Visual Studio workload and component IDsの変更点|SSMS追加と管理者の確認手順

2026年6月12日に更新された「Visual Studio workload and component IDs」では、製品一覧にSQL Server Management Studio(SSMS)が追加されました。SSMSの製品IDはMicrosoft.VisualStudio.Product.Ssmsです。

ただし、既存のVisual StudioワークロードIDが変更されたわけではありません。公開差分で確認できる変更は、Visual Studio 2022/2026向けの一覧にSSMSを1行ずつ追加したことです。そのため、通常のGUI操作でVisual StudioやSSMSを利用しているユーザーに、直ちに必要な対応はありません。

一方、コマンドラインによるインストール、オフラインレイアウト、.vsconfig、端末管理ツールを使っている管理者は、製品ID・チャネルID・ワークロードIDを混同していないか確認が必要です。(Microsoft Learn)

目次

Developer toolsのVisual Studio workload and component IDsで何が変わったのか

今回の変更内容を整理すると、次のとおりです。

確認項目変更内容実務への影響
製品一覧SQL Server Management Studioを追加Visual Studio関連製品の一覧からSSMS用IDを確認しやすくなった
製品IDMicrosoft.VisualStudio.Product.Ssmsを掲載SSMSの変更やアンインストールを自動化する際に使用できる
対象ページVisual Studio 2022/2026向けの一覧どちらの表示でもSSMSの専用ページへ移動できる
既存ID公開差分では削除・名称変更なし既存のVisual Studio配布スクリプトを一律に修正する必要はない
料金・期限今回のページでは変更の案内なし購入手続きや期限対応は不要

重要なのは、2026年6月12日に新しいSSMSの製品IDが発行されたわけではないことです。以前からSSMSのコマンドライン管理で使われていた製品IDが、Visual Studioの総合一覧にも掲載されたと理解するのが正確です。(GitHub)

SSMSがVisual Studioのワークロードになったわけではない

SSMS 22はVisual Studio Installerを使ってインストールしますが、Visual Studio CommunityやEnterpriseに追加するワークロードではありません。Visual Studio本体をインストールしていないPCでも、SSMSを単独で利用できます。

今回の一覧追加は、インストーラー基盤を共有する製品のIDを探しやすくするための整理です。「Visual Studioの一覧に追加されたため、Visual Studioを先に導入しなければならない」という意味ではありません。(Microsoft Learn)

Product ID・Workload ID・Component IDの違い

Visual Studio workload and component IDsを扱うときは、4種類のIDを区別する必要があります。

IDの種類役割SSMSでの例
Product ID操作対象となる製品を識別するMicrosoft.VisualStudio.Product.Ssms
Channel IDGA版やPreview版などの更新系列を識別するSSMS.22.SSMS.Release
Workload ID複数の機能を用途別にまとめて追加するMicrosoft.SqlServer.Workload.SSMS.CodeTools
Component ID個別の機能だけを追加・削除するMicrosoft.SSMS.Component.IS

Product IDはSSMSという製品自体を指定するIDです。--productIdなどで使用します。

Workload IDとComponent IDは、インストールする機能を選ぶためのIDです。--add--removeで使用します。Product IDを--addに指定しても、ワークロード追加の代わりにはなりません。

Channel IDは、どのリリース系列を操作するか指定するIDです。SSMS 21以降では、Preview版とGA版にそれぞれ固有のChannel IDが用意されています。変更やアンインストールでは、Product IDとChannel IDの組み合わせが必要になる場合があります。(Microsoft Learn)

誰に影響する変更なのか

影響度は、Visual StudioやSSMSの導入方法によって異なります。

対象者影響度確認すべきこと
GUIだけで利用する一般ユーザー低い原則として対応不要
SSMSを個別に利用するDBA・開発者低いオプション機能を追加するときにIDを確認
コマンドラインで配布する管理者高いProduct ID、Channel ID、--addの指定を確認
オフラインレイアウトの管理者高いレイアウトに必要なワークロードやコンポーネントが含まれているか確認
.vsconfigを利用する管理者中程度Visual Studio用とSSMS用の構成を混在させていないか確認
VSIX開発者低い今回の追加をSSMS向け拡張機能サポートの拡大と誤解しない

既存のインストール環境が、このドキュメント更新だけで変更されることはありません。特に確認が必要なのは、製品一覧やIDをスクリプト内に固定している組織です。

管理者が実施すべき確認手順

配布スクリプト内のIDを検索する

まず、インストール用リポジトリや管理スクリプトから、Visual Studio関連のIDを検索します。

PowerShellでは、次のようなコマンドで確認できます。

Get-ChildItem -Path . -Recurse -File |
    Select-String -Pattern `
        'Microsoft\.VisualStudio\.Product\.|Microsoft\.SqlServer\.Workload\.SSMS|Microsoft\.SSMS\.Component'

次のような設定を重点的に確認してください。

  • Visual StudioとSSMSで同じProduct IDを使っていないか
  • Preview版とGA版のChannel IDが混在していないか
  • --addにProduct IDを指定していないか
  • 廃止したコンポーネントIDを固定していないか
  • 対象バージョンと異なる公式一覧を参照していないか

必要なワークロードだけを指定する

SSMSのCode toolsワークロードを追加する公式例は、次のような形式です。

.\vs_SSMS.exe `
    --add Microsoft.SqlServer.Workload.SSMS.CodeTools `
    --includeRecommended `
    --passive

ワークロードを指定すると、Requiredに分類された必須コンポーネントはインストールされます。一方、RecommendedやOptionalのコンポーネントは自動的にすべて追加されるとは限りません。

推奨コンポーネントも必要な場合は--includeRecommended、オプションも含める場合は--includeOptionalを指定します。複数のワークロードやコンポーネントを追加するときは、項目ごとに--addを繰り返します。(Microsoft Learn)

更新対象のインストールパスを確認する

既存のSSMSをコマンドラインで更新する場合は、操作対象のインストールパスを明示します。

.\vs_SSMS.exe update `
    --passive `
    --norestart `
    --installPath "C:\SSMS22"

C:\SSMS22は例です。実際には対象PCのインストール先に置き換えてください。

更新前にはSSMSを終了し、未保存のクエリや作業内容を保存します。インストール、更新、変更には、原則として管理者権限と、インターネットまたは社内更新元へのアクセス権が必要です。(Microsoft Learn)

.vsconfigは削除処理をしない点に注意する

--config.vsconfigを読み込む処理は追加型です。構成ファイルに記載されていないワークロードやコンポーネントを、自動的に削除する機能ではありません。

たとえば、新しい.vsconfigからIntegration Servicesを削除しても、既存PCにインストール済みのIntegration Servicesが自動的に消えるとは限りません。不要なコンポーネントを確実に削除する場合は、modify--removeを使った処理を別に設計する必要があります。(Microsoft Learn)

オフラインレイアウトを作り直す必要があるか確認する

既存のVisual Studio用オフラインレイアウトに、SSMSが自動追加されるわけではありません。SSMSをオフライン配布する場合は、vs_SSMS.exeを使ってSSMS用レイアウトを作成または更新します。

特定のコンポーネントをオフラインPCへ導入するには、そのコンポーネントが事前にレイアウトへ含まれている必要があります。既存環境を更新する場合も、導入済みの機能に対応したファイルをレイアウト側へ用意してください。(Microsoft Learn)

設定・更新・移行・料金・期限の確認ポイント

項目今回の判断必要な対応
設定SSMSのProduct IDが総合一覧に追加された自動化している場合のみスクリプトを確認
更新強制更新の案内ではない通常利用者は即時更新不要
移行強制移行や旧バージョン削除の案内はないSSMS 22へ移行する場合は並行導入で検証可能
料金今回の更新による料金変更はない新しいVisual Studioライセンスの購入は不要
期限対応期限や終了日は示されていない社内変更期限を新設する必要はない

SSMSは個人利用・企業利用とも無料で、利用にVisual Studioサブスクリプションは必要ありません。また、SSMS 22はほかのバージョンとサイドバイサイドでインストールできます。段階的に移行する場合は、旧環境を残したまま接続、拡張機能、スクリプト、認証方式を検証できます。(Microsoft Learn)

Visual Studio workload and component IDsで失敗しやすいポイント

Product IDを--addへ指定する

次のような指定は、Product IDとWorkload IDを混同しています。

.\vs_SSMS.exe --add Microsoft.VisualStudio.Product.Ssms

--addには、Microsoft.SqlServer.Workload.SSMS.CodeToolsのようなWorkload ID、またはMicrosoft.SSMS.Component.ISのようなComponent IDを指定します。

Recommendedコンポーネントが自動で入ると思い込む

必須コンポーネントだけでインストールが完了し、Git連携やBI関連機能など、想定した機能が表示されない場合があります。必要な構成に応じて--includeRecommendedを明示してください。

Channel IDを固定したまま次期バージョンへ移行する

SSMS.22.SSMS.ReleaseはSSMS 22 GA用の例です。将来のメジャーバージョンやPreview版では別のChannel IDが使われる可能性があります。

バージョン移行時は、既存スクリプトの数字だけを書き換えるのではなく、対象バージョンの公式一覧でProduct IDとChannel IDの組み合わせを確認してください。

SSMSがVisual Studio本体に含まれたと判断する

一覧にSSMSが追加されても、Visual Studio EnterpriseやCommunityのインストールにSSMSが自動追加されるわけではありません。Visual StudioとSSMSは、インストーラー基盤を共有する別製品として管理します。

今回の変更に対して取るべき行動

Visual StudioやSSMSをGUIから利用しているだけであれば、対応は不要です。再インストールや設定変更を急ぐ必要もありません。

管理者は、次の順番で確認すると安全です。

  1. 配布スクリプトと構成ファイルからVisual Studio関連IDを検索する
  2. Visual Studio用とSSMS用のProduct IDを分ける
  3. Workload IDとComponent IDを最新版の公式一覧と照合する
  4. 検証端末で--passiveを使って動作確認する
  5. オフラインレイアウトと運用手順書を更新する
  6. 本番配布後にインストール結果と終了コードを確認する

今回の更新は、既存環境を壊す仕様変更ではなく、SSMSをVisual Studio関連のID一覧から見つけやすくする変更です。自動展開を行っている組織だけが識別子と配布手順を点検し、通常ユーザーは従来どおり利用を続ける、という判断で問題ありません。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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