OneNoteのマルチモーダルCaptureとは?Copilot Notebooks新機能と導入準備

OneNoteで会議の音声を録音したものの、ホワイトボードの写真や手書きメモが別々に残り、あとから整理するのに時間がかかることがあります。こうした情報の分散を解消するため、MicrosoftはOneNote for Windowsに、Copilot Notebooks向けのマルチモーダルCaptureを追加する計画です。

新しいCaptureでは、会議やブレーンストーミングの音声・画像・メモを1つの画面で取り込み、指定したCopilot Notebookへ保存できます。Copilotは収集した情報を分析し、主要なインサイト、決定事項、アクション項目を含む構造化ノートへ変換します。

Microsoft 365 Roadmap ID 566322では、Worldwideの標準マルチテナント環境を対象として、2026年8月の一般提供が予定されています。ただし、2026年8月5日時点のステータスは「In development」です。8月中の提供開始予定であっても、すべての利用者がすぐに使えるとは限りません。

目次

OneNoteで音声・画像・メモをCopilot Notebookへまとめて取り込む新機能

Roadmap ID 566322の正式名称は「OneNote: Multimodal capture in Copilot Notebooks (Windows)」です。

公式Roadmap APIから確認できる情報は次のとおりです。

項目内容
Roadmap ID566322
対象製品OneNote、Microsoft Copilot(Microsoft 365)
対象プラットフォームDesktop
対象クラウドWorldwide(Standard Multi-Tenant)
リリース段階一般提供(General Availability)
提供予定2026年8月
現在の状態In development
作成日2026年6月18日
最終更新2026年7月31日21時54分 UTC
プレビュー予定記載なし

最終更新日時を日本時間に直すと、2026年8月1日6時54分頃です。

Microsoft 365 Roadmapに掲載される日程は確定日ではなく、開発状況によって延期や変更が発生する可能性があります。一般提供になった機能でも、テナントや更新チャネルごとに段階的に展開される場合があります。(Microsoft)

マルチモーダルCaptureでできること

マルチモーダルとは、文字だけでなく、音声や画像など複数の形式の情報を組み合わせて扱うことです。

今回のCaptureでは、次の情報を1つのセッション内で取り込める計画です。

  • 会議や会話の音声
  • ホワイトボード、資料、付箋などの画像
  • 利用者が入力した補足メモ
  • 会話中に生まれたアイデア
  • 決定事項や対応が必要な内容

Captureを終了すると、Copilotが情報を整理し、利用者が選択したCopilot Notebookに構造化ノートを作成します。公式Roadmapでは、出力内容として「主要なインサイト」「決定事項」「アクション項目」が明記されています。

単純に音声を文字起こしするだけではありません。音声、画像、利用者のメモを同じ作業コンテキストとして扱い、次の行動につながる形へ整理する点が重要です。

従来のOneNoteの文字起こしとの違い

OneNoteには、すでに音声を録音して文字起こしするTranscribe機能があります。録音中に手書き入力を行い、あとから音声と同期して再生することも可能です。

一方、新しいCaptureは、音声の文字起こしだけでなく、画像やメモも含めてCopilot Notebookへ取り込み、プロジェクト単位の構造化ノートを生成することを目的としています。

比較項目OneNoteのTranscribeCopilot NotebooksのCapture
主な目的音声の録音と文字起こし複数形式の情報収集と整理
入力音声、手書き入力音声、画像、メモ
保存先OneNoteページとOneDrive選択したCopilot Notebook
出力話者別の文字起こしインサイト、決定事項、アクション項目を含む構造化ノート
整理単位ページ単位プロジェクトやテーマ単位
AI活用ページ内容の要約など収集内容を基にした構造化と継続的な質問

現在のOneNote Transcribeでは、録音した音声ファイルがOneDriveの「Transcribed Files」フォルダーに保存されます。文字起こし後に音声を再生したり、話者名や誤認識部分を編集したりできます。(マイクロソフトサポート)

対して、現在公開されているCaptureのサポート情報では、音声はリアルタイムの文字起こし処理に一時的に使われ、文字起こし完了後に削除されると説明されています。既存のTranscribeとCaptureでは、音声データの扱いが異なるため注意が必要です。(マイクロソフトサポート)

Captureの基本的な利用イメージ

Windows版の一般提供時に、画面構成やボタン名が変更される可能性はあります。Roadmapと現在公開されているCaptureのサポート情報からは、次のような流れが想定されます。

Captureを開始する

OneNoteでCopilot Notebooksを開き、Captureを開始します。

利用するマイクやカメラへのアクセス許可を求められた場合は、Windowsの設定や組織のポリシーに従って許可します。

会話を録音しながら情報を追加する

会議やブレーンストーミングを録音しながら、必要に応じて次の情報を追加します。

  • ホワイトボードや紙資料の画像
  • 決定理由に関するメモ
  • 聞き取れなかった部分の補足
  • 後日確認したい疑問点
  • 担当者や期限に関する情報

Copilotに任せきりにせず、「誰が」「いつまでに」「何をするか」を利用者自身が補足しておくと、実務で使いやすいアクション項目を作りやすくなります。

Captureを終了して保存先を選ぶ

Capture終了後、保存先となるCopilot Notebookを選択します。

現在のiPhone版Captureでは、セッション終了後に保存先のノートブックを選び、文字起こし、写真、メモ、主要なインサイトを含むCopilot Pageが作成されます。Windows版でも、選択したCopilot Notebookへ構造化ノートを保存する基本方針はRoadmapに明記されています。(マイクロソフトサポート)

生成された内容を確認する

Copilotが生成した内容は、必ず人が確認します。

特に次の情報は誤りが業務へ直結しやすいため、元のメモや参加者と照合してください。

  • 人名や部署名
  • 数値、金額、日付
  • 決定した内容
  • 決定していない検討案
  • アクション項目の担当者
  • 対応期限
  • 発言者の識別

Microsoftも、AIが生成した内容を共有したり行動へ移したりする前に、利用者が確認するよう案内しています。(マイクロソフトサポート)

既存のiPhone版CaptureとWindows Beta版の状況

Captureは、すでに一部の環境で段階的に提供されています。

現在のiPhone版では、OneNoteアプリからCopilot Notebooksを開き、Captureを使って会話の文字起こし、写真撮影、メモ入力を行えます。終了後に保存先を選択すると、収集した情報をまとめたCopilot Pageが生成されます。(マイクロソフトサポート)

Windows向けには、Office Insiders Beta利用者を対象として、オフライン会議や外部のオンライン会議をCaptureする機能が案内されています。

現在のサポート情報では、次の会議サービスが例示されています。

  • Zoom
  • Webex
  • Google Meet
  • ブラウザー上で利用する会議サービス

対象の会議を検出すると、画面右下に「Take notes」という案内が表示され、選択すると文字起こしを開始できる仕組みです。ただし、これは現時点ではOffice Insiders Beta向けの情報です。Roadmap ID 566322の一般提供版で、対応サービスや操作方法が同じになるとは限りません。(マイクロソフトサポート)

OneNote NotebookとCopilot Notebookは別の仕組み

名称が似ていますが、通常のOneNote NotebookとCopilot Notebookは目的が異なります。

項目OneNote NotebookCopilot Notebook
主な用途日常的な記録や長期的な情報管理特定のプロジェクトや課題の分析
構造ノートブック、セクション、ページ参照資料を集めたAI向け作業空間
情報整理利用者が自由に整理Copilotが参照内容を基に回答・生成
得意なこと手書き、自由配置、継続的な記録要約、分析、提案、成果物の下書き
情報源ページに直接入力した内容追加したファイル、ページ、リンク、Copilotチャットなど

Copilot Notebookは、特定の仕事に必要なWord文書、Excelファイル、PowerPoint資料、OneNoteページ、Copilotチャットなどを集め、収集した内容を根拠としてCopilotへ質問するための機能です。

一方、通常のOneNote Notebookは、自由なレイアウトでメモや画像、手書き情報を長期間管理する用途に向いています。両者は置き換え関係ではなく、OneNote内で併用できます。(マイクロソフトサポート)

Captureが役立つ実務シーン

対面会議とホワイトボードをまとめる

対面会議では、会話の文字起こしだけでは議論の全体像が残らないことがあります。

たとえば、ホワイトボード上で次のような情報を整理した場合です。

  • 業務フロー
  • スケジュール案
  • 役割分担
  • システム構成
  • 優先順位
  • 課題同士の関係

Captureで会話を録音しながらホワイトボードの画像を追加すれば、Copilotは音声と図の両方を含むノートを作成できます。

会議後は、「決定事項だけを一覧にして」「未解決の課題を抽出して」「次回会議までの作業を担当者別に整理して」と質問する使い方が考えられます。

ブレーンストーミングを企画案へ変える

ブレーンストーミングでは、発言を正確に残すことより、複数のアイデアを分類し、次の検討へつなげることが重要です。

Captureに発言、付箋の写真、補足メモを集めたうえで、Copilotへ次のように依頼できます。

アイデアを「すぐ実行できるもの」「追加調査が必要なもの」「費用が大きいもの」に分類してください。

類似するアイデアをまとめ、企画案を3つ作成してください。

反対意見と未解決のリスクを抽出してください。

Copilot Notebookには関連資料も追加できるため、過去の企画書や予算資料と照合しながら案を整理できます。

外部のWeb会議をプロジェクト資料へ組み込む

取引先がZoomやWebexを使っている場合、Teams会議の録画や文字起こし機能を利用できないことがあります。

現在のWindows Beta版Captureでは、Zoom、Webex、Google Meetなどの外部会議を検出して文字起こしする仕組みが案内されています。正式版でも同様の範囲が提供されれば、会議サービスを問わず、記録をCopilot Notebookへ集約しやすくなります。(マイクロソフトサポート)

ただし、Roadmap ID 566322では、対応する会議サービスの正式な一覧までは公開されていません。

現地調査やヒアリングを整理する

音声、画像、メモを同時に扱えるため、現地調査やヒアリングにも活用できます。

たとえば、設備点検では次の情報を1つのCaptureにまとめられます。

  • 担当者への聞き取り
  • 設備の写真
  • 異常箇所の補足
  • 対応の優先順位
  • 後日確認する型番や資料

ただし、機密情報や個人情報を含む写真を撮影する場合は、組織の情報管理ルールを確認する必要があります。

利用前に確認したいライセンスと環境

Copilot Notebooksの一般的な利用要件として、MicrosoftはMicrosoft 365 CopilotまたはCopilot Chatのライセンスを挙げています。また、ノートブックを作成するにはOneDriveまたはSharePointのライセンスと利用可能なサイトが必要です。(Microsoft Learn)

一方、現在のCaptureサポート情報では、Captureは職場または学校のEntra IDアカウントを使う商用Microsoft 365利用者向けであり、Microsoft 365 Copilotライセンスが必要と説明されています。(マイクロソフトサポート)

そのため、一般提供後は次の点を改めて確認してください。

確認項目確認内容
アカウント職場または学校のMicrosoft 365アカウントか
CopilotライセンスCaptureを利用できるライセンスが割り当てられているか
OneDrive・SharePointノートブックを作成できるサービスプランがあるか
OneNoteWindows版OneNoteが最新状態か
更新チャネル対象の更新チャネルへ機能が配信済みか
マイク正しい入力デバイスが選択されているか
カメラ画像取り込みに必要な権限が許可されているか
管理ポリシーCaptureやCopilot Notebooksが禁止されていないか
ネットワークMicrosoft 365とSharePointの必要な通信が許可されているか

Copilot PagesとCopilot Notebooksは、Microsoft 365およびSharePointの基盤に依存します。リアルタイム共同編集などでは、*.svc.ms*.office.comへのWebSocket通信も必要です。組織でプロキシや通信先制限を設定している場合は、管理者による確認が必要です。(Microsoft Learn)

導入前に決めておくべき運用ルール

Copilot Notebookを目的別に分ける

すべての会議を1つのCopilot Notebookへ保存すると、参照範囲が広くなりすぎます。Copilotが関係の薄い情報まで参照し、回答の焦点がぼやける原因になります。

次のように、目的や期間でノートブックを分けると管理しやすくなります。

  • 製品A開発プロジェクト
  • 2026年度採用活動
  • 顧客B導入支援
  • システム更改プロジェクト
  • 月次営業会議

長期的な個人メモは通常のOneNote Notebookに保存し、特定の成果を出すために必要な資料はCopilot Notebookへ集める方法が適しています。

アクション項目の書式を統一する

Copilotがアクション項目を抽出しても、担当者や期限が曖昧では実務に使えません。

生成後の確認書式をあらかじめ決めておきます。

項目記入例
対応内容見積書の修正版を作成する
担当者営業部 田中
期限2026年8月12日
確認者プロジェクト責任者
状態未着手
根拠8月5日の顧客会議で決定

Captureは情報収集を効率化しますが、業務管理まで自動的に完結するとは限りません。正式なタスク管理ツールへ転記する基準も決めておく必要があります。

録音開始時の案内を定型化する

Captureを利用する前に、参加者へ録音と文字起こしを行うことを伝えます。

たとえば、会議開始時に次のように案内します。

議事内容を正確に整理するため、OneNoteのCaptureを使って音声の文字起こしと資料画像の記録を行います。生成された内容は参加者で確認し、プロジェクト内で共有します。

録音できない参加者や議題がある場合に備えて、Captureを一時停止する手順も確認しておきます。

録音同意とデータの扱いに注意する

Microsoftは、Captureを使って会議を文字起こしする前に、すべての参加者から必要な同意を得る責任は利用者側にあると明記しています。音声だけでなく写真を撮影する場合も、適用される法令や組織ルールに従う必要があります。(マイクロソフトサポート)

現在のCaptureに関する公式説明では、音声データは連続的なストリームとして一時処理され、文字起こし完了後に保持されません。話者分離に使われるデータも処理後に削除され、個人の特定には利用できないとされています。(マイクロソフトサポート)

ただし、音声が削除されることと、会議記録が残らないことは同じではありません

Capture後には、次の情報がCopilot Notebookに保存されます。

  • 文字起こし
  • 撮影した写真
  • 入力したメモ
  • Copilotが生成したインサイト
  • 決定事項
  • アクション項目

したがって、ノートブックの共有範囲、保持期間、削除方法、機密情報の取り扱いを事前に定める必要があります。

現時点で確定していないこと

Roadmap ID 566322だけでは、次の情報は確認できません。

未確定の項目注意点
8月中の具体的な提供日月単位の予定のみ
全利用者への展開完了日段階的に展開される可能性がある
対応するWindowsビルドDesktopとの記載のみ
対応言語日本語の精度や提供条件は未記載
録音時間の上限Roadmapには記載なし
画像の取り込み方法カメラ、ファイル、画面キャプチャの範囲は未記載
Teams会議への対応Roadmapでは個別に明記されていない
Windows版の管理ポリシーGA版の詳細は未公開
Capture固有のライセンス条件一般提供時に再確認が必要

「2026年8月GA予定」と書かれていても、上記の詳細を推測して導入計画を確定するのは避けるべきです。

よくある疑問

2026年8月になればすぐ使えるのか

必ずしも使えるとは限りません。

2026年8月5日時点では、Roadmap上のステータスは「In development」です。提供が始まると「Rolling out」、展開が完了すると「Launched」へ変更されるのが一般的です。

OneNoteにCaptureが表示されない場合は、ライセンス不足と決めつけず、Roadmapの状態、更新チャネル、テナントへの配信状況を確認してください。

Microsoft Teamsの会議でも使えるのか

Roadmapには会議の音声を取り込むことが記載されていますが、Teams会議への具体的な対応方法は明記されていません。

現在のWindows Beta向けサポート情報では、Zoom、Webex、Google Meet、ブラウザー会議が例示されています。Teamsには独自の録画、文字起こし、会議要約機能もあるため、正式版でどのように使い分けるのかは、一般提供後のドキュメントを確認する必要があります。(マイクロソフトサポート)

Captureすると音声ファイルも保存されるのか

現在のCaptureに関する公式説明では、音声は文字起こし処理後に削除され、保持されません。(マイクロソフトサポート)

音声をあとから再生する必要がある場合は、既存のOneNote Transcribeや、組織で許可された会議録画機能との使い分けを検討してください。OneNote Transcribeでは録音ファイルがOneDriveへ保存されます。(マイクロソフトサポート)

個人向けMicrosoft 365でも利用できるのか

Copilot Notebooks自体はMicrosoft 365 Personal、Family、Premiumの一部利用者にも提供されています。

ただし、現在のCaptureは、職場または学校のEntra IDアカウントを使用する商用Microsoft 365利用者向けと案内されています。Roadmap ID 566322もWorldwideのStandard Multi-Tenantを対象としているため、個人アカウントで同じWindows版Captureが使えるとは断定できません。(マイクロソフトサポート)

今から行うべき準備

OneNoteのマルチモーダルCaptureの価値は、文字起こしの自動化だけではありません。音声、画像、メモをプロジェクトの文脈に直接取り込み、会議終了後すぐに決定事項や次の行動へ変換できる点にあります。

導入を検討している組織は、次の順番で準備を進めると安全です。

  1. Microsoft 365 Roadmap ID 566322のステータスを確認する
  2. Microsoft 365管理センターのメッセージセンターを確認する
  3. CopilotとOneDrive・SharePointのライセンスを確認する
  4. テスト用のCopilot Notebookを目的別に作成する
  5. 録音・撮影・文字起こしに関する同意ルールを整備する
  6. 少人数の会議で文字起こし精度と出力内容を検証する
  7. 決定事項とアクション項目を人が確認する手順を決める
  8. 正式な議事録やタスク管理へ反映する基準を定める

まずは全社展開ではなく、外部会議が多い部署や、ホワイトボードを使う企画会議など、効果を測定しやすい業務から試すのが現実的です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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