Windows 11 でゲームをしていると、突然「PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50)」のブルースクリーンが出て強制再起動される——しかも原因が分からず再インストールを勧められることも少なくありません。本記事では、Battleye アンチチート更新後に発生した実例をもとに、OS を入れ直さずに「最終的に完全解決した」手順と考え方を、具体的かつ再現しやすい形で解説します。
症状の概要:Battleye 更新後に発生する PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50)
今回のケースでは、Windows 11 環境でオンラインゲームをプレイ中、特に負荷の高いシーンやマッチング直後などに、不定期にブルースクリーンが発生していました。表示される STOP コードは以下のとおりです。
- エラー名:PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA
- バグチェックコード:0x00000050
症状としては次のような特徴がありました。
- ゲーム起動直後〜プレイ中にランダムに BSOD(ブルースクリーン)が発生
- 日常作業(ブラウザ、Office など)ではほぼ発生しない
- イベントビューアでは「バグチェック 0x50」が記録されるのみで、決定的な原因は読み取りにくい
- Battleye アンチチート更新以降に発生頻度が急増
さらに問題をややこしくしていたのが、Battleye をアンインストールするとゲーム自体が起動しなくなる一方で、ブルースクリーンは依然として発生し続けるという点です。「Battleye だけが悪者ではない」ことがここで示唆されます。
検証に使用した環境
まずは、今回 BSOD が発生した環境を整理しておきます。同じような構成の方は、かなり高い確率で再現性があるパターンです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| OS | Windows 11(最新の累積更新プログラム適用済み) |
| マザーボード | GIGABYTE Z790 AORUS PRO X(BIOS 更新前は旧バージョン) |
| BIOS バージョン | 更新後:F7(更新前は F7 より古いリビジョン) |
| CPU / メモリ / GPU | 現行世代の Intel CPU + DDR5 メモリ + 最新世代 GPU(OC 設定なし) |
| ストレージ | NVMe SSD 上に Windows 11 とゲームをインストール |
| アンチチート | Battleye(BEDaisy.sys を含む最新バージョン) |
今回は GIGABYTE Z790 AORUS PRO X が具体例ですが、Z690/Z790 世代や同等のプラットフォームを使っている方にも同じアプローチが有効なケースが多いと考えられます。
PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50) とは何か
このブルースクリーンは、ざっくり言うと「カーネルが参照してはいけない(または存在しない)メモリアドレスにアクセスした」ときに発生するエラーです。特に「nonpaged area(非ページ領域)」と呼ばれる、物理メモリ上に常駐しているべき領域への不正アクセスが原因とされています。
このエラーが意味するのは、必ずしも物理メモリの故障だけではありません。原因の多くは次のいずれか、もしくは複合的な要因です。
- バグを含むカーネルモードドライバ(アンチチート、GPU ドライバ、ストレージドライバなど)
- BIOS/UEFI の不具合やメモリ関連設定(XMP、メモリトレーニングなど)
- 実際のメモリモジュールの故障や相性問題
- CPU・メモリ・GPU の過度なオーバークロック設定
今回のケースでは、Battleye のカーネルドライバ(BEDaisy.sys)と旧 BIOS の組み合わせが、特定のメモリアクセスパターンで不安定になっていたと考えられます。
調査の進め方:Event Viewer と Driver Verifier
原因を特定するために、まず Windows 標準のツールである Event Viewer(イベントビューア)と Driver Verifier(ドライバ検証ツール)を用いました。
イベントビューアでの確認ポイント
「Windows ログ」→「システム」で、バグチェックイベントを確認すると、STOP コード 0x50 とともに以下の情報が得られます。
- BugCheckCode:80(16進数 0x50)
- 実行中のプロセス名:ゲームの実行ファイルであることが多い
- 障害発生時刻:Battleye が起動したタイミングに近い
ログだけでは犯人ドライバまでは特定しづらいものの、「ゲーム中にのみ発生」「Battleye 更新以降に顕著」という時間的な関連性が見えてきます。
Driver Verifier によるドライバ監視
次に Driver Verifier を使い、サードパーティドライバに対してストレスチェックを行います。これは問題のあるドライバをあぶり出す強力な手段ですが、その分 BSOD を意図的に発生させることもあるため、慎重な運用が必要です。
Driver Verifier を有効化した状態でゲームを起動すると、比較的短時間で BSOD が再現され、そのミニダンプを解析したところ、スタック上に BEDaisy.sys が頻出していることが判明しました。
ただし、ここで重要なのは、「BEDaisy.sys = すべての原因」ではないという点です。ドライバ自体は正しく動いていても、プラットフォーム側(BIOS やメモリ設定)が不安定だと、そのドライバが「トリガー役」となって BSOD を引き起こすことがあります。
最終的な解決策:BIOS の更新で BSOD が完全収束
多数の切り分けを行った結果、最終的な恒久対策となったのが、マザーボード BIOS を最新バージョン(F7)に更新することでした。
具体的には、GIGABYTE Z790 AORUS PRO X で公式配布の BIOS「F7」にアップデートを実施。その後、以下の検証を行っています。
- MemTest86 を複数パス実行(エラーなし)
- Prime95 や GPU ベンチマークによる CPU/GPU 高負荷テスト(数時間)
- 問題のゲームを 6 時間以上連続プレイ
結果として、PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50) の BSOD は一度も発生せず、ランダム再起動も完全に収束しました。
BIOS 更新が効いた理由(推測)
ミニダンプ解析と挙動から、次のようなメカニズムが推測されます。
- 旧 BIOS では、DDR5 メモリまわりのトレーニングアルゴリズムや PCIe デバイスの扱いに改善の余地があった
- Battleye ドライバ(BEDaisy.sys)は、ゲーム起動時にカーネルレベルで高度なメモリアクセスとハードウェア監視を行う
- このタイミングで、旧 BIOS の挙動と BEDaisy.sys のアクセスパターンが噛み合わず、nonpaged 領域への不正アクセスが発生
- BIOS F7 ではメモリ管理やデバイス初期化に関する修正が入り、その結果 BSOD が解消された
つまり、このケースでは OS やゲームの再インストールではなく、プラットフォーム側(BIOS)の更新が本当の鍵になっていたと言えます。
BIOS 更新前に必ずやっておきたい準備
BIOS 更新は失敗すると最悪起動不可になるリスクもあるため、事前準備が非常に重要です。以下の表を参考にチェックリストとして活用してください。
| 手順 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| バックアップ | ユーザーデータ、ゲーム設定、ランチャーのログイン情報などを別ドライブやクラウドに退避 | ゲームのスクリーンショットフォルダなど、意外と見落としがちな場所も忘れずに |
| 現在の設定の控え | BIOS の XMP 設定、ファンカーブ、起動順序などをスマホで撮影するなどして記録 | 後で「元に戻せない」を防ぐために非常に有効 |
| 電源環境の確認 | 停電のリスクが低い時間帯に作業し、可能なら無停電電源装置(UPS)を利用 | 更新中の電源断は絶対に避ける |
| 不要な周辺機器の取り外し | USB 機器を最小限にしておく(キーボード・マウス・更新用 USB メモリのみなど) | 更新中のトラブル原因を減らす |
GIGABYTE Z790 AORUS PRO X での BIOS 更新手順
ここでは、今回実際に行った GIGABYTE Z790 AORUS PRO X を例に、具体的な BIOS 更新の流れを整理します。他メーカーでも概ね同様の流れなので、自分のマザーボードに置き換えて読んでください。
1. 最新 BIOS(F7)を入手する
- マザーボード製品名で検索し、メーカー公式サイトのサポートページを開く
- 「BIOS」タブから、最新バージョン(ここでは F7)をダウンロード
- ダウンロードした ZIP ファイルを、Windows 上で解凍
ダウンロード後は、ファイル名やバージョンをメモしておくと、更新後に「本当に新しい BIOS が入ったか」を確認しやすくなります。
2. USB メモリの準備
- 容量 1〜8GB 程度の USB メモリを用意(FAT32 形式でフォーマット)
- 先ほど解凍した BIOS ファイルを USB メモリのルートディレクトリにコピー
- USB メモリは、マザーボード背面の USB ポート(できれば 2.0 ポート)に接続する想定で準備
3. Q-Flash で BIOS を更新
GIGABYTE の場合、UEFI 画面から「Q-Flash」を利用して BIOS を更新できます。おおまかな流れは以下の通りです。
- PC を再起動し、POST 中に Delete キー などで UEFI セットアップ画面に入る
- UEFI 内のメニューから 「Q-Flash」 を選択
- 接続した USB メモリを選び、BIOS ファイル(例:Z790APX.F7 など)を指定
- 確認ダイアログで「OK」を選び、更新処理が完了するまで絶対に操作せず待つ
- 自動再起動後、もう一度 UEFI に入り、バージョンが F7 になっていることを確認
更新中は、電源オフ・リセットボタン・USB の抜き差しをしないことが鉄則です。
4. CMOS リセット/設定初期化
BIOS 更新後は、旧設定との齟齬を防ぐために設定を初期化しておくと安定しやすくなります。
- UEFI メニューから 「Load Optimized Defaults」 を実行
- 必要に応じて、起動ドライブの順番、XMP 設定、ファンカーブなどを再設定
特にメモリは、XMP(または EXPO)を有効にした状態で安定性検証を行うのが重要です。XMP で不安定になる場合は、一時的に Auto に戻してテストし、メモリか設定かを切り分けます。
更新後に行うべき安定性テスト
BIOS 更新が完了したら、「問題が再発しないか」を確認するためのテストを行います。以下のように段階を分けると原因切り分けがしやすくなります。
| フェーズ | テスト内容 | 目的 |
|---|---|---|
| フェーズ 1 | MemTest86 を 2〜4 パス実行 | メモリモジュールに物理的なエラーがないか確認 |
| フェーズ 2 | Prime95(Small FFT / Blend)や GPU ベンチマークを 1〜2 時間実行 | CPU・メモリ・GPU の高負荷時に BSOD やフリーズが出ないか確認 |
| フェーズ 3 | 問題のゲームを 3〜6 時間プレイ | Battleye 起動時やゲーム特有の負荷で BSOD が出ないか確認 |
今回のケースでは、フェーズ 3 まで一通り実施しても BSOD が一切発生せず、PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50) が実質的に解消されたことを確認できました。
追加で行った対策・確認事項
BIOS 更新が主役ではありますが、あわせて実施しておくと安心な対策もいくつかあります。再発防止や別原因の切り分けとして役立つので、順番に紹介します。
Driver Verifier の無効化(後片付け)
Driver Verifier はドライバの問題をあぶり出すには有効ですが、有効化したまま普段使いすると、かえって BSOD を誘発しやすくなります。テストが終わったら、必ず無効化しておきましょう。
管理者権限のコマンドプロンプトまたは PowerShell を開き、以下のコマンドを実行します。
verifier /reset
その後、再起動することで設定が解除されます。これを忘れると、「直ったはずなのに BSOD が続く」という誤解につながるので要注意です。
Battleye の再インストール・ゲームファイル整合性チェック
Battleye を一度削除したり、手動でファイルを消している場合は、ゲームランチャーの機能を使ってファイルの整合性チェックと Battleye 再インストールを行います。
- 各ゲームランチャーの「ゲームファイルの検証」「修復」などのメニューを実行
- 不足している Battleye 関連ファイルがあれば自動的に再配置される
- ゲームごとにフォルダ配下の「BattlEye」ディレクトリが正しく作成されているか確認
BIOS 更新後に最新の Battleye がクリーンな状態で導入されることで、ドライバレベルの競合要因をさらに減らすことができます。
メモリエラー診断
BIOS 更新後も、もし BSOD が断続的に発生するようであれば、物理メモリの問題も視野に入れます。
- Windows 標準の「Windows メモリ診断」を実行
- それでも不安な場合は、MemTest86 を USB から起動し、複数パスを実行
- エラーが出るメモリモジュールがあれば、スロットを変えたり、1 枚ずつ差し替えて検証
メモリモジュール自体に問題がある場合、BIOS 更新だけでは根本解決できないため、このステップは非常に重要です。
ストレージ・ファイルシステムのチェック
PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA は主にメモリまわりのエラーですが、ストレージ異常が間接的に関係しているケースもあります。念のため、以下も行っておくと安心です。
- システムドライブとゲームインストールドライブに対して
chkdskを実行 - 各メーカー提供の SSD ツールでヘルスチェックを実施
ストレージが不安定だと、ドライバやゲームの読み込み時に異常が発生し、それが BSOD につながることもあります。
「クリーンインストール」は本当に最終手段でよい理由
PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50) が出ると、「Windows をクリーンインストールした方が早い」と勧められることがあります。しかし、今回のように原因が BIOS やドライバレベルにある場合、OS を入れ直しても再発する可能性が高いのが実情です。
OS 再インストールをする前に、次の優先順位で対処することをおすすめします。
- マザーボード BIOS を最新化する
- チップセット・GPU・LAN など主要ドライバを最新バージョンに更新
- ミニダンプ解析で、問題を起こしている可能性の高いドライバを特定
- メモリやストレージなどハードウェアの簡易診断を実施
これらをひと通り試してもなお BSOD が頻発する場合に、初めてクリーンインストールを検討する、という順番が現実的です。
他の環境でも活かせるチェックリスト
今回の事例は GIGABYTE Z790 AORUS PRO X + Battleye という組み合わせでしたが、同じ PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50) で悩んでいる他の環境でも、次のチェックリストは有効です。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 1. BIOS バージョン | マザーボードメーカーのサポートページで、現在より新しい BIOS が出ていないか確認 |
| 2. メモリ設定 | XMP/EXPO が有効な場合、一度無効にして BSOD が減るか検証 |
| 3. アンチチートドライバ | Battleye や他のアンチチートの更新有無を確認し、再インストールやゲームファイルの検証を実施 |
| 4. GPU ドライバ | 最新ドライバへの更新、もしくは一つ前の安定バージョンにロールバックして挙動を比較 |
| 5. ハードウェア診断 | MemTest86 やストレージ診断ツールで物理的な故障がないか確認 |
特に「ゲーム中だけ BSOD が出る」「アンチチート更新後からおかしい」という場合、BIOS とアンチチートドライバの相性を疑う価値は十分にあります。
よくある質問(FAQ)
Q. BIOS 更新は危険ですか?素人がやっても大丈夫?
確かに、BIOS 更新は電源断などが起きると最悪起動不能になるリスクがあります。しかし、メーカーが案内している手順通りに実施し、事前準備と電源の確保をしっかり行えば、現実には多くのユーザーが問題なく更新できています。
逆に、今回のような メモリ管理やデバイス初期化の不具合を放置しておく方が、長期的にはリスクと言えるケースもあります。十分に準備したうえで、落ち着いて実施しましょう。
Q. 他社マザーボードでも同じように BIOS 更新すれば直りますか?
「必ず直る」とは言えませんが、PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50) やアンチチート関連 BSOD が発生している場合、最新 BIOS への更新はかなり高い優先度で検討する価値があります。各社とも、リリースノートにすべてを書ききれていない細かな修正が含まれていることも多いためです。
Q. Windows の再インストールを先に試してもいいですか?
もちろん選択肢としてはありますが、今回のように BIOS 起因の問題では、OS を入れ直しても BSOD が再発する可能性が高いです。時間と労力を考えると、先に BIOS とドライバの最新化、メモリ・ストレージの診断など、ハードウェア寄りの対策から着手することをおすすめします。
Q. Battleye 以外のアンチチートでも同じようなことは起こりますか?
はい、GameGuard やその他のカーネルレベルで動作するアンチチートでも、似たような仕組みでシステムを監視しています。そのため、「特定のアンチチートを導入しているゲームだけ BSOD が出る」といった場合、アンチチートそのものの不具合だけでなく、BIOS やドライバとの相性も疑うべきです。
まとめ:まずは BIOS とドライバを最新にし、Dump 解析で原因を絞り込む
Battleye アンチチート更新後に発生した PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50) ブルースクリーンは、GIGABYTE Z790 AORUS PRO X の BIOS を最新バージョン(F7)に更新することで、最終的に完全収束しました。
- PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA (0x50) は、nonpaged 領域への不正アクセスが原因で発生する BSOD
- アンチチートドライバ(BEDaisy.sys など)はカーネルレベルで動作するため、BIOS やメモリ設定との相性問題が表面化しやすい
- BIOS 更新により、メモリ管理や PCIe デバイス初期化の不具合が解消され、BSOD が発生しなくなったと考えられる
同様の症状で悩んでいる場合は、いきなり Windows のクリーンインストールに踏み切るのではなく、
- 最新 BIOS の適用
- チップセット・GPU・アンチチートドライバの更新
- ミニダンプ解析による原因ドライバの特定
- メモリ・ストレージ診断によるハードウェアの健全性確認
といったステップを優先して実施することを強くおすすめします。これにより、OS を再インストールせずに BSOD を根本から解消できる可能性が大きく高まります。
「ゲーム中だけ突然ブルースクリーンになる」「Battleye 更新後から挙動がおかしい」と感じている方は、ぜひ一度、マザーボード BIOS を含むプラットフォーム全体のアップデートと、Dump 解析による原因の絞り込みに取り組んでみてください。

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