Microsoft Learnの「Use MCP Servers to Extend GitHub Copilot – Visual Studio (Windows)」が、2026年6月16日に更新されました。今回の中心的な変更は、Visual Studio 2026 バージョン18.7以降に追加されたMCPサーバーの信頼確認機能です。
以前に使用したMCPサーバーのURL、起動コマンド、ツールなどが変更されると、Visual Studioが差分を検知し、実行前に再承認を求めます。既存の.mcp.jsonを別形式へ移行する必要はありませんが、Visual Studio 2022ではこの信頼確認機能を利用できない点に注意が必要です。(Microsoft Learn)
Developer tools「Use MCP Servers to Extend GitHub Copilot」の変更点
2026年6月16日のドキュメント更新では、「MCP server trust dialog」の説明が追加されました。GitHub上の公式ドキュメント変更履歴でも、同日のコミット名が「VS | MCP server trust dialog」となっています。(GitHub)
ただし、2026年6月16日が機能そのものの提供開始日とは限りません。MCPサーバーの信頼確認機能は、2026年6月9日に公開されたVisual Studio 2026 バージョン18.7.0の機能です。6月16日には修正版の18.7.1が公開され、Microsoft Learnの解説も更新されました。(Microsoft Learn)
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な変更 | 更新されたMCPサーバーを再承認する信頼確認ダイアログを追加 |
| 対象バージョン | Visual Studio 2026 バージョン18.7以降 |
| 初期設定 | 有効 |
| Visual Studio 2022 | MCP自体は17.14以降で利用可能だが、今回の信頼確認機能は対象外 |
| 設定ファイルの移行 | 今回の更新に伴う形式変更は案内されていない |
| 追加料金・移行期限 | 当該更新では案内されていない |
MCPサーバーの変更を2段階で検知する
Visual Studio 2026 バージョン18.7以降では、MCPサーバーの信頼状態を「設定」と「提供機能」の2段階で確認します。
| 確認段階 | 検知する内容 | 確認されるタイミング |
|---|---|---|
| 構成の信頼確認 | 接続方式、URL、実行コマンド、引数など | サーバープロセスの起動前 |
| 資産の信頼確認 | ツール、プロンプト、リソース、リソーステンプレート、指示など | サーバー起動後、機能一覧を読み込んだ時点 |
たとえば、リポジトリ内の.mcp.jsonで接続先URLが変更された場合や、同じMCPサーバーにファイル削除機能が追加された場合、以前に承認した状態との差分として検知されます。これにより、設定ファイルの改変やサーバー更新によって、意図しない機能が追加されたことに気づきやすくなります。(Microsoft Learn)
ただし、この機能は「以前の状態から変わったか」を検知するものです。変更後のサーバーが安全であることを保証する仕組みではありません。ダイアログが表示されたら、URL、実行コマンド、追加されたツール、提供元のリリース情報まで確認する必要があります。
信頼確認ダイアログで選べる操作
MCPサーバーの変更が検知されると、次のいずれかを選択します。
| 選択肢 | 動作 | 選ぶ判断基準 |
|---|---|---|
| Accept | 今回の変更を承認し、新しい状態を次回以降の比較基準にする | 正式な更新であり、変更内容を確認できた場合 |
| Always Trust | そのサーバーについて、今後の信頼確認を省略する | 組織内で完全に管理し、更新経路も統制されている場合に限定 |
| Reject | サーバーの起動を中止する | 身に覚えのない変更、確認できないURLやコマンドがある場合 |
Rejectを選んでも設定が削除されるわけではありません。次回そのMCPサーバーを有効にしようとした際、再び信頼状態が確認されます。(GitHub)
実務上は、安易にAlways Trustを選ばないことが重要です。パッケージやリモートサーバーが後日侵害された場合にも、変更確認が表示されなくなるためです。通常は、変更内容を確認したうえでAcceptを選ぶ運用が適しています。
初回接続ではダイアログが表示されない
注意したいのは、初めて接続するMCPサーバーは暗黙的に信頼され、信頼確認ダイアログが表示されないことです。
初回起動時の設定と機能一覧が基準値として保存され、2回目以降に差分が発生した場合にダイアログが表示されます。(Microsoft Learn)
そのため、信頼確認機能を有効にしていても、次の確認は省略できません。
- MCPサーバーの提供元が信頼できるか
- インストール元のURLが公式のものか
- ローカルで実行されるコマンドに不審な引数がないか
- ファイル、リポジトリ、クラウドサービスへどの権限でアクセスするか
- APIキーや認証情報をどこへ送信するか
「ダイアログが出なかったから安全」ではなく、初回導入時こそ最も慎重に確認する必要があります。
信頼確認が表示されないケース
既存のMCPサーバーが更新されても、次の場合は信頼確認が省略されます。
- 拡張機能に組み込まれたMCPサーバーである
- 組織のMCPレジストリーポリシーが
RegistryOnlyに設定されている - 以前に
Always Trustを選択した - 信頼確認機能を設定画面で無効にした
- Visual Studioがそのサーバーを初めて認識した
信頼確認が表示されるはずなのに表示されない場合は、まず設定の有効・無効と組織ポリシーを確認してください。(Microsoft Learn)
影響を受けるユーザー
| 利用者 | 影響 |
|---|---|
| Visual Studio 2026 バージョン18.7以降の利用者 | MCPサーバー更新時に信頼確認が表示される |
| Visual Studio 2022 バージョン17.14の利用者 | MCPは利用できるが、今回追加された信頼確認は利用できない |
| MCPサーバーを利用していない人 | 通常の開発作業への直接的な影響はない |
.mcp.jsonをチームで共有している人 | 設定変更後、各メンバーに信頼確認が表示される可能性がある |
| GitHub Copilotの管理者 | MCP許可リストやレジストリーポリシーとの整合性確認が必要 |
| MCPサーバーの提供者 | ツールや設定の変更理由を利用者へ明示する運用が重要になる |
Visual Studio全体のMCP対応条件は、Visual Studio 2026またはVisual Studio 2022 バージョン17.14です。ただし、信頼確認ダイアログについてはVisual Studio 2026 バージョン18.7以降に限定されています。(Microsoft Learn)
設定とバージョンの確認手順
Visual Studioのバージョンを確認する
Visual Studioの「ヘルプ」から「Microsoft Visual Studioのバージョン情報」を開き、バージョンを確認します。
信頼確認機能を利用するには、次の条件を満たす必要があります。
- Visual Studio 2026である
- バージョン18.7以降である
2026年6月16日時点では、バージョン18.7.1が公開されています。18.7未満の場合は、Visual Studio Installerから更新してください。(Microsoft Learn)
信頼確認設定を確認する
Visual Studioで次の順に開きます。
Tools > Options > GitHub > Copilot > Copilot Chat
続いて、次の項目が有効になっているか確認します。
Show trust dialog before running tools from an updated MCP server
この設定は標準で有効です。項目そのものが表示されない場合は、Visual Studio 2026がバージョン18.7未満であるか、Visual Studio 2022を使用している可能性があります。(Microsoft Learn)
.mcp.jsonの移行は原則不要
今回の更新では、.mcp.jsonの保存場所や基本的な設定方法を変更する移行指示はありません。既存の設定はそのまま利用できます。
Visual Studioは、主に次の場所からMCP設定を読み込みます。
%USERPROFILE%\.mcp.json<SOLUTIONDIR>\.vs\mcp.json<SOLUTIONDIR>\.mcp.json<SOLUTIONDIR>\.vscode\mcp.json<SOLUTIONDIR>\.cursor\mcp.json
Visual Studio CodeやCursorと設定を共有している環境では、別のエディターで行った変更がVisual Studio側でも検知される可能性があります。(Microsoft Learn)
有効な設定を保存すると、GitHub Copilotエージェントが再起動し、MCPサーバーを再読み込みします。共有された.mcp.jsonを変更した場合は、変更内容をコミットメッセージやプルリクエストに明記しておくと、他のメンバーが信頼確認を判断しやすくなります。(Microsoft Learn)
また、@latestのような指定でMCPサーバーを起動していると、パッケージ更新のたびに機能差分が発生しやすくなります。再現性を重視する業務環境では、検証済みバージョンへ固定し、更新時にレビューする方法が安全です。
管理者は3つの承認レイヤーを区別する
MCPサーバーの管理では、組織ポリシー、サーバーの信頼確認、ツール実行の承認を混同しないことが重要です。
| レイヤー | 判断する内容 | 主な管理者 |
|---|---|---|
| GitHubのMCPポリシー | そのMCPサーバーへの接続を許可するか | 組織・Enterprise管理者 |
| Visual Studioの信頼確認 | 更新された設定や機能を承認するか | Visual Studio利用者 |
| ツール実行の承認 | ファイル変更など、具体的な操作を実行してよいか | Visual Studio利用者 |
信頼確認でAcceptを選んでも、個々のツールを無条件で実行できるようになるわけではありません。MCPツールがファイルやデータを変更する際の実行承認は、別の仕組みとして残ります。(Microsoft Learn)
組織でRegistryOnlyを設定すると、レジストリー登録済みのMCPサーバーは事前承認済みとして扱われ、信頼確認が省略されます。その分、管理者はレジストリーに登録するサーバーID、提供元、更新手順を厳格に管理する必要があります。GitHubの許可リストは、リモートMCPサーバーだけでなくローカルMCPサーバーにも適用されます。(GitHub Docs)
料金と期限で確認すべきこと
2026年6月16日の「Use MCP Servers to Extend GitHub Copilot」更新では、信頼確認ダイアログに対する追加料金や、.mcp.jsonの移行期限は案内されていません。
ただし、実際の利用コストは次の3か所に分かれます。
| 費用の種類 | 確認先 |
|---|---|
| 信頼確認機能 | 当該機能単独の追加料金は案内されていない |
| GitHub Copilot | 契約プラン、AI Credits、追加利用の設定 |
| MCPサーバー | サーバー提供元の利用料、API料金、クラウド料金 |
| ローカル実行環境 | コンテナ、計算資源、商用パッケージのライセンス |
GitHub Copilotでは2026年6月1日から、モデルとトークン消費量を基準にしたAI Creditsによる利用量管理へ移行しています。Visual StudioではCopilotバッジの「Copilot Usage」から利用状況や上限接近の通知を確認できます。MCPサーバーを頻繁に使う場合は、Visual Studio側の利用量だけでなく、接続先APIの従量課金も確認してください。(Microsoft Learn)
公式な移行期限は示されていませんが、MCPを業務利用している組織では、信頼確認を使えるVisual Studio 2026 バージョン18.7以降への更新を、セキュリティ対策として検討する価値があります。
よくある疑問
MCPサーバーを追加したのに信頼確認が表示されないのはなぜですか
初回接続ではダイアログを表示せず、その時点の設定と機能一覧を基準値として保存する仕様です。次回以降、基準値から変更された場合に表示されます。
Rejectを選ぶと設定は削除されますか
設定は削除されません。サーバーの起動だけが中止され、次回の有効化時に再確認されます。
Acceptを選んだ後もツールの実行確認が出るのはなぜですか
サーバーへの信頼確認と、個々のツールの実行承認は別の仕組みです。サーバーを信頼しても、ファイル変更や外部サービス操作については個別に確認されることがあります。
Visual Studio 2022でも設定を有効にできますか
Visual Studio 2022 バージョン17.14以降はMCPに対応していますが、今回追加された信頼確認ダイアログはVisual Studio 2026 バージョン18.7以降が対象です。設定項目が見つからない場合は、バージョンの違いを確認してください。
今すぐ確認すること
今回の変更に対応するため、まず次の順番で確認してください。
- Visual Studio 2026をバージョン18.7.1以降へ更新する
- MCPサーバーの信頼確認設定が有効になっているか確認する
- 利用中の
.mcp.jsonとMCPサーバーを一覧化する @latest指定や不明な接続先URLがないか確認する- 組織利用ではGitHubのMCP許可リストとレジストリーポリシーを確認する
- ダイアログが表示された際の承認ルールをチームで決める
特に重要なのは、初回接続では信頼確認が表示されない点です。新しいMCPサーバーを追加するときは、提供元、実行コマンド、権限、料金を導入前に確認し、更新時には差分を確認してから承認してください。

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