Windows 10 で突然「右クリック → 新規作成」にフォルダーが出なくなり、Ctrl+Shift+N でも新しいフォルダーを作れない場合の原因と、実際に解消できたレジストリ修正手順、追加の切り分け方法までをまとめて解説します。
症状の整理:どんなときに「フォルダー」が消えるのか
まず、今回のトラブルの症状を整理しておきます。自分の状況と一致しているかを確認しながら読み進めてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Windows 10(家庭向けエディション。Pro でも同様の症状が起こり得ます) |
| 発生のきっかけ | 2025年8月11日頃から、特に大きな操作をした覚えがないのに突然発生 |
| 具体的な症状 | エクスプローラー上やデスクトップで右クリック → 「新規作成」を開いても「フォルダー」が表示されない ショートカットキー Ctrl+Shift+N を押しても新しいフォルダーが作成されない |
| 影響範囲 | 内蔵ドライブ(C: など) 外付けドライブ(USB メモリ、外付け HDD/SSD) デスクトップ いずれの場所でも新しいフォルダーが作成できない |
これらがすべて当てはまる場合、特定のアプリや特定のフォルダーだけの問題ではなく、Windows 10 全体で「新規フォルダー作成」の仕組みが壊れている可能性が高いです。
原因の有力候補:ShellNew 関連レジストリの破損
右クリックの「新規作成」メニューは、Windows のシェル(エクスプローラー)がレジストリに登録された情報を読み取って表示しています。この仕組みの中核が ShellNew と呼ばれるレジストリ設定です。
フォルダーの「新規作成」が表示されないとき、次の 2 箇所のレジストリが壊れている/欠落しているケースが非常に多く見られます。
| レジストリキー | 正しい状態 | 壊れているとどうなるか |
|---|---|---|
| HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shellex\ContextMenuHandlers\New | 既定値((既定))が{D969A300-E7FF-11d0-A93B-00A0C90F2719} | 右クリック → 「新規作成」メニュー自体の動作がおかしくなり、フォルダーを含む複数の項目が消えることがある |
| HKEY_CLASSES_ROOT\Folder\ShellNew | 文字列値 NullFile が作成されており、値は空文字列("") | フォルダーだけが新規作成メニューから消えたり、Ctrl+Shift+N が反応しなくなったりする |
原因としては、レジストリクリーナー系ソフトや一部のシェル拡張、あるいは手動でのレジストリ編集などがきっかけで、これらのキーが削除されたり、別の値に書き換えられてしまうことが考えられます。
作業前の準備:復元ポイントとバックアップを必ず作成
レジストリを修正すれば高確率で直りますが、レジストリ編集は一歩間違えると別のトラブルを招く可能性があります。必ず以下の準備をしてから作業してください。
システム復元ポイントを作成する
Windows 標準機能の「システムの復元」を利用して、今の状態を丸ごと保存しておきます。
- キーボードで Win+R キーを押す。
- 「ファイル名を指定して実行」に
systempropertiesprotection.exeと入力して Enter。 - 「システムのプロパティ」が開いたら、「システムの保護」タブを選ぶ。
- 「作成」ボタンをクリックし、わかりやすい説明(例:「新規フォルダー修復前」)を入力して「作成」を押す。
数分待てば復元ポイントが作成されます。万が一トラブルが起きても、この時点に戻せます。
念のためレジストリのバックアップも取る
慎重を期すなら、レジストリエディターから対象キーをエクスポートしておくと安心です。
- Win+R →
regeditと入力 → Enter。 - 対象のキー(後述)を右クリックし「エクスポート」。
- 任意の場所に .reg として保存。
この記事では .reg ファイルで一気に修正する手順を紹介しますが、バックアップを取っておけば、元の状態に戻すことも可能です。
決定打:.reg ファイルで ShellNew を修復する
もっとも簡単かつ確実なのが、「正しい設定を記述した .reg ファイル」を自分で作成して取り込む方法です。外部で配布されているものを利用してもかまいませんが、ここでは中身が何をしているか自分で理解したうえで使えるよう、内容をそのまま掲載します。
ステップ 1:メモ帳で .reg ファイルを作成
- スタートメニューから「メモ帳」を起動する。
- 以下の内容をコピーして、メモ帳に貼り付ける。
Windows Registry Editor Version 5.00
[HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shellex\ContextMenuHandlers\New]
@="{D969A300-E7FF-11d0-A93B-00A0C90F2719}"
[HKEY_CLASSES_ROOT\Folder\ShellNew]
"NullFile"=""
先頭行の Windows Registry Editor Version 5.00 は .reg ファイルを認識させるために必須です。削除しないでください。
ステップ 2:拡張子 .reg で保存する
- メモ帳の「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」を選択。
- 任意のフォルダー(デスクトップなど)を選び、「ファイル名」に
FixNewFolder.regなどと入力。 - 「ファイルの種類」を「すべてのファイル」に変更し、「エンコード」が「ANSI」または「UTF-16 LE」であることを確認して保存。
ここで拡張子が .txt のままになっていると適用できません。エクスプローラー上で「種類」が「レジストリ登録ファイル」になっていることを確認してください。
ステップ 3:.reg ファイルを取り込む
- 保存した
FixNewFolder.regをダブルクリックする。 - 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と UAC が表示されたら「はい」。
- 「レジストリに情報を追加しようとしています」という確認ダイアログで「はい」を選択。
- 「キーと値が正常にレジストリに追加されました」と表示されたら「OK」で閉じる。
これで、先ほどの 2 つのレジストリキーが正しい状態に再設定されます。
ステップ 4:Windows を再起動して動作確認
レジストリの変更は基本的に即時反映されますが、エクスプローラーやシェルのキャッシュが残っていることもあるため、必ず Windows を再起動してから確認します。
- デスクトップ上で右クリック → 「新規作成」を開く。
- 一覧に「フォルダー」が表示されているかを確認。
- 空白部分で Ctrl+Shift+N を押し、新しいフォルダーが作成されるかを確認。
これで「フォルダー」が復活していれば、原因はやはり ShellNew 関連レジストリの破損だったと判断してよいでしょう。
レジストリエディターで手動確認・修正する方法
.reg ファイルを使うのが不安な場合や、細かく状態を確認したい場合は、レジストリエディターから手動で確認・修正することもできます。
ContextMenuHandlers\New を確認する
- Win+R →
regedit→ Enter。 - 以下のキーまで順に辿る。
HKEY_CLASSES_ROOT→Directory→Background→shellex→ContextMenuHandlers→New - 右側の一覧にある
(既定)をダブルクリックし、値のデータが{D969A300-E7FF-11d0-A93B-00A0C90F2719}になっているか確認。 - 値が空欄だったり、別の文字列になっている場合は、正しい GUID に書き換えて「OK」。
Folder\ShellNew を確認する
- 同じくレジストリエディターで、次のキーに移動。
HKEY_CLASSES_ROOT→Folder→ShellNew - 右側に
NullFileという名前の「文字列値」が存在するか確認。 - 存在しない場合は、右側の空白部分を右クリック → 「新規」 → 「文字列値」。名前を
NullFileとして作成。 - 作成した
NullFileをダブルクリックし、値のデータは空欄のまま「OK」。
手動で修正した場合も、最後に Windows を再起動してから症状が改善しているかどうかを確認してください。
まだ直らない場合の追加切り分けと代替手段
上記レジストリ修正で直らない場合は、別の要因が絡んでいる可能性があります。ここからは、原因を絞り込むための追加チェックと、一時的な代替手段を紹介します。
システムファイルの破損を修復する(SFC / DISM)
Windows 本体のシステムファイルが壊れていると、シェルやエクスプローラーの挙動が不安定になることがあります。次のコマンドで OS を自己修復させましょう。
- スタートボタンを右クリック → 「Windows ターミナル(管理者)」または「コマンドプロンプト(管理者)」を開く。
- 以下のコマンドを順番に実行する。
sfc /scannow
dism /online /cleanup-image /restorehealth
SFC(システムファイルチェッカー)が Windows のシステムファイルを確認・修復し、DISM が OS イメージ自体の修復を行います。どちらも完了には時間がかかることがありますが、途中で中断しないようにしてください。処理がすべて終わったら Windows を再起動し、再びフォルダー作成ができるか確認します。
クリーンブートで常駐ソフト・シェル拡張の干渉を疑う
ウイルス対策ソフトやユーティリティソフト、右クリックメニューを拡張するツールが、フォルダー作成の処理に割り込んでいる可能性もあります。この場合、クリーンブートで Windows を起動し、素の状態で再現するかどうかを確認します。
概要は次のとおりです。
- Win+R →
msconfig→ Enter。 - 「サービス」タブで「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェック → 「すべて無効」にする。
- 「スタートアップ」タブ(またはタスクマネージャーのスタートアップタブ)で不要な項目を無効化。
- PC を再起動して、クリーンな状態でフォルダー作成ができるか確認。
クリーンブート状態で問題が出ない場合は、どれかの常駐ソフトが原因です。サービスやスタートアップ項目を1つずつ有効に戻しながら、再発するタイミングを探すことで、犯人を特定しやすくなります。
新しいローカル管理者アカウントで再現するか確認
ユーザープロファイル(個々のユーザーの設定情報)が破損していると、そのアカウントにだけ異常が出ることがあります。新しいユーザーを作成し、同じ操作で再現するかを確認してみましょう。
- 「設定」 → 「アカウント」 → 「家族とその他のユーザー」を開く。
- 「その他のユーザーをこの PC に追加」を選ぶ。
- 「このユーザーのサインイン情報がありません」を選択し、「Microsoft アカウントを持たないユーザーを追加」からローカルユーザーを作成。
- 作成したユーザーを選択し、「アカウントの種類の変更」で「管理者」に変更。
- いったんサインアウトし、新しいユーザーでサインイン。デスクトップで右クリック →「新規作成」からフォルダーが作れるか確認。
新しいユーザーでは正常にフォルダーを作成できる場合、元のユーザープロファイル側の問題である可能性が高くなります。この場合、必要なデータを新しいユーザーに移行してしまうほうが、結果的に安定することも多いです。
OneDrive 連携環境でのデスクトップ権限をチェック
OneDrive とデスクトップを同期している環境では、デスクトップフォルダーの実体が OneDrive 配下になっていることがあります。このとき、フォルダーへのアクセス権限が正しくないと、フォルダー作成が失敗することがあります。
権限を確認するには、管理者のコマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。
icacls "%userprofile%\Desktop"
icacls "%userprofile%\OneDrive\Desktop"
ここで、「アクセスが拒否されました」といった表示が出る場合は、デスクトップへの権限が不足している可能性があります。プロパティ → 「セキュリティ」タブから、自分のユーザーに「フルコントロール」が付与されているか確認し、必要に応じて修正しましょう。
一時的な代替手段:コマンドプロンプトや PowerShell でフォルダーを作る
本質的な解決にはなりませんが、急いで作業を進めたいときにはコマンドラインからフォルダーを作成することもできます。
- コマンドプロンプトの場合:
mkdir 新しいフォルダー名 - PowerShell の場合:
New-Item -ItemType Directory -Name "新しいフォルダー名"
右クリックメニューが直るまでは、こうした代替手段でしのぎつつ、上記の原因切り分けを進めてください。
なぜフォルダーだけが作れなくなるのか(仕組みの解説)
ここで少しだけ内部的な仕組みを解説します。理解しておくと、今後似た症状が出たときのヒントになります。
- 右クリック → 「新規作成」の一覧は、各ファイル種別の
ShellNewキーをもとに動的に作られる。 - フォルダーの場合は、
HKEY_CLASSES_ROOT\Folder\ShellNewにNullFileという文字列値があることで「空のフォルダーを作成できる」ことを示している。 - さらに、
ContextMenuHandlers\Newの GUID が、新規作成メニューを制御するシェル拡張の実体を指している。
このどちらかが欠けてしまうと、「メニュー自体が出ない」「フォルダーだけ出ない」「ショートカットキーが効かない」など、さまざまな形で不具合が現れます。今回の .reg ファイルは、まさにこの 2 つの要素を標準状態に戻す操作を行っています。
再発防止のポイント:レジストリクリーナーとバックアップ運用
一度直しても、同じ現象が何度も起こるようでは困ります。再発を防ぐために、次のポイントを意識しておくと安心です。
レジストリクリーナー系ツールの常用は控える
不要なレジストリエントリを削除してくれると謳うツールの中には、ShellNew 関連のキーまで「不要」と判断して削除してしまうものがあります。体感できるほど高速化するケースは少ない一方、今回のようなトラブルを招くリスクは高いため、常用はあまりおすすめできません。
どうしても使いたい場合は、変更内容を確認できるツールを選び、ShellNew や ContextMenuHandlers に関係する項目は除外するようにしましょう。
大きな変更前には復元ポイントとバックアップを取る
新しいユーティリティやシステムツール、特に右クリックメニューを拡張するタイプのツールを入れる前には、今回紹介したように復元ポイントを作成しておくと安心です。また、システム全体のバックアップを定期的に取っておけば、トラブル時に OS ごと丸ごと戻すこともできます。
レジストリを編集したら「どこを変えたか」をメモしておく
トラブルシューティングの過程でレジストリを自分で触った場合は、変更したキーのパスと値をメモしておきましょう。あとから見直したときに、「ここを変えたからおかしくなったのかも」と気づきやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「新規作成」メニューそのものが出てこないのですが?
A1. 今回の記事では「新規作成」は開くが、その中に「フォルダー」がないケースを想定しています。「新規作成」自体がグレーアウトしている、あるいは全く表示されない場合は、シェル拡張の障害やポリシー設定(会社 PC など)による制御の可能性もあります。その場合も ContextMenuHandlers\New の GUID を確認する価値はありますが、管理者や社内の IT 担当者に確認した方が安全です。
Q2. GUID を間違って入力してしまった場合、どうすればいいですか?
A2. 値を間違えたままにしておくと「新規作成」メニューがさらに不安定になることがあります。その場合は、復元ポイントからシステムを戻すか、レジストリエディターで再度正しい GUID({D969A300-E7FF-11d0-A93B-00A0C90F2719})を入力し直してください。
Q3. 右クリックメニューは直ったのに、Ctrl+Shift+N だけ反応しません。
A3. キーボードショートカットはエクスプローラーが受け取るので、エクスプローラー自体に問題がある可能性もあります。タスクマネージャーで「エクスプローラー」を再起動するか、Windows を再起動したうえで、別のキーボードでも同じか確認してみてください。物理キーボードの故障で特定のキーだけ入力できていないケースもあります。
Q4. Windows 11 でも同じ手順で直せますか?
A4. Windows 11 でも基本的な仕組みは似ていますが、右クリックメニューの見た目や構造が大きく変わっています。GUID や ShellNew のキーは共通部分もありますが、完全に同じとは限らないため、「Windows 11 専用」の情報を確認しながら作業することをおすすめします。本記事の手順はあくまで Windows 10 を前提としています。
まとめ:まずは ShellNew の修復から始めよう
右クリック → 「新規作成」にフォルダーが出ない、Ctrl+Shift+N でも新規フォルダーが作れないといった症状は、見た目の割に原因が深そうに感じられますが、多くの場合は ShellNew 関連レジストリの破損 が原因です。
- 作業前に必ず復元ポイントと、必要に応じてレジストリのバックアップを作成する。
- .reg ファイルまたはレジストリエディターで、
HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shellex\ContextMenuHandlers\Newの GUIDHKEY_CLASSES_ROOT\Folder\ShellNewのNullFile
- それでも改善しない場合は、SFC / DISM、クリーンブート、新しいユーザーアカウント、OneDrive や権限の問題を順番に切り分ける。
一見すると難しそうなレジストリ修復も、内容を理解しながら慎重に進めればそれほど難易度は高くありません。この記事を参考に、無事に「新規作成 → フォルダー」とショートカットによるフォルダー作成が復活することを願っています。

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