Microsoft TeamsのLoop会議ノートに秘密度ラベルを自動継承|変更点と設定

Microsoft Teamsの「Sensitivity label inheritance for Loop meeting notes」は、Teams会議に設定した秘密度ラベルを、Loop会議ノートにも自動で引き継ぐ変更です。管理者がポリシーを有効にすると、ラベル付き会議から作成されるLoop会議ノートに同じラベルが適用され、暗号化やアクセス制御などの保護を会議後も維持しやすくなります。

2026年6月16日更新のMicrosoft 365ロードマップでは、ステータスは「Launched」、一般提供時期は2026年6月です。一般ユーザーがLoopノートを手動でラベル付けする作業は減りますが、管理者はライセンス、Microsoft Purviewのポリシー、既存ノートへの影響を確認する必要があります。(Microsoft)

目次

Microsoft TeamsのLoop会議ノートで何が変わるのか

公式ロードマップID 555857の内容を整理すると、次のとおりです。(Microsoft)

確認項目内容
機能名Sensitivity label inheritance for Loop meeting notes
対象サービスMicrosoft Teams
変更内容Teams会議の秘密度ラベルをLoop会議ノートへ自動継承
提供状況Launched
リリース段階一般提供
一般提供時期2026年6月
対象クラウドWorldwide(Standard Multi-Tenant)
対象プラットフォームAndroid、Desktop、iOS、Mac
ロードマップ最終更新2026年6月16日

この機能を有効にすると、秘密度ラベルが設定されたTeams会議のLoop会議ノートへ、同じラベルが自動的に適用されます。

たとえば、「社外秘」というラベルを付けたTeams会議でLoop会議ノートを作成した場合、保存された.loopファイルにも「社外秘」が適用されます。ラベルに暗号化やアクセス権の制限が設定されていれば、その保護もLoop会議ノートへ引き継がれます。(Microsoft)

変更前と変更後の違い

項目変更前変更後
会議とノートのラベル会議とLoopノートでラベルが一致しない可能性がある会議のラベルをLoopノートへ自動継承
ユーザー操作必要に応じてノートを個別に確認・ラベル付け会議にラベルがあれば追加操作を減らせる
暗号化・アクセス制御会議とノートで保護状態が分かれる可能性がある同じラベルの保護設定を引き継げる
Copilot・エージェントノートの秘密度が会議と一致しない可能性があるノートを参照した回答にも秘密度を反映しやすい

自動継承は、Loop会議ノートがSharePointまたはOneDriveへ保存されるタイミングで行われます。ただし、ノートの保存後に会議側の秘密度ラベルを変更しても、保存済みノートのラベルは自動更新されません。(Microsoft Learn)

誰に影響するのか

一般ユーザー

秘密度ラベル付きのTeams会議でLoop会議ノートを使用するユーザーが対象です。

管理者が設定を有効にしていれば、会議のラベルがノートへ自動適用されるため、ユーザーがノートごとにラベルを選び直す必要は原則ありません。

一方、暗号化を含むラベルが継承されると、次のような変化が生じる可能性があります。

  • これまで閲覧できた外部参加者がノートを開けなくなる
  • コピーや共有などの操作が制限される
  • Copilotによる要約が利用できなくなる
  • Loopノート内のタスクがPlannerやTo Doと同期されなくなる

Microsoft 365 Copilotは、暗号化されたLoopコンテンツを扱う際にEXTRACT利用権限を確認します。権限がないユーザーは、そのLoopデータをCopilotで要約できません。また、PlannerとTo Doは暗号化されたLoopコンポーネントやページをサポートしないため、暗号化後はタスクの同期が停止します。(Microsoft Learn)

Microsoft 365管理者

特に確認が必要なのは、次の担当者です。

  • Microsoft Purview管理者
  • Teams管理者
  • SharePoint管理者
  • 情報セキュリティ・コンプライアンス担当者
  • Microsoft 365のライセンス管理者

単に機能が一般提供されたことを確認するだけでは不十分です。秘密度ラベルのスコープ、発行先、暗号化設定、外部ユーザーの権限まで含めてテストする必要があります。

影響が限定的な環境

次の環境では、今回の変更による影響は限定的です。

  • Teams会議で秘密度ラベルを使っていない
  • Loop会議ノートを利用していない
  • 管理者がラベル継承ポリシーを有効にしていない
  • Worldwide標準マルチテナント以外のクラウドを利用している

ロードマップ項目にはGCC、GCC High、DoDなどは記載されていないため、該当環境では個別のロードマップや管理センターの情報を確認してください。(Microsoft)

管理者が確認すべき設定

SharePointとOneDriveの秘密度ラベルを有効にする

Loopコンポーネントやページで秘密度ラベルを使用するには、SharePointとOneDriveで秘密度ラベルの処理を有効にしておく必要があります。

Microsoft Purviewポータルで次の場所を確認します。

ソリューション > Information Protection > 秘密度ラベル

有効化を求めるメッセージが表示されている場合は、[Turn on now]を選択します。PowerShellで有効化する場合は、SharePoint Onlineへ接続したうえで次のコマンドを使用します。

Set-SPOTenant -EnableAIPIntegration $true

この設定を有効にすると、LoopコンポーネントとLoopページの秘密度ラベルも有効になります。(Microsoft Learn)

秘密度ラベルのスコープを確認する

会議用の秘密度ラベルには、次の3つのスコープが必要です。

  • Files & other data assets
  • Emails
  • Meetings

Teams会議は、会議出席依頼、メール、添付ファイル、チャット、会議本体、会議後の成果物から構成されるため、いずれか一つだけではなく、3つのスコープをまとめて設定します。(Microsoft Learn)

ラベルを開催者と参加者へ発行する

対象ラベルは、少なくともTeams会議の開催者と参加者へ発行されている必要があります。

一部の管理者だけにラベルを公開した状態では、本番ユーザーの会議で期待どおりに動作しない可能性があります。部署やテストグループへ段階的に発行し、動作を確認してから対象を広げる方法が安全です。(Microsoft Learn)

「Apply meeting label to artifacts」を有効にする

秘密度ラベルの発行ポリシーで、次の設定を有効にします。

Apply meeting label to artifacts

日本語UIでは「会議ラベルを成果物に適用」などの表記になる可能性があります。

この設定は、Teams会議のラベルを次のファイルへ適用します。

  • 会議録画とトランスクリプトの.mp4ファイル
  • Loop会議ノートの.loopファイル

MP4ファイルへのラベル付けには別途MP4サポートの有効化が必要ですが、これは録画・トランスクリプト側の要件です。Loop会議ノートの確認と混同しないようにしてください。(Microsoft Learn)

設定後の確認手順

次の手順で、本番展開前にテストできます。

  1. テストユーザーへ会議用の秘密度ラベルとポリシーを発行する
  2. テストユーザーが秘密度ラベル付きTeams会議を作成する
  3. 会議でLoop会議ノートを開き、テスト用の文章を保存する
  4. SharePointまたはOneDriveに保存された.loopファイルを開く
  5. ファイルの詳細ウィンドウで秘密度ラベルを確認する
  6. 別ユーザーや外部参加者のアカウントで閲覧・編集・共有を試す
  7. Copilotを利用している場合は、ノートの要約が許可されるか確認する

Loopファイルでは、ラベルの適用、変更、削除が監査イベントとして記録されます。管理者は監査ログで「Applied sensitivity label to file」などのイベントを確認できます。(Microsoft Learn)

新しい秘密度ラベルを作成した直後は、Microsoft 365内の同期に時間がかかることがあります。Microsoftは、少数のテストユーザーへ公開して少なくとも1時間待ってから動作確認し、広範囲への展開前には少なくとも1日空ける方法を案内しています。(Microsoft Learn)

更新・移行・料金・期限の確認ポイント

項目確認すべき内容
Teamsの更新ロードマップには専用アプリの更新期限や必須バージョンは記載されていない。Teamsアプリは最新状態を維持する
管理者設定自動継承を使うにはポリシーの有効化が必要
データ移行ファイル形式の変換や一括移行は不要
既存ノート過去のLoopノートへの一括遡及適用は公式情報に明記されていないため、個別確認が必要
料金機能固有の従量課金はロードマップに記載されていないが、PurviewとTeams Premiumのライセンス要件を確認する
対応期限強制移行期限は記載されていない。一般提供は2026年6月
ロールアウトステータスはLaunchedだが、テナントやポリシー同期の状況により反映時期が異なる可能性がある

Microsoftのライセンス資料では、Teamsオンライン会議で秘密度ラベルを利用する構成について、Microsoft 365 E5/A5/G5相当またはMicrosoft Purviewの対象ライセンスに加え、Teams Premiumが必要とされています。また、自動またはポリシーベースの秘密度ラベルには、E5やInformation Protection and Governanceなどの権利が必要です。実際の必要ライセンスは契約プランによって異なるため、Microsoft 365管理センターと契約条件で確認してください。(Microsoft Learn)

導入前に注意したいポイント

会議のラベルを変更してもノートは追従しない

Loop会議ノートへラベルが継承された後、会議のラベルを変更してもノートのラベルは自動更新されません。

会議を「一般」から「社外秘」へ変更した場合は、保存済みの.loopファイルも確認し、必要に応じてSharePointまたはOneDriveから手動でラベルを変更してください。(Microsoft Learn)

既存のLoop会議ノートは別途確認する

公式ドキュメントでは、会議ノートがSharePointまたはOneDriveへ保存される時点でラベルを適用すると説明されています。過去に作成済みのLoop会議ノートを一括して遡及処理するとの記載はありません。

そのため、既存ノートについては検索や監査ログを使ってラベル状態を確認し、重要なノートには手動でラベルを適用する運用が安全です。(Microsoft Learn)

Loopで利用できない暗号化設定がある

Loopコンポーネントとページでは、次の暗号化設定を持つ秘密度ラベルはサポートされません。

  • ユーザーが権限を指定する設定
  • コンテンツへのアクセス期限が「Never」以外
  • Double Key Encryption

会議では利用できているラベルでも、Loop会議ノートへの適用では制限に該当する可能性があります。既存の会議用ラベルをそのまま本番展開せず、.loopファイルで実際に検証してください。(Microsoft Learn)

外部参加者のアクセスを確認する

社外ユーザーを含む会議では、継承後のラベルに設定された暗号化権限を確認してください。

会議へ参加できても、Loop会議ノートの暗号化対象に外部ユーザーが含まれていなければ、会議後にノートを開けない可能性があります。機密性を高めるだけでなく、必要な参加者が業務を継続できるかもテストすることが重要です。

ロードマップとMicrosoft Learnの表記に差がある

2026年6月16日更新のロードマップでは、この機能は一般提供済みの「Launched」とされています。一方、2026年6月10日更新のMicrosoft Learnでは、[Apply meeting label to artifacts]がプレビューと記載されています。(Microsoft)

情報更新のタイミングに差があると考えられるため、管理者はロードマップのステータスだけで判断せず、自社テナントに設定項目が表示されるか、テスト会議で実際に継承されるかを確認してください。

Loop会議ノートにラベルが付かない場合の確認事項

症状主な確認ポイント
ノートがラベルなしで保存される会議自体にラベルが付いているか
設定項目が見つからないライセンス、ロールアウト状況、Purviewの管理権限
一部ユーザーだけ動作しないラベルとポリシーの発行対象
.loopファイルへ適用できないLoopで非対応の暗号化設定を使用していないか
外部ユーザーが開けないラベルの暗号化権限とゲストアカウント
Copilotで要約できないユーザーにEXTRACT利用権限があるか
タスクがPlannerへ同期されない暗号化ラベルが適用されていないか
会議ラベル変更後も古いラベルのまま保存済みノートは自動更新されないため手動変更が必要

よくある疑問

ユーザーがLoop会議ノートへ手動でラベルを付ける必要はありますか

管理者がポリシーを有効にし、Teams会議自体に秘密度ラベルが付いていれば、Loop会議ノートへの追加の手動ラベル付けは原則不要です。

ただし、会議後にラベルを変更した場合や、継承に失敗した既存ノートは手動確認が必要です。

過去に作成したLoop会議ノートにも自動適用されますか

既存ノートへの一括遡及適用は、公式情報では明記されていません。今回の機能は保存時のラベル継承として説明されているため、重要な既存ノートは個別に確認してください。(Microsoft Learn)

Microsoft 365 Copilotのライセンスは必須ですか

ロードマップでは、Loop会議ノートへのラベル継承自体の必須条件としてCopilotライセンスは示されていません。Copilotやエージェントを利用する環境では、継承された秘密度ラベルと利用権限が回答や要約処理にも反映されます。(Microsoft)

管理者はポリシーと既存ノートを優先して確認する

今回の変更により、Teams会議とLoop会議ノートの秘密度を統一しやすくなります。特に、会議中は機密扱いだった情報が、会議後のノートでは無防備になる状態を減らせる点がメリットです。

管理者は、次の順番で対応すると効率的です。

  1. 必要なPurviewおよびTeams Premiumのライセンスを確認する
  2. SharePointとOneDriveの秘密度ラベル処理を確認する
  3. 会議用ラベルのスコープと発行対象を確認する
  4. [Apply meeting label to artifacts]を有効にする
  5. 外部参加者を含むテスト会議で動作確認する
  6. 重要な既存Loop会議ノートを点検する

一般ユーザーには、ラベル継承後に共有範囲やCopilot、Planner連携が変わる可能性を事前に案内しておくと、導入後の問い合わせを減らせます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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