GitHub Copilotのモデル選択欄にKimi K3が出ない場合、現在も提供が停止しているとは限りません。Kimi K3の展開はGitHub Actionsのインシデント対応に伴って一時停止されましたが、GitHubは2026年8月6日中に展開再開を発表しています。
表示されない主な原因は、段階的なロールアウトの途中であること、利用プランやクライアントが対象外であること、または組織の管理者ポリシーで無効になっていることです。特にCopilot BusinessとCopilot Enterpriseでは、Kimi K3が初期状態で無効になっているため、待っているだけでは利用できるようにならない場合があります。(The GitHub Blog)
この記事では、Kimi K3の展開状況、表示されない原因の切り分け方、管理者が有効化する手順、導入前に確認すべき料金とデータ管理上の注意点を解説します。
GitHub CopilotのKimi K3は2026年8月6日に展開再開済み
Kimi K3は、Moonshot AIが開発したオープンウェイトモデルです。GitHub Copilotでは2026年8月6日に一般提供が発表されました。
ただし、発表直後にGitHub Actionsのインシデント対応を理由としてロールアウトが一時停止され、その後、同日付の編集注記で展開再開が案内されました。(The GitHub Blog)
経緯を整理すると、次のようになります。
| 日付 | 状況 | 利用者への影響 |
|---|---|---|
| 2026年8月6日 | Kimi K3の一般提供を発表 | 対象プランへの段階展開を開始 |
| 2026年8月6日 | GitHub Actionsのインシデント対応中に展開を一時停止 | 一部ユーザーにはモデルが表示されない状態 |
| 2026年8月6日 | Kimi K3のロールアウト再開を発表 | 段階的に利用可能範囲を拡大 |
| 2026年8月30日時点 | 公式ドキュメントでGAモデルとして掲載 | 利用条件を満たせば選択可能 |
一時停止はKimi K3そのものの不具合として案内されたものではなく、GitHub Actionsのインシデント対応中にロールアウトを止めたものです。GitHubの告知では、GitHub ActionsとKimi K3の技術的な因果関係までは説明されていません。
そのため、現在Kimi K3が表示されない場合に「まだ一時停止中」と判断するのは適切ではありません。まずは利用プラン、クライアント、段階展開、管理者ポリシーの順で確認する必要があります。
Kimi K3が出ない主な原因
Kimi K3がモデルピッカーに表示されない原因は、大きく分けて次の4つです。
| 確認項目 | よくある原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 利用プラン | 対象外のプランを使用している | Copilotの契約プランを確認する |
| 利用環境 | 対応していない画面や古いクライアントを使用している | 対応クライアントでモデルピッカーを開く |
| ロールアウト | アカウントへの展開が完了していない | 時間を置いて再確認する |
| 管理者ポリシー | BusinessまたはEnterpriseでKimi K3が無効 | 管理者がモデルを明示的に有効化する |
個人契約と法人契約では、確認すべきポイントが異なります。
Copilot Pro・Pro+・Maxの場合
Kimi K3の展開対象として発表されている個人向けプランは、次の3種類です。
- Copilot Pro
- Copilot Pro+
- Copilot Max
GitHubの発表ではCopilot FreeとCopilot Studentは展開対象に含まれていません。個人向けプランでは、BusinessやEnterpriseのように組織管理者がモデルポリシーを設定する必要はありません。(The GitHub Blog)
対象プランを契約しているにもかかわらず表示されない場合は、次の順番で確認します。
- GitHubにサインインしているアカウントが契約アカウントと同じか確認する
- Copilotの契約プランが有効か確認する
- 対応するクライアントでモデルピッカーを開く
- IDEやCopilot拡張機能を更新する
- IDEやブラウザを再起動する
- 時間を置いて再確認する
段階展開では、同じプランを利用していてもアカウントごとに表示開始時期が異なることがあります。GitHubも、Kimi K3が見つからない場合は時間を置いて再確認するよう案内しています。(The GitHub Blog)
Copilot Business・Enterpriseの場合
Copilot BusinessとCopilot Enterpriseでは、Kimi K3は初期状態で無効です。
さらにKimi K3はオープンウェイトモデルであるため、「Default availability for released models」を有効にしていても、自動的な有効化の対象にはなりません。管理者がKimi K3を個別に有効化する必要があります。(The GitHub Blog)
つまり、法人環境では次の状態が起こります。
- GitHub側ではKimi K3の展開が完了している
- 対応クライアントも利用している
- ほかのAIモデルは表示されている
- それでもKimi K3だけが表示されない
この場合、ロールアウト待ちよりも、管理者ポリシーが無効になっている可能性を先に確認した方が効率的です。
Kimi K3を利用できるクライアント
GitHubは、Kimi K3を次のクライアントやサービスへ段階展開すると案内しています。
- Visual Studio Code
- Visual Studio
- Copilot CLI
- GitHub Copilot cloud agent
- GitHub Copilot app
- GitHub.com
- GitHub MobileのiOS版とAndroid版
- JetBrains IDE
- Xcode
- Eclipse
ただし、AIモデルへのアクセス可否は契約プランだけでは決まりません。利用しているクライアントと、組織またはエンタープライズのポリシーにも左右されます。(The GitHub Blog)
例えば、GitHub.comではKimi K3を選択できても、更新していないIDE側ではモデル一覧に出ないことがあります。確認時は一つの環境だけで判断せず、GitHub.comや別の対応クライアントでもモデルピッカーを確認すると、アカウント側の問題かクライアント側の問題かを切り分けやすくなります。
Organization管理者がKimi K3を有効にする手順
Organization単位でCopilot BusinessまたはCopilot Enterpriseを管理している場合は、Organization ownerがモデル設定を確認します。
- GitHub右上のプロフィール画像をクリックする
- 「Organizations」を開く
- 対象のOrganizationを選択する
- Organization名の下にある「Settings」を開く
- サイドバーの「Copilot」を開く
- 「Models」を選択する
- モデル一覧から「Kimi K3」を探す
- プルダウンを「Enabled」に変更する
「Enabled」にすると、そのOrganizationでCopilotのシートを割り当てられているメンバーがKimi K3を利用できるようになります。(GitHub Docs)
設定を変更できない場合
Kimi K3の設定が固定されており、Organization ownerが変更できない場合は、上位のEnterpriseポリシーが適用されている可能性があります。
モデル設定には、主に次の状態があります。
| 表示状態 | 意味 |
|---|---|
| Enabled | Organizationで利用可能 |
| Disabled | Organizationで利用不可 |
| Delegate to Default Policy | Organizationの既定ポリシーを継承 |
| 固定されたEnabledまたはDisabled | Enterprise ownerが設定を強制 |
Enterprise ownerがKimi K3を「Disabled for everyone」にしている場合、Organization owner側では有効化できません。
また、EnterpriseがモデルアクセスをEnterprise team単位で管理するプレビュー機能を使用している場合、Organization側のモデル設定画面を利用できないことがあります。(GitHub Docs)
Enterprise管理者がKimi K3を有効にする手順
Enterprise全体のモデルポリシーは、Enterprise ownerが設定します。
- GitHub.comで対象のEnterpriseを開く
- 画面上部の「AI controls」を開く
- サイドバーから「Copilot」を選択する
- 「Configure models」を開く
- モデル一覧からKimi K3を探す
- 利用方針に応じたステータスを選択する
選択できる代表的な設定は次のとおりです。
| 設定 | 動作 |
|---|---|
| Enabled for everyone | Enterprise内の全対象ユーザーに許可 |
| Disabled for everyone | Enterprise全体で利用禁止 |
| Delegate to Organizations | Organizationごとの判断に委任 |
| Delegate to Enterprise Teams/Apps | Enterprise teamなどに利用判断を委任 |
全社で利用を許可する場合は「Enabled for everyone」が分かりやすい設定です。一部の開発部門だけで試験導入する場合は、OrganizationやEnterprise teamに委任した方が管理しやすくなります。(GitHub Docs)
Default availabilityだけではKimi K3は有効にならない
管理者が特に注意したいのが、「Default availability for released models」とKimi K3の関係です。
このポリシーは、未設定の一般提供モデルを自動的に有効または無効にするためのものです。しかし、次のモデルは既定ポリシーの対象外で、初期状態では無効になります。
- 一般提供前のモデル
- DeepSeekやKimi K3などのオープンウェイトモデル
- GitHubのデータ保持契約の対象外となるモデル
- データ所在地やFedRAMP要件を満たさないモデル
したがって、既定ポリシーを「有効」にしている企業でも、Kimi K3は個別設定が必要です。(GitHub Docs)
表示されない原因を短時間で切り分ける方法
Kimi K3が出ないときは、「待てば解決する問題」と「管理者が操作しない限り解決しない問題」を分けて考えることが重要です。
一人だけ表示されない場合
同じOrganizationのほかのメンバーには表示されているのに、自分だけ表示されない場合は、次を確認します。
- Copilotのシートが正しく割り当てられているか
- 正しいGitHubアカウントでサインインしているか
- 対応クライアントを使用しているか
- IDEやCopilot拡張機能が更新されているか
- アカウント単位の段階展開が完了しているか
管理者ポリシーは通常、OrganizationやEnterprise内の複数ユーザーに共通して影響します。一人だけの問題であれば、アカウントやクライアント側から確認する方が効率的です。
Organization全員に表示されない場合
同じOrganizationのメンバー全員にKimi K3が表示されない場合は、次の可能性があります。
- OrganizationのKimi K3設定がDisabled
- Enterprise側でKimi K3が強制的にDisabled
- EnterpriseからOrganizationへ設定が委任されていない
- Enterprise team単位のモデル管理が使われている
- Kimi K3の段階展開が対象環境まで到達していない
まずEnterprise ownerまたはOrganization ownerに、モデル設定画面でKimi K3の状態を確認してもらいます。
Kimi K3以外のモデルも複数表示されない場合
異なるベンダーの複数モデルが同時に利用できない場合は、Kimi K3固有のポリシーではなく、GitHub Copilot全体の障害、クライアント側の問題、ネットワーク制限なども考えられます。
GitHubの公式ドキュメントでも、異なるベンダーの複数モデルが利用できない場合は、GitHub Statusの確認またはGitHub Supportへの問い合わせが案内されています。(GitHub Docs)
Kimi K3の料金と利用前の確認事項
Kimi K3は、利用量に応じたトークン課金の対象です。GitHubの公式料金表では、1米ドルではなく、すべて100万トークン当たりの価格として次のように掲載されています。
| トークン種別 | 100万トークン当たりの料金 |
|---|---|
| 入力トークン | 3米ドル |
| キャッシュ済み入力 | 0.30米ドル |
| 出力トークン | 15米ドル |
GitHub Copilotでは利用量がAI creditsへ換算され、1 AI creditは0.01米ドルです。各プランには一定の利用枠が含まれますが、含まれる枠を超えた利用は、従量課金の設定に応じて追加請求の対象になります。BusinessとEnterpriseでは、ユーザーごとの利用枠が請求主体単位でプールされます。(GitHub Docs)
長いコードや多数のファイルをコンテキストとして渡し、大量のコードを生成させる使い方では、入力と出力の両方が増えます。管理者は有効化だけでなく、対象ユーザー、利用目的、AI creditsの予算上限も決めておくと管理しやすくなります。
Kimi K3を有効化する前に確認したいデータ管理
Kimi K3はMoonshot AIが開発したオープンウェイトモデルですが、GitHub CopilotではGitHubがFireworks AI上でホストしています。
GitHubの説明では、Kimi K3への入力と出力はMoonshot AIへ送信されません。また、Fireworks AIとの間にはゼロデータ保持契約があり、プロンプトや生成結果をモデル学習には使用しないとされています。Copilotのコンテンツフィルターも引き続き適用されます。(GitHub Docs)
一方、GitHubはオープンウェイトモデルについて、ほかのCopilotモデルよりアラインメントが弱い可能性や、地理的バイアスのリスクが高い可能性を案内しています。企業で有効化する場合は、自社のセキュリティ、コンプライアンス、データガバナンス要件に照らして評価することが推奨されています。(The GitHub Blog)
実務では、次のような段階導入が現実的です。
- 機密情報を含まないリポジトリで検証する
- 少人数の開発チームだけに有効化する
- 生成コードの品質と誤回答の傾向を記録する
- AI creditsの消費量を確認する
- セキュリティレビュー後に対象範囲を拡大する
Kimi K3が向いている作業
Kimi K3は、長いコンテキストを扱う作業や、複数ステップにわたるエージェント型のコーディング作業を想定したモデルです。GitHubは、特に大規模なコードベースを横断するマルチステップ作業を主な用途として挙げています。(GitHub Docs)
具体的には、次のような作業で試す価値があります。
- 複数ファイルにまたがる機能追加
- 大規模リポジトリの構造調査
- 関連コードを追跡しながら行う不具合分析
- 段階的なリファクタリング
- テスト作成、実行、修正を繰り返すエージェント作業
- 長い仕様や既存コードを踏まえた実装計画の作成
一方、単純な構文確認や数行のコード生成では、高性能モデルを指定する必要がない場合もあります。処理内容が軽いときは低コストのモデルを使い、複雑な作業だけKimi K3へ切り替える運用が合理的です。
Kimi K3が出ないときの最終チェックリスト
最後に、確認すべき項目を整理します。
- Kimi K3の展開は2026年8月6日に再開されている
- 個人向けではCopilot Pro、Pro+、Maxが展開対象
- 対応するIDEやGitHub.comでモデルピッカーを確認する
- クライアントやCopilot拡張機能を更新する
- 段階展開のため、アカウントによって表示時期が異なる可能性がある
- BusinessとEnterpriseではKimi K3が初期状態で無効
- オープンウェイトモデルは既定の自動有効化ポリシーの対象外
- OrganizationまたはEnterpriseの管理者がKimi K3を明示的に有効化する
- Enterprise側で無効化されている場合、Organization側では変更できない
- 複数ベンダーのモデルが同時に使えない場合はGitHub Statusも確認する
個人プランで表示されない場合は、契約アカウント、対応クライアント、段階展開の順に確認してください。BusinessまたはEnterpriseを利用している場合は、待つ前に管理者へKimi K3のモデルポリシーを確認してもらうことが、最も早い解決策です。

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