Microsoftは2026年6月12日、OneNote for Macに「Copilot Notebook」を追加する計画を公開しました。提供予定は2026年7月で、現在は開発中です。
今回の変更により、Mac版OneNoteからプロジェクト単位のCopilotノートブックを開き、WordやExcel、OneNoteページなどを参照資料としてまとめたうえで、要約や提案書の作成、次のアクションの整理を依頼できるようになります。
既存ノートの強制移行は発表されていません。また、すべてのOneNoteユーザーが無条件で使える機能ではありません。利用前に、ライセンス、OneNoteの更新状況、接続済みエクスペリエンス、管理者ポリシーを確認する必要があります。
OneNote for MacのCopilot Notebookで何が変わるのか
Microsoft 365 RoadmapのID「565863」に登録された内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 機能名 | OneNote: Copilot Notebook in OneNote on Mac |
| 公開日 | 2026年6月12日 |
| 状態 | 開発中 |
| 提供予定 | 2026年7月 |
| リリース段階 | 一般提供 |
| 対象プラットフォーム | Mac |
| 対象クラウド | Worldwide(Standard Multi-Tenant) |
2026年7月は予定時期であり、すべてのユーザーへ同日に表示されるとは限りません。Microsoft 365のロードマップ上の日程は変更される可能性があります。(Microsoft)
最大の変更点は、これまでMicrosoft 365 Copilotアプリなどで利用していたCopilotノートブックを、Mac版OneNoteの画面内から扱えるようになることです。
Copilotノートブックには、次のような資料をプロジェクト単位でまとめられます。
- Copilot Chatの会話
- Word文書
- Excelファイル
- PowerPoint資料
- OneNoteのページ
- 会議メモ
- Webリンク
- PDFや画像などの対応ファイル
追加した参照資料をもとに、Copilotへ質問したり、複数資料を横断して要約したり、アクション項目や下書きを作成したりできます。OneNoteでは、ノートブック一覧の上部に「Copilot ノートブック」セクションが表示される想定です。(Microsoft サポート)
通常のOneNoteノートブックや既存Copilotとの違い
Copilot Notebookは、通常のOneNoteノートブックを置き換える機能ではありません。用途が異なります。
| 機能 | 主な用途 | 適した利用例 |
|---|---|---|
| 通常のOneNoteノートブック | ページやセクションを使った長期的な情報整理 | 日常メモ、議事録、授業ノート、マニュアル |
| 既存のOneNote Copilot | 表示中のページや選択した文章の要約・書き換え | 現在のページを要約する、タスクリストを作る |
| Copilot Notebook | 複数資料を参照するプロジェクト専用のAIワークスペース | 調査資料の分析、会議準備、提案書の作成 |
OneNote for Macには、すでにページの要約や文章の書き換えなどを行うCopilot機能があります。今回追加されるCopilot Notebookは、複数の参照資料を継続的に集約し、その資料に基づいてCopilotと作業する点が異なります。(Microsoft サポート)
実務では、通常のOneNoteを日々の記録に使い、案件ごとの調査や意思決定にはCopilotノートブックを使うと整理しやすくなります。
誰に影響するのか
主な対象は、MacでOneNoteを利用している次のユーザーです。
- Macを業務端末として使用しているMicrosoft 365ユーザー
- Microsoft 365 CopilotまたはCopilot Chatを利用している組織
- OneNote、Word、Excel、PowerPointなどに資料が分散しているユーザー
- Copilotノートブックの利用を管理するMicrosoft 365管理者
ロードマップで明示されているクラウド環境は「Worldwide(Standard Multi-Tenant)」です。GCC、GCC High、DoDなどの政府機関向けクラウドについては、このロードマップ項目だけでは提供時期を確認できません。(Microsoft)
ライセンスと料金で確認すべきこと
Mac版への追加そのものについて、ロードマップには新たな追加料金の記載はありません。ただし、OneNoteを利用できるだけではCopilotノートブックを使えません。
Microsoftの案内では、組織アカウントの場合はMicrosoft 365 CopilotまたはCopilot Chatのライセンスが必要です。ノートブックを作成するアカウントには、SharePointまたはOneDriveのサービスプランも必要です。(Microsoft サポート)
参照できる情報には、契約による違いがあります。
| 契約・ライセンス | 主な注意点 |
|---|---|
| Microsoft 365 Copilot | Teams、SharePoint、OneDriveなどを含むプレミアムソースを利用可能 |
| Copilot Chat | PDF、Word、Excel、PowerPoint、画像、外部URLなどの標準ソースが中心 |
| Microsoft 365 Personal、Family、Premium | Microsoftのサポート情報では利用対象。ただしノートブック共有は未提供 |
| 対象外の契約 | OneNoteが使えてもCopilotノートブックは表示されない可能性がある |
契約名が似ていても、Copilot Pro、Copilot Chat、Microsoft 365 Copilotでは利用範囲が異なる場合があります。料金表だけで判断せず、実際にサインインしているアカウントへ割り当てられたライセンスを確認してください。(Microsoft サポート)
設定・更新・移行・期限の確認ポイント
| 確認項目 | 確認すべき内容 |
|---|---|
| 設定 | 接続済みエクスペリエンスとコンテンツ分析が有効か |
| 更新 | OneNote for Macが最新バージョンか |
| 移行 | 既存ノートの強制移行は不要。必要なページを参照資料として追加する |
| 料金 | Mac版専用料金ではなく、利用中のCopilotライセンスを確認する |
| 期限 | 強制対応期限は発表されていない。一般提供予定は2026年7月 |
| 管理 | Copilot PagesとCopilot NotebooksのCloud Policyを確認する |
OneNote for Macを更新する
Microsoft公式サイトからインストールしたOneNoteは、Microsoft AutoUpdateで更新できます。
- OneNote、WordなどのMicrosoft 365アプリを開く
- 上部メニューの「ヘルプ」を選択する
- 「更新プログラムの確認」を選択する
- 利用可能な更新をインストールする
- OneNoteを再起動する
Mac App Store版の場合は、App Storeの「アップデート」から更新します。自動更新も有効にしておくと、提供開始後の対応バージョンを受け取りやすくなります。(Microsoft サポート)
接続済みエクスペリエンスを確認する
Copilotが表示されない場合は、Mac上のWordなどを開き、次の設定を確認します。
- アプリ名のメニューから「環境設定」を開く
- 「プライバシー」を選択する
- コンテンツを分析するエクスペリエンスを有効にする
- すべての接続済みエクスペリエンスを有効にする
- Microsoft 365アプリをすべて終了して再起動する
これらの設定のいずれかが無効だと、OneNoteを含むMicrosoft 365アプリでCopilotを利用できません。組織管理端末では、ユーザー自身で変更できない場合があります。(Microsoft サポート)
既存ノートの移行は必要ない
今回のロードマップには、既存のOneNoteノートブックをCopilotノートブックへ自動変換する案内はありません。
通常のOneNoteノートブックはそのまま利用し、AIに分析させたいページや資料だけをCopilotノートブックの参照として追加します。すべてのメモを移すのではなく、案件ごとに必要な資料を選ぶほうが、回答の焦点を保ちやすくなります。
管理者が確認すべき設定
組織では、Cloud Policyの「Create and view Copilot Pages and Copilot Notebooks」で作成・利用を制御できます。既定値は有効で、未構成の場合も利用可能です。
管理者はMicrosoft 365 Apps管理センターで、次の順に確認します。
- 「カスタマイズ」を開く
- 「ポリシー管理」を選択する
- 対象ユーザーまたはグループのポリシーを開く
- 「Create and view Copilot Pages and Copilot Notebooks」を確認する
- 必要に応じて有効または無効を設定する
OneDriveの作成自体が禁止されているユーザーは、このポリシーを有効にしてもCopilotノートブックを作成できません。ポリシー変更の反映には、既存構成の変更で最大90分、初回構成では最大24時間かかる場合があります。(Microsoft Learn)
管理上は、次の点にも注意が必要です。
- CopilotノートブックはSharePoint Embeddedに保存される
- 保存容量は組織のSharePoint容量に加算される
- SharePoint管理センターやPurviewでは、アプリ名が「Loop」と表示される
- リアルタイム共同編集には、所定のMicrosoft 365通信先とWebSocket接続が必要
- メンションを含む完全な機能にはExchange Onlineメールボックスが必要
監査ログで「Copilot Notebooks」という名前だけを検索すると見つけられない可能性があるため、管理者は「Loop」として記録される点を把握しておく必要があります。(Microsoft Learn)
共有時は参照ファイルの権限に注意する
Copilotノートブックを共有すると、ノートブック本体だけでなく、リンクされたファイルのアクセス権にも影響する可能性があります。
共有前に、次の点を確認してください。
- 参照ファイルごとに共有権限を持っているか
- 共有相手へ公開してよい資料だけが含まれているか
- 機密情報や個人情報が混在していないか
- OneNoteページを参照している場合、元のOneNoteノートブックを共有できるか
OneNoteのページやセクションを参照資料に含めた場合、共有相手が内容を閲覧するには、元のOneNoteノートブック全体の共有が必要になることがあります。(Microsoft サポート)
「参考資料として追加しただけ」と考えず、共有時には元ファイルの公開範囲まで確認することが重要です。
Copilot Notebookが表示されないときの確認手順
一般提供後もメニューが表示されない場合は、次の順番で確認すると原因を切り分けやすくなります。
- OneNote for Macを最新版に更新する
- 対象ライセンスがサインイン中のアカウントに割り当てられているか確認する
- OneDriveまたはSharePointのサービスプランを確認する
- 接続済みエクスペリエンスを有効にする
- Microsoft 365アプリでライセンスを更新し、全アプリを再起動する
- 管理者にCloud Policyの設定を確認してもらう
- 同じ組織内の別ユーザーにも表示されるか確認する
Microsoft 365の新機能は段階的に展開されることがあります。同じライセンスや同じバージョンを使用していても、ユーザーごとに表示開始時期が異なる可能性があります。(Microsoft サポート)
まず実施すべきこと
一般ユーザーは、OneNote for Macの自動更新を有効にし、利用中のMicrosoft 365アカウントとCopilotライセンスを確認してください。
管理者は、Cloud Policy、OneDriveの利用可否、SharePoint容量、共有ルールを先に確認します。提供開始後は、機密性の低いプロジェクトで試験運用し、参照ファイルの権限や回答内容を検証してから対象ユーザーを広げると安全です。
Copilotノートブックは、資料を大量に入れるほど便利になるとは限りません。「1案件・1テーマ」を目安に参照資料を絞り、Copilotが生成した要約や判断材料は必ず元資料と照合して利用しましょう。

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