2026年6月11日、Microsoft Learnの「Teams Management Pro portal usage reports – Microsoft Teams」が更新されました。今回の中心は、Teams Rooms Pro Managementポータルの使用状況レポートにおける集計精度と出力形式の改善です。
管理者が特に確認すべき点は、利用率の計算方法、タイムゾーン、People Count、ビデオ使用時間、エクスポート形式の5つです。会議参加者が操作するTeams画面の変更ではありませんが、会議室の利用分析やレポート自動処理を行っている組織には影響があります。 (Microsoft Learn)
Microsoft Learn「Teams Management Pro portal usage reports」の主な変更点
Microsoft Learnの公式情報では、新しい使用状況レポートについて次の変更が案内されています。レポートの画面構成は大きく変わらないものの、計算方法の変更によって従来の数値と差が生じる場合があります。 (Microsoft Learn)
| 変更点 | 変更内容 | 管理上の影響 |
|---|---|---|
| タイムゾーン | UTCではなく、会議室デバイスのローカルタイムゾーンでイベントを集計 | 日別・営業時間別の数値が従来と変わる可能性がある |
| 利用率 | 予約情報だけでなく、実際の占有を示すデバイス信号も反映 | 予約なしで使われた会議室も利用状況に含まれる |
| People Count | 対応OEMカメラに加え、Cloud IntelliFrameのデータも利用 | 平均参加人数を取得できる会議室が増える可能性がある |
| ビデオ使用時間 | ビデオが使われた合計時間を時間単位で表示 | 会議室の映像利用状況を定量的に確認できる |
| エクスポート | 圧縮ファイルで提供され、メタデータ行を削除 | Excel、Power BI、スクリプトなどの取り込み処理に修正が必要な場合がある |
特に注意したいのは、新しい利用率が「実際の在室率」だけを意味するわけではない点です。関連する利用率定義では、予約されているが在室信号がない時間も利用として扱われます。一方で、予約されていなくてもデバイス信号によって占有が確認された時間も反映されます。予約率、占有率、利用率を同じ指標として扱わないことが重要です。 (Microsoft Learn)
影響を受けるユーザーと管理者
今回の変更による影響が大きいのは、次のような担当者です。
- Teams Roomsの稼働状況を確認するMicrosoft Teams管理者
- 会議室の増設、統廃合、座席数を検討する総務・ファシリティ担当者
- 使用状況レポートをExcelやPower BIへ取り込んでいるデータ分析担当者
- 複数の国やタイムゾーンに会議室を設置している組織
- People Countを使って会議室の収容人数を分析している組織
一般ユーザーのTeams会議への参加方法や予約方法が変わる更新ではありません。そのため、通常の会議参加者が設定変更を行う必要はありません。
一方、管理者は新旧レポートを単純に前年同月比や前月比で比較しないよう注意が必要です。たとえば米国西海岸の夕方に行われた会議は、UTC基準では翌日のイベントとして扱われる場合があります。ローカルタイムゾーン基準への変更後は、現地の日付に集計されます。
管理者が確認する手順
ライセンスとアクセス権を確認する
公式ページでは、使用状況レポートはTeams Rooms ProまたはTeams Shared Deviceライセンスで利用できると説明されています。なお、Teams Shared Deviceは2026年4月より「Microsoft Teams Shared Space」へ名称変更されています。管理センターでは新しい名称で表示される可能性があります。 (Microsoft Learn)
ただし、認定Teams RoomsデバイスにTeams Shared Spaceライセンスを割り当てることはできません。認定Teams RoomsシステムにはTeams Rooms BasicまたはTeams Rooms Proが必要で、高度なPro Management機能を利用する場合はTeams Rooms Proを確認します。Teams Shared Spaceは、BYODルーム、Teamsパネル、予約可能なデスクなどで利用するライセンスです。 (Microsoft Learn)
Pro Managementポータルの「会議室」と「インベントリ」にあるライセンスの種類を確認し、対象リソースアカウントが「Pro」などの適切な状態になっているかを確認してください。
現行レポートを保存する
切り替え前に、現在の利用率や会議数をエクスポートしておきます。特に次の数値を基準値として保存しておくと、計算方法変更による差を判断しやすくなります。
- 会議室ごとの利用率
- 予約された会議数
- 総通話数
- Call Performance
- Video Utilization
- Average People Count
新しいレポートでは計算条件が変わるため、切り替え前後の差を「利用が急増した」「会議室が使われなくなった」と即断しないようにします。
新しいレポートを有効にする
Teams Rooms Pro Managementポータルで、次の順に確認します。
- Pro Managementポータルへ管理者アカウントでサインインする
- 「Reports」を開く
- 「Usage」を選択する
- 「Settings」を開く
- 「New Report Toggle」を有効にする
- 対象期間と会議室を指定して数値を確認する
公式情報では、Video Durationと新しいPeople Countデータを表示するには、SettingsにあるNew Report Toggleを有効にする必要があります。テナントにトグルが表示されない場合は、対象ライセンス、管理者権限、テナント向け案内の有無を順に確認してください。 (Microsoft Learn)
翌日の集計結果を確認する
使用状況はリアルタイムではなく、会議室デバイスのローカル時間で毎日午前0時に計算されます。設定直後や会議終了直後に数字が反映されていなくても、直ちに障害とは判断できません。次の日次集計後に再確認します。 (Microsoft Learn)
エクスポートを自動処理している場合の注意点
今回の変更で、エクスポートファイルは圧縮形式になり、メタデータ行が削除されます。次のような処理を行っている場合は、テストが必要です。
- ダウンロードされたCSVを直接読み込んでいる
- ファイルの1行目を常に読み飛ばしている
- 拡張子やファイル名を固定している
- Power Automateで添付ファイルを自動保存している
- Power BIやPythonで定期的にレポートを取り込んでいる
たとえば、従来の処理で「先頭行をメタデータとして削除」していた場合、新形式でも同じ処理を続けると、実際の列見出しまで削除する可能性があります。また、圧縮ファイルを展開する処理がないと、既存のデータ連携が停止することがあります。
本番処理を変更する前に、新形式のファイルを1件出力し、次の項目を確認してください。
- 圧縮ファイル内のファイル数
- ファイル名と拡張子
- 文字コード
- 列名と列順
- 日時の形式とタイムゾーン
- メタデータ行の有無
- 空欄や新規列の扱い
People Countが表示されない場合の確認ポイント
People Countは、対応するOEMカメラまたはCloud IntelliFrameから取得されます。すべてのカメラやTeams Rooms環境で必ず取得できるわけではありません。
確認するポイントは次のとおりです。
- New Report Toggleが有効か
- 対応するカメラまたはCloud IntelliFrameを利用しているか
- Teams Rooms on Windowsの対象環境か
- 会議中に人数を取得できる映像条件だったか
- 対象期間に実際の会議データがあるか
公式情報では、このPeople Count機能はTeams Rooms on Windowsから先に利用可能になるとされています。対応機器の一覧は今後変わる可能性があるため、機器を購入する際はMicrosoftの最新ドキュメントとメーカー仕様を確認してください。 (Microsoft Learn)
また、Microsoft Teams Roomsと同じアカウントを共有していないTeamsパネルの指標は、現時点では使用状況レポートに表示されません。パネルが正常に稼働していても、アカウント構成によってはレポート対象外となります。 (Microsoft Learn)
設定・更新・移行・料金・期限の確認事項
| 項目 | 確認すべき内容 |
|---|---|
| 設定 | SettingsのNew Report Toggle、デバイスのローカルタイムゾーン、ライセンス、管理者権限を確認する |
| 更新 | 今回のページには、必須となるTeamsアプリやOSのバージョンは記載されていない |
| 移行 | データ移行手順は案内されていないが、レポート比較とエクスポート処理の見直しが必要 |
| 料金 | 新レポート専用の追加料金は案内されておらず、既存の対象ライセンスが必要 |
| 期限 | 今回の公式ページには、旧レポートの終了日や切り替え期限の記載がない |
Microsoftの日本向け価格ページでは、Teams Rooms Proは1ルームあたり月額相当5,997円、年払い、消費税別と表示されています。価格は契約チャネルや地域、契約条件によって変わる可能性があるため、実際の金額はMicrosoft 365管理センターまたは販売パートナーで確認してください。 (Microsoft)
今回の更新だけを理由に、新しいライセンスを直ちに追加購入する必要があるとは限りません。まず、現在のリソースアカウントに割り当てられているライセンスと、分析対象が認定Teams Rooms、BYODルーム、Teamsパネルのどれに該当するかを整理することが先です。
まず実施すべき対応
最初に現行レポートを1回エクスポートし、基準値を保存してください。その後、ライセンス、ローカルタイムゾーン、New Report Toggle、People Countの取得条件を確認します。
レポートを自動連携している場合は、圧縮ファイルへの変更とメタデータ行の削除を優先してテストします。新旧の利用率に差が出ても、すぐに会議室利用の変化と判断せず、予約情報と占有信号の計算方法が変わった影響を切り分けることが重要です。

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