Mac版Microsoft Wordを日頃から愛用している方にとって、アップデートが作業効率を上げるものであれば嬉しい限りですよね。しかし、場合によっては最新バージョンがトラブルを引き起こすこともあります。ここでは、Word 16.87以降で頻発する動作不良と、その対処法をご紹介します。
Mac版Word 16.87以降の不具合とは
Mac版のMicrosoft Wordを16.87(または16.88、16.89など)にアップデートした後、文書のスクロールやテキスト選択、ハイライトなどの操作を行った際に、極端な動作の遅延や虹色ホイール(ビーチボール)が表示され、フリーズに近い状態になる現象が多発しています。特に数百ページを超える大容量の文書では顕著とされ、以前のバージョン(16.86など)で問題なく扱えていたファイルも更新後はスムーズに操作できないとの報告が多く寄せられています。
大容量ドキュメントでのフリーズ問題
以下のような大きなファイルを扱うと、顕著にフリーズや応答遅延が発生します。
- 数百ページ以上の長い論文やレポート
- 高解像度の画像やグラフが多用されている教材・パンフレット
- 章や節などに分割されておらず、一つのファイルに情報が集中している文書
これらを開いて編集しようとすると、カーソルや画面描画が追いつかず、ほとんど作業にならないケースがあります。加えて、スクロールバーの操作だけでも虹色ホイールが表示され、待ち時間が長引くため生産性が大きく損なわれる状況です。
操作のラグと虹色ホイールの出現
文書のボリュームに関係なく、Wordを起動して文字を入力した直後や、テキストをまとめて選択した際にもラグが発生するとの報告があります。少ページであっても一度虹色ホイールが始まると、操作がまったくできなくなることも珍しくありません。数秒から数十秒単位のフリーズに加え、強制終了しないと改善しないケースもあるため、非常に深刻な問題と捉えられています。
以下の表に、よく報告されている操作と症状をまとめました。
| 操作内容 | 主な症状 |
|---|---|
| ページスクロール | 虹色ホイールが頻繁に表示され、操作を受け付けない |
| テキストのハイライト・選択 | テキストが選択できず、一時的にフリーズ |
| ページ内検索(検索・置換機能) | 検索窓が開くまでに時間がかかったりアプリが応答しない |
| Wordの再起動直後 | しばらく操作できるが、再度フリーズを起こす |
考えられる原因
Wordバージョン16.87以降で観測される一連の不具合の明確な原因については、Microsoftから正式には公表されていません。ただし、多くのユーザー報告から以下のような要因が推測されています。
バージョンアップに伴う互換性不具合
ソフトウェアのバージョンアップによって新機能の追加や内部的な最適化が行われる際、古いバージョンと環境設定ファイルやキャッシュとの間に衝突が起こる場合があります。Wordは多数の機能を搭載しているため、大容量ファイルを扱う処理系統に変更が入った結果、パフォーマンスが低下する可能性が指摘されています。
OSとの相性
Mac版WordはmacOSのバージョンによって動作環境が異なることがあります。最新のmacOSを利用している場合、Word本体がmacOSの新しいAPIやグラフィックスドライバと噛み合わないケースが考えられます。また、macOSのバージョンアップとのタイミングが重なると、Office全体のアップデートを行うことが推奨される一方で、Wordのみ意図せず不具合に見舞われるリスクもあります。
解決策・回避策
この問題を根本的に解決するには、Microsoftからの修正パッチを待つのが理想的ですが、現時点でリリース時期が明示されていないため、ユーザー自身で回避策を講じる必要があります。以下に実行可能な対処法を整理しました。
旧バージョンへダウングレード
もっとも有効とされる回避策が、安定していたバージョン(たとえば16.86など)へ戻す方法です。セキュリティ的には最新バージョンを使うのが望ましい部分はあるものの、作業が進まない状態よりははるかにマシだという考え方が一般的です。
Microsoft公式サイトからのインストール方法
- Macの「アプリケーション」フォルダ内にある「Microsoft Word」をゴミ箱に移動して削除します。
- 下記のようにMicrosoft公式の更新履歴ページを参照します。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/officeupdates/update-history-office-for-mac
ここから、過去のバージョン(16.86、16.82など)のインストーラーを探します。
- 該当のインストーラーをダウンロードし、指示に従ってインストールを進めます。インストール後、Wordを起動すると、ライセンス情報が引き継がれた状態で旧バージョンが使えるようになります。
- 必ずMicrosoft AutoUpdateの自動更新をオフにしておきましょう。次回起動時に再び16.87以降へアップデートされるのを防ぐためです。
Time Machineからの復元
MacのTime Machineバックアップを取っている場合、Word 16.87を導入する前の状態から復元する手もあります。
- バックアップから「Microsoft Word.app」を復元し、アプリケーションフォルダに戻します。
- Wordを起動し、正常に動作するか確認します。
- 復元が完了したら、Microsoft AutoUpdateをオフにしてアップデートを防ぎます。
一時的な操作方法
旧バージョンへのダウングレードが難しい場合や、すぐにファイルを開いて作業を進めたいときに、いくつかの軽減策が報告されています。なかでも「Escキーを押すとラグが緩和される」ケースが挙げられます。
しかし、この方法は一時的な対症療法に過ぎず、大きな文書では効果が限定的との声もあります。根本的な解決とは言いがたいため、あまり期待しすぎず「気休め」程度に考えるのが無難です。
バージョン16.89.1以降へのアップデート
一部ユーザーからは、16.89.1以降のWordにアップデートしたところ、フリーズや虹色ホイールの出現頻度が減った、または問題が解消されたという報告もあります。すべての環境で同様の効果が得られるわけではありませんが、安定性が向上している可能性はあります。
ただし、大事なファイルやフォントの互換性などを考慮し、アップデート前に必ずTime Machineなどでバックアップを取ることを推奨します。もし新しいバージョンでも不具合が続くようであれば、再度旧バージョンへ戻すことになるため、バックアップは非常に重要です。
Microsoftへのフィードバック送信
ユーザーの声が集まるほど、開発チームが問題を重視し、対策を急いでくれる可能性があります。Wordのメニューバーから「ヘルプ」→「フィードバック」→「気に入らないところがある」の順に進み、具体的な症状や発生頻度、Macの環境情報などを添えて報告すると、早期改善につながるかもしれません。
メリット・デメリット
不具合が生じているバージョンを使い続けるか、旧バージョンに戻すか、あるいは修正パッチを待つか。それぞれにメリット・デメリットが存在します。
ダウングレードのメリット
- 安定していた環境に戻せるため、作業効率が取り戻せる
- 大容量ファイルの編集やスクロールなども通常通り動作する
- 余計なトラブルに悩まされず、長期的に使ってきたワークフローを継続できる
ダウングレードのデメリット
- セキュリティ修正や新機能が盛り込まれた最新バージョンを享受できない
- AutoUpdateをオフにしないと再度バージョンアップしてしまう可能性がある
- ほかのOfficeアプリとのバージョン差が生じ、連携機能が正常に動かない場合がある
修正パッチを待つメリット
- 最新バージョンの機能やセキュリティ修正を維持できる
- OSや他のアプリとの整合性が保たれやすい
- 大幅な環境の入れ替えを行わずに済む
修正パッチを待つデメリット
- リリース時期が不透明なため、いつまで不便な状態が続くか分からない
- 大量の文書を扱う職場やプロジェクトでは、待っていられない可能性が高い
- 作業効率が低下し、品質や納期に影響を与えるリスクがある
今後の展望
Microsoftは定期的にOfficeスイート全体のアップデートをリリースしています。修正パッチが適用されれば、Wordのパフォーマンス低下問題も解消される可能性がありますが、その正式リリース日や修正内容の詳細はアナウンスされていません。現状は各ユーザーが自己防衛策を取るか、新しいバージョンを試して問題が解決されるかを確認しながら対応するしかない状況です。
最新アップデート待ちか安定版維持か
今すぐ作業効率を確保したい場合は、迷わず旧バージョンへのダウングレードを選択するのが賢明です。一方、セキュリティリスクへの抵抗感が強い、または最新のWord機能を使っての共同作業や校正機能をフルに活用したい場合には、バックアップを十分に取ったうえで16.89.1以降を試すのも一案です。
Office全体の動向
Word以外のOfficeアプリ(OutlookやExcel、PowerPointなど)は頻繁に機能更新やバグ修正を受けており、比較的スムーズにアップデートが進む傾向があります。しかし、Wordだけは文章量やレイアウト構成の複雑さゆえか、特定の環境でパフォーマンスが著しく落ちる事例が散見されます。Officeスイート全体を最新に保ちたい企業ユーザーなどにとっては、Wordだけダウングレードする選択肢が取りづらいケースもあるでしょう。
まとめ
Mac版Microsoft Word 16.87以降で報告されている大容量文書でのフリーズや虹色ホイールによる操作遅延問題は、多くのユーザーの作業に支障をきたす深刻な不具合です。現時点でMicrosoftから公式な修正パッチは提供されていませんが、ダウングレードによる回避か、16.89.1以降のバージョンを試してみるのが主な対処法となります。
どうしても作業が滞ってしまう場合は、安定していたバージョンに戻す手段を検討し、自動アップデートを無効化することでトラブルを防ぐのが得策です。今後Microsoftがリリースする更新で根本的に解決される可能性は高いため、アップデート情報を見逃さないようにすることも大切です。万一問題が続く場合は、フィードバック送信やサポートへの問い合わせを積極的に行い、早期解決を目指しましょう。

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