボードのデータ処理に最大7日かかる場合があります。アクセス権を付与した直後やライセンスを追加した直後にデータが表示されない場合は、設定ミスと断定せず、処理時間も考慮してください。(Microsoft Learn)

利用前に確認したい注意点

追加された列で既存レポートが停止しないか確認する

今回の更新では、エクスポート対象として掲載される指標が増えています。

Power QueryやPower BIで列名を固定している場合、列の追加や名称変更によって更新エラーが発生する可能性があります。本番レポートに直接読み込まず、まずサンプルを使って次の点を確認してください。

  • 必須列が削除されていないか
  • 新しい列が追加されても更新できるか
  • 数値型や日付型が想定どおりに認識されるか
  • 過去ファイルとの結合で列ずれが発生しないか

値が0でも障害とは限らない

エクスポートには、Copilotライセンスを持つユーザーと持たないユーザーの指標が含まれます。

Copilotライセンスを持つユーザーでは「Copilot Chat metrics without Copilot license」が0になり、ライセンスを持たないユーザーではMicrosoft 365 Copilot側の指標が0になることがあります。ユーザーがCopilotを利用可能だったか判断するときは、「Total Copilot enabled days」もあわせて確認してください。(Microsoft Learn)

Copilot assisted hoursは含まれない

現時点のエクスポートは、Copilotの操作数と利用状況を中心としたデータです。「Copilot assisted hours」は含まれていません。

利用時間の削減効果や金額換算まで分析したい場合、このエクスポートだけで完結させず、Copilot DashboardやViva Insightsの別レポートと組み合わせる必要があります。(Microsoft Learn)

大規模データはPower BIを使う

小規模なファイルはExcelで確認できます。一方、ユーザー数が多い組織では、6か月分の週次データと多数の指標によってファイルが大きくなります。

処理が重い場合は、Excelで直接開くのではなく、Power BIなどのBIツールへインポートしてください。ダウンロードがすぐに始まらない場合はページを閉じず、エラーが出たときは時間を置いて再実行し、ネットワーク状態も確認します。(Microsoft Learn)

匿名化データでも保管ルールを決める

個人識別子は匿名化IDに置き換えられますが、OrganizationやFunctionTypeといった組織属性も含まれます。また、Microsoftはプレビュー機能について、個人データの処理を伴うと説明しています。

エクスポートを開始する前に、保存先、閲覧者、保存期間、二次利用の範囲を決めてください。特に、社員マスターとの突合や少人数部門の分析は、必要性と権限を確認してから行うべきです。(Microsoft Learn)

管理者が最初に行うべきこと

今回のMicrosoft Learn更新に対し、一般ユーザーがアプリを更新したり、設定を変更したりする必要はありません。

管理者は、まず次の順序で確認すると効率的です。

  1. ライセンス要件を満たしているか確認する
  2. グローバルアクセスを持つ本人と代理人を洗い出す
  3. VFAMでCopilot Metrics Exportの公開範囲を確認する
  4. サンプルデータを1回エクスポートする
  5. Power BIやPower Queryの既存処理で読み込みテストを行う
  6. エクスポートファイルの保管・共有ルールを決める

特に重要なのは、機能が対象環境で既定で有効になる点と、日本語版Microsoft Learnへの反映が遅れる可能性がある点です。プレビュー期間中は指標や仕様が変わる可能性があるため、定期的に英語版の指標一覧と既存レポートの列構成を照合してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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