Prepare Your Data for AI (preview) – Power BIの変更点とFabric管理者の確認事項

Prepare Your Data for AI (preview) – Power BIは、Microsoft Fabric上のPower BIでCopilotの回答精度を高めるために、セマンティックモデル側で「AIが参照すべきデータ」「信頼済みの回答」「業務上の解釈ルール」を定義するプレビュー機能です。結論から言うと、単にCopilotを有効化するだけでは不十分で、管理者はテナント・容量・承認設定を確認し、開発者やBI担当者はQ&A機能からの移行、PBIP/Git運用、展開後の再同期まで含めて設計する必要があります。Microsoft Learnの公式情報では、Power BI DesktopとPower BIサービスの両方でPrep data for AI機能を作成でき、Copilotが利用できる場所でこれらの設定を消費できると説明されています。(Microsoft Learn)

目次

Microsoft FabricのAI/Copilot更新で何が変わるのか

今回のポイントは、Power BIのCopilot活用が「プロンプトを工夫する段階」から、「セマンティックモデルをAI向けに整備する段階」へ進んだことです。Prepare Your Data for AIでは、Copilotが広すぎるモデル全体を曖昧に解釈するのではなく、作成者があらかじめ重要なフィールド、信頼できるビジュアル回答、業務用語の解釈ルールを与えられます。Microsoft Learnでは、データが曖昧なままだとAIの出力が一般的・不正確・誤解を招くものになり得る一方、AI向けにデータを準備することで、より文脈に沿った回答につながると説明されています。ただし、AIの挙動は非決定的であり、同じ入力でも毎回まったく同じ回答になるとは限りません。(Microsoft Learn)

実務上は、次の変更点を押さえると理解しやすくなります。

項目何ができるか実務での影響
AI data schemasCopilotが優先的に使うフィールドの範囲を定義する「売上」「顧客」「地域」などの曖昧な質問で、Copilotが誤った列やメジャーを選びにくくなる
Verified answers事前に承認したビジュアル回答をトリガーフレーズで返すよく聞かれる質問に対して、毎回同じ信頼済みビジュアルを返せる
AI instructions業務用語、分析ルール、優先すべきテーブルやメジャーを指示する「繁忙期」「離脱率」「純売上」など、モデルだけでは分からない業務文脈を補える
Approved for CopilotセマンティックモデルをCopilot向けに承認済みとしてマークするスタンドアロンCopilotで低品質警告を減らし、利用者に安心して使わせやすくなる
Copilot tooling formatCopilot関連メタデータをPBIP内のCopilot/フォルダーに保存するGitやコードレビューを前提にした開発運用に近づくが、移行時のQ&A影響に注意が必要

Microsoft LearnのFAQでは、Power BIでCopilot向けにモデルを構成する主な機能として、AI data schemas、Verified answers、AI instructions、テーブルや列のDescriptionsが挙げられています。Descriptionsは現時点では主にDAXクエリや検索など一部のCopilot動作で使われるため、まずはAI data schemas、Verified answers、AI instructionsを中心に整備し、補助的に説明文を追加するのが現実的です。(Microsoft Learn)

AI data schemasは「Copilotに見せる業務用スキーマ」を絞り込む機能

AI data schemasは、セマンティックモデル内のフィールドのうち、Copilotがデータ質問に回答する際に優先して扱う範囲を定義する機能です。モデル作成者は、Power BI DesktopまたはPower BIサービスのPrep data for AIから、Copilotに推論させたいフィールドを選択します。Microsoftは、曖昧さの少ないクリーンな列を優先し、Copilotを混乱させる可能性のあるフィールドを外すことを推奨しています。(Microsoft Learn)

たとえば、営業モデルにSalesAmountGrossProfitSalesForecastSalesAreaCodeInternalSalesFlagのようなフィールドが混在している場合、利用者が「今月の売上は?」と聞いたときに、Copilotがどの指標を「売上」とみなすべきか迷う可能性があります。この場合、AI data schemaには利用者向けの標準メジャーであるNet SalesSales by Regionを含め、内部管理用のフラグや開発途中の列は除外します。

ただし、AI data schemaはセキュリティ境界ではありません。公式情報では、セマンティックモデル上で非表示になっているフィールドは初回セットアップ時のAI data schemaから自動除外される一方、選択ペインには利用可能なフィールドが表示されること、リレーションシップはAI data schemaの設定にかかわらず尊重されること、エンドユーザーはAI data schemaを無効化できないことが説明されています。データアクセス制御は、RLS、OLS、ワークスペース権限、感度ラベルなど本来のガバナンス設計で行うべきです。(Microsoft Learn)

AI data schemaに入れるべきフィールドの判断基準

入れるべきフィールド外す候補のフィールド
利用者が自然言語で質問しやすい列やメジャー内部処理用ID、監査用フラグ、開発中の列
経営指標や部門KPIとして合意済みのメジャー同じ意味に見える重複メジャー
地域、製品、顧客区分、期間など分析に使う主要ディメンション利用者には意味が分からない技術名の列
よく使う集計軸に関連するテーブル誤解を招く略称や古い項目名の列

大規模モデルでは、AI data schemaを「小さくしすぎる」と必要な回答ができず、「広げすぎる」とCopilotが迷います。最初は利用者の上位20〜30個の質問を想定し、それに必要なメジャーとディメンションから逆算して選ぶと失敗しにくくなります。

Verified answersは「よくある質問に対する承認済みビジュアル回答」

Verified answersは、人が承認したビジュアル回答をCopilotに返させる機能です。1つのVerified answerには、トリガーフレーズ、ビジュアル、任意の関連フィルターを設定できます。ユーザーのプロンプトがトリガーフレーズと完全一致または意味的に近い場合、Copilotは新しい回答を生成するのではなく、設定済みのVerified answerを返します。設定はレポートではなくセマンティックモデルに保存されるため、同じモデルを使う複数レポートで利用されます。(Microsoft Learn)

たとえば、営業部門で毎週「先週最も売れた製品は?」「地域別の売上推移を見たい」「四半期ごとの粗利率を確認したい」といった質問が繰り返される場合、対象のビジュアルをVerified answerとして登録します。これにより、Copilotが毎回異なる切り口で回答するのではなく、作成者が承認したビジュアルを返せます。

Verified answersは便利ですが、プレビュー段階では制限も多くあります。公式情報では、1モデルあたり250件、1つのVerified answerあたり15個のトリガープロンプト、トリガープロンプト500文字、フィルター順列10個などの上限が示されています。また、テキストボックス、Data Q&A、AIビジュアル、Key influencers、Narrative with Copilot、旧Smart narratives、Decomposition tree、R/Pythonの予測ビジュアル、カスタムビジュアルなどは未サポートとされています。(Microsoft Learn)

Verified answersで失敗しやすい設定

失敗例起きる問題対策
トリガーフレーズが1〜2個しかない利用者の言い回しと一致せず、Verified answerが返らない代表的な言い換えを5〜7個程度用意する
非表示フィールドを使ったビジュアルを登録するVerified answerが返らないことがある関連フィールドをモデルとAI schemaの両方で確認する
スライサー前提のビジュアルを登録するスライサーはVerified answersに引き継がれないフィルターとして使う列を明示的に設定する
RLS/OLSの代わりにVerified answersを使うプレビュー中はセキュリティ機能として依存すべきではないアクセス制御はRLS/OLSや権限設計で行う
レポート上の元ビジュアルを編集すれば反映されると思うVerified answerは元ビジュアルと同期されないPrep data for AIの管理画面から編集・再作成する

特に重要なのは、Verified answersをセキュリティ機能として扱わないことです。公式情報では、RLSやOLSで保護されたデータを含むVerified answerは多くの場合返されないものの、プレビュー中はこの機能にセキュリティ機能として依存しないことが推奨されています。(Microsoft Learn)

AI instructionsは業務ルールをCopilotに伝える機能

AI instructionsは、セマンティックモデルに対して業務文脈、用語、分析ルールを与える機能です。Microsoft Learnでは、AI instructionsにより、モデル作成者がCopilotに組織固有の言葉、業務ロジック、分析上の優先順位を伝えられると説明されています。保存後は、同じモデルを使うレポート横断でCopilotがこれらの指示を利用します。(Microsoft Learn)

実務では、次のような指示が有効です。

売上に関する質問では、SalesAmountではなくNetSalesメジャーを優先する。

繁忙期とは10月から2月を指す。

顧客離脱率は低いほど良い指標として解釈する。

製品別売上を表示する場合は、ProductNameではなくProductCategoryを最初の集計軸として使う。

地域を指定しない質問では、国内売上のみを対象にする。ただし、ユーザーが海外またはグローバルと明示した場合は全地域を対象にする。

AI instructionsを書くときは、抽象的な役割設定よりも、モデル上の具体的な列名、メジャー名、分析条件を明記するほうが実務に向いています。公式情報でも、曖昧さを避けること、関連する指示をテーマごとにまとめること、複雑な指示を小さな手順に分けること、指示の順序や表現をテストすることが推奨されています。(Microsoft Learn)

一方で、AI instructionsは万能ではありません。公式情報では、AI instructionsはLLMが解釈する非構造化のガイダンスであり、必ず厳密に従う保証はないとされています。また、レポート単位ではなくセマンティックモデル単位で保存され、利用者はUI上で内容を確認したり無効化したりできません。文字数上限は10,000文字です。(Microsoft Learn)

管理者が確認すべき設定と前提条件

Prepare Your Data for AIを導入する前に、Fabric管理者とPower BI管理者はCopilotそのものが利用できる状態かを確認する必要があります。Microsoft Learnでは、Fabric管理者権限を持つ管理者がCopilotを有効化する必要があり、主な確認項目としてCopilot設定、地理境界を越えたデータ処理設定、スタンドアロンPower BI Copilot、容量レベルの有効化が挙げられています。(Microsoft Learn)

確認項目管理者が見るべきポイント
テナント設定「Users can use Copilot and other features powered by Azure OpenAI」が対象ユーザーに許可されているか
地理境界設定Azure OpenAIが対象リージョンで利用できない場合、地理境界外処理を許可する必要があるか
スタンドアロンCopilotPower BI左ナビやHomeから横断的にCopilotを使わせるか
Approved items制限スタンドアロンCopilotで承認済みアイテムだけを検索対象にするか
容量Power BI Premium P1以上、Fabric F2以上、またはFabric Copilot capacityを利用できるか
Desktop利用者Copilot対応容量に紐づくワークスペースへの適切なアクセス権があるか

Power BIサービスでCopilotを使うには、対象レポートがPremium Power BI容量または有料Fabric容量にあるワークスペースに配置されている必要があります。Power BI DesktopでCopilotを使う場合も、Fabric Copilot capacityを使わないケースでは、Copilotが有効な有料Fabric容量またはPower BI Premium容量に割り当てられたワークスペースへの管理者、メンバー、または投稿者アクセスが必要です。試用SKUや試用容量はCopilot in Microsoft Fabricではサポートされません。(Microsoft Learn)

Approved for Copilotは展開前の品質ゲートとして使う

セマンティックモデルをAI向けに整備し、利用可能な品質になったら、Power BIサービスのモデル設定からApproved for Copilotを有効にできます。公式情報では、この設定は以前「prepped for AI」と呼ばれていたものが、より分かりやすく「approved for Copilot」に名称変更されたとされています。(Microsoft Learn)

Approved for Copilotを設定すると、スタンドアロンCopilotでそのモデルからの回答に対する警告表示が軽減され、関連レポートもCopilot向けに承認済みとして扱われます。ただし、現時点ではレポート、ダッシュボード、アプリを個別にApproved for Copilotとしてマークする方法はありません。反映は多くの場合1時間以内ですが、関連レポートが多いモデルでは最大24時間かかる可能性があります。(Microsoft Learn)

運用上は、Approved for Copilotを「全社公開のスイッチ」ではなく「品質確認済みモデルの目印」として扱うのが安全です。AI data schema、Verified answers、AI instructionsを設定したあと、代表的な質問でテストし、想定外の回答や誤った集計がないことを確認してから承認しましょう。

Q&A toolingからの移行は最も注意が必要

既存のセマンティックモデルでQ&A tooling形式、つまりLinguistic Schemaを使ってCopilot関連メタデータを保存している場合、次にPrep data for AIを開くと、新しいCopilot experienceへの移行を促されます。公式情報では、このアップグレードはCopilotメタデータを編集し続けるため、また今後のCopilot機能を使うために必要と説明されています。(Microsoft Learn)

ただし、この移行には大きな影響があります。新しいCopilot tooling formatへアップグレードすると、そのモデルと接続レポートのQ&A機能は恒久的に無効になります。たとえばPower BIレポートにQ&A visualが含まれている場合、Q&Aがサポートされない旨のエラーが表示されます。移行されるQ&A toolingメタデータはSynonymsとSuggested questionsで、Linguistic Relationshipsなど一部のメタデータは移行されません。また、アップグレード後にQ&A LSDLへ戻したり、Q&A機能を再び有効にしたりすることはできません。(Microsoft Learn)

移行前には、次の作業を必ず行ってください。

移行前チェック実施内容
Q&A visualの棚卸し対象モデルを使うレポートにQ&A visualが残っていないか確認する
Linguistic Schemaの確認Synonyms、Suggested questions、Linguistic Relationshipsを確認し、必要に応じてエクスポートする
代替手段の設計よく使われるQ&A質問をVerified answersやAI instructionsに置き換える
テスト環境で移行本番モデルではなく検証用モデルでCopilot tooling formatへ移行する
バックアップ確認Desktopまたはサービス側のバージョン履歴・バックアップを確認する
利用者への周知Q&A visualが使えなくなる場合、代替レポートやCopilotでの聞き方を案内する

Linguistic Schemaが無効な場合、アップグレードは失敗します。公式情報では、export/import機能でスキーマを修正するか、TMDL viewでculture definitionをスクリプト化し、linguisticMetadataプロパティを削除して適用する方法が示されています。(Microsoft Learn)

PBIPとGit運用ではCopilotメタデータの扱いを明確にする

Power BI Project、つまりPBIPとして保存すると、Copilot関連メタデータはセマンティックモデル配下のCopilot/フォルダーに保存されます。公式情報では、Instructions/instructions.mdVerifiedAnswers/schema.jsonexamplePrompts.jsonsettings.jsonなどの構成例が示されています。これにより、AI instructionsやスキーマ選択などをコードレビューしやすくなります。(Microsoft Learn)

PBIPのセマンティックモデルフォルダーに関する公式情報でも、Copilot/フォルダーにはセマンティックモデル向けに構成されたCopilot toolingのメタデータと設定が含まれ、instructions.mdにはAI instructions、schema.jsonにはSchema selectionとフィールド同義語、VerifiedAnswers/にはVerified answersが保存されると説明されています。(Microsoft Learn)

ただし、Git運用では過信しないことが重要です。Verified answersの公式制限にはGit integrationが未サポートと記載されています。一方で、Prep data for AI全体の考慮事項では、Gitやdeployment pipelines経由でtooling editsを行う場合、展開後にモデル更新が必要になるとされています。実務では、AI instructionsやschema設定はGit管理しつつ、Verified answersはUIでの作成・検証を前提にし、展開後のCopilot動作確認までをリリース手順に含めるのが安全です。(Microsoft Learn)

展開後の同期にも注意が必要です。公式情報では、Gitやdeployment pipelinesでtooling editsを行った場合、ImportモデルではPower BIサービスでモデルを更新して変更を同期する必要があり、DirectQueryモデルとDirect Lakeモデルでも同期のために更新が必要ですが、1日1回に限られると説明されています。(Microsoft Learn)

Copilot indexingと反映遅延を理解しておく

Copilot indexingは、モデルメタデータや列の値をインデックス化し、Copilotがデータ質問により速く正確に答えられるようにする設定です。新しいCopilot file formatへ移行すると、Copilot indexingは自動的に有効になります。Power BI DesktopにはLocal Desktop Indexing設定もあり、DirectQueryやLive connectionの外部データソースをローカルでインデックス化するために使われます。(Microsoft Learn)

FAQでは、Power BI Q&Aが有効なモデルでインデックスが行われ、Importモデルでは発行・再発行、または直近14日以内にCopilotとQ&Aが使われた状態での手動・スケジュール更新時に再インデックスされると説明されています。DirectQueryとDirect Lakeでは、発行・再発行、またはインデックスが24時間より古く、直近14日以内にCopilotとQ&Aが使われた場合に再インデックスされます。(Microsoft Learn)

インデックスには制限もあります。公式情報では、大規模セマンティックモデルに対して最大500万インスタンス値または1,000モデルエンティティの上限、100文字以上のテキスト値はインデックスされないこと、DirectQueryモデルではAPPROXIMATEDISTINCTCOUNTをサポートするデータソースの列のみが対象になることが示されています。(Microsoft Learn)

つまり、Prep data for AIを保存した直後にCopilotの回答が変わらなくても、必ずしも設定ミスとは限りません。公式情報でも、変更がCopilot結果に反映されるまで時間がかかる場合があり、すぐ反映されない場合は数分待つよう案内されています。また、Desktopでテストする場合はCopilotペインを閉じて再度開くことで最新の変更を確認できます。(Microsoft Learn)

テストはDesktop、サービス、利用者視点の3段階で行う

Prep data for AIの設定後は、Power BI DesktopのCopilotレポートペインでテストします。公式情報では、skill pickerにより「Answer questions about the data」「Analyze report visuals」「Create new report pages」の3つのCopilot機能を選択でき、作成者がどの機能を有効にするかを変えながら、利用者環境をシミュレーションできると説明されています。(Microsoft Learn)

テストでは、次のように確認すると実務に直結します。

テスト対象確認すること
AI data schemaschemaに含めたフィールドでは回答でき、除外したフィールドでは回答が抑制されるか
Verified answers完全一致と意味的に近い言い回しの両方で、承認済みビジュアルが返るか
AI instructions業務用語、期間定義、優先メジャーが回答に反映されるか
Approved for CopilotスタンドアロンCopilotで警告表示や回答導線が想定通りか
展開後サービス側で保存・発行後、反映遅延を考慮して再テストしたか
診断How Copilot arrived at thisとDownload diagnosticsで根拠や警告を確認したか

AI data schemaについては、公式手順でも、schemaに含まれていないフィールドを使って質問した場合にCopilotが回答できないこと、含まれているフィールドを使った質問では回答できることをテストするよう案内されています。Verified answersも、トリガーフレーズが意図通りに機能するかをDesktopまたはサービスのCopilotペインで確認します。(Microsoft Learn)

導入時のおすすめ手順

いきなり全モデルにPrepare Your Data for AIを適用するのではなく、利用頻度が高く、KPI定義が比較的安定しているセマンティックモデルから始めるのが現実的です。

フェーズ作業成果物
準備対象モデル、利用者、よくある質問、Q&A visualの有無を棚卸しする対象モデル一覧、移行リスク一覧
スキーマ整理AI data schemaでCopilotに使わせる主要フィールドを選ぶAI向けフィールド定義
回答固定上位の定型質問をVerified answers化する承認済みビジュアル回答
文脈追加業務用語や分析ルールをAI instructionsに書くモデル単位のAI指示書
検証DesktopとサービスでCopilot回答をテストするテスト結果、修正リスト
承認問題がなければApproved for Copilotを設定するCopilot承認済みモデル
展開Git、deployment pipelines、更新、再テストを行う展開手順書、運用ルール

最初の対象モデルでは、Verified answersを大量に作るよりも、利用者が本当に繰り返し聞く質問を10〜20個に絞るほうが効果的です。AI instructionsも長文で詰め込まず、指標定義、期間定義、優先テーブル、禁止すべき解釈のようにテーマを分けて短く書くと、テストと修正がしやすくなります。

Prepare Your Data for AIで管理者・開発者が今すぐ確認すべきこと

Prepare Your Data for AI (preview) – Power BIは、Microsoft FabricにおけるPower BI Copilot活用を本格化させるための重要な更新です。利用者にとっては自然言語で聞きやすくなり、BI作成者にとってはCopilotの回答品質をモデル側から制御しやすくなります。一方で、Q&A toolingからの移行、Verified answersの制限、Copilot indexingの反映遅延、Gitやdeployment pipelines後の更新など、見落とすと本番展開でつまずくポイントもあります。

まずは、次の3点から着手してください。

  1. Copilotを使わせたいセマンティックモデルを1つ選び、Q&A visualやLinguistic Schemaの利用有無を確認する。
  2. そのモデルでAI data schema、Verified answers、AI instructionsを小さく設定し、Desktopとサービスで代表的な質問をテストする。
  3. 問題がなければApproved for Copilotを設定し、管理者側でスタンドアロンCopilotや承認済みアイテム制限の運用方針を決める。

この順序で進めると、Copilotを「便利そうなAI機能」ではなく、組織のKPI定義とガバナンスに沿った分析体験として展開しやすくなります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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