Microsoft Learnの変更点|Copilot Studioのクラシックエージェント作成はWebアプリへ

Microsoft LearnのQuickstart「Create a classic agent and publish it to Microsoft Teams」で押さえるべき変更点は、2026年6月末以降、Teams内の「Copilot Studio for Teams」アプリからクラシックチャットボットを作成できなくなり、Copilot Studio Webアプリへリダイレクトされることです。

対象は、一部のMicrosoft 365サブスクリプションに含まれるTeamsプランで、クラシックエージェントを作成しているユーザーです。公開済みエージェントの停止やTeamsプラン自体の終了が告知されたわけではありません。作成者は2026年6月30日までを目安に、Webアプリから既存エージェントを編集・テスト・再発行できるか確認しておくと安全です。(Microsoft Learn)

なお、対象ページに表示されている最終更新日は2026年5月5日です。本記事では、2026年6月17日時点で確認できるMicrosoft Learnの公式情報を整理しています。(Microsoft Learn)

目次

Microsoft Learnの変更点は作成画面の入口変更

今回の変更は、Copilot Studioのクラシックエージェントそのものを廃止する案内ではなく、Teamsアプリ内から作成する運用を終了し、Webアプリに集約する変更です。

公式情報から確認できる範囲を整理すると、次のようになります。

確認項目内容
変更時期2026年6月末以降
変更される操作Copilot Studio for Teamsアプリからのクラシックチャットボット作成
変更後の動作Copilot Studio Webアプリへリダイレクト
対象プラン一部のMicrosoft 365サブスクリプションに含まれるTeamsプラン
作成できるエージェントクラシックオーケストレーションを使用するエージェント
公開先Microsoft Teams
既存エージェントの停止対象記事には記載なし
Teamsプランの終了対象記事には記載なし

「TeamsからCopilot Studioが完全になくなる」「既存ボットが7月から使えなくなる」と解釈するのは早計です。公式に示されているのは、Teams内アプリからWebアプリへの作成経路の変更です。(Microsoft Learn)

影響を受けるユーザーと管理者

Teamsプランでエージェントを作成しているユーザー

最も影響が大きいのは、これまでTeamsに追加したCopilot Studioアプリを起点に、クラシックエージェントを作成していたユーザーです。

2026年6月末以降は、Teams内で作成を始めようとしてもWebアプリへ誘導されます。日常的な作成場所が変わるため、ブックマーク、社内マニュアル、研修資料、問い合わせ窓口などの更新が必要です。

Microsoft 365・Teams管理者

管理者は、単に利用者へWebアプリの場所を案内するだけでは不十分です。次の項目も確認する必要があります。

  • 作成者がCopilot Studio環境へアクセスできるか
  • 使用中のエージェントがどのチームとDataverse for Teams環境に属しているか
  • TeamsでPower Platformアプリの追加が許可されているか
  • 組織全体への公開を誰が承認するか
  • Power Automateフローの接続所有者が退職者や異動者になっていないか
  • エージェントで扱うデータが社内のセキュリティ基準を満たしているか

Teamsにエージェントを追加すると、エージェントの内容やユーザーとのチャット内容の一部がTeamsと共有され、組織のコンプライアンス境界や地域境界をまたぐ可能性があります。機密情報を扱う場合は、公開前にデータの流れも確認してください。(Microsoft Learn)

公開済みエージェントを利用する一般ユーザー

一般ユーザーに対して、2026年6月末までに必須となる操作は公式記事では示されていません。

ただし、作成者側の更新や再発行に伴い、表示内容が変わったり、再インストールが必要になったりする場合があります。利用中のエージェントに問題が発生したときは、Teamsそのものではなく、エージェントの管理者や作成者に問い合わせるのが適切です。

スタンドアロン版Copilot Studioの利用者

スタンドアロンのCopilot Studioサブスクリプションを使用している作成者は、今回のQuickstartの主対象ではありません。

スタンドアロン版では、自然言語で説明してエージェントを作成する機能、生成型オーケストレーション、Teams以外の対応チャネルなどを利用できます。公式ドキュメントでも、Teamsプラン向けとスタンドアロン向けのQuickstartは分けられています。(Microsoft Learn)

Teamsプランとスタンドアロン版の違い

「Webアプリを使うなら、Teamsプランとスタンドアロン版は同じになるのか」と疑問に感じるかもしれません。しかし、作成画面がWebアプリに統一されても、利用できる機能はライセンスによって異なります。

比較項目Teamsプランスタンドアロン版
提供形態一部のMicrosoft 365サブスクリプションに含まれる別途契約
オーケストレーションクラシック生成型オーケストレーションを利用可能
主な公開先Microsoft TeamsCopilot Studioが対応する各種チャネル
環境Dataverse for Teams各種Power Platform環境
Copilotによる作成・編集利用不可利用可能
プレミアムコネクタのツール利用不可利用可能
Power Automateトピック内からクラウドフローを利用可能フローや各種連携を利用可能

Teamsプランは、社内FAQや申請案内など、Teams内で完結する比較的シンプルな用途に向いています。一方、Webサイトへの公開、生成AIを使った柔軟な応答、外部サービスとの高度な連携が必要な場合は、スタンドアロン版を検討する必要があります。(Microsoft Learn)

2026年6月末までに行う確認手順

Microsoftは「2026年6月末以降」と案内していますが、切り替え時刻やタイムゾーンまでは明記していません。業務利用している場合は、2026年6月30日を社内対応期限として準備するのが安全です。

Webアプリから既存エージェントを開く

まず、Copilot Studio Webアプリへサインインし、現在使っているクラシックエージェントが一覧に表示されるか確認します。

表示されない場合は、画面上部などにある環境の選択を確認してください。Teamsプランで作成したエージェントは、選択したチームに関連付けられたDataverse for Teams環境に保存されます。別の環境を選んでいると、エージェントが消えたように見えることがあります。(Microsoft Learn)

編集と保存ができるか確認する

既存のトピックを開き、テスト用の小さな変更を加えて保存します。

本番の回答内容を不用意に変えないよう、説明文やテスト専用トピックなど、影響の小さい箇所で確認してください。

テストパネルで会話を確認する

次のようなケースを試します。

  • 登録したトリガーフレーズと完全一致する質問
  • 表現を少し変えた質問
  • 選択肢を直接含む質問
  • 想定外の質問
  • Power Automateフローを呼び出す質問

クラシックエージェントは、トリガーフレーズ、エンティティ、変数、条件分岐などを使って会話を制御します。完全一致する文だけでなく、言い換えでも正しいトピックが呼び出されるか確認してください。(Microsoft Learn)

Webアプリから再発行する

テストが終わったら、Webアプリ上部の「発行」からエージェントを発行します。

発行しただけでは、Teamsユーザーに自動配布されるとは限りません。チャネル画面でMicrosoft Teams向けのチャネルが接続されているか、共有範囲が維持されているかも確認します。(Microsoft Learn)

Teamsで更新後の動作を確認する

既にエージェントとの会話を開いている場合、発行直後の内容が現在の会話に反映されないことがあります。

Teamsのチャットで「Start over」と入力するか、新しい会話を開始して、最新バージョンを確認してください。(Microsoft Learn)

Teamsへの公開方法と管理者承認

Copilot Studioでエージェントを発行することと、組織内のユーザーがTeamsで検索・利用できるようにすることは別の操作です。

少人数でテストする場合

特定のユーザーとエージェントを共有し、Teamsアプリストアの「Built with Power Platform」領域から利用してもらう方法があります。

この方法は検証に向いていますが、アクセス権を持つ共有ユーザーだけが検索・インストールできます。組織内の全ユーザーに自動公開されるわけではありません。(Microsoft Learn)

組織全体に公開する場合

Teamsアプリストアの「Built for your org」領域などに掲載するには、管理者への承認申請が必要です。

管理者は、アプリの目的、利用対象者、データへのアクセス、問い合わせ先、プライバシーポリシーなどを確認してから承認します。全社公開を予定している場合は、作成完了後に初めて管理者へ相談するのではなく、検証段階から調整しておくとスムーズです。(Microsoft Learn)

更新時に失敗しやすいポイント

回答内容の更新とアプリ情報の更新を混同する

トピックや回答内容だけを変更した場合、通常は再発行すれば反映でき、管理者への再承認は不要です。

一方、管理者承認済みエージェントのアイコン、説明、表示情報などを変更した場合は、再度承認申請が必要です。共有リンクや「Built with Power Platform」からインストール済みのユーザーは、表示情報の変更を見るために再インストールが必要になることもあります。(Microsoft Learn)

Teamsのキャッシュを障害と判断する

公開や共有の設定が正しくても、Teamsアプリストアにすぐ表示されない場合があります。

その際は、Web版Teamsの再読み込みや、デスクトップ版Teamsからのサインアウト・再サインインを試します。設定を何度も変更する前に、キャッシュの影響を切り分けてください。(Microsoft Learn)

Teamsモバイルで共有リンクを開こうとする

エージェントのインストールリンクは、Teamsモバイルアプリでは利用できません。

スマートフォン利用者にも配布する場合は、共有リンクだけに頼らず、Teamsアプリストアから見つけられる公開方法を選びます。(Microsoft Learn)

Quickstartのサンプルデータを本番にコピーする

公式Quickstartでは、説明用として2020年の米国祝日一覧が回答文に直接記載されています。これは操作を学ぶためのサンプルであり、そのまま本番利用する内容ではありません。(Microsoft Learn)

祝日、休暇日数、申請先URL、社内規程など、変更される情報を回答文へ直接埋め込むと、更新漏れが起きやすくなります。実運用では、管理されたデータソースやPower Automateフローから最新情報を取得する設計を検討してください。

Power Automateフローの所有者を確認しない

Quickstartでは、長期休暇の相談内容をTeamsチャネルへ投稿するPower Automateフローを作成します。

本番環境では、個人アカウントだけを接続所有者にすると、担当者の異動や退職でフローが停止する可能性があります。共有アカウントの安易な利用ではなく、組織の運用ルールに沿って、共同所有者、接続、権限、障害時の対応者を決めておくことが重要です。(Microsoft Learn)

移行でエージェントを作り直す必要はあるか

今回の公式案内には、既存のクラシックエージェントを別形式へ作り直すよう求める記載はありません。

基本対応は、Teams内アプリからWebアプリへ作成・管理場所を切り替えることです。ただし、次の要件がある場合は、スタンドアロン版へのアップグレードを検討する価値があります。

  • 生成型オーケストレーションを利用したい
  • Teams以外のWebサイトや外部チャネルに公開したい
  • プレミアムコネクタをツールとして利用したい
  • 自然言語でエージェントやトピックを作成・編集したい
  • Teamsプランの機能制限が業務要件に合わない

公式情報では、ライセンスをスタンドアロン版へアップグレードした後も、同じ環境の同じエージェントを継続利用できると説明されています。アップグレードを理由に、必ずゼロから作り直す必要があるわけではありません。(Microsoft Learn)

料金変更はあるか

対象のQuickstartには、今回の作成画面変更に伴う値上げ、新料金、移行料金の記載はありません。

ただし、利用できる機能と課金方式は契約によって異なります。

  • Teamsプランは、一部のMicrosoft 365サブスクリプションに含まれる
  • スタンドアロン版は別途契約が必要
  • スタンドアロン機能の利用状況によっては、Copilot Creditsなどの容量・消費量確認が必要
  • 無料試用版ではエージェントを作成・テストできるが、公開はできない

料金を判断するときは、Webサイト上の単価だけでなく、Microsoft 365管理センターで自社テナントの契約SKUを確認し、最新のCopilot Studio Licensing GuideとCopilot Credit Guideを参照してください。(Microsoft Learn)

よくある疑問

2026年7月になると既存のTeamsボットは停止しますか

対象記事には、公開済みのクラシックエージェントが停止するという記載はありません。明記されているのは、Teams内のCopilot Studioアプリからクラシックチャットボットを作成できなくなり、Webアプリへリダイレクトされることです。(Microsoft Learn)

6月末までにエージェントを移行する必要がありますか

別のエージェント形式への強制移行は案内されていません。ただし、Webアプリで既存エージェントを開き、編集、テスト、発行ができることは6月30日までに確認しておくべきです。

Teamsプランでも生成AI機能を利用できますか

Teamsプランはクラシックオーケストレーションに限定され、生成型オーケストレーションやCopilotによる作成・編集は利用できません。これらが必要な場合はスタンドアロン版を検討します。(Microsoft Learn)

Teamsへ公開するだけで全社員が利用できますか

公開しただけでは、全社員がTeamsアプリストアから検索できるとは限りません。特定ユーザーへの共有と、管理者承認を伴う組織全体への公開は別の設定です。(Microsoft Learn)

管理者の承認は更新のたびに必要ですか

回答内容やトピックを更新して再発行するだけなら、通常は再承認不要です。アイコンや説明など、アプリの表示情報を変更した場合は再承認が必要です。(Microsoft Learn)

まず確認すべきこと

今回のMicrosoft Learnの変更で優先すべき対応は、クラシックエージェントを慌てて作り直すことではありません。

まず自社のライセンスがTeamsプランかスタンドアロン版かを確認し、Teamsアプリを使っている作成者を洗い出します。そのうえで、2026年6月30日までにCopilot Studio Webアプリから既存エージェントを開き、編集、テスト、発行、Teamsでの利用確認までを一度実施してください。

生成型オーケストレーションやTeams以外への公開が必要なら、単なる画面移行で済ませず、スタンドアロン版へのアップグレードを含めて要件を見直すのが次の行動です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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