Teams Shiftsで空きシフトを割り当てる新機能は、未割り当ての「空きシフト」を、従業員の勤務可能時間・承認済み休暇・過去の勤務傾向・勤務ルールをもとに自動で割り当てる機能です。結論から言うと、これは「自動で確定して公開する機能」ではなく、現場マネージャーが下書きとして割り当て結果を作り、内容を確認・修正してから公開する機能として理解すると迷いにくくなります。
Microsoft 365 Roadmap ID 562535では、この機能は「Microsoft Teams: Assign Open Shifts」として掲載され、2026年6月リリース予定、ステータスはRolling out、リリースフェーズはGeneral Availability、対象はWorldwide、Desktop、Macとされています。Roadmap上の更新日時はUTCで2026-06-22T23:00:47のため、日本時間では2026年6月23日朝に相当します。なお、Microsoft 365 Roadmapは商用機能の予定日と説明を示すもので、内容は変更される可能性があります。(Microsoft)
Teams Shiftsで空きシフトを割り当てる新機能とは
Teams Shiftsの「Assign open shifts」は、勤務表の上部にあるOpen Shifts、つまり未割り当ての空きシフトを、条件に合う従業員へ自動で割り当てるための機能です。従来は、マネージャーが「この時間帯に誰を入れるか」を一つずつ判断していましたが、この機能を使うと、候補者の可用性や休暇、勤務ルールを考慮した下書きを短時間で作れます。
Microsoftの説明では、この機能は従業員の勤務可能時間、承認済み休暇、過去のスケジュールパターン、最大勤務時間や休息時間などのスケジュールルールを考慮し、公開前にレビュー・調整できる下書きスケジュールを生成します。(Microsoft)
ここで重要なのは、空きシフトの自動割り当ては「最終決定の自動化」ではないという点です。実務では、最後にマネージャーが人員バランス、スキル、本人事情、店舗・部署ごとの暗黙知を確認してから公開する流れになります。
まず押さえたい結論
Teams Shiftsで空きシフトを割り当てる新機能を使う前に、次の考え方を押さえておくと混乱を避けられます。
| 迷いやすい点 | 正しい理解 |
|---|---|
| 自動割り当てしたら即公開される? | いいえ。割り当て後は下書きとして表示され、確認・編集してから共有します。 |
| すべての空きシフトが必ず埋まる? | いいえ。条件を満たせないシフトは空きシフトのまま残ります。 |
| どのシフトでも対象になる? | 対象はOpen Shifts欄に入っている空きシフトです。従業員に既に割り当て済みのシフトを再最適化する機能ではありません。 |
| どのグループにも使える? | 空きシフトがあるスケジュールグループだけが選択対象になります。 |
| 管理者が特別なボタンを有効化する必要がある? | Roadmap上は新機能としてロールアウト中です。ただし、利用可否はテナントへの展開状況、Shiftsの権限、アプリ設定、利用環境に左右されます。 |
Microsoft Learnの手順では、Open Shifts欄に対象シフトを入れたうえで、Shiftsアプリ右上の「Assign open shifts」を選び、スケジュールグループと自動割り当てルールを確認してから割り当てる流れが示されています。割り当て後は下書きとして確認・編集でき、必要に応じてUndoで戻し、最後に「Share with team」で公開します。(Microsoft Learn)
空きシフトの自動割り当てと従来のOpen Shiftsの違い
Teams Shiftsには以前から、従業員が希望して申し込める「Open Shifts」の仕組みがあります。今回の「Assign open shifts」は、それとは目的が少し違います。
| 機能 | 主な目的 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Open Shifts | 空きシフトを公開し、従業員からの申請を待つ | 希望者を募りたい、本人の希望を重視したい |
| Assign open shifts | マネージャーが空きシフトを自動割り当てする | 短時間で勤務表のたたき台を作りたい、空き枠をまとめて埋めたい |
| 手動割り当て | マネージャーが一人ずつ判断して割り当てる | 資格、経験、相性、個別事情を細かく見たい |
実務では、すべてを自動化するよりも「まずAssign open shiftsで下書きを作り、重要な枠だけ手動で調整する」使い方が現実的です。たとえば小売店なら、レジ担当・品出し担当・閉店作業担当をスケジュールグループで分けたうえで、通常枠は自動割り当て、責任者枠や新人教育枠は手動確認にする運用が向いています。
Teams Shiftsで空きシフトを割り当てる基本手順
Open Shifts欄に空きシフトを作成する
最初に行うのは、割り当てたいシフトをOpen Shifts欄へ登録することです。従業員の行に直接シフトを作るのではなく、勤務表上部のOpen Shiftsエリアに「まだ誰にも割り当てていないシフト」として作成します。
たとえば、以下のように登録します。
| 日付 | 時間 | 必要人数 | 役割の例 |
|---|---|---|---|
| 月曜日 | 9:00〜13:00 | 2名 | レジ |
| 月曜日 | 13:00〜18:00 | 1名 | 品出し |
| 火曜日 | 17:00〜22:00 | 2名 | 閉店作業 |
この時点で、必要な人数分の空きシフトを作ることが大切です。1つの空きシフトを作っただけでは、1人分の枠として扱われます。3人必要な時間帯なら、3人分の空きシフトを用意する考え方になります。
「Assign open shifts」を選択する
Open Shifts欄に割り当て対象を準備したら、Shiftsアプリ右上の「Assign open shifts」を選びます。Microsoft Learnでは、このボタンから空きシフトの割り当て処理を開始する流れが案内されています。(Microsoft Learn)
ボタンが見つからない場合は、次の点を確認してください。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| ロールアウト状況 | RoadmapではRolling outのため、テナントによって表示時期がずれる可能性があります。 |
| 利用環境 | Roadmapの対象プラットフォームはDesktop、Macです。まずTeamsデスクトップアプリまたはMac環境で確認します。 |
| 権限 | スケジュールを管理できるロールで開いているか確認します。 |
| Shiftsアプリの表示 | TeamsのアプリバーにShiftsが表示されていない場合は、アプリ検索や管理者のアプリセットアップポリシーを確認します。 |
Teams管理センターでは、アプリセットアップポリシーを使ってShiftsをTeamsにピン留めできます。フロントラインワーカーやフロントラインマネージャー向けのポリシーパッケージにも、Shiftsなどの現場向けアプリをピン留めする設定が含まれます。(Microsoft Learn)
スケジュールグループを選ぶ
次に、対象のスケジュールグループを選択します。Microsoft Learnでは、空きシフトがあるスケジュールグループだけが表示されると説明されています。(Microsoft Learn)
ここでよくある失敗は、スケジュールグループの作り方が粗すぎることです。たとえば「全スタッフ」という1グループだけにしていると、レジ経験者、資格保有者、夜勤可能者、責任者候補などの区別がつきにくくなります。
自動割り当てを使うなら、スケジュールグループは実務上の役割に合わせて分けるのがおすすめです。
| 悪い分け方 | 改善例 |
|---|---|
| 全員を「店舗スタッフ」に入れる | レジ、品出し、閉店作業、責任者候補に分ける |
| 病棟スタッフを全員まとめる | 看護師、看護補助、夜勤可能者などで分ける |
| コールセンター担当を全員まとめる | 一次受付、二次対応、英語対応、SV候補に分ける |
Shiftsでは、スケジュールグループを使って従業員を部署や職種などの共通特性で整理できます。MicrosoftのShifts概要でも、スケジュールグループは部署やジョブタイプなどでワーカーをグループ化する用途として説明されています。(Microsoft Learn)
自動割り当てルールを確認する
割り当て前に、必要に応じて「Auto assignment rules」を確認します。Microsoft Learnでは、最大週次勤務時間、最大日次勤務時間、連続勤務日数、最小休息時間などのルールを確認・変更できると説明されています。変更したルールはチームの全メンバーに適用され、次回以降の空きシフト割り当てに反映されます。(Microsoft Learn)
この点は、現場で特に注意が必要です。たとえば「今週だけ人手不足だから休息時間の条件を緩める」という操作を軽く行うと、そのチーム全体の次回割り当てにも影響する可能性があります。労務ルールや社内規程に関わるため、現場マネージャーだけで変更してよい設定か、事前に確認しておきましょう。
割り当て結果を確認してから公開する
「Assign open shifts」を実行すると、条件に合う従業員へ空きシフトが割り当てられます。ただし、条件を満たせないシフトは空きシフトとして残ります。割り当て結果は下書きとして表示されるため、マネージャーは内容を確認し、必要に応じて手動で修正できます。(Microsoft Learn)
確認すべきポイントは、単に「空きが埋まったか」だけではありません。
| 確認ポイント | 見るべき理由 |
|---|---|
| 勤務時間の偏り | 特定の人に負荷が集中していないか確認するため |
| 連続勤務 | 実務上の疲労や社内ルールに反していないか確認するため |
| スキル・資格 | システム上の条件だけでは判断できない業務適性を確認するため |
| 新人とベテランの組み合わせ | 現場が回る人員構成になっているか確認するため |
| 休暇・希望の反映 | 承認済み休暇や勤務不可時間が正しく反映されているか確認するため |
| 未割り当ての残り | 条件を満たせなかった空きシフトを手動対応するため |
最後に「Share with team」で共有して初めて、チームに勤務表を公開する流れになります。自動割り当て後すぐに現場へ通知される前提で運用しないようにしましょう。
設定場所で迷いやすいポイント
Shiftsの中で設定するものと管理センターで見るものを分ける
Teams Shiftsの空きシフト割り当てで混乱しやすいのは、「どこで何を設定するのか」が複数に分かれる点です。
| やりたいこと | 主な場所 | 担当者の例 |
|---|---|---|
| 空きシフトを作る | TeamsのShiftsアプリ | 現場マネージャー |
| 空きシフトを自動割り当てする | TeamsのShiftsアプリ | 現場マネージャー |
| スケジュールグループを整理する | Shiftsのスケジュール設定 | 現場マネージャーまたは管理者 |
| ShiftsアプリをTeamsに表示しやすくする | Teams管理センターのアプリセットアップポリシー | Teams管理者 |
| Shiftsの機能権限を制御する | Graph APIなどによるShifts権限管理 | Microsoft 365管理者、IT担当 |
| 外部WFMとの連携を管理する | Shiftsコネクタ、WFM側システム | IT担当、労務・店舗システム担当 |
現場マネージャーが操作する範囲と、IT管理者が整える範囲を分けて考えると、問い合わせ対応もしやすくなります。
権限がないとボタンや設定が見えないことがある
Microsoft Learnでは、ShiftsのフロントラインマネージャーはTeamsのチーム所有者またはShiftsのスケジュール所有者であり、チームのスケジュールを作成・管理するユーザーとして説明されています。また、Open shifts、Swap shifts、Offer shiftなどの機能は、CanModifyShiftRequestsCapabilitiesパラメーターで制御できるとされています。(Microsoft Learn)
つまり、「Aさんの画面にはボタンがあるのに、Bさんの画面にはない」という場合、単なる不具合ではなく、ロールや権限の違いが原因の可能性があります。
特に、次のような組織では権限設計を確認しておきましょう。
- 店長はTeamsのチーム所有者だが、部門責任者はメンバー扱いになっている
- Shiftsのスケジュール所有者を一部の管理者だけに限定している
- 部署ごとにOpen shiftsの作成・申請を制限している
- 店舗システムや勤怠システムを正とし、Teams Shifts側の編集を制限している
WFM連携を使っている場合は特に注意する
Shiftsを単体で使っている場合と、外部のWorkforce Management(WFM)システムと連携している場合では、操作できる範囲が変わります。
MicrosoftのShifts概要では、組織はShiftsをスタンドアロンアプリとして使うことも、WFMシステムに接続して使うこともできると説明されています。WFM連携を使う場合は、WFM側のビジネスルールを適用したり、ShiftsとWFMのデータを同期したりできます。スタンドアロンではシフトや空きシフトを手動作成・Excelインポート・コピー&ペーストで作成できますが、Microsoft管理のShiftsコネクタでは、シフトや空きシフトの作成・更新・削除はWFM側で行い、Shiftsへ同期される扱いです。(Microsoft Learn)
そのため、WFM連携環境で「Teams側で空きシフトを自動割り当てしてよいか」は、必ず事前確認が必要です。勤怠、給与、労務ルールの正本がWFM側にある場合、Teams Shiftsだけで勤務表を変更すると、後続の給与計算や人員計画とずれる可能性があります。
導入前に確認したい前提条件
空きシフトの粒度が実務に合っているか
自動割り当ては、登録された空きシフトをもとに動きます。元の空きシフトが曖昧だと、割り当て結果も使いにくくなります。
たとえば、以下のような空きシフトは見直した方がよいでしょう。
| 避けたい登録 | 理由 | 改善例 |
|---|---|---|
| 9:00〜22:00を1本の空きシフトにする | 実際には早番・遅番・休憩が必要で、割り当てにくい | 9:00〜13:00、13:00〜18:00、18:00〜22:00に分ける |
| 役割を指定せずに空き枠だけ作る | 誰でもできる業務と資格が必要な業務が混ざる | レジ、厨房、責任者などグループを分ける |
| 必要人数をメモだけに書く | システム上は1枠として扱われる可能性がある | 人数分の空きシフトを作る |
| 休憩や引き継ぎ時間を考慮しない | 公開後に手直しが増える | 勤務時間と休憩ルールを先に整理する |
従業員の勤務可能時間と休暇が最新か
この機能は、従業員の可用性や承認済み休暇を考慮します。裏を返すと、可用性や休暇情報が古いままだと、実態に合わない下書きが作られる可能性があります。
導入前には、次の運用を決めておくと安定します。
| 項目 | 運用ルールの例 |
|---|---|
| 勤務可能時間の更新期限 | 翌週分は毎週木曜18時までに登録 |
| 休暇申請の承認期限 | 勤務表作成前日の正午までに承認 |
| 急な勤務不可 | マネージャーへ連絡後、Shiftsにも反映 |
| 変更後の再割り当て | 公開前なら再実行、公開後は手動修正を基本にする |
自動割り当ての精度は、機能そのものよりも、入力データの鮮度に大きく左右されます。現場では「機能を使う日」より前に、従業員側の登録ルールを整えることが重要です。
労務ルールを現場判断で変えない
最大勤務時間、連続勤務日数、休息時間などは、業務効率だけでなく労務管理に関わる設定です。Microsoft Learnでは、自動割り当てルールを変更するとチーム全体に適用され、次回の空きシフト割り当てから有効になると説明されています。(Microsoft Learn)
そのため、ルール変更は「現場が忙しいから一時的に緩める」ではなく、社内ルールに沿って管理すべきです。特に医療、介護、小売、物流、コールセンターなど、勤務間インターバルや資格者配置が重要な職場では、設定値を明文化しておくとトラブルを防げます。
資格やスキルをシステムが理解できる形にする
空きシフトの自動割り当ては便利ですが、現場のすべての判断材料を自動で理解するわけではありません。たとえば「この人は新人教育ができる」「この時間帯はクレーム対応に強い人が必要」「この業務は特定資格者でなければならない」といった条件は、Shifts上のグループ設計や運用ルールに落とし込む必要があります。
実務では、スキル条件を以下のように整理すると使いやすくなります。
| 現場の条件 | Shiftsでの整理例 |
|---|---|
| レジ締めができる人だけを夜間に入れたい | 「閉店作業」グループを作る |
| 有資格者だけを特定枠に入れたい | 資格者用のスケジュールグループを作る |
| 新人だけの時間帯を避けたい | 自動割り当て後に責任者との組み合わせを確認する |
| 特定業務の経験者を優先したい | グループ分けと手動確認を併用する |
自動割り当ては、きれいに整理されたスケジュールグループと相性がよい機能です。逆に、全員を同じグループに入れたまま使うと、最後の手直しが増えやすくなります。
よくあるつまずきと対処法
「Assign open shifts」ボタンが表示されない
まず確認するのは、ロールアウト状況、利用環境、権限です。RoadmapではステータスがRolling out、対象プラットフォームがDesktopとMacになっています。モバイルアプリだけで探している場合は、まずデスクトップ環境で確認してください。(Microsoft)
次に、ユーザーがShiftsのスケジュールを管理できるロールか確認します。チーム所有者やスケジュール所有者ではないユーザーは、割り当て操作に必要な権限がない可能性があります。
スケジュールグループが選択肢に出ない
Microsoft Learnでは、空きシフトがあるスケジュールグループだけが表示されると説明されています。(Microsoft Learn)
つまり、対象グループが表示されない場合は、次を確認します。
- そのグループにOpen Shiftsが作られているか
- 空きシフトを別のグループに作っていないか
- 日付範囲や表示週を間違えていないか
- グループ名が実務の役割と合っているか
自動割り当てしても空きシフトが残る
空きシフトが残るのは、必ずしもエラーではありません。条件を満たせる従業員がいない場合、割り当てできなかったシフトはOpen Shiftsとして残ります。Microsoft Learnでも、全員の休暇やルールに合うスケジュールを作れない場合、埋められなかったシフトは手動対応のため空きシフトとして残ると説明されています。(Microsoft Learn)
この場合は、次の順で確認すると効率的です。
| 確認順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | その時間帯に勤務可能な従業員がいるか |
| 2 | 承認済み休暇と重なっていないか |
| 3 | 最大勤務時間や休息時間のルールに抵触していないか |
| 4 | スケジュールグループのメンバーが少なすぎないか |
| 5 | そもそも必要人数が現実的か |
割り当て結果が現場感覚と合わない
自動割り当ての結果が「間違い」ではなくても、現場としては使いにくいことがあります。たとえば、ベテランが少ない時間帯に新人が偏る、特定の人に閉店作業が続く、相性の悪い組み合わせになる、といったケースです。
この場合は、機能を使わないのではなく、次の改善を試す価値があります。
- スケジュールグループを細かく分ける
- 空きシフトの時間帯を現実の勤務区分に合わせる
- ルール設定を見直す
- 自動割り当て後に必ず確認する項目をチェックリスト化する
- 最初からすべてを自動化せず、一部の部署や時間帯だけで使う
実務で使いやすい活用シーン
小売店の週次シフト作成
小売店では、レジ、品出し、売場対応、閉店作業などの役割ごとに必要人数が決まっていることが多くあります。あらかじめ役割ごとのスケジュールグループを作り、必要枠をOpen Shiftsとして登録しておけば、週次シフトのたたき台を短時間で作れます。
ただし、店長代理、金銭管理、クレーム対応など、経験が必要な枠は自動割り当て後に必ず確認しましょう。
医療・介護現場の人員配置
医療・介護の現場では、日勤・夜勤・早番・遅番に加え、資格や経験の組み合わせが重要です。自動割り当ては、休暇や勤務ルールを踏まえた下書き作成には役立ちますが、資格者配置や患者・利用者との相性まで完全に任せるのは危険です。
「夜勤可能者」「リーダー担当」「資格者」など、スケジュールグループを実務に合わせて作り、最後は管理者が確認する運用が向いています。
コールセンターやサポート窓口
コールセンターでは、曜日や時間帯ごとの必要人数が比較的はっきりしています。Open Shiftsを時間帯別に作り、一次受付、二次対応、SVなどのグループを分けておけば、空き枠を埋める作業の負担を減らせます。
一方で、繁忙時間帯に新人だけが並ぶと対応品質が落ちるため、自動割り当て後に「経験者が最低1人いるか」を確認するチェックが必要です。
管理者が導入前に用意しておきたいチェックリスト
Teams Shiftsで空きシフトの自動割り当てを使い始める前に、管理者と現場マネージャーで次の項目を確認しておくと、導入後の問い合わせを減らせます。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| RoadmapとMessage Center | 自社テナントで展開済みか、対象環境に入っているか |
| 利用端末 | デスクトップまたはMacで操作確認できるか |
| Shiftsアプリの表示 | 対象ユーザーのTeamsにShiftsが表示・ピン留めされているか |
| 権限 | 操作するユーザーがチーム所有者またはスケジュール所有者か |
| Open shiftsの利用設定 | 空きシフトの作成・申請が組織方針に合っているか |
| スケジュールグループ | 役割や部署に合わせて分けられているか |
| 勤務可能時間 | 従業員が最新の可用性を登録しているか |
| 休暇情報 | 承認済み休暇が勤務表作成前に反映されているか |
| 自動割り当てルール | 最大勤務時間、連続勤務、休息時間などが社内ルールと合っているか |
| WFM連携 | 外部勤怠・人員管理システムと矛盾しないか |
| 公開前レビュー | 誰が最終確認し、どの基準で修正するか決まっているか |
Shiftsの監査については、Microsoft LearnでShiftsアクティビティを監査ログで検索できること、監査ログ検索にはMicrosoft Purviewポータルで監査を有効化しておく必要があることが説明されています。運用上の変更履歴を追いたい組織では、監査ログの利用可否も確認しておくと安心です。(Microsoft Learn)
一般ユーザーに説明するときの言い換え
現場メンバーに説明する場合、「AIが勝手にシフトを決める」と伝えると誤解されやすくなります。次のように説明すると、受け止められやすくなります。
新しい機能では、未割り当ての空きシフトについて、勤務できる人や休暇、勤務ルールを見ながら、マネージャーが下書きを自動作成できます。作成された勤務表はすぐに確定されるわけではなく、マネージャーが確認・修正してから共有します。
この説明なら、従業員側も「自分の希望が無視されるのではないか」「突然確定シフトが変わるのではないか」という不安を持ちにくくなります。
Microsoft Learnの「public preview」表記との違いに注意
2026年4月更新のMicrosoft Learn手順ページでは、この機能について「public preview」と記載されています。一方、Microsoft 365 Roadmap ID 562535では、リリースフェーズはGeneral Availability、ステータスはRolling outです。(Microsoft Learn)
このように、個別の手順ページとRoadmapで表記の更新タイミングがずれることがあります。記事作成時点では、Roadmap上の分類を基準に「一般提供としてロールアウト中」と理解しつつ、自社テナントでの実際の表示、Message Centerの通知、管理者ポリシーを確認してから展開するのが安全です。
まとめ:まず小さな範囲で下書き作成に使うのが現実的
Teams Shiftsで空きシフトを割り当てる新機能は、シフト作成の負担を減らす便利な機能です。ただし、効果を出すには、Open Shiftsの作り方、スケジュールグループ、勤務可能時間、休暇情報、勤務ルールが整理されている必要があります。
最初から全店舗・全部署で使うより、まずは1つのチーム、1つの週、1つの役割グループに絞って試すのがおすすめです。自動割り当てで下書きを作り、マネージャーが確認・修正し、問題なければ「Share with team」で公開する。この流れを標準手順にすれば、手作業の負担を減らしながら、現場に合った勤務表を作りやすくなります。
特に確認すべき次の一手は、ボタンの場所を探すことではありません。まず、自社のShiftsでOpen Shifts、スケジュールグループ、勤務可能時間、休暇、権限が正しく整っているかを確認してください。そこが整っていれば、Assign open shiftsは単なる新ボタンではなく、勤務表作成を効率化する実用的な道具になります。

コメント