PCのWi-Fiがスマホより遅いときの原因と改善策を徹底解説

最近、「スマートフォンならサクサクつながるのに、どうして自作PCのWi-Fiだけが遅いのだろう」と疑問を感じていませんか。部屋のレイアウトやドライバ、接続ソフトなど、ちょっとした要因が重なるだけでパフォーマンスが変わることがあります。ここでは実際の体験談や事例を交えながら、手軽に始められる解消方法を中心にご紹介します。

目次

自作PCのWi-Fi速度が遅い場合の背景

自作PCを構築したとき、真っ先に注目するのはCPUやグラフィックスカードなどの性能かもしれません。しかし、いざネットワーク環境を整えようとすると、意外とWi-Fiの速度に振り回される方が多いように感じます。特にスマートフォンで測定すると200Mbps以上出ているのに、同じ場所に置いたデスクトップPCだとわずか数十Mbpsしか出ない、といった現象がしばしば起こります。

実例:TP-Link Archer AX1800 TX20E利用時

実は筆者も似たような状況を経験しました。ある日、スマートフォンでネット速度を計測したら250Mbps程度出ているのに、自作PCのWi-Fiは10~60Mbps、時には100Mbps前後しか出ないことがありました。デバイスはTP-Link Archer AX1800 TX20EというWi-Fi 6対応の拡張カードを取り付けていましたが、Windows上ではRealtek 8852BEチップと表示されていました。

ドライバ更新済みでも改善しない理由

通常、速度低下の原因がドライバの古さである場合は、メーカーサイトから最新のものを導入すると改善しがちです。しかし、それだけでは解決しないケースもあります。Windows Updateとの相性や常駐ソフトが干渉していることが多く、根本的な原因を突き止めるにはいくつかの手順を踏む必要があります。

自作PCでは「パーツを自分で選べる」楽しさがある一方で、相性問題やドライバの競合など、既製品のパソコンではあまり考えなくてもいいところに悩まされることが多いですよね。私も何度か頭を抱えました。

よくある原因と対処法

自作PCのWi-Fi速度が顕著に遅い場合、さまざまな要因が考えられます。ここでは、その代表的なものを具体的に取り上げ、段階的な解決策を紹介します。

物理的障害物や電波干渉

本来、Wi-Fiの電波は壁や金属などによって弱まる性質があります。スマートフォンでは平気でも、PCが置かれている場所によっては電波が入りにくい状況が起きやすいです。とくにPC本体が大型の場合は、Wi-Fi拡張カードのアンテナ部分がケースの奥まったところにあって、実質的に障害物になってしまうこともあります。

アンテナの最適化

拡張カードのアンテナを適切に配置するだけで速度が改善することがあります。アンテナが付属している場合、できるだけPCケース外に取り付けるか、延長ケーブルで離れた場所に設置できるなら試してみましょう。デスクの背面にPCを配置していると、デスクや壁が電波を阻む可能性があります。

アンテナを延長して高い位置や壁際から離れた場所に置くと、劇的に速度が改善するケースをよく見かけます

ドライバやWindows Updateの問題

最新のドライバを入れても速度が改善しないことがありますが、まだ試せる方法は存在します。特にRealtekチップの場合、TP-Linkのドライバだけでなく、Realtek公式サイトでもアップデート用のドライバが公開されていることがあるので確認してみてください。

KB5034441のエラー対策

Windows Updateの一部が原因で更新に失敗していることもあります。KB5034441でエラー(0x80070643)が出る場合は、Windowsのトラブルシューティングツールを使うほか、Microsoft Updateカタログから手動で該当プログラムをダウンロードしてインストールする方法を試すと、環境が整う場合があります。

Windows Updateのエラーは放置していると意外なところでシステム全体に悪影響を与える可能性があります

常駐ソフトウェアの干渉

オンラインゲームやVPNソフト、ネットワーク管理ソフトなどがWi-Fi速度を低下させている例は少なくありません。今回のケースでもcFosSpeedというソフトがアップロード速度のボトルネックになっていたように、常駐ソフトが余計な経路制御を行うとダウンロード速度も下がる可能性があります。

クリーンブートでの検証

特定のソフトが原因か調べるには、不要な常駐ソフトをすべてオフにして起動する「クリーンブート」が効果的です。クリーンブート環境で速度が改善すれば、そのソフトが干渉しているとわかります。速度が改善しない場合は、別の原因を疑う必要があります。

友人のケースでは、ウイルス対策ソフトが常に通信を監視していたことで速度が落ちていた例もありました。ウイルス対策を無効化にするのは少し不安になりますが、一時的に試して変化を確認するのは有効な方法です。

周波数帯とチャンネル設定

Wi-Fiには2.4GHz帯と5GHz帯があり、それぞれに長所と短所があります。一般的に5GHz帯の方が速度は出やすいと言われますが、周囲の電波状況次第で異なる結果になることもあります。さらに5GHz帯の中でも複数のチャンネルがあり、混雑しているチャンネルを避けるだけで速度が大きく改善します。

ルータのチャンネル設定を見直す

ルータの管理画面にアクセスし、現在使っているチャンネルを確認してみましょう。チャンネル36や40、44、48あたりを試してみて、どれが一番安定して速度が出るかを比較する方法がおすすめです。自動選択モードにしている場合は、一度手動で変更して試してみると状況が変わるかもしれません。

スマホアプリでの干渉調査

スマートフォン向けにWi-Fiのチャンネル干渉をチェックできる無料アプリが多数あります。周辺の電波がどのくらい密集しているか可視化できるので、どのチャンネルが空いているか一目でわかるでしょう。

機器の設置環境とハードウェアの問題

自作PCのケースや内部構成によっては、Wi-Fiカードとマザーボードの相性問題が起こることもあります。とくに拡張スロットの配置が電源ユニットや大型グラフィックスカードに近い場合、電磁的な干渉を受けることがあります。

USB接続のWi-Fiアダプタで動作確認

もしお手元にUSB接続タイプのWi-Fiアダプタがあれば、試しにそちらで速度を計測してみるのも一つの手です。これによって本来の回線速度が確保できるなら、PCIeスロットや拡張カードそのものが原因となっている可能性が高まります。

LANケーブルでの有線接続テスト

Wi-Fiの不調を疑うときは、一度有線LANケーブルで直接ルータに接続してみると、より明確に原因を切り分けできます。PCが有線で問題なく高速通信できる場合は、やはりWi-Fi回りの問題に限定されるので対策を絞り込みやすくなります。

USBアダプタは気軽に差し替え可能なので、PC内部を触ることに抵抗がある人にも試しやすい方法です

設定面のチェックリストを表で整理

ここで一度、PCのWi-Fi速度が遅いときに確認しておきたい項目を一覧表にまとめてみましょう。問題の切り分けに役立ててください。

チェック項目 内容
ドライバ更新 TP-LinkやRealtek公式サイトから最新ドライバを入手する
Windows Update KB5034441などエラーが発生している場合は手動インストールも検討
常駐ソフト cFosSpeedやウイルス対策ソフトなどを一時停止し変化を確認
アンテナ位置 PCケースの奥に隠れていないか、延長ケーブルで高い位置に設置する
チャンネル設定 5GHz帯のチャンネルを固定し、混雑度の低い周波数を選択
ルータのファームウェア 更新が可能なら最新バージョンへアップデート
有線接続 Wi-Fi問題の切り分けのため、一度LANケーブルで速度確認
USB Wi-Fiアダプタ 予備アダプタで速度比較し、拡張カードの故障や相性を確認

トラブルシューティングの進め方

いきなり全部を試すのは大変そうですが、優先度の高いものから順に取り組んでいくと時間を節約できます。例えば、まずは簡単にできるアンテナ位置の見直しやWindows Updateエラーの解消を行い、その結果を見て常駐ソフトの停止やチャンネル変更に取り掛かる、といった流れです。

ルータのファームウェア更新と初期化

「スマホだけ速くてPCが遅い」という現象は、ルータ側の設定が影響している場合もあります。ルータのファームウェアが古いままだと、最新のWi-Fi 6機能に完全に対応しきれていないケースも考えられます。特に自作PCの拡張カードが最新プロトコルに対応していると、古いルータが上手に通信できないことがあるようです。

設定のバックアップと初期化

ルータの設定を初期化すると、SSIDやパスワード設定なども全部リセットされてしまいますが、速度低下の原因を一気に洗い出せる利点があります。バックアップを取ったうえで初期化し、必要最低限の設定のみを入れて速度を計測すると、以前の設定が原因だったのかを見極めやすいです。

私の家では古いルータのまま5年以上使っていたところ、ある日突然PCだけが不安定になりました。ファームウェアを更新し初期化したら嘘のように改善したことがあり、ルータは時々メンテナンスが必要なんだと痛感しました。

スマホのホットスポット経由での速度確認

今回のケースでは、スマートフォンのホットスポットを使った際に80~100Mbps程度は出るという報告がありました。スマホのホットスポット経由でもある程度速度が出るということは、拡張カードやPC側の設定には大きな問題がない可能性があります。一方で、家庭用ルータからのWi-Fiに比べると速度が安定しづらい傾向もあるため、あくまで一時的な切り分け手段として活用するとよいでしょう。

機器の相性と故障の可能性

スマートフォン経由である程度の速度が出るなら、完全にハードウェアが壊れているわけではないかもしれません。ただ、拡張カードやアンテナの接触不良、マザーボードとの相性などの可能性は捨てきれません。予備のWi-Fiアダプタや別の拡張カードを一時的に試して速度が回復するなら、交換を検討してもよいでしょう。

ネットワークアダプタの再装着

拡張カードを一度取り外し、PCIeスロットを変えて差し直してみるのも有効です。特定のスロットにだけ問題がある、または接続が不安定になっている場合には、スロット変更や差し直しで改善するケースがあります。

対策の優先度と最終的な判断

ここまでさまざまな対策を見てきましたが、一度に全部を行うのは大変です。そこで、トラブルシューティングの優先度を考えると以下のような流れが自然です。

優先度1:ソフトウェアとアンテナ位置

ドライバ更新、Windows Updateエラーの解消、常駐ソフト停止、アンテナ位置の見直しといった手軽にできる内容から着手するのがおすすめです。短時間で大きく改善する可能性が高いからです。

こまめな速度チェック

一つの手法を試したら、その都度速度測定を行い「なにが変わったのか」を確認しましょう。複数の対策を同時に行うと、何が原因で改善したかがわからなくなるため、効果的な比較になりません。

優先度2:ルータや拡張カードの設定

チャンネルの固定やルータのファームウェア更新、初期化などは、少し時間がかかる作業になります。ただ、環境全体の見直しにつながるので、効果が大きいのも特徴です。もし複数のデバイスで問題が発生しているなら、早めに着手してもいいでしょう。

ルータ周りの再配置

ルータを部屋の中央に移動したり、できるだけ高いところに設置したりすると、電波の届きやすさが変わります。部屋の構造や家具の配置によってはこれだけで速度が大幅改善することも期待できます。

優先度3:ハードウェア交換

上記をすべて試しても改善しない場合、拡張カードやマザーボード側の問題を疑わざるを得ません。USB接続のWi-Fiアダプタや他社製の拡張カードを試して速度が劇的に向上するなら、既存のカードが故障しているか、相性が悪いと考えたほうがよいでしょう。

マザーボードのBIOS更新

まれに、マザーボードのBIOSが古いと拡張カードの動作に影響が出る場合があります。すべての作業を試しても改善しないときは、BIOSのバージョンを確認し、必要に応じて更新を検討してみてください。

改善に向けた最終アドバイス

ここまで紹介してきた方法を組み合わせることで、スマートフォン並みの高速通信をPCでも実現できる可能性は大いにあります。Wi-Fiの速度は環境や設定に大きく左右されるため、地道に手順を踏んで検証を行うことが近道です。

根気よく検証を続ける意義

一度うまくいかなくても、設定を少し変えるだけで大幅に改善することも珍しくありません。Wi-Fiの仕組みはシンプルなようで奥が深く、ルータやPCパーツ、OSやドライバ、常駐ソフトといった複数の要素が組み合わさって性能を左右します。だからこそ、手順を整理して一つひとつ確認していくのがポイントです。

トラブルを解決した先には、安定した高速通信が待っています。ネットゲームや動画視聴をストレスなく楽しむためにも、小さな改善を重ねる価値は大きいですよ

自作PCならではの自由度を活かす

自作PCの場合、ネットワークアダプタを交換したり、アンテナを外部に取り付けるなど、後からいくらでも拡張や調整が可能です。ちょっとした工夫で一気に快適なネット環境を手に入れることができるのは、自作ならではの楽しみでもあります。諦めずにトライしてみてください。

この手間を「面倒だ」と感じるか「面白い調整だ」と感じるかは人それぞれですが、個人的には試行錯誤の過程も自作PCの醍醐味だと思っています。きっと解決したときの達成感もひとしおですよ。

まとめ

自作PCのWi-Fiがスマートフォンより著しく遅い場合、ドライバの問題やWindows Update、常駐ソフトの干渉、電波環境やチャンネル設定など、多くの要因が絡み合っている可能性があります。まずはアンテナ位置や常駐ソフトを疑い、ルータの設定やファームウェア更新、Windowsの更新プログラム、さらにはハードウェアの交換と段階的に対処していくのがスムーズな方法です。最初は手間がかかるように思えますが、一度設定を最適化すると、安定して高い速度を維持できる喜びは大きいもの。諦めずに一つずつ対策を試すことが、快適なWi-Fi環境を手に入れる鍵となるでしょう。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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