Windows 10 の電源を入れたときに「Winload.exe」や「Winload.efi」に関連するエラーコード 0xC00000E9 が出て起動しないと、とても不安になります。このエラーは多くの場合「I/O(読み書き)まわりのトラブル」を示しており、USB 機器やストレージ、ブート構成(BCD)の問題などが原因です。この記事では、データをできるだけ守りつつ、現実的な対処手順をわかりやすく順番に解説します。
Winload.exe エラー「0xC00000E9」とは?
まずはエラーの正体を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 OS | 主に Windows 10(Windows 11 でも似たエラーが出ることあり) |
| エラーコード | 0xC00000E9 |
| 関連ファイル | Winload.exe(Legacy BIOS 環境)、Winload.efi(UEFI 環境) |
| 意味 | 予期しない I/O エラー。OS ローダーを含む必要なファイルの読み込みに失敗した状態。 |
| 主な原因 | USB 機器やストレージの不具合、ケーブル不良、ブート構成(BCD)破損、BIOS/UEFI 設定の不整合 など |
もう少し平たく言うと、「Windows を立ち上げるための大事なファイル(Winload.exe/efi)を読み込もうとして失敗した」という状況です。したがって、
- 読み込む「場所」(内蔵 SSD/HDD)が正しく選ばれていない
- そもそもディスクや接続ケーブルが怪しい
- ディスクは見えているが、ブート情報(BCD)やシステムファイルが壊れている
といった方向から切り分けていくのがポイントになります。
考えられる主な原因まとめ
0xC00000E9 によく関係する原因を整理しておきます。
- 周辺機器の干渉:USB メモリ、外付け HDD、カードリーダー等から誤って起動しようとして失敗
- ストレージの物理不良:M.2 SSD や 2.5 インチ SSD/HDD の故障、不良セクタ増加
- SATA/電源ケーブルの接触不良:デスクトップ PC でありがち
- BCD(ブート構成データ)の破損:突然の電源断やアップデート失敗などでブート情報が壊れる
- BIOS/UEFI 設定の不整合:SATA モード変更(AHCI⇔RAID/IDE)、起動順序の設定ミスなど
つまり、ハードウェア要因とソフトウェア(ブート情報)要因の両面から見ていく必要があります。
まず優先して試したい対処手順(順番が大事)
いきなり難しいコマンドを実行する前に、次の順番で基本的な対処を行うのがおすすめです。
| 優先度 | 対処内容 | 目的・ねらい |
|---|---|---|
| 1 | 周辺機器をすべて外す | USB 機器や外付けディスクから誤起動している可能性を除外する |
| 2 | BIOS/UEFI の起動順序を確認 | Windows が入っている内蔵ストレージが最優先になっているかチェック |
| 3 | インストール USB / 回復ドライブで「スタートアップ修復」 | 自動でブート設定やシステムファイルの整合性を修復させる |
| 4 | WinRE コマンドプロンプトで手動修復 | chkdsk・sfc・bootrec・bcdboot などで細かく修復 |
| 5 | システムの復元 / この PC を初期状態に戻す | OS 側を巻き戻す・再構築することで論理的な問題をリセット |
| 6 | ストレージ故障の切り分け・交換 | ディスク自体が壊れている場合は交換+復元/再インストールで対応 |
この順番で進めれば、簡単な原因から潰していきつつ、データ保全も意識した対応ができます。
基本チェック:周辺機器と起動順序の確認
周辺機器をすべて外して再起動
- USB メモリ
- 外付け HDD / SSD
- カードリーダー / SD カード
- プリンター / スキャナー
- ゲームコントローラー など
これらをすべて取り外し、電源を切って 10 秒ほど待ってから再度電源を入れます。
特に、以前 OS インストールに使った USB や、ブート可能なディスクが挿さったままだと、そちらから起動しようとしてエラーになるケースが多いです。
BIOS/UEFI の起動順序を確認する
周辺機器を外しても改善しない場合は、BIOS/UEFI 画面で起動順序(Boot Priority)を確認します。
- PC の電源を入れた直後に、Del や F2、F10、F12 など(機種による)を連打して BIOS/UEFI 設定画面に入る
- Boot や 起動 に関するメニューを開く
- 起動順序(Boot Order / Boot Priority)で、Windows がインストールされている内蔵 SSD/HDD が最優先になっているか確認
- USB やネットワークブート(PXE)が最優先になっていたら、順位を入れ替えて保存(Save & Exit)
もし最近 BIOS/UEFI をいじった記憶があれば、「デフォルト設定に戻す(Load Setup Defaults / Optimized Defaults)」を適用するのも一つの手です。
インストール USB / 回復ドライブを用意する(別 PC が使える場合)
これ以降の修復手順では、Windows のインストール USB もしくは回復ドライブがあると作業がスムーズです。起動しない PC では作れないため、別の正常に動く Windows PC を使います。
Windows 10 インストール USB の作成(メディア作成ツール)
- 8GB 以上の空の USB メモリを用意(中のデータは削除されるため注意)
- 正常な Windows PC から Microsoft 公式のメディア作成ツールをダウンロード・起動
- 「別の PC 用にインストール メディアを作成する」を選択
- 言語・エディション・アーキテクチャ(32bit/64bit)を選択(通常は既定のままで OK)
- 「USB フラッシュ ドライブ」を選択し、作成先の USB メモリを指定
- 完了するまで待つと、Windows 10 インストール USB が完成
回復ドライブの作成(あると便利)
正常な Windows 10 PC なら、回復ドライブも作成できます。
- スタートメニューで「回復ドライブ」と検索
- 「回復ドライブの作成」を開き、画面の指示に従って USB に回復ドライブを作成
インストール USB / 回復ドライブができたら、起動しない PC 側で使用します。
回復環境から「スタートアップ修復」を実行する
USB から起動して回復オプションを開く
- 問題のある PC に、作成した インストール USB または回復ドライブを挿す
- 電源を入れ、必要なら F12 や F8、Esc などで一時的な起動メニューを出し、USB から起動する
- 「Press any key to boot from USB」のような表示が出た場合は任意のキーを押す
- Windows セットアップ画面が表示されたら、言語等を選択して「次へ」
- 画面左下の「コンピューターを修復する」をクリック
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」を選択
スタートアップ修復を実行すると、Windows が自動的に以下のようなチェック&修復を試みます。
- ブートローダーや BCD の不整合チェック
- システムファイルの基本的な整合性チェック
- 起動設定の修正
ここで直ればベストです。失敗した場合でも、「詳細オプション」→「コマンド プロンプト」からさらに踏み込んだ修復を行えます。
WinRE のコマンドプロンプトで手動修復する
ここからは少し上級者向けですが、状況次第では非常に有効です。可能であれば、大切なデータのバックアップを事前に取ることを強くおすすめします(後述の「データ保全のポイント」も参照)。
前提:ドライブ文字の確認
回復環境(WinRE)のコマンドプロンプトでは、Windows が入っているパーティションに C: が割り当てられていない場合があります。そのため、まず どのドライブに Windows フォルダがあるかを確認しましょう。
dir C:\
dir D:\
dir E:\
と順番に確認し、Windows フォルダがあるドライブ文字を特定します。この記事では説明の便宜上、Windows フォルダが C ドライブにある前提で進めます。
ディスクの不良セクタ検査・修復(chkdsk)
ストレージに不良セクタがあると、Winload.exe/efi の読み込み時に I/O エラーが発生することがあります。まずは chkdsk で検査&論理修復を行います。
chkdsk C: /f /r
/f:検出したエラーを修復/r:不良セクタを検査し、読み取り可能な情報を回復
容量や状態によっては非常に時間がかかる場合があります。途中で電源を切らないように注意してください。
エラーや不良セクタが大量に出てくる場合は、ストレージ自体の寿命が近い可能性が高く、早めの交換やデータ退避が必須です。
オフライン SFC によるシステムファイル修復
次に、システムファイル破損の有無をチェックします。回復環境からのため、オフライン SFC と呼ばれる形式で実行します。
sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=C:\Windows
/offbootdir:ブートパーティションのルート(通常はC:\)/offwindir:Windows フォルダのパス(通常はC:\Windows)
実行後、破損ファイルがあれば可能な範囲で修復されます。ここで問題が解消すれば、再起動して様子を見ましょう。
Legacy BIOS(MBR)環境でのブート領域修復(bootrec)
古めの PC や MBR 形式でインストールされた Windows では、bootrec コマンドが有効です。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd
/fixmbr:マスターブートレコード(MBR)を書き直す/fixboot:システムパーティションに新しいブートセクタを書き込む/scanos:インストールされている Windows を検索/rebuildbcd:BCD ストアを再構築し、起動エントリを作り直す
注意:bootrec /fixboot 実行時に「アクセスが拒否されました」エラーが出る場合があります。UEFI+GPT 構成で起きやすく、その場合は次の bcdboot を用いた方法が有効です。
UEFI 環境での EFI パーティション&BCD 再生成(diskpart + bcdboot)
最近の PC はほとんどが UEFI + GPT 構成です。この場合、EFI システムパーティションに BCD 情報が置かれており、ここを整える必要があります。
1. EFI パーティションにドライブ文字を割り当てる
まず diskpart で EFI パーティションを特定し、一時的にドライブ文字(ここでは Z:)を割り当てます。
diskpart
list vol
表示されたボリューム一覧から、
- ファイルシステム:FAT32
- 種類(Type):システム などと表示されているもの
を探します。そのボリューム番号(例:3)を使って次を実行します。
select vol 3 (← EFI のボリューム番号)
assign letter=Z
exit
2. bcdboot で BCD を再生成する
次に bcdboot コマンドで、Windows フォルダから起動に必要なファイルと BCD を EFI パーティションに展開します。
bcdboot C:\Windows /s Z: /f UEFI /l ja-JP
C:\Windows:Windows のインストールパス/s Z::EFI システムパーティションのドライブ文字/f UEFI:ターゲットを UEFI ブートに指定/l ja-JP:ロケール(日本語)
成功メッセージが出たら PC を再起動し、USB メディアを抜いて通常起動できるか確認します。
システムの復元 / PC 初期化 / クリーンインストールの使い分け
ここまでの修復で直らない場合は、OS 側を「巻き戻す・作り直す」方向の対処を検討します。
| 方法 | 特徴 | データへの影響 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| システムの復元 | 復元ポイントがある日時まで Windows の状態を戻す | 通常はユーザーデータは保持されるが、確実ではないためバックアップ推奨 | 特定の更新やドライバ導入後から不具合が出始めた場合 |
| この PC を初期状態に戻す(個人ファイルを保持) | Windows を再インストールし、アプリや設定を初期化 | 「個人ファイルを保持」を選べばユーザーフォルダのデータは残る(念のためバックアップ推奨) | OS がかなり不安定・破損しているがディスクは生きていそうな場合 |
| クリーンインストール | ディスクをフォーマットして Windows を完全に入れ直す | 基本的に全データ消去。事前バックアップが必須 | システムが重度に破損・汚染されている、または新しいストレージに入れ直したいとき |
いずれを選ぶにせよ、「データをどう守るか」を先に決めてから進めることが重要です。
ハードウェア故障の切り分け
ソフトウェア的な修復で改善しない場合、ストレージ自体の故障や、その他ハードウェアのトラブルを疑います。
ノート PC の場合
- USB 機器をすべて外した状態で起動確認
- 可能なら底面カバーを開け、M.2 SSD や 2.5 インチ SSD/HDD を一度抜いて挿し直す(リシート)
- 異音(カリカリ音や「カッコン」音)や異常な発熱がないか確認
分解が難しい機種も多いため、自信がない場合は無理をせず、メーカーサポートや修理業者に相談しましょう。
デスクトップ PC の場合
- ケースを開けて、システムディスクにつながっている SATA ケーブル・電源ケーブルを抜き差しする
- 別の SATA ポートに差し替えてみる
- 可能なら別の PC に問題のディスクを接続し、データが読めるか確認する
USB 接続の外付けケースなどに入れて接続すると、OS は起動しなくてもデータだけ救出することができる場合があります。
SMART 診断でストレージ健康状態を確認
多くの SSD/HDD は SMART(自己診断情報)を持っています。ベンダー提供の診断ツールやフリーソフトなどを使うと、
- 不良セクタの数
- 再割り当てセクタ数
- 予備領域の残量
などを確認できます。これらが悪化している場合は、迷わずデータ退避 → 新しいストレージへ交換を検討してください。
電源・メモリ・マザーボードの可能性
0xC00000E9 は主にストレージに関連しますが、
- 落雷や停電などの電源トラブル以降、頻繁にエラーが出る
- メモリエラーが多発している
- 他のストレージでも同様の異常が起こる
といった場合は、電源ユニットやメモリ、マザーボード自体のトラブルも疑われます。このレベルになると、自前での切り分けは難しいため、専門家への相談が無難です。
データ保全を最優先にするためのポイント
Winload.exe エラー「0xC00000E9」が出ても、ストレージ自体が完全に壊れていない限り、データはまだ読める可能性があります。特に、業務データや家族の写真などが入っている場合は、以下を意識しましょう。
- 書き込みを伴う操作(chkdsk /f /r など)を行う前に、可能ならデータバックアップを試みる
- 別 PC に接続して、ユーザーフォルダ(
C:\Users\ユーザー名)を丸ごとコピーする - Windows がどうしても起動しない場合は、Linux Live USB などを使ってファイルをコピーする方法もある
「とりあえずクリーンインストールしてしまえば直るかも」と考えてすぐにフォーマットしてしまうと、後からデータを救出することはほぼ不可能になります。
少し面倒でも、先にデータ確保 → その上で修復・再インストールという順番を心掛けてください。
再発予防と日常的なメンテナンス
運よく復旧できたとしても、同じトラブルが頻発するとストレスです。次のポイントを押さえておくと、同じようなエラーを減らせます。
- 起動順序を安定させる:
- USB ブートを最優先にしない
- 内蔵システムディスク(SSD/HDD)を一番上に
- 強制電源断をできるだけ避ける:
- フリーズしたときは、まず数分待つ・Ctrl+Alt+Del を試す
- どうしてもダメなときだけ長押しで切る
- 突然の電源障害対策:
- デスクトップ PC なら簡易 UPS の導入を検討
- 定期的なバックアップ:
- 外付け HDD や NAS、クラウドストレージに重要データを二重保存
- Windows の「バックアップと復元」やサードパーティ製バックアップソフトの活用
- ストレージの健康状態チェック:
- 半年〜1年に一度は SMART 情報やベンダーツールでチェック
- おかしな値が出始めたら早めの交換を検討
- 大型アップデート前に復元ポイントやイメージを作成:
これらを習慣化しておくと、0xC00000E9 のような起動エラーに遭遇しても、慌てずに対処しやすくなります。
よくある質問(Q&A)
Q. エラー 0xC00000E9 がたまに出るだけで、何回か再起動すると起動できます。放置して大丈夫?
A. 一時的な接触不良や USB 機器の影響の可能性もありますが、ストレージの初期不良や劣化のサインであることも多いです。少なくとも、直ちにバックアップを取り、SMART 診断などで状態を確認することをおすすめします。
Q. chkdsk /f /r を実行するとデータが消えるって本当?
A. chkdsk はファイルシステムの修復や不良セクタのマークを行うため、論理的には「直す」ためのコマンドです。ただし、既に破損が酷い場合は、修復の過程で利用できないファイルが増えたり、構造が変わってアクセスできなくなることがあります。重要なデータがある場合は、できる限り先にバックアップしてから実行するのが安全です。
Q. BIOS で SATA モードを AHCI から RAID(またはその逆)に変えたら起動しなくなりました。
A. SATA モードを変更すると、Windows が期待するストレージドライバと合わなくなり、起動できなくなることがあります。その場合は、元の設定に戻すのが基本です。どうしても設定を変えたい場合は、事前にレジストリやドライバの準備が必要になるため、慎重に計画してください。
Q. 「Winload.exe が見つかりません」と表示されます。ファイルだけコピーすれば直りますか?
A. 単に Winload.exe だけが問題というより、ブート構成(BCD)やシステム全体の整合性に問題があるケースがほとんどです。特定のファイルだけ別の PC からコピーするのはおすすめできません。この記事で紹介した スタートアップ修復 / SFC / BCD 再生成などで全体を整える方が安全です。
まとめ
- 0xC00000E9 は I/O 系の読み込み失敗が多く、USB 機器の干渉、ストレージ不良、BCD 破損、BIOS/UEFI 設定ミスなどが原因
- まずは周辺機器をすべて外し、起動順序を確認するだけでも直るケースがある
- 改善しなければ、インストール USB / 回復ドライブから「スタートアップ修復」を実行
- それでもダメなら、
chkdsk・sfc・bootrec・bcdbootといったコマンドでディスク・システムファイル・ブート領域を丁寧に修復 - 最後の手段として、システムの復元 / PC の初期化 / クリーンインストールを検討する
- 異音やエラー頻発時はストレージ故障の可能性が高いため、データ退避 → 交換を最優先で
- 日頃からバックアップとストレージ健康チェックを行うことで、同様のトラブル時にも落ち着いて対処できる
Winload.exe エラー「0xC00000E9」は、見た目のインパクトが大きく不安になりますが、原因を一つずつ切り分ければ、かなりの確率で復旧やデータ救出が可能です。この記事の手順を参考に、落ち着いて対処を進めてみてください。

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