Windows 10で「ユーザー プロファイル サービスによるサインインに失敗しました。ユーザー プロファイルを読み込めません。」と出てログインできないうえ、「この PC を初期状態に戻す(初期化)」も開始前に失敗する…。この状態は“直す”より先に“守る(データ退避)”が最優先です。ログイン不要で試せる復旧から、データ救出、最終手段のクリーンインストールまで、失敗しにくい順にまとめます。
まず結論:直らない前提で動くと、データも時間も守れます
このエラーはユーザープロファイル破損が典型ですが、背景にシステムファイル破損やディスク不良が混ざっていると、初期化(リセット)すら開始できません。そこで、手順の考え方は次の通りです。
- 最優先:データ救出(WinREやインストールUSBからの退避)
- 次点:ログイン不要でできる復旧(スタートアップ修復、復元、オフラインSFC/DISM)
- 最終策:クリーンインストール(再インストールでOSを確実に復旧)
なお、ノートPC本体を「USBメモリ代わり」にして起動メディアにすることはできません。USBメモリ(またはDVD)で起動メディアを作るのが現実的です。
作業前の重要チェック(失敗パターンを避ける)
BitLocker(デバイス暗号化)が有効だと、回復キーがないとデータに触れません
近年のPCは、意識していなくてもデバイス暗号化(BitLocker相当)が有効なことがあります。WinREやインストールUSBでC:を開こうとしたときにロック表示や回復キー要求が出たら、回復キーが必要です。Microsoftアカウントでサインインしていた場合は、アカウントの回復キー管理ページに保存されていることが多いです(職場・学校PCは組織管理者側の保管の場合もあります)。
「ディスクが怪しい」兆候があるなら、修復より先に退避を優先
次の状態がある場合、chkdskや修復で負荷をかけるほど悪化することがあります。まずはデータ退避を先にして、可能なら専門店や別PCでのクローンを検討してください。
- 起動が極端に遅い、異音(HDDのカチカチ音など)がある
- 再起動を繰り返すたびに症状が悪化する
- インストールUSBからもストレージが不安定に見える/認識が途切れる
- chkdskで不良セクタや多数のエラーが出る
準備するもの(あると成功率が上がる)
| 用意するもの | 目的 | ポイント |
|---|---|---|
| USBメモリ(8GB以上) | Windows 10インストール用USB作成 | データは全消去されるので空のUSBを推奨 |
| 外付けドライブ(USB HDD/SSD) | データ退避先 | 容量は「ユーザーフォルダ総量+余裕」が目安 |
| 別の正常なPC | インストールUSB作成 | Windowsのメディア作成ツールを使用 |
| (できれば)有線LAN | 再インストール後の更新・認証 | Wi‑Fiが不安定な環境でも進めやすい |
A:ログイン不要で試せる基本復旧(できる範囲でOK)
A-1. 回復環境(WinRE)に入る
サインインできない場合でも、WinREに入れれば復旧やデータ退避ができます。
- 電源投入 → Windowsロゴが出たら電源ボタン長押しで強制終了
- これを2~3回繰り返す
- 「自動修復を準備しています」→「詳細オプション」→「トラブルシューティング」へ
補足:メーカーによっては起動時のキー(F11など)で回復メニューに入れる場合もあります。分からない場合は上の強制終了ルートが確実です。
A-2. まずは「システムの復元」→「スタートアップ修復」
復元ポイントがあるなら、ユーザープロファイル破損や更新失敗が巻き戻って改善することがあります。
- 「詳細オプション」→「システムの復元」
- 次に「スタートアップ修復」
どちらもデータに直接手を入れにくい方法なので、最初に試す価値があります。
A-3. ドライブ文字を確認してから、ディスクとシステムを検査する
WinREのコマンドプロンプトでは、WindowsがC:以外として見えることがあります。まずはボリュームを確認します。
「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンド プロンプト」
diskpart
list vol
exit
容量や「Windows」「OS」などのラベルを目印に、Windowsが入っているドライブ文字を把握してください(以降はWindowsがC:の例で書きます)。
1) ディスクの論理エラー修復(chkdsk)
chkdsk C: /f
/f はファイルシステムの整合性を直します。ここで大量のエラーが出る場合は、まずデータ退避を優先した方が安全です。
2) システムファイルのオフライン検査(SFC)
sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=C:\Windows
3) Windowsイメージ修復(DISM)
DISM /Image:C:\ /Cleanup-Image /RestoreHealth
環境によっては修復ソース(インストールメディア)が必要です。インストールUSBを挿して起動している場合、USBのドライブ文字(例:X:やD:)を確認してから実行します。メディア内が install.wim ではなく install.esd の場合もあります。
DISM /Image:C:\ /Cleanup-Image /RestoreHealth /Source:X:\sources\install.wim:1 /LimitAccess
ソースのエディション番号が不明なときは、次で確認できます(wim/esdは実物に合わせてください)。
dism /Get-WimInfo /WimFile:X:\sources\install.wim
A-4. セーフモードが使えるなら「新規ユーザー作成」で回避できる場合もある
プロファイル破損が特定ユーザーだけに起きている場合、別の管理者ユーザーを作って回避できることがあります(ただし、今回のようにリセットも失敗するほど重い破損だと難しいケースもあります)。
- WinRE →「スタートアップ設定」→ 再起動 →「4:セーフモード」または「5:ネットワークあり」
- ログインできたら、管理者ユーザーを新規作成 → データ移行 → 問題のユーザーを作り直す
A-5. (上級者向け).bak付きSIDを直してプロファイルを復旧する
「ProfileList」に.bakが付いたSIDキーがある場合、名前の付け替えで戻ることがあります。ただしレジストリ操作を誤ると悪化します。自信がなければこの手順は飛ばして、先にデータ退避→再インストールへ進むのが安全です。
実施する場合の考え方は次の通りです。
- 起動できる状態で regedit を開き、該当ユーザーのSIDが二重(片方が.bak)になっていないか確認
- .bakなし側が一時プロファイル扱いになっている場合、正しいSIDを.bakなしに戻す
- ProfileImagePath や State / RefCount(存在する場合)を見直す
この作業はPCの状態により手順が変わるため、確実性重視なら「データ退避→クリーンインストール」を優先してください。
B:データの退避(クリーンインストール前にやるべき最重要工程)
サインインできない状態でも、インストールUSB(またはWinRE)から外付けへコピーできます。ここでデータを守れれば、以降は安心して再インストールに進めます。
B-1. インストールUSBから起動して「コマンド プロンプト」を開く
- 別PCで作成したWindows 10インストールUSBを挿して起動
- セットアップ画面で「今すぐインストール」は押さず、「コンピューターを修復する」
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンド プロンプト」
B-2. notepad経由で“簡易エクスプローラー”を開いてコピーする
コマンドが苦手でも、GUIでコピーできます。
notepad.exe
メモ帳が開いたら「ファイル」→「開く」でファイル選択画面が出ます。これがミニエクスプローラー代わりになります。左側ナビゲーションが出ない場合は、上部のアドレス欄からドライブを切り替えたり、フォルダを辿ってください。
外付けドライブを挿すと、新しいドライブ文字(例:E:など)で見えるので、必要なフォルダを選んでコピーします。
B-3. まとめて確実にコピーするなら robocopy(推奨)
大量のファイルや階層が深いデータは、ドラッグ&ドロップより robocopy が安定します(コピー漏れや無限ループを避けやすい)。外付けが E: の例です。
robocopy "C:\Users\旧ユーザー名" "E:\Backup\旧ユーザー名" /E /XJ /R:1 /W:1
- /E:サブフォルダを含めてコピー(空フォルダも)
- /XJ:ジャンクションによる無限ループ回避
- /R:1 /W:1:読めないファイルがあっても粘りすぎない(ディスクが弱い時に有効)
B-4. どこを退避すればいい?“重要フォルダ早見表”
「Users配下を丸ごと」が基本ですが、見落としやすい場所を表で整理します。
| 種類 | 代表的な場所 | 見落とし注意 |
|---|---|---|
| 個人データ | C:\Users\ユーザー名\Desktop / Documents / Pictures / Downloads | デスクトップ直下の作業ファイル |
| OneDrive同期 | C:\Users\ユーザー名\OneDrive | 「オンラインのみ」だとPC内に実体がない場合あり |
| Outlook(PST/OST) | C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Outlook | 会社/学校アカウントはOSTのみで再同期できる場合も |
| ブラウザ(Chrome) | C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Google\Chrome\User Data | ブックマークだけでなくプロファイル一式が必要なことも |
| ブラウザ(Edge) | C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data | サインイン同期していない場合は要退避 |
| Firefox | C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Mozilla\Firefox\Profiles | 拡張機能や保存済みログイン情報を残したい時に重要 |
| Thunderbird | C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles | ローカル保存メールがあるなら必須 |
| アプリ設定/資格情報 | C:\Users\ユーザー名\AppData(Local / Roaming) | すべて戻すと不具合も持ち込む可能性があるため取捨選択 |
コツ:迷ったら、まずは C:\Users\ユーザー名 を外付けへ丸ごと退避し、あとで必要なものを戻す運用が安全です。アプリ由来の不調を持ち込みたくない場合は、後からAppDataの復元範囲を絞るとトラブルが減ります。
C:クリーンインストール(確実性が高い最終策)
ここまでで直らない、あるいは初期化(リセット)が開始しないなら、最も成功率が高いのはクリーンインストールです。OSが破損していても、起動メディアからの再インストールは通ることが多く、復旧の“打率”が上がります。
C-1. 別の正常なPCで「Windows 10インストールUSB」を作成
- Microsoftのメディア作成ツールを使い、USB(8GB以上)にインストールメディアを作成
- 作成時に機種差があるため、可能なら「このPCにおすすめのオプションを使う」系の自動選択は外し、必要に応じて言語/エディション/アーキテクチャを合わせる
C-2. 問題のPCをUSBから起動(起動順/ブートメニュー)
UEFI/BIOSの起動順をUSB優先にするか、起動時のブートメニュー(F12/Esc/F9など機種依存)でUSBを選びます。USBが表示されない場合は、USBポートを変える、別のUSBメモリで作り直す、UEFI設定で「USB起動」が無効になっていないか確認します。
C-3. セットアップの要点(データを守る選択肢を知っておく)
セットアップ画面での選択を誤ると、取り返しがつかない消去になります。次の考え方で進めてください。
プロダクトキー
同一PCへの再インストールであれば、ネット接続後に自動認証されるケースが多いので、入力で迷ったら「プロダクトキーがありません」を選んで進めて問題ない場合が多いです(ただし販売形態・環境により異なります)。
インストールの種類
- 「カスタム:Windowsのみをインストール」を選ぶ
- パーティション画面では、削除やフォーマットは「退避が完了してから」
Windows.oldを作って“消さずに上書き”する方法
「どうしても退避が間に合わない」「外付けが手元にない」などの場合、最後の保険として、既存のWindowsパーティションを選んでフォーマットせずに「次へ」を押すと、古い環境がWindows.oldに退避されることがあります(必ず成功する保証はなく、空き容量や破損状況にも左右されます)。
- 成功すれば、C:\Windows.old\Users\… から後でデータを救えます
- ただしアプリは基本的に入れ直し、設定もやり直しが前提です
- ディスクが不調な場合は、この工程自体が失敗することがあります
C-4. 初回起動後にやること(復旧の抜け漏れ防止)
- Windows Update をすべて適用(再起動を挟み、更新が出なくなるまで)
- メーカーサイトまたはWindows Updateでドライバーを整える(特にチップセット/無線LAN)
- 必要アプリを入れ直す
- 退避したデータを戻す(最初はドキュメント等の主要フォルダから)
よくある疑問(つまずきポイントを先回り)
ノートPCをUSBメモリ代わりにして起動メディアにできますか?
できません。起動メディアは、BIOS/UEFIが起動デバイスとして認識できる形式である必要があり、一般的なノートPC本体をUSBメモリのように扱って起動させることはできません。USBメモリ(またはDVD)を用意してください。
「このPCを初期状態に戻す」が開始前に失敗するのはなぜ?
典型的には次の原因です。
- 回復環境や回復パーティションの破損
- システムファイル破損が深刻で、リセット処理に入れない
- ディスクエラー(読み取り不良、論理破損)はリセット処理の大敵
この場合、Aの検査で改善することもありますが、根本解決としてはインストールUSBからの再インストールが通りやすいです。
ユーザープロファイルが壊れたなら、データも壊れていますか?
多くの場合、壊れているのは「ログオンに必要な設定(プロファイル)」で、個人データ自体は残っていることが多いです。だからこそ、WinRE/インストールUSBでの退避が効きます。ただしディスク不良が併発している場合は、ファイルそのものが読めないこともあります。
データ退避でコピーに失敗するファイルがあるのですが?
ディスク不調やアクセス権限が絡むと、いくつかのファイルがコピーできないことがあります。まずは robocopy の /R:1 /W:1 を付けて「読めないものは飛ばして前へ進む」方針にすると、重要フォルダの大半を救えることがあります。どうしても必要なファイルが読めない場合は、無理に作業を続けず専門店相談も視野に入れてください。
安全に復旧するための“おすすめ手順”まとめ
| 優先 | やること | 狙い | 失敗時の次手 |
|---|---|---|---|
| 1 | WinREに入れるか確認 | ログイン不要の作業環境を確保 | インストールUSB起動へ |
| 2 | システムの復元/スタートアップ修復 | 低リスクで改善を狙う | オフラインSFC/DISMへ |
| 3 | データ退避(notepad/robocopy) | 最重要データの救出 | BitLocker回復キー確認/別手段検討 |
| 4 | クリーンインストール | OSを確実に復旧 | ディスク不良なら交換・修理へ |
最後に:迷ったら「退避→再インストール」が最短で堅い
ユーザープロファイルエラーでサインインできず、さらに初期化も開始しない状況は、内部破損が複合していることが多いです。まずはデータを救い、直らなければクリーンインストールという順番にすると、復旧の確実性とデータ保全の両立ができます。作業の途中でBitLocker回復キーが求められたり、ディスク不良の兆候が見えたら、無理に続行せず、データ優先で進めてください。

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