Microsoft Teams Rooms licensesの変更点|2026年6月15日更新の影響と確認手順

2026年6月15日に更新されたMicrosoft Learnの「Microsoft Teams Rooms licenses」で重要なのは、Teams Roomsの新機能追加ではなく、共有場所で使う会議デバイスのライセンス範囲が明確になったことです。

会議室などに常設し、複数の利用者がTeams会議に参加するために使うデバイスは、Teamsクライアントへのサインイン、匿名参加、Azure Communication Services経由といった参加方法にかかわらず、Microsoft Teams Roomsライセンスが必要です。ユーザー単位のMicrosoft 365ライセンスやMicrosoft Teams Shared Spaceライセンスで代用できるとは限りません。(Microsoft Learn)

一般ユーザーがTeamsアプリを更新したり、会議の操作方法を変えたりする必要はありません。一方、Teams管理者は、会議室に常設したPC、タブレット、カスタム会議端末、リソースアカウントのライセンスを確認する必要があります。

目次

Microsoft Learnの2026年6月15日更新で何が変わったのか

英語版のMicrosoft Learnは2026年6月15日に更新されています。一方、日本語版は2026年6月19日時点で最終更新日が2026年4月29日となっており、英語版の最新説明が反映されていない部分があります。(Microsoft Learn)

Microsoft Learnのページ本文には行単位の変更履歴が掲載されていませんが、英語版と日本語版の内容を比較すると、実務上の主な変更点は次のとおりです。

確認項目2026年6月15日時点の説明管理者への影響
共有会議デバイスの定義共有場所で複数の利用者がTeams会議に参加するためのデバイスを対象とする認定Teams Rooms製品だけでなく、会議室に常設した共有PCなども確認が必要
参加方法Teamsクライアント、匿名参加、Microsoft 365 ID、Azure Communication Servicesなど、参加方法を問わずライセンスが必要「匿名参加ならライセンス不要」とは判断できない
ユーザーライセンスユーザー単位のMicrosoft 365スイートライセンスは、共有会議デバイス用として認められないE3やE5などをルームアカウントへ割り当てる運用を見直す
相互運用の例外Direct Guest JoinとCloud Video Interoperabilityは、Microsoftがサポートする構成であれば参加側端末の別ライセンスが不要任意の匿名接続や独自実装まで免除されるわけではない
Shared SpaceライセンスTeams Roomsデバイスではサポートされず、BasicまたはProが必要Shared SpaceをTeams Rooms用ライセンスとして流用しない
期限新たな2026年の強制移行日や適用開始日は記載されていない6月15日はページ更新日であり、移行期限ではない

今回の変更は、製品機能のアップデートというより、どのような機器がTeams Roomsライセンスの対象になるのかを明確にする更新と考えるのが適切です。

どのデバイスが影響を受けるのか

判断のポイントは、機器の名称ではなく、共有場所に常設され、複数の人がTeams会議への参加に使用するかです。

利用シーン確認すべきライセンス判断のポイント
Teams Rooms on WindowsTeams Rooms BasicまたはPro認定されたTeams Roomsシステムが対象
Teams Rooms on AndroidTeams Rooms BasicまたはProタッチコンソールを含む認定構成を確認
Surface HubTeams Rooms BasicまたはPro共有会議デバイスとして利用する場合に必要
会議室に常設した共有PCやノートPCTeams Roomsライセンスの対象となる可能性が高いTeamsクライアントや匿名参加だけで運用していても要確認
リソースアカウントで認証する独自会議端末Teams RoomsライセンスAzure Communication Servicesなどの統合方式でも対象
利用者が自分のPCを持ち込むBYODルーム利用形態によりShared Spaceなどを検討個人所有端末と常設共有端末を混同しない
BYODルームに設置したTeams PanelTeams Shared Spaceを検討Teams Rooms本体がないパネル単独の部屋に該当
Teams Rooms本体と連携するTeams PanelTeams Rooms Proを検討BasicはTeams Panelのライセンス用途に使えない
DGJ・CVI対応の他社会議端末サポートされる構成では別ライセンス不要の場合があるMicrosoftがサポートする相互運用方式かを確認

Microsoft Teams Shared Spaceは、共用エリアのTeams電話、Teams Panel、予約可能なデスク、BYODルームなどを対象とする別のライセンスです。2026年4月以前は「Microsoft Teams Shared Devices」という名称でした。Teams Roomsデバイス用のBasicやProとは用途が異なります。(Microsoft Learn)

会議室に常設したPCは特に注意する

次のような運用は、今回の説明で確認の優先度が高くなります。

  • 会議室のPCに共通アカウントでTeamsへサインインしている
  • 会議室のPCを匿名参加専用として使っている
  • 社員のユーザーアカウントを使い回している
  • リソースアカウントにMicrosoft 365 E3やE5を割り当てている
  • 独自アプリからAzure Communication Services経由でTeams会議に参加している

通常のWindows PCへTeams Roomsライセンスを割り当てれば、自動的に認定Teams Roomsシステムになるわけではありません。ライセンス要件だけでなく、機器の認定状況、Teams Roomsアプリの対応、サポートされる構成を併せて確認してください。

Microsoft Teams Rooms BasicとProの違い

Teams Roomsには、BasicとProの2種類があります。どちらを選ぶかは、会議室数だけでなく、必要な会議機能、電話機能、セキュリティ、遠隔管理の範囲で判断します。

比較項目Teams Rooms BasicTeams Rooms Pro
公開価格無料有料
利用上限組織あたり最大25ライセンス上限なし
対象認定Teams Roomsシステム認定Teams Roomsシステム、Teams Panel
基本的な会議参加対応対応
コンテンツ共有・ホワイトボード対応対応
Zoom・WebexへのDirect Guest Join対応対応
Front row・Togetherモード・大規模ギャラリー非対応対応
デュアル画面非対応対応
会議チャット非対応対応
Teams Phone Standard非対応対応
Microsoft Entra条件付きアクセス非対応対応
リモート構成・周辺機器監視非対応対応
デバイス分析・ITSM連携非対応対応
基本的なインベントリ・自動更新対応対応

Basicは、ワンタッチ参加、会議IDによる参加、コンテンツ共有など、一般的な会議室運用に必要な機能を利用できます。Proは、高度な会議レイアウト、インテリジェントな音声・映像、電話機能、条件付きアクセス、リモート構成、分析などが必要な環境向けです。(Microsoft Learn)

Basicを選びやすいケース

  • Teams Roomsが25室以下
  • 認定Teams Roomsシステムのみを利用する
  • 会議への参加とコンテンツ共有が中心
  • 高度な遠隔管理や条件付きアクセスを必要としない
  • Teams PanelをTeams Roomsライセンスで管理しない

Proを選ぶべきケース

  • Teams Roomsが26室以上
  • Teams Panelを含む会議室を構成する
  • 1つの部屋で同じリソースアカウントを複数のTeams Roomsシステムに使う
  • Front rowやデュアル画面を使う
  • Teams Phone Standardが必要
  • 条件付きアクセスを適用する
  • 周辺機器の状態監視やリモート構成を行う
  • デバイス分析やITSM連携が必要

25室以下でも、必要な機能がProに含まれる場合はProを選びます。「無料枠が残っているからBasic」という決め方は避けてください。

管理者が実施すべき確認手順

会議室とアカウントを一覧化する

最初に、次の項目を表計算ソフトなどで整理します。

確認項目記録する内容
会議室名東京本社・第1会議室など
デバイスTeams Rooms on Windows、共有PC、Surface Hubなど
認定状況Teams Rooms認定製品か
リソースアカウント会議室に割り当てたアカウント
サインイン方法リソースアカウント、ユーザーアカウント、匿名参加など
現在のライセンスBasic、Pro、Standard、Premium、E3など
同室内の機器数Teams Rooms本体、コンソール、Teams Panelなど
必要な機能電話、デュアル画面、条件付きアクセス、遠隔管理など
契約期限ライセンスの有効期限や更新日

「会議室一覧」と「ライセンス一覧」を別々に管理すると、同じアカウントを複数の部屋で使っている問題を見落としやすくなります。会議室、デバイス、アカウント、ライセンスを1行で対応付けるのがポイントです。

Microsoft 365管理センターで購入状況を確認する

Teams Roomsライセンスは、Microsoft 365管理センターの「請求」から確認・購入できます。

  1. ライセンス管理者権限を持つアカウントでMicrosoft 365管理センターにサインインする
  2. 「請求」から「サービスを購入」を開く
  3. 「Teams Rooms」を検索する
  4. Teams Rooms BasicまたはProの詳細を開く
  5. 必要な数量と請求頻度を確認する

Basicも自動的に付与されるわけではありません。Microsoft 365管理センターで必要数を追加し、リソースアカウントへ割り当てます。(Microsoft Learn)

リソースアカウントへの割り当てを確認する

ライセンスの購入後は、対象のリソースアカウントに正しく割り当てられているか確認します。

  1. Microsoft 365管理センターで「ユーザー」を開く
  2. 「アクティブなユーザー」を選択する
  3. 会議室のリソースアカウントを開く
  4. 「ライセンスとアプリ」を選択する
  5. Teams Rooms BasicまたはProが有効か確認する

ライセンスを保有しているだけでは不十分です。各Teams Roomsデバイスに関連付けるリソースアカウントへ割り当てる必要があります。(Microsoft Learn)

Pro Management Portalで状態を確認する

Pro Management Portalでは、「Rooms」と「Inventory」の「License Type」列から状態を確認できます。

表示される主な状態は次のとおりです。

  • Pro
  • Premium
  • Basic
  • Standard
  • Syncing
  • Unlicensed

新しいデバイスでは、再起動後にライセンス情報が反映されるまで24時間程度かかる場合があります。「Unlicensed」と表示されても、すぐに再購入せず、アカウントのサインアウトや不適切なサインインも確認してください。(Microsoft Learn)

レガシライセンスから移行する方法

Teams Rooms StandardとTeams Rooms Premiumは、現在は新規購入できないレガシライセンスです。既存の契約は有効期限まで利用できますが、BasicやProへ自動移行されません。(Microsoft Learn)

移行は次の順序で進めます。

  1. 各会議室に必要な機能を確認する
  2. BasicまたはProを購入する
  3. 既存のリソースアカウントへ新しいライセンスを割り当てる
  4. デバイスと管理ポータルで有効化を確認する
  5. 動作確認後にStandardまたはPremiumを削除する
  6. 会議参加、予定表、共有、電話、遠隔管理をテストする

Microsoftは、新旧ライセンスを重複させ、新しいライセンスを割り当ててから24時間後に旧ライセンスを削除する方法を案内しています。ただし、別の注意書きでは、レガシライセンスからBasicまたはProへの切り替えに最大48時間かかる場合があるとされています。(Microsoft Learn)

そのため、実務では「24時間経過したから削除する」のではなく、次の状態を確認してから旧ライセンスを外すのが安全です。

  • Microsoft 365管理センターで新ライセンスが有効
  • Pro Management Portalで正しい種類が表示される
  • Teams Roomsへ正常にサインインできる
  • 予定表と会議が表示される
  • 会議へ参加できる
  • 必要なPro機能を利用できる

料金と追加費用の確認ポイント

2026年6月19日時点の日本向け公式価格では、Teams Rooms Basicは無料、Teams Rooms Proは1ルームあたり月額相当5,997円の年払いとして表示されています。Proは年間サブスクリプションで、自動更新です。(Microsoft)

費用項目確認内容
Teams Rooms Basic無料だが、認定Teamsデバイスが必要。最大25室
Teams Rooms Pro公開価格は月額相当5,997円、年払い
Basicの登録無料でも支払い情報の入力を求められる場合がある
Teams Rooms機器ライセンスとは別にハードウェア費用が必要
外線通話PSTN接続方法に応じた通話契約やサービスが必要
通信クレジットフリーダイヤルや一部の国際通話などで追加料金が発生する場合がある
Teams Shared SpaceTeams Roomsとは別ライセンス。代用品として使用しない

ProにTeams Phone Standardが含まれていても、それだけで外線通話のすべての費用が含まれるとは限りません。通話プランや通信事業者との契約、Direct Routingなど、採用する接続方式を確認してください。

公開価格は契約形態、販売チャネル、キャンペーン、税の扱いなどで変わる可能性があります。最終的な金額は、Microsoft 365管理センターの購入画面または販売パートナーの見積もりで確認します。

期限について確認すべきこと

2026年6月15日はMicrosoft Learnページの更新日であり、新しいライセンス強制適用日ではありません。今回のページには、新たな2026年の移行期限は記載されていません。

管理者が確認すべき期限は次のとおりです。

確認対象期限・目安
Standard・Premium現在のライセンス有効期限
Enterprise Agreement次回更新期間
新旧ライセンスの切り替え旧ライセンス削除前に新ライセンスの有効化を確認
ポータルへの反映再起動後、表示まで24時間程度かかる場合がある
レガシライセンスからの移行有効化まで最大48時間かかる場合がある
デバイスのアカウント変更変更前に新しいアカウントへ有効なライセンスを割り当てる

有効期限が切れたアカウントを使って新しいデバイスを登録したり、既存デバイスのアカウントを変更したりする場合、30日間の猶予期間は適用されません。アカウント変更を先に行わないよう注意してください。(Microsoft Learn)

よくある疑問

Microsoft 365 E3やE5を割り当てればTeams Roomsを使えますか

共有会議デバイス用のTeams Roomsライセンスとして、ユーザー単位のMicrosoft 365スイートライセンスを代用することは認められていません。会議室のリソースアカウントには、Teams Rooms BasicまたはProを割り当てます。(Microsoft Learn)

匿名参加だけならTeams Roomsライセンスは不要ですか

不要とは判断できません。共有会議デバイスは、匿名参加であってもTeams Roomsライセンスが必要と説明されています。

例外となるのは、Direct Guest JoinやCloud Video InteroperabilityをMicrosoftがサポートする方式で実装している場合です。単にブラウザやTeamsクライアントから匿名参加する構成とは区別してください。

Teams Rooms Basicは申し込みなしで利用できますか

自動付与ではありません。Microsoft 365管理センターでBasicを追加し、各リソースアカウントへ割り当てる必要があります。料金は発生しませんが、支払い情報の登録を求められる場合があります。(Microsoft Learn)

同じリソースアカウントを複数の会議室で使えますか

Teams Rooms BasicとProは1つの部屋を対象とするライセンスです。別々の部屋にある複数のデバイスで同じアカウントを使うと、ライセンス条件に違反します。(Microsoft Learn)

同じ部屋に複数のTeams Roomsシステムを設置し、同じリソースアカウントでサインインする場合はProが必要です。

役員の個人アカウントでTeams Roomsへサインインできますか

有効なTeams Rooms Proライセンスを保有している場合、例外的に認められることがありますが、Microsoftは推奨していません。

ユーザーアカウントでサインインしても、個人用デバイスとしての動作にはなりません。自動サインインした状態で会議や通話機能を利用できるため、物理的なアクセス制御や社内のセキュリティ基準も確認してください。(Microsoft Learn)

Teams RoomsのアカウントにOneDriveライセンスは必要ですか

IT部門が管理するTeams Roomsリソースアカウントには、Microsoft OneDrive for Businessライセンスを割り当てないことが推奨されています。会議の録画や文字起こしが会議室アカウントのOneDriveへ保存されることを防ぎ、コンテンツの所有者を明確にするためです。(Microsoft Learn)

まず実施すべき対応

今回のMicrosoft Teams Rooms licensesの変更点を受け、管理者は次の順序で対応してください。

  1. 会議室に常設された共有PC、Teams Rooms、Surface Hub、独自会議端末を洗い出す
  2. デバイスごとのリソースアカウントと現在のライセンスを確認する
  3. ユーザー単位ライセンスやShared Spaceで代用している構成を抽出する
  4. 必要な機能と会議室数からBasicまたはProを選ぶ
  5. レガシライセンスの有効期限を確認する
  6. 新ライセンスを先に割り当て、動作確認後に旧ライセンスを削除する
  7. Pro Management Portalで「Unlicensed」や「Syncing」のデバイスを確認する

特に優先すべきなのは、会議室に常設した共有PCを、通常のユーザーライセンスや匿名参加だけで運用しているケースです。6月15日の更新日そのものを期限として捉えるのではなく、自社の共有会議デバイスが最新のライセンス要件を満たしているかを確認することが、最初の対応になります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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