Microsoft 365 CopilotのiOSクイック起動とは?アクションボタン・Siriの変更点

iPhoneでMicrosoft 365 Copilotを使うたびに、ホーム画面からアプリを探す手間を減らせる変更です。2026年6月11日付のロードマップ更新では、iOS版Microsoft 365 CopilotアプリをアクションボタンやSiriから素早く起動する機能が「Launched」となりました。

今回変わるのはCopilotへの起動経路です。AIの回答性能、社内データへのアクセス権、ライセンスが自動的に変更されるわけではありません。一般ユーザーは端末側のショートカット設定、管理者はアプリの配布状況やSiriの利用制限を確認するのが主な対応です。(Microsoft)

目次

Microsoft 365 app/Microsoft Copilot(Microsoft 365)の変更点

Microsoft 365ロードマップID「485724」の内容を整理すると、次のとおりです。

項目内容
対象サービスMicrosoft 365 app、Microsoft Copilot(Microsoft 365)
対象プラットフォームiOS
リリース段階一般提供
現在の状態Launched
主な変更アクションボタンまたはSiriからMicrosoft 365 Copilotアプリを起動できる
主な利用シーン音声会話の開始、外出先での質問、ファイルや業務情報の確認

重要なのは、Copilotに新しい生成AI機能が追加されたのではなく、Copilotを使い始めるまでの操作が短縮された点です。

例えば従来は、iPhoneのロックを解除してアプリを探し、Microsoft 365 Copilotを開いてから音声モードを選ぶ必要がありました。設定後は、対応するiPhoneのアクションボタンを操作するだけで音声会話を始められます。

なお、Microsoft 365ロードマップに掲載される日付や提供予定は変更される可能性があります。そのため、2026年6月11日を「全ユーザーに新機能が一斉配信された日」や「対応期限」と解釈するのではなく、ロードマップ上で提供済みの状態が確認された更新日として扱うのが安全です。(Microsoft)

影響を受けるユーザーと管理者

一般ユーザーへの影響

特にメリットが大きいのは、次のようなユーザーです。

  • アクションボタンを搭載したiPhoneを利用している
  • 移動中や作業中に音声でCopilotを使いたい
  • Microsoft 365 Copilotアプリを頻繁に開く
  • ホーム画面に業務アプリを増やしたくない
  • ファイル検索や会議・メールの確認を外出先で行う

アクションボタンを搭載していない端末でも、Siri、ホーム画面ウィジェット、ロック画面ウィジェット、コントロールセンターを利用できます。

Android版は今回のロードマップ項目の対象ではありません。また、アクションボタンの設定は、アクションボタンをサポートするiPhoneに限られます。(Microsoft Support)

Microsoft 365管理者への影響

今回の機能について、テナント全体で実施するデータ移行や必須の管理センター設定は案内されていません。公式の設定手順は、利用者がiPhoneの設定画面から行う端末単位の操作です。

ただし、会社管理のiPhoneでは次の項目を確認する必要があります。

確認項目管理者が見るポイント
アプリ配布Microsoft 365 Copilotアプリが対象端末に配布されているか
アプリ更新古いバージョンに固定されていないか
Siri制限IntuneなどでSiri自体をブロックしていないか
ロック中の利用ロック中のSiriやコントロールセンターを制限していないか
サインイン職場または学校アカウントで正常に認証できるか
ライセンスユーザーが必要とするCopilot機能を利用できる契約か
セキュリティ条件付きアクセスやアプリ保護ポリシーでアクセスが止まらないか

Microsoft Intuneでは、Siri全体のブロックや、デバイスのロック中だけSiriを禁止する設定が用意されています。ロック画面からコントロールセンターへアクセスできないポリシーもあるため、個人端末では動作するのに会社端末では動かない場合は、端末制限を確認してください。(Microsoft Learn)

アクションボタンからMicrosoft 365 Copilotを起動する設定

アクションボタンを搭載したiPhoneでは、次の手順で設定します。

  1. iPhoneの「設定」を開く
  2. 「アクションボタン」を選択する
  3. 画面をスワイプして「ショートカット」を表示する
  4. ショートカットの選択画面を開く
  5. 「Talk to M365 Copilot」を選択する
  6. アクションボタンを長押しして動作を確認する

ショートカット名は、端末の表示言語が日本語でも「Talk to M365 Copilot」と英語で表示される場合があります。Microsoftの日本語サポートページでも、この名称で案内されています。(Microsoft Support)

既存のアクションボタン設定に注意する

アクションボタンに消音モード、カメラ、ボイスメモなどを割り当てている場合、Microsoft 365 Copilot用のショートカットを選ぶと、現在の割り当てが置き換わります。

消音モードを頻繁に切り替える人は、Copilotをアクションボタンに割り当てるより、ロック画面やコントロールセンターに追加した方が使いやすい場合があります。

SiriからMicrosoft 365 Copilotを起動する方法

Siriを有効にしている場合は、「Siri」または「Hey Siri」と呼びかけるか、サイドボタンを長押ししてから、Microsoft 365 Copilotを指定します。

公式サポートでは、次のような音声コマンドが案内されています。

  • 「Microsoft 365 Copilotに話しかける」
  • 「Microsoft 365 Copilotで会話を開始する」
  • 「Microsoft 365 Copilotで音声会話を開始する」
  • 「Microsoft 365 Copilotで音声チャットを開始する」

単に「Copilotを開いて」と指示すると、個人向けの「Microsoft Copilot」アプリが起動する可能性があります。仕事用のアプリを開きたい場合は、「Microsoft 365 Copilot」まで省略せずに発音するのがポイントです。

Microsoft 365 CopilotとMicrosoft Copilotの両方をインストールしている場合、Siriから起動先を確認されることがあります。その場合は「Microsoft 365 Copilot」を選択してください。(Microsoft Support)

アクションボタンがない場合の代替方法

Microsoft 365 Copilotアプリは、アクションボタン以外にも複数のクイック起動方法を提供しています。

起動方法向いている使い方
ホーム画面ウィジェットロック解除後にすぐ起動したい
ロック画面ウィジェットホーム画面を開かずに使いたい
コントロールセンター他のアプリを使用中でも呼び出したい
Siri端末に触れず音声で始めたい
アクションボタン物理ボタンから素早く音声会話を始めたい

ウィジェットやコントロールセンターでは、単にアプリを開くだけでなく、Copilot Chat、音声会話、ディクテーション、カメラを直接起動する項目を選べます。カメラ起動は、書類やホワイトボードを撮影してCopilotに質問したい場面で便利です。(Microsoft Support)

更新・移行・料金・期限で確認すべきこと

アプリとiOSを更新する

「Talk to M365 Copilot」が表示されない場合は、最初にMicrosoft 365 CopilotアプリとiOSを更新してください。

2026年6月時点の日本向けApp Storeでは、Microsoft 365 Copilotアプリの動作条件としてiOS 18.0以降が表示されています。必要なOSバージョンは今後変わる可能性があるため、導入時点のApp Store表示も確認してください。(App Store)

アプリを更新した後は、一度Microsoft 365 Copilotを開いてサインインし、その後にアクションボタンのショートカット一覧を確認します。

データ移行は不要

今回の変更は、既存アプリを開く方法の追加です。

OneDriveやSharePointのファイルを移動したり、Copilotのチャット履歴を移行したりする作業はありません。新しい別アプリへ切り替える変更でもないため、既存ユーザーは現在使用しているMicrosoft 365 Copilotアプリを更新して利用できます。

起動機能に個別の追加料金はない

アクションボタンやSiriから起動する機能について、ロードマップには個別料金や有料オプションの記載はありません。App Store上ではアプリを無料でダウンロードできますが、アプリ内購入やMicrosoft 365の契約が用意されています。

注意すべきなのは、アプリを起動できることと、起動後に利用できるCopilot機能は別という点です。

職場のメール、会議、チャット、ファイルなどを回答の根拠として利用するには、適切な職場または学校アカウント、アクセス権、Microsoft 365 Copilotライセンスなどが必要です。ユーザーがアクセス権を持たないファイルを、クイック起動によって閲覧できるようになることはありません。(Microsoft Support)

対応期限は設定されていない

利用者が特定の日までに設定を変更しなければならない、という期限は案内されていません。アクションボタンやSiriを利用しなくても、従来どおりアプリアイコンからMicrosoft 365 Copilotを起動できます。

そのため、全社で一斉設定するよりも、モバイルでCopilotを頻繁に利用するユーザーから案内する方法が現実的です。

うまく起動できないときの確認ポイント

症状確認すること
「Talk to M365 Copilot」がないアプリとiOSを更新し、アプリを一度起動する
アクションボタンが設定画面にない使用中のiPhoneがアクションボタン対応モデルか確認する
Siriが別のCopilotを開く「Microsoft 365 Copilot」と正式名称で指示する
音声会話が始まらないマイク権限、ネットワーク、アプリへのサインインを確認する
仕事のデータが回答に使われない使用アカウント、ライセンス、ファイルへのアクセス権を確認する
ロック中だけ起動できないロック解除要求やIntuneのSiri・ロック画面制限を確認する
会社端末だけ利用できない管理対象アプリの配布、条件付きアクセス、端末制限を管理者に確認する

iPhoneがロックされている状態でアプリを開くショートカットを実行すると、iOSからロック解除を求められる場合があります。これは不具合とは限りません。また、組織のポリシーでロック中のSiriが禁止されている場合も、ロック解除後に試す必要があります。(Appleサポート)

まず1台で起動方法と業務アカウントを確認する

今回の変更により、iOS版Microsoft 365 Copilotは、アプリを探して開くツールから、物理ボタンや音声で即座に呼び出せる業務アシスタントへ近づきました。

一般ユーザーは、Microsoft 365 Copilotアプリを更新し、アクションボタンまたはSiriから音声会話を開始できるか確認してください。

管理者は、いきなり全社へ案内するのではなく、管理対象のiPhoneで次の順に検証すると確実です。

  1. Microsoft 365 Copilotアプリの配布と更新を確認する
  2. 職場アカウントでサインインする
  3. アクションボタンとSiriをそれぞれ試す
  4. ロック中とロック解除後の動作を比較する
  5. Intuneや条件付きアクセスの影響を確認する
  6. 利用可能なCopilot機能をユーザー向けに案内する

クイック起動自体は小さな変更ですが、外出先でCopilotを頻繁に使うユーザーにとっては、利用開始までの手間を大きく減らせます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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