Multiple camera view in Teams Roomsとは?2026年6月の変更点・設定・料金

2026年6月11日に更新されたMicrosoft Learnで押さえるべきポイントは、Multiple camera view in Teams Roomsで最大4台のカメラ映像を配信でき、別のTeams Rooms on Windowsからも相手ルームのカメラビューを切り替えられることです。

利用にはMicrosoft Teams Rooms Pro、Windows版Teams Rooms 5.2以降、Teams認定のシングルストリームUSBカメラが必要です。P2P通話、ライブイベント、タウンホールでは通常利用できません。(Microsoft Learn)

なお、複数カメラの送信機能自体は2024年9月公開のバージョン5.2.115.0で導入済みです。Teams Rooms側から相手ルームのカメラを切り替える機能は、2026年1月公開の5.5.129.0で追加されています。そのため、2026年6月11日は機能の初公開日ではなく、利用方法や対応範囲を整理したドキュメント更新日として捉えるのが適切です。(Microsoft Learn)

目次

Microsoft LearnのMultiple camera viewで変わること

今回の情報を実務向けに整理すると、次のようになります。

確認項目現行仕様実務への影響
送信できる映像最大4台のカメラフィード教室、研修室、多目的ホールなどを複数方向から映せる
受信できるクライアントTeamsデスクトップのWindows・Mac、Teams Rooms on WindowsPC参加者だけでなく、別拠点の会議室からもカメラを切り替えられる
表示方法全カメラの同時表示、または特定カメラへの切り替え参加者ごとに見たいアングルを選べる
設定方法端末上の管理者設定、またはPro Managementポータルのリモートアクセス現地作業と遠隔作業の両方に対応
ライセンスMicrosoft Teams Rooms ProTeams Rooms Basicだけでは利用できない
会議形式スケジュールされたTeams会議、Meet NowP2P通話、ライブイベント、タウンホールは対象外
移行期限機能固有の期限は記載なし強制移行ではなく、必要な会議室から導入できる

送信側の会議室だけでなく、受信側のTeams Roomsからアングルを選べるようになったことが、今回の運用上の重要点です。たとえば東京の大会議室に「登壇者用」「参加者用」「ホワイトボード周辺」の3台を設置し、大阪のTeams Roomsから必要な映像へ切り替える運用ができます。(Microsoft Learn)

影響を受けるユーザーと管理者

主に影響を受けるのは、次のような組織です。

  • 2台以上のカメラを設置したTeams Rooms on Windowsを運用している
  • 教室、研修室、議会室、多目的ホールなど、1台では全体を映しにくい
  • 複数拠点のTeams Rooms同士で会議する機会が多い
  • 遠隔参加者が登壇者、会場全体、資料などを切り替えて確認する必要がある

一般ユーザー側で大がかりな設定は必要ありません。表示されるルーム映像の矢印やメニューを操作し、自分が見たいカメラを選択します。ある参加者がカメラを切り替えても、ほかの参加者の表示には影響しません。(Microsoft Learn)

一方、次の環境は今回のMicrosoft Learnページの対象外です。

  • Teams Rooms on Android
  • TeamsのWeb版やモバイル版を受信端末とする運用
  • 1対1のP2P通話
  • ライブイベント、タウンホール

公式ページに対応クライアントとして記載されていない環境は、利用できると決めつけず、実機で確認してください。

Multiple camera viewの前提条件

導入前に、ライセンスだけでなくカメラ方式、USB帯域、端末性能まで確認する必要があります。

項目必要条件・推奨条件
ライセンスリソースアカウントにMicrosoft Teams Rooms Proを割り当てる
送信側アプリTeams Rooms on Windows 5.2以降
Teams Rooms側での切り替え受信側を5.5.129.0以降のサポート対象バージョンに更新する
カメラ台数最大4台
カメラの種類Teams認定のシングルストリームUSBカメラ
映像形式MJPEG対応を推奨
CPUIntel Core i5以上
2~3台構成Intel第9世代CPU以上を推奨
4台構成Intel第12世代CPU以上を推奨
USB接続可能な限り各カメラを本体のUSBポートへ直接接続する

マルチストリーム対応のインテリジェントカメラは、Multiple camera viewの複数カメラ構成ではサポートされません。また、古いTeams Rooms端末では、映像の停止や一部フィードの欠落が発生する可能性があります。(Microsoft Learn)

Multiple camera viewを設定する手順

Teams Rooms端末で直接設定する

  1. Teams Rooms端末を管理者設定で開きます。
  2. [設定]から[周辺機器]へ進みます。
  3. [既定のビデオ カメラ]が選択されていることを確認します。
  4. [複数のカメラ ビュー]を有効にします。
  5. 表示された[Video Camera 2]で2台目のカメラを選択します。
  6. [プレビュー]で映像とカメラの向きを確認します。
  7. 必要に応じて[カメラの追加]を選び、3台目、4台目を登録します。
  8. リモート参加者に見せたい順番にカメラを並べます。

Multiple camera viewを有効にすると、IntelliFrameのトグルは無効になります。既存のIntelliFrame運用を続けるか、複数アングルを優先するかを導入前に決めてください。(Microsoft Learn)

Pro Managementポータルから遠隔設定する

  1. Teams Rooms Pro Managementポータルを開きます。
  2. Windows版Teams Roomsの[設定]から[リモート アクセス]へ進みます。
  3. [リモート アクセスの有効化]を有効にします。
  4. [会議室]から対象端末を選択します。
  5. [リモート アクセス]、[セッションの開始]の順に選択します。
  6. リモート画面上で、端末へ直接設定する場合と同じ操作を行います。

複数拠点へ展開する場合でも、最初から全会議室を変更するのは避けましょう。カメラ機種やCPU構成が異なる代表的な1室を検証用にし、問題がないことを確認してから対象を広げる方法が安全です。(Microsoft Learn)

リモート参加者にはどう見えるのか

Windows・MacのTeamsデスクトップ

通常のギャラリービューでは、会議室の複数映像が1つの複合タイル内に表示されます。各カメラ映像は16:9で均等に配置され、参加者はタイル右上付近の矢印を使って次の表示を切り替えられます。

  • 全カメラをまとめて表示する
  • カメラ1だけを表示する
  • カメラ2、カメラ3などへ順番に切り替える

画面共有中は、会議室のタイルに表示されるカメラが1台分になります。ただし、矢印を使って別のカメラへ切り替えることは可能です。これは不具合ではなく、仕様上の動作です。(Microsoft Learn)

別のTeams Rooms on Windows

別拠点のTeams Roomsから参加している場合は、コンソールの参加者パネルで対象ルームを選び、コンテキストメニューの[カメラ ビューを切り替える]を操作します。

タッチボードでは、相手ルームのビデオタイル上から切り替えられます。操作するたびに、相手ルームで設定されたカメラが順番に切り替わり、最後まで進むと先頭へ戻ります。(Microsoft Learn)

更新・移行・料金・期限で確認すべきこと

アプリ更新は送信側と受信側を分けて考える

複数カメラを送信するための最低条件はTeams Rooms on Windows 5.2以降です。ただし、別のTeams Roomsから相手ルームのカメラを切り替える機能は、リリースノート上では5.5.129.0で導入されています。

そのため、Rooms同士の利用を予定している場合は、次の基準で確認してください。

  • 送信側:5.2以降
  • 受信側:5.5.129.0以降
  • 実運用:Microsoftがサポートしている新しいバージョンへ更新

Teams RoomsアプリはMicrosoft Store経由の自動更新が推奨されています。Teams Rooms ProではPro Managementポータルの更新リングを使い、検証用会議室から段階的に展開できます。Microsoft Storeから更新できない場合のみ、公式のオフライン更新スクリプトを検討します。手動更新用スクリプトは、新規インストールやダウングレードには使用できません。(Microsoft Learn)

機能導入のためのデータ移行は不要

Multiple camera viewは、管理者設定で有効にする会議室機能です。既存の会議データやTeamsチームを移行する作業はありません。

1台のカメラで運用中の会議室を、直ちに複数カメラへ変更する必要もありません。カメラの追加、端末性能の確認、設定変更、会議テストを行った会議室から順次導入できます。

ただし、Teams Rooms StandardやTeams Rooms Premiumなどのレガシライセンスを使用している場合は別です。レガシライセンスは新ライセンスへ自動移行されないため、契約期限後も複数カメラを使う場合はTeams Rooms Proへの切り替えを確認してください。(Microsoft Learn)

Multiple camera viewに必要な料金

Microsoft Learnでは、Multiple camera view専用の追加アドオン料金は案内されていません。ただし、マルチカメラ機能はTeams Rooms Proに含まれるため、Teams Rooms Basicだけでは利用できません。(Microsoft Learn)

Microsoftの日本向け価格ページでは、2026年6月時点のTeams Rooms Proは1ルームあたり月額相当5,997円、年払い、税別と掲載されています。価格や契約条件は変更される可能性があるため、導入時にはMicrosoft 365管理センターまたは販売店で最新情報を確認してください。(Microsoft)

ライセンス以外にも、次の費用を見込む必要があります。

  • Teams認定USBカメラの追加購入
  • USBポート不足を解消するための機器変更
  • 性能不足の場合のTeams Rooms本体更新
  • カメラ設置や配線工事
  • 導入前のテストと運用手順の整備

強制移行の期限は設定されていない

2026年6月11日更新のページには、Multiple camera viewを有効にしなければならない期限や、旧表示が終了する日付は記載されていません。

したがって、今回の更新を「全会議室を期限までに移行する通知」と捉える必要はありません。期限として確認すべきなのは、レガシライセンスを利用している場合の契約満了日と、Teams Roomsアプリのサポート対象バージョンです。

導入時に失敗しやすいポイント

症状・疑問主な確認項目対処
設定項目が表示されないライセンス、アプリバージョン、既定カメラRooms Proの割り当てとバージョンを確認する
2台目が認識されないカメラ方式、USB接続シングルストリーム対応とTeams認定状況を確認する
映像が止まる、欠落するUSB帯域、CPU性能カメラを本体へ直接接続し、台数を減らして検証する
別のTeams Roomsから切り替えられない受信側バージョン5.5.129.0以降へ更新する
画面共有中に全カメラが表示されない表示仕様共有中は1フィード表示になるため、矢印で切り替える
IntelliFrameが使えなくなった複数カメラ設定Multiple camera viewとの同時利用を前提にしない
参加者によって表示が違う参加者ごとのローカル操作カメラ切り替えは他の参加者へ反映されないと周知する

特に注意したいのがUSBハブです。Microsoftは、USBポートが足りない場合にハブを使うこと自体は認めていますが、1つのUSBハブに接続するカメラは1台だけとしています。複数のカメラを同じハブへ集約すると、帯域不足による映像停止の原因になります。(Microsoft Learn)

Teamsイベントで利用するときの注意点

Multiple camera viewの構成ページでは、P2P通話、ライブイベント、タウンホールを対象外とし、スケジュールされたTeams会議とMeet Nowで利用できると説明しています。(Microsoft Learn)

一方、Teams Roomsのリリースノートには、ウェビナーおよび「出席者に表示される内容を管理する」が有効な構造化会議で、複数カメラビューを扱える条件付きの機能も記載されています。イベント系の会議では、通常会議の手順をそのまま適用せず、会議形式、開催者・発表者の役割、ステージ管理の設定を含めて事前検証してください。(Microsoft Learn)

まず1室で確認してから展開する

管理者は、次の順番で導入すると失敗を減らせます。

  1. リソースアカウントのTeams Rooms Pro割り当てを確認する
  2. 送信側を5.2以降、Rooms受信側を5.5.129.0以降へ更新する
  3. カメラがTeams認定のシングルストリームUSB機器か確認する
  4. MJPEG対応、USB接続、CPU世代を確認する
  5. 検証用の1室でMultiple camera viewを有効にする
  6. Teamsデスクトップと別のTeams Roomsから表示を確認する
  7. 画面共有時、カメラ切り替え時、長時間会議で動作を確認する
  8. 問題がなければ、Pro Managementの更新リングを使って対象を広げる

今回の変更は、単にカメラを増やすためのものではありません。リモート参加者が必要なアングルを自分で選べる会議室を作ることが目的です。カメラ台数から決めるのではなく、「登壇者」「会場全体」「ホワイトボード」など、遠隔参加者が見たい対象を先に整理してから配置を設計してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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