BluetoothでHID準拠ゲームコントローラーをつなぐたびにブルースクリーン(BSOD)が出てしまうと、ゲームどころか通常作業すらできずかなり困ります。本記事では、原因とされることが多い xinputhid.sys(XInput HIDフィルタードライバー)の不整合にフォーカスし、「システムの復元」と「セーフモードからの手動修復」の2本立てで、できるだけ安全かつ再現性の高い復旧手順を詳しく解説します。
症状:Bluetooth接続時にだけブルースクリーンが発生する
まず、今回のトラブルの典型的なパターンを整理しておきます。
- 「HID 準拠ゲーム コントローラー」や「Bluetooth LE XINPUT 互換入力」などのドライバーを更新したタイミングから不調が始まる
- ゲームパッドをBluetoothで接続した瞬間、または数秒後にブルースクリーンが発生する
- エラーは「SYSTEM_SERVICE_EXCEPTION」などのSystem Exception系で、原因モジュールに
xinputhid.sysが表示されることが多い - USB(有線)接続では問題が出ない、もしくは出にくい
- デバイス マネージャーからドライバーを削除しても症状が続く
- ゲームコントローラーのドライバーを更新したあと、「ドライバーのロールバック」ボタンがグレーアウトして戻せない
| 現象 | よくある状況 |
|---|---|
| Bluetooth接続のたびにBSOD | ドライバーをWindows Update/デバイス マネージャーで更新した直後 |
| USB接続では問題なし | Bluetooth経由の時だけ落ちるため、Bluetoothスタック+HID周りが疑わしい |
| ロールバックが使えない | 「ドライバーのロールバック」がグレーアウトし、旧版に戻せない |
| ミニダンプでxinputhid.sysが原因 | BSOD解析ツールで「原因モジュール」にxinputhid.sysが出ている |
これらに当てはまる場合、xinputhid.sys と HID/Bluetoothドライバーの不整合が発端になっている可能性が非常に高いです。
原因:xinputhid.sys と HIDドライバーの不整合・破損
ブルースクリーンのミニダンプを解析すると、原因モジュールとして「xinputhid.sys」が指摘されるケースが多く報告されています。このファイルは、XInput対応デバイス(Xbox系コントローラーなど)の入力を扱うHIDフィルタードライバーです。
問題が起きる典型的な流れは次のようなイメージです。
- HID準拠ゲームコントローラーやBluetooth関連のドライバーを更新する
- ドライバーのバージョンや署名、依存関係が以前のものと噛み合わなくなる
- しかし DriverStore(
C:\Windows\System32\DriverStore配下)には古いドライバーや中途半端な状態のファイルが残ってしまう - Bluetoothでゲームパッドが接続された瞬間に
xinputhid.sysが動き出し、不整合な状態でカーネルモードの例外が発生 → BSOD
| 原因候補 | 内容 | 優先度 |
|---|---|---|
| xinputhid.sysの破損 | ファイル自体が壊れている、または誤ったバージョンに置き換わっている | 高 |
| HIDゲームコントローラーのドライバー不整合 | Bluetooth経由で使うXInput関連デバイスだけ新旧混在している | 高 |
| Bluetoothスタックの不具合 | Bluetoothアダプター+プロトコル層の更新により、HIDとの連携が不安定 | 中 |
| システムファイルの整合性崩れ | Windows Updateの途中失敗などにより、関連ファイルの整合性が取れていない | 中 |
単にデバイス マネージャーで「デバイスのアンインストール」を行っても、DriverStoreの中身まではクリーンにならないため、不整合な状態がそのまま残ってしまうことがあります。このため、
- 復元ポイントが使えるならシステムの復元で一気に巻き戻す
- 難しい場合は、セーフモードでドライバーとファイルを順番に整えていく
という2段構えのアプローチが有効です。
解決の全体像:AかBのルートで進める
本記事では、次のような順番で復旧を進めていきます。
| ルート | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|
| A:システムの復元 | ドライバー更新前の復元ポイントに戻す。最短で済むことが多い。 | 低(GUI操作のみ) |
| B:手動修復 | セーフモード → HID/Bluetoothデバイス再構成 → xinputhid.sys自動再取得 → SFC/DISM → Bluetooth再導入 | 中〜やや高 |
復元ポイントが残っているなら、まずはAルート(システムの復元)を試すのが最も効率的です。復元ポイントがない、失敗する、あるいは企業ポリシーで無効化されている場合は、Bルートの「手動での修復手順」に進みましょう。
復元ポイントがある場合:システムの復元で一気に戻す
ドライバー更新前に自動または手動で復元ポイントが作成されていれば、システムの復元が最短の解決策になります。
システムの復元の手順(Windows 10 / 11)
- スタートメニューを開き、「復元ポイント」と入力して「復元ポイントの作成」を開く
- 「システムの保護」タブを開き、中央の「システムの復元」ボタンをクリック
- 案内に沿って進み、問題が起きる前の日付の復元ポイントを選択
- 内容を確認して「完了」をクリックし、復元を実行
- 自動的に再起動が行われ、復元処理が完了するまで待つ
復元が成功すると、ドライバー更新前の状態に戻るため、多くのケースでBluetooth接続時のBSODは解消します。もし復元後も同じ症状が出る場合は、何らかの更新がさらに重なっている可能性があるため、このあと紹介する手動修復ルートに進んでください。
復元ポイントが使えない場合:手動での修復手順
ここからは、復元ポイントがない/使えない場合を想定した、手動での復旧手順です。おおまかな流れは次のとおりです。
- セーフモードで起動する
- 問題のHID準拠ゲームコントローラーやXInput関連デバイスをアンインストールし、再構成する
- 必要なら
xinputhid.sysをリネーム/削除してWindowsに正しい版を再配置させる - SFC/DISMでシステムファイルの整合性を修復する
- Bluetoothスタック(Bluetoothアダプターのドライバー)を入れ直す
- Windows Updateのオプションドライバーを控えめに運用する
| ステップ | 目的 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| セーフモード | 最小限のドライバーだけ読み込む | BSODを回避しつつ問題ドライバーを操作できる |
| HIDデバイス再構成 | 不整合なHID/XInputデバイスを一度取り除く | DriverStoreからのクリーンな再インストールを促す |
| xinputhid.sys修復 | 破損/誤バージョンを排除 | Windowsに正しいxinputhid.sysを再配置させる |
| SFC/DISM | システムファイル全体の整合性チェック | OS側の土台の不具合を是正 |
| Bluetooth再導入 | Bluetoothスタックをクリーンな状態に | HIDとの組み合わせ不具合を軽減 |
セーフモードでWindowsを起動する
まずは、BSODを回避しつつ作業できるようにセーフモードで起動します。Windows 10 / 11 共通の方法は次のとおりです。
- 「設定」→「システム」→「回復」を開く
- 「PC の起動をカスタマイズする」の項目で「今すぐ再起動」をクリック
- 再起動後に表示される青い画面で「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」を選択
- 「再起動」ボタンをクリック
- 再起動後、番号付きの一覧が出るので、「4)セーフモードを有効にする」または「5)ネットワーク有効のセーフモード」を選択
Bluetooth接続がトリガーになっている場合、セーフモードではBluetooth機能が限定されるため、BSODが発生しにくくなり、安全にドライバー周りの操作が行えます。
問題のHID準拠ゲームコントローラー/XInputデバイスを再構成
次に、ゲームコントローラー関連のデバイスをいったん削除し、Windowsにクリーンな形で再認識させます。
デバイス マネージャーでの操作
- スタートボタンを右クリックし、「デバイス マネージャー」を開く
- 「ヒューマン インターフェイス デバイス」を展開する
- 次のような名前のデバイスを探す
- 「Bluetooth LE XINPUT 互換入力」
- 「XINPUT 互換 HID」
- 「HID 準拠ゲーム コントローラー」
- メーカー名+Gamepad / Controller が付いたHIDデバイス
- 該当するデバイスを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択
- 項目によっては「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除する」のチェックボックスが出るので、表示される場合はチェックを入れる
- すべての対象デバイスのアンインストールが終わったら、PCを再起動(通常モード)する
再起動すると、WindowsがDriverStoreからドライバーを再度読み込み、ゲームコントローラーを自動的に再認識します。ここでまだBSODが出るようであれば、次のステップとして xinputhid.sys の修復に進みます。
なお、この操作中にキーボードやマウスのHIDデバイスは原則として削除しないことをおすすめします。誤って削除しても再起動で戻ることがほとんどですが、作業中に入力ができなくなると手間が増えるためです。
それでも落ちる場合:xinputhid.sys をリネームして再取得させる
HIDデバイスの再構成後もBluetooth接続でBSODが続くようであれば、xinputhid.sys の破損や不整合が残っている可能性があります。この場合、Windowsに正しいファイルを再配置させるために、一度ファイルを退避(リネーム)します。
作業手順
- 再度セーフモードで起動する
- エクスプローラーを開き、アドレスバーに次のパスを入力して移動する
C:\Windows\System32\drivers - ファイル一覧から
xinputhid.sysを探す - ファイルを右クリック →「名前の変更」で、例として
xinputhid.sys.bakのようにリネームする
(削除する場合はごみ箱へ移動でも可ですが、戻しやすさを重視してリネーム推奨) - PCを再起動(通常モード)する
再起動時に、Windowsは不足しているシステムドライバーを検出し、正しいバージョンの xinputhid.sys を自動的に配置します。そのうえでゲームコントローラーをBluetooth接続して、BSODが解消しているかを確認してください。
一時的にXInputの機能を使うゲームが正しく動作しない可能性がありますが、正常なドライバーが再配置されれば通常は自動的に復旧します。
SFC / DISM でシステムファイル全体の整合性を整える
ドライバー周りだけでなく、OS全体のファイル整合性が崩れていると、xinputhid.sys 以外の部分で不安定要素が残ることがあります。ここでSFC(システムファイルチェッカー)とDISMを実行して、Windowsのシステムファイルを総点検しましょう。
コマンドの実行手順
- スタートボタンを右クリックし、「ターミナル(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を開く
- 以下のコマンドを順番に実行する
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow: システムファイルの整合性をチェックし、問題があれば自動修復DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth: Windowsイメージ自体の破損を修復し、SFCが正しく動ける土台を整える
どちらのコマンドも完了まで時間がかかる場合があります。途中でPCを操作せず、最後まで待ってから再起動してください。これにより、xinputhid.sys を含むシステムファイル全体の信頼性が向上します。
Bluetoothスタック(Bluetoothアダプター)の再導入
問題がBluetooth接続時にだけ発生するのであれば、Bluetoothアダプター側のドライバーとの相性や不整合も疑うべきです。次の手順で、Bluetoothスタックを一度きれいに入れ直します。
- スタートボタンを右クリックし、「デバイス マネージャー」を開く
- 「Bluetooth」を展開する
- 次のような名前のデバイスを探す
- 「Intel(R) Wireless Bluetooth(R)」
- 「Realtek Bluetooth Adapter」
- 「Mediatek Bluetooth Adapter」など、PCメーカーやチップベンダー名付きアダプター
- 該当アダプターを右クリックし、「デバイスのアンインストール」を選択
- 表示される場合は「このデバイスのドライバーソフトウェアを削除する」にチェックを入れる
- PCを再起動する
再起動後、Windowsは標準ドライバーもしくはWindows Updateから適切なBluetoothドライバーを再インストールします。PCメーカーが配布している専用ドライバーが必要な機種では、メーカーサイトから最新版をダウンロードして上書きインストールするとより安定します。
そのうえで、次の手順でゲームコントローラーを再ペアリングしてください。
- 「設定」→「Bluetooth とデバイス」→「デバイスの追加」
- 「Bluetooth」を選択し、コントローラー側をペアリングモードにする
- 一覧に表示されたコントローラーを選択して接続
- 接続後、しばらく様子を見てBSODが出ないか確認する
Windows Updateとドライバー更新の付き合い方
一度安定したあとに再発させないためには、Windows Updateのドライバー更新をどう扱うかもポイントになります。
- 月例の累積更新(セキュリティ更新)は基本的に適用する
- 「オプションの更新」内のドライバー更新は、当面は様子見にする
- 大きなドライバー更新を行う前に、復元ポイントを手動で作成しておく
- 作業中は「設定」→「Windows Update」→「更新の一時停止」で、思わぬタイミングの自動更新を避ける
特に、BluetoothやHID、チップセット周りのドライバーは一度安定したらむやみに更新しないほうが安全な場合があります。ゲーム用PCでは、安定性を優先して慎重に更新を選ぶのがおすすめです。
ミニダンプで本当に xinputhid.sys が原因か確認する
ここまでの手順は、xinputhid.sys が原因であるケースを想定しています。念のため、BSOD発生時のミニダンプファイルを確認しておくと安心です。
ミニダンプファイルの場所
Windowsが標準設定であれば、ミニダンプファイルは次のフォルダーに保存されています。
C:\Windows\Minidump\
ファイル名は MiniMMDD-XX.dmp のような形式で、BSOD発生ごとに新しいファイルが生成されます。
確認のポイント
専門的な解析ツール(WinDbgや BlueScreenView など)を使うと詳しい情報を確認できますが、最低限次のポイントを確認すれば十分です。
- 「バグチェックコード」が System Exception 系(
SYSTEM_SERVICE_EXCEPTIONなど)になっているか - 「原因モジュール」や「Image Name」に
xinputhid.sysが表示されているか
もし別のドライバー名(例:Bluetoothアダプターのドライバー、グラフィックドライバーなど)が原因として表示されている場合は、そのドライバーに対しても、ここで紹介した「アンインストール → 再起動 → 再インストール」の流れを応用してください。
再発防止のコツ:ドライバー更新とバックアップの習慣づけ
同じトラブルを繰り返さないために、次のポイントを意識しておくと安心です。
復元ポイントとバックアップをこまめに
- 大きなドライバー更新やGPUドライバー入れ替え前には、手動で復元ポイントを作成する
- ゲーム用PCでも、システムドライブのイメージバックアップ(Windows標準機能やサードパーティーツール)を定期的に取っておく
- クラウドストレージや外付けHDDに、設定ファイルやセーブデータも退避しておく
オプションのドライバー更新は様子見する
- とくに問題がなければ、オプション扱いのドライバー更新は「しばらく見送る」選択肢も有効
- 新ドライバーに不具合報告が出ていないか、ネットで軽く確認してから適用する
- 複数のドライバーを一度に更新せず、1種類ずつ更新 → 様子を見ることで問題箇所を切り分けやすくする
周辺機器側のファームウェアも確認する
一部のゲームコントローラー(公式Xboxコントローラーなど)は、専用アプリからファームウェア更新が提供されていることがあります。古いファームウェアとの組み合わせで不具合を起こす場合もあるため、公式アプリやメーカーサイトもチェックしておくと良いでしょう。
それでも直らないときに試したい追加チェック
上記の対処をひと通り実施しても改善しない場合は、以下の観点も確認してみてください。
USB接続で安定するかの確認
- 同じコントローラーをUSBケーブルで接続した場合にBSODが出るかを確認する
- USBでは安定する場合、問題はほぼBluetoothスタックかその周辺に絞られる
- USBでも落ちる場合は、コントローラー自体の故障や他ドライバーとの競合も疑う
他のPCで再現するか
- 別のPC(できれば別バージョンのWindows)に同じコントローラーをBluetooth接続してみる
- 他のPCでも落ちるなら、コントローラー側の問題の可能性が高い
- 他のPCでは正常に動くなら、問題は元のPCのWindows環境に限定される
常駐ソフトや入力関連ツールとの相性
マクロツール、入力監視ツール、オーバーレイ表示アプリなど、入力やゲーム画面に関わる常駐ソフトが多いと、HIDドライバーとの相性問題が発生することがあります。
- ゲームバー/録画ツール/オーバーレイ系ソフトを一時的に停止して動作確認する
- ゲーミングデバイス用ソフト(例:マウス・キーボードのカスタマイズソフト)のバージョンを最新版にする
- セキュリティソフトがドライバーの読み込みをブロック/監視していないか確認する
それでもダメな場合の最終案
ここまで試しても解決しない場合、Windows自体の深刻な破損や環境要因の可能性が高くなります。その場合の最終手段としては、次のような方法が考えられます。
- インプレースアップグレード(Windows上書きインストール)
ユーザーデータを保持したまま、Windows 10/11 を上書きインストールしてOSファイルを再構築する方法です。 - クリーンインストール
システムドライブを初期化してWindowsを入れ直す方法で、最も手間はかかりますが環境起因のトラブルはほぼ解消できます。
企業端末や組織管理下のPCの場合、ローカルでのドライバー操作や再インストールに制限があることも多いため、必ずシステム管理者や情シス担当へ相談してから実行してください。
まとめ:xinputhid.sysを疑い、AかBのルートで着実に修復する
HID準拠ゲームコントローラーをBluetooth接続したときにだけブルースクリーンが出る問題は、
xinputhid.sysを含むXInput/HID関連ドライバーの不整合- Bluetoothスタックとの組み合わせ不具合
が主な原因となるケースが多く、その場しのぎのアンインストール/再起動だけでは解決しないことがあります。
最短で復旧したい場合は、まずドライバー更新前の復元ポイントがあるか確認し、「システムの復元」で巻き戻す(Aルート)。復元ポイントが使えないときは、
- セーフモードで起動
- 問題のHID・XInput・Bluetoothデバイスをアンインストールして再構成
- 必要なら
xinputhid.sysをリネーム/再取得 - SFC / DISMでシステムファイルを整える
- Bluetoothスタックをクリーンに再導入
というBルート(手動修復)を上から順に実施することで、かなりの確率で改善が見込めます。
作業前には、できるだけ復元ポイントやバックアップを取り、System32配下の操作はリネームで退避しながら慎重に進めることが安全です。本記事の手順を参考に、HID準拠ゲームコントローラーとBluetoothを快適に使える環境を取り戻していただければ幸いです。

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